第11位「キッズ・シー・ゴーストの”Reborn”あるいはカニエ・ウェストの”Ghost Town”」(今年2018年に出た最も偉大なるヒップホップ曲ランキング)

どちらも幽霊に関するお話です。

この2曲は今年の夏真っ盛り6月〜7月にかけてリリースされた曲ですが,まさに真夏に涼しい気分にしてくれる「夏の風物詩」である「幽霊」をモチーフにした2曲でした。

曲の内容や対訳については,こちらを確認していただくこととして,ここではほんの少しだけ,この2人(カニエ・ウェストとキッド・カディ)の存在について話します。

ギャングスタ・ラップとかハスラー・ラップとかコンシャス・ラップとか,ラップの中でもいろいろなサブ・ジャンルが存在する中で,「今まで誰もやらなかったこと」をやってきた2人が,カニエ・ウェストとキッド・カディでした。その「今まで誰もやらなかったこと」とは何か,と言えば,大きく分けて3つあります。

1.弱者もしくは「一番ヒップホップから程遠いもの」の味方をしている。
2.カニエにしてもカディにしても,じぶんが「変人」と思われることを厭わない。
3.常にヒップホップの「外」にいる存在として,常にヒップホップに「新しい風」を入れ,マンネリ化しそうな局面にあったヒップホップを換気し,救い出し,空気を入れ換えてくれていた。

今年2018年はややもすると「ドレイクの年」と言われかけそうになっていたところを,カニエ・ウェストやキッド・カディが出てきて,新しい「ちょっと変わった」風を入れてくれました。ドレイクとトラヴィス・スコットの「SICKO MODE」の曲がラジオで一日中流れている中,キッズ・シー・ゴーストやカニエの曲が聞こえてくると,やはり新鮮さを感じさせます。

「ヒップホップの換気扇」として外の空気と入れ替えてくれていたカニエとカディのミュージックビデオを以下に載せておきます。

第11位:Kids See Ghosts – “Reborn”

そしてもうひとつ第11位:Kanye West feat. 070 Shake, John Legend & Kid Cudi – “Ghost Town”

(文責:Jun Nishihara)

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