2020年米R&B名曲第30位〜第1位発表!これだけ押さえとけば2021年のR&Bもよく見える。

どうもJun Nishiharaです。
お約束どおり,(日本時間)大晦日の夜8時になりましたので,2020年に世に出た米R&B楽曲について「第30位〜第1位」の発表をいたします。

明年2021年も,まだこの勢いは続きますので,とりあえずは現時点で,2020年に産声をあげた名曲30曲を集めました。第30位から第1位までを,以下発表いたします。

第30位:EARTHGANG feat. Wale – 「Options」
J.Coleのレーベル=Dreamville Records所属のイマ売れまくりのR&B及びラッパー軍団であるEARTHGANGより,12月18日にリリースされた楽曲。

 

第29位:Snoh Aalegra – 「Whoa」
ドレイクが2017年にリリースしたミックステープならぬアルバム『More Life』でフィーチャーされて一躍有名になったSnoh Aalegraの曲。今年2020年はSnoh Aalegraが大活躍した年でもありました。

 

第28位:Layton Greene – 「Chosen One」
昨年2019年にデビューを果たした若手R&Bの星。2020年12月18日リリースの楽曲です。

 

第27位:SiR feat. Boogie – 「Rapper Weed」
ケンドリック・ラマーの同胞=SiRより,本年リリースされた楽曲です。

 

第26位:Trey Songz feat. Summer Walker – 「Back Home」
ベテランR&Bアーティストであるトレイ・ソングスより。新型コロナウイルス感染拡大の影響による“STAY HOME”をテーマとした,まさにその名のタイトル「Back Home」なる楽曲です。楽曲冒頭の元ネタ分かります? 何を隠そう,Cam’Ronの「Oh Boy!」ですよ(笑)。ナツい! もっと上位でも良かった? そう,良かったね。(笑)でもこれよりもさらに良い曲が今年はリリースされまくったので,断腸の思いで26位になりました。

 

第25位:Bryson Tiller – 「Right My Wrongs」
この曲については,5年の時を経てヴィジュアルをリリースしたBryson Tiller。で取り上げました。正確に言うと「今年」リリースされた曲ではないですが,Bryson Tiller自身がこの曲がリリースされてから5年ぶりである本年に,再リリースするとして「旧く新しい楽曲」としてここに掲載いたします。MVは今年撮影された,全く新しい映像です。

 

第24位:K CAMP feat. Jacquees – 「What’s On Your Mind」
2015年にデビューアルバムをリリースしてから5年後の今年,アルバム『Kiss Five』をリリースしたK CAMPより,本楽曲が第24位を獲得。

 

第23位:Eric Bellinger – 「One Thing Missing」

 

第22位:Jacquees feat. Chris Brown – 「Put In Work」

 

第21位:Mario – 「Pretty Mouth Magick」

 

第20位:Jessie Reyez feat. EMINEM – 「Coffin」

 

第19位:Usher – 「I Cry」

 

第18位:Ty Dolla $ign – 「Slow It Down」

 

第17位:Queen Naija feat. Mod da God – 「More Love」
来ました!クイーン・ナイジャのファンの皆さま,お待たせしました。ようやくクイーン・ナイジャが来て,いよいよテンション上がってきました。

 

第16位:Ne-Yo & Jeremih – 「U 2 Luv」
Ne-Yo復活!なかなか素敵な曲を制作してくれました。

 

第15位:Col3trane feat. Mahalia – 「Pretty」
Col3traneはノース・ロンドン出身の若手アーティスト。同じく英国出身のMahalia(マヘリア)と組みました。

 

第14位:Chris Brown feat. Young Thug – 「Go Crazy」
この曲,爆音で鳴らして,アメリカ中の若者たちが隔離期間(quarantine period)中もテンション上げまくりの2020年でした。

 

第13位:Giveon feat. Snoh Aalegra – 「Last Time」
サンファじゃないですよ,ギヴィオン(Giveon)ですよ。本年2020年,ドレイクの楽曲「Chicago Freestyle」にフィーチャーされて一躍有名となりました。

