これ程までに,同業者から愛されているラッパーは,今までいなかったでしょう。
いわゆるヒップホップ業界で勤めている人間,つまり,ラッパーやプロデューサー,そしてDJ達に,ここまで愛されてきたMC(ラッパー)はそうそういなかったと言えます。それが,ニプシー・ハッスル(Nipsey Hussle)でした。
彼が亡くなったのは米国西海岸時間の3月31日でした。あれから9日が過ぎようとしている現在も,あらゆるソーシャルメディア(ツイッターやインスタグラム)などで,今も,彼の写真や動画,音楽がアップされ続けています。そしてそれをアップしているのは,一般大衆のファンのみなさんであることは勿論ですが,この場合,同業者たち,つまり,ドレイクやディディ(P.Diddy),ネリー,ルーペ・フィアスコ,ビーニー・シーゲル,NBAスターのレブロン・ジェイムス,B.ドット,ミーク・ミル,ピート・ロック,DJクルー,スウィズ・ビーツ,ファボラス.DJキャレド,YG,ザ・ドリーム,ティアナ・テイラー,タイガ,プッシャT,デイヴ・イースト,そしてスヌープ・ドッグたちもあわせて,ニプシー・ハッスルの写真や動画をインスタにアップし続けています。
ニューヨーク市のベテランDJにDJグリーン・ランターン(DJ Green Lantern)という有名なヒップホップDJがいます。彼の拠点はもちろんNYですが,LA出身のニプシー・ハッスルとジェイ・ロック(Jay Rock=ケンドリック・ラマーのレーベルTDEで活躍中の今まさにアツい男)を迎えて,フリースタイルのラップを披露したことがありました。もう10年前のハナシです。こちらの映像です。
冒頭の「The night Red and Blue made Green(赤と青が緑を作った夜)」というのは,赤(Red)がジェイ・ロック,青(Blue)がニプシー・ハッスル,そしてグリーンは勿論DJグリーン・ランターンですね。
ギャング関係で色分けをしているわけですが,もう一人,西海岸(ウェッサイ)で最近の重要人物はYGです。YGも「brother from another color(色は違えど兄弟(ブラザー))」とニプシーのことを呼んでいました。
https://www.instagram.com/p/Bv4zQPMFPkM/?utm_source=ig_web_copy_link
こういった際には,ギャングの色分けなど関係ないということでしょう。
ちょうど昨年,ここのブログでも,ニプシー・ハッスルを取り上げました。(→第8位「本物のヒップホップファンであるのなら,ニプシー・ハッスルのアルバム『Victory Lap』を通しで聴くべし」(今年2018年に出た最も偉大なるヒップホップ曲ランキング))
なお,ニプシー・ハッスルの追悼式(Memorial Service)は,彼の生まれ育った故郷であるロサンゼルス(LA)を象徴する大ステージ=ステープルズ・センター(Staples Center)で4月11日(木)に開催される予定です。
この場所は,マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)が亡くなった際にも追悼式が開かれた場所です。
一部報道では,ラッパーがこの偉大なる場所で追悼されるのは異例のケース,つまり,どれだけニプシー・ハッスルという人物が偉大であったかを物語るものである,と報道されています。
(文責:Jun Nishihara)
[…] ☆追悼:ニプシー・ハッスル(Nipsey Hussle) […]
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[…] ヒップホップ史にのこる重要人物として,ニプシー・ハッスルの功績は受け継がれます。The MARATHON continues. […]