ファボラス(Fabolous)については,個人的にデビュー当初(かれこれもう20年前ですね〜)からよく聴いています。90年代後半から2000年代前半にかけては,まだまだ「少年ラップ」として馬鹿にされていた節はありましたが,それはそれで良かった。当時はギャングスタ・ラップやハスラー・ラップが流行っていましたので,ファボラスのような「R&Bっぽいラップ」はサグやゲットー出身のギャングスタ達には受け入れられがたかった。しかしその後ネリー(Nelly)や,さらにもっと後でドレイク(Drake)が出てきて「R&Bっぽいラップ」は逆転して,メインストリームに「受け入れられるように」なってきた。むしろ,最近になっては,90年代後半に流行ったギャングスタ・ラップのうほうが低迷を見せている節もあります。
しかしファボラスはそんな世間のいうことなど関係ないとでも言わんばかりに自分のスタイルを維持してきました。
しかし20年来の一人のファンとして言いたい。「もっとアルバムをリリースしてもええんやないか」と。ファボラスよ,もっとアルバムをリリースすべきだぜよ!
20年のヒップホップキャリアがあるにもかかわらず,これまでにファボラスが出した公式アルバムはたったの6枚!2005年(14年前)にデビューしたワーレィ(Wale)ですら,すでに6枚リリース。2006年(13年前)にデビューしたリック・ロス(Rick Ross)はもうすでに10枚,公式アルバムをリリースしています。
ファボラスの前作をいつまで聴いていればいいのか!と私はファブに言いたい。ファブ(ファボラスの略名)の次作が出るまで,前の作品を聴こう,と思って聴きはじめて以来かれこれもう5年ですよ。2014年にリリースされた『The Young OG Project』を5年引っぱって聴いています。もう歌詞を覚えるくらい。その前の『Loso’s Way』(2009年リリース)にいたってはどれだけ聴いたことか。もちろん途中に素晴らしいミックステープを出して,もたせて(hold over)くれましたが,それにしても長かった。
やっと今年,シングル曲ならぬヒット曲を出してくれました。それがFabolous feat. Jeremihの「Choosy」です。なかなかええ曲やないか!ファブ,待ってたで。(ひそかにトップ5くらいに入れたいくらいやけどな,ファブ,あまりにもヒット曲が少ないんで今年は第43位ということで。来年もしアルバムリリース(やっと!!)しれくれたなら,あんたの信頼おける安定したフローがあればベスト10まちがいないわ。)
ちなみにファボラスの仇名は「Punchline King(オチのキング)」。ロイド・バンクスと肩を並べるほど。つまり,リリックは最高。
(文責:Jun Nishihara)
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