 

第12位:Kelly Rowland – 「Hitman」
出ました!ケリー・ローランド姉さん。待望のシングル曲「COFFEE」とともに,2020年にデスチャファンたちを「もうすぐアルバム来るんでないか」とワクワクさせてくれました。

 

第11位:SZA feat. Ty Dolla $ign – 「Hit Different」

 

第10位:Jazmine Sullivan – 「Pick Up Your Feelings」
ジャスミンについては,こちらで取り上げましたので,ご参考にされてください。

 

第9位:Savannah Cristina – 「Self Care」

 

第8位:Rayana Jay feat. City James – 「Made For」

 

第7位:Alicia Keys feat. Snoh Aalegra – 「You Save Me」

 

第6位:Summer Walker feat. Usher Session 32 / Come Thru
これは,米BET局で放映された2020年アワード賞でのライヴ・パフォーマンス模様です。大元の原曲を作ったアッシャー(Usher)自身登場します。

 

第5位:Usher feat. Lil Jon & Ludacris – 「SexBeat」
いやぁ,これは,コアなファンにとっては喜びの極み!16年ぶりですよ!このスリー・コンビが戻ってくるなんて!!!!!!2004年リリースの「Lovers & Friends」以来!リュダのラップ節もまったく衰えていない。この3人とも誰一人としてヴォコーダー(オートチューン)を使用していない。いやぁ,今年2020年にリリースされた全く新しい曲なのに,なぜにここまでなつかしく感じられるのか!

 

第4位:Chloe & Halle – 「Do It」
2020年は「Do It」があらゆる場所で流れていました。NYのモールに行っても,ラジオを流しても,MTV否BETでも。2020年に最も活躍したR&Bデュオであると断言できるでしょう。Chloe & Halle(クロイ&ハリー)です。

ちなみに先日12月8日発表のNPR Tiny Desk (Home Edition)にも登場しました。

 

第3位:Toni Braxton feat. H.E.R. – 「Gotta Move On」
大ベテランのトニー・ブラクストン(Toni Braxton)が戻ってきました。もう彼女の存在は,ソウル・ミュージックの歴史において非常に重要であり,とくに若手がひしめく2020年のR&B界にとって彼女の存在は欠かせない,大切です。若手だけではやはり,どこかで風に吹かれていってしまう。トニーのように重鎮はこういったベストリストに必ず必要です。

 

第2位:Teyana Taylor feat. Lauryn Hill – 「We Got Love」
今年もやってくれました。ある意味,この若さでベテランの域に達しているかのような貫禄があるティアナ・テイラー(Teyana Taylor)。あのローリン・ヒル(Lauryn Hill)をよくフィーチャリング・アーティストとして起用できたなぁと感心してばかりはいられない。この曲を聴いて,2020年の大晦日を踊って過ごして,2021年をそのまんま踊ったまんま,明けてくれぃ!

 

第1位:H.E.R. – 「Damage」
意外でした。こんなに素晴らしい曲がまだ彼女の楽曲ヴォルトに残っていたとは。出しても出しても,まだまだ溢れ出す才能。その溢れ出てきたのが本楽曲「Damage」でした。2019年にグラミー賞受賞したのは記憶に新しいですが,グラミー賞を受賞したことで「終わらない」のが,彼女(H.E.R.)の尽きぬ才能の源泉の証であると言えるでしょう。

さて,2020年,まもなく終わりますが,コロナ禍でも,ここまで素晴らしいR&B楽曲が生まれた年でもありました。

皆さん,今年も当ページにお越しいただきまして,ありがとうございました。
明年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは,良いお年を〜。
Happy Holidays!
and… Happy New Year!

