ヤング・ジージー(Young Jeezy)改めジージー(Jeezy)が2008年にリリースした曲に「Circulate」という楽曲があります。
これは極めてリズム感に優れている曲です。まさに「Circulate」(循環させよ)というくらいですから,ラップ及びビートそのものが,動脈ならぬ血脈がどんどんドクドク流れてゆくテンポの良さを出しています。
当時この楽曲が収録されているJeezyのアルバム『Recession』を対訳させていただきましたが,その対訳作業の間にこの曲「Circulate」を流すと,カラダが乗ってくるものですから,翻訳作業もそれに伴いノってくる。流れるように対訳がどんどん進んでいく。そういう体験をしていたのを憶えております。
ラップ曲というのは翻訳作業をしている間に流していると,邪魔になる曲と,逆にむしろ翻訳作業を助けてくれる曲,という2種類に分かれるように思います。
この「Circulate」という楽曲は,まさに後者。翻訳脳を上手くノッけて,作業をどんどん前へ進めるのを手伝ってくれます。
リリックの意味を拾おうとさせない。リリックが邪魔にならない。ビートと一体となっている。心身一如ならぬビートリリック一如。歌詞鼓動一如。かなりの名曲だと思いますが,全く広く知られてはいない。
これをバックで流して仕事やタスクをこなすお供にどうぞ。
Jeezyはこうラップします。
Let it, let it, let it, let it, let it, let it circualte
(どんどん,どんどん,どんどん,どんどん,どんどん,どんどん,回していけ)
回す,もしくは流す,それはカネか,ことばか,詞か,それともビートか。
(キュレーティング:Jun Nishihara)