(文責:Jun Nishihara)

【2020年米R&B第30位〜第1位発表!】2020年大晦日!当サイト(本ページ)で,2020年に出たR&B名曲第30位〜第1位の発表をします。

本日,2020年大晦日12月31日,日本時間の夜8時に,当サイト(本ページ)で,「2020年にリリースされたR&B名曲第30位〜第1位」を発表いたします。

日本では紅白歌合戦が始まる時間ですが,紅白歌合戦は横目に,R&B好きの方はこちらへどうぞ!

R&B好きの方にとっては「なんでこの曲が10位?!」「なんであの曲が30位?!」などとツッコみどころ満載なものになるかもしれませんが,まさにそうやってツッコんでもらいながら,見ていただければと思います。

第1位の座を獲得するのは,どのアーティストか,そしてどの曲か。

乞うご期待!

第21位:歌モノ・リリカル,どちらも揃ったミックステープ『No Ceilings 3』をリリースしたリル・ウェイン (2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

本年2020年の初頭1月にリル・ウェインがリリースした公式アルバム『Funeral』を聴いた時,リリカルな時代のウィージー(Weezy)が戻ってきた,と思ったのは私だけでは無いでしょう。

その勢いを落とさずほぼ1年間その勢いを保ち続けたリル・ウェインは,2020年11月に『No Ceilings 3』をリリース。このミックステープには『A Side』と『B Side』があり,後者は12月18日にリリース。

これは一応ミックステープという体裁を取っておりますが,クオリティはアルバムそのもの。datpiff.com等でダウンロード可能です。リリースから1ヶ月経た現在,既にダウンロード回数は300万回を超えております。再生回数ではなくダウンロード回数で300万回超えというのはなかなか調子が良いです。

アメリカのヒップホップ界(特にミックステープを聴く連中の間)では,リル・ウェインに対するリスペクトは堅いことが見て取れます。

リル・ウェインは楽曲『BB King Freestyle』でこうスピットします。

Everyone got they glass out, let’s drink to Weezy
Every nigga that stare me down just came to see me
Choppin’ up a lil’ cash cow, that’s steak I’m eatin’
Check deposits, high-risers with extra closets
The sex platonic, I talk intelligent, text Ebonics
The electronic guitars whinin’, that’s just Nirvana
Tommy gun on the counter, I call it Mr. Thomas
That’ll keep niggas honest
I’m dozin’ off in the driver seat ’cause the seat give massages

(対訳)
おまえらグラスを挙げな,ウィージーに乾杯
今まで俺のこと軽蔑してたヤツらにこの前会った
ヤツら「金のなる牛」を探してた,その目の前でステーキ食ってやった
預金額チェックしな,クローゼットだらけの高層マンションビル
セックスはプラトニック,トークはインテリ,SNSは黒人話法(エボニックス)
泣きのエレキ・ギター,バックで流れる,それニルヴァーナの曲
カウンターにトミーガン,「トーマスさん」俺が名付け親
正直に吐かせてやるよ
運転手席でうたた寝,マッサージ機能付きのシートだぜ
(楽曲「BB King Freestyle」より)

上記リリックを見ても分かるとおり,リル・ウェイン節連発。これを音源で聴けば,それがさらに感じられます。まぁ,聴いてみてください。

次に,ドレイクの「Laugh Now, Cry Later」をフリップした(捩った)リル・ウェインの「Something Different」を掲載しておきます。(これもミックステープ『No Ceilings 3』より。)

リリック“scroll down”の箇所で,ちょうど(↓)を出すという,こういう細かなネタをぶっ込んでくるのもウェインらしいですね。

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

第22位:黒人女性シンガーの“comeback story”:2020年R&B界へ復帰したJazmine Sullivan (2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

今年SNS等で“New Jazmine”(復活したジャスミン)という愛称で2020年,R&B界に復帰したJazmine Sullivan(ジャスミン・サリヴァン)は,2020年8月27日「Lost One」という新曲を発表しました。ジャスミンがデビューしたての頃(かれこれもう12年ほど前)からファンであった私としては,彼女の歌声を聴くと当時を思い出すようで懐かしいです。2015年にアルバム『Reality Show』をリリースしてから,人の曲にフィーチャリングされてはいたものの,もう5年以上もhiatus(活動休止)しておりましたが,今年〜来年(2021年)にかけてアルバム制作に取り掛かっており,そのアルバムはまもなく日の目を見ることができるかもしれない,ということで,とても楽しみですね。

2020年にリリースした「Lost One」と「Pick Up Your Feelings」を掲載いたします。

いわゆる「業界」という世界に不器用でい続けてくれたお蔭で,彼女に共感を持ち続けるファンは世界中に沢山いることをジャスミン自身に知っていてほしいです。

Jazmine Sullivan – “Lost One”

Jazmine Sullivan – “Pick Up Your Feelings”

下記は2019年の「Issa Rae Presents」のエピソードで開催されたジャスミンのステージです。アルバム『Reality Show』から「Let It Burn」を歌ってくれました。

下記は10年程前にジャスミンがナマで歌った「In Love With Another Man」の映像です。懐かしいですね。

続きまして,ジャスミンのファンとしてはハズせない「Holding You Down (Goin’ In Circles)」のMVです。これが2010年にリリースされた時,もちろん私はリアルタイムで観ていましたけれど,この80年代(エイティーズ)のファッションスタイルを映し出した雰囲気にはテンション上がりました。

タイムライン2:42のブレイクダウンも格別です。ジャスミンのカッコ良さと魅力が溢れています。

(文責:Jun Nishihara)

第23位:サウス出身の新人ワル女ラッパー=Mulatto(ムラート)(2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

2020年にラップ界のメインストリームにその名をとどろかせた女子ラッパーの一人としてMulatto(ムラート)を第23位に取り上げたい。

彼女(本名:アリッサ・ミッシェル・スティーヴンズ)は米国北東エリア(五大湖エリア)のオハイオ州コロンバス市生まれ。しかし2歳の頃,南部ジョージア州に両親に連れられ移り住み,黒人の父親と白人の母親を持つにもかかわらず,アリッサ自身,皮膚の色が無色であったことから学校でイジメに遭っていたことが理由で,自分のことをその時からムラート(Mulatto)と呼ぶことにし,当初はMiss Mulattoという名でラップを始めた。

ちなみにMulattoというのは,黒人と白人の混血を指す言葉であり,奴隷制度時代には,黒人の血が一滴でも入っていればcolored(有色人種)として扱われ,差別の対象となった。有名人の間ではオバマ大統領もMulattoとして知られる。

その彼女(ムラート)が有名になるキッカケとなったMVを下記に掲載する。

Mulatto feat. Saweetie & Trina – “Bitch From Da Souf”

(文責:Jun Nishihara)

第24位:2020年大活躍若手ラッパー5名大放出。ロディー・リッチ,リル・ベイビー,リル・ダーク,NLE・チョッパー,そしてYoungBoy Never Broke Again。(2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

2020年大活躍した若手ラッパー5名につき,それぞれ2曲ずつ以下に紹介するとともに,彼らを本年の第24位といたします。全員2020年にアルバムをリリースしました。(ロディー・リッチについてはアルバム『Please Excuse Me For Being Antisocial』をリリースしたのは2019年12月でしたが,実際全米第1位を獲得したのは今年2020年で,且つ,ラップ・アーティストとして爆発的に売れたのも今年2020年でしたので,今年にランクインすることになりました。)

① ロディー・リッチ(Roddy Ricch)
② リル・ベイビー(Lil Baby)
③ リル・ダーク(Lil Durk)
④ NLE・チョッパー(NLE Choppa)
⑤ ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲン(長!)(YoungBoy Never Broke Again)

昨年2019年に取り上げた大注目若手アーティストには,ダベイビーや大坂なおみの彼氏=YBNコーデーやMegan Thee Stallion(昨年第1位を獲得!)については,以下サイトをご参照願います。

2019年の第11位:イマドキラッパー最前線!若者黒人の間で今年超ハヤったDaBaby,おまけに今覚えておくべき4人のラッパー!(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

2019年の第1位:2019年の夏を制し,遂に1年まるごとヒップホップ界を盛り上げてくれた大・大・大ブレイクアーティスト登場!Megan Thee Stallion! (2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

さて,本年2020年の若手アーティスト5名を以下に掲載いたします。

① ロディー・リッチ(Roddy Ricch)

Roddy Ricch -「High Fashion」

Roddy Ricch -「Trap Symphony with Live Orchestra on audiomack」(ライヴ映像)

② リル・ベイビー(Lil Baby)

Lil Baby -「We Paid」
(この曲にfeat.されている42 Duggという奇妙なラップ節を聴くと,Lil Babyのイマドキのラップでさえ「まとも」に聞こえてくるから不思議。)

Lil Baby -「The Bigger Picture」

③ リル・ダーク(Lil Durk)

リル・ダークに関しては,2020年クリスマス・イヴの12月24日にニューアルバム『The Voice』をリリースしました。

アルバムリリースと同時に12月24日にリル・ダークの公式YouTubeページに掲載された新曲「Still Trappin feat. King Von」は,同日(そしてクリスマスの12月25日)も引き続きYouTube上「#1 ON TRENDING(トレンディング第一位」を記録しております。

下記アルバムジャケにLil Durkと一緒に写っているのは今年11月に亡くなったキング・ヴォン(King Von)です。

Lil Durk -「Stay Down feat. 6lack & Young Thug」

Lil Durk -「3 Headed Goat feat. Lil Baby & Polo G」

④ NLE・チョッパー(NLE Choppa)

NLE Choppa -「Bryson」

NLE Choppa -「Shotta Flow」

⑤ ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲン(YoungBoy Never Broke Again)

YoungBoy Never Broke Again -「All In」

YoungBoy Never Broke Again -「Callin feat. Snoop Dogg」

(文責:Jun Nishihara)

第25位:Thundercatの2020年アルバム『It Is What It Is』(2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

少々毛色は変わって,ジャズ及びヒップホップの融合をどこまでも突き詰めていくサンダーキャット(Thundercat)の2020年リリースのアルバム『It Is What It Is』を本年重要度第25位としてランクインです。

黒人音楽の歴史上重要なアルバム『Drunk』を2017年にリリースして以来3年の時を経て,今年4月にリリースされた『It Is What It Is』では,変態心丸出しのMVで天才ぶりがぷんぷん匂ったサンダーキャット(Thundercat)のリードシングル曲「Dragonball Durag」は私個人的に大好きな曲なのですが,この「臭さ」にはなんとも言い表しがたい,飽きないエロさが含有されています。

そのMVを以下に掲載し,これを第25位としたいと思います。

(文責:Jun Nishihara)

第26位:Rick Ross vs. 2 Chainz(ヴァーサス・バトル)(2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

2020年8月6日に開催されたVerzuzバトルはリック・ロス(Rick Ross)対2チェインズ(2 Chainz)の対決でした。圧倒的にリック・ロスの勝利でしたが,このVerzuzバトル全体をHip-Hopの歴史で捉えた際,非常に重要な意味をもってきます。

Verzuzバトルそのものは,本年2020年3月,まさに新型コロナウイルス感染拡大が広がり始めた初期の頃,パンデミック緊急事態宣言発表時に創始されました。

つまり今年3月にVerzuz初の放映でもあり,その創始者でもあるティンバランド(Timbaland)とスウィズ・ビーツ(Swizz Beatz)のVerzuzバトルが繰り広げられました。

その映像については,さらに上位で発表していきます。

ひとまずはコチラのページで第26位:リック・ロス vs. 2チェインズの映像をどうぞ

(文責:Jun Nishihara)

第27位:Jadakissのアルバム『Ignatius』(2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

第30位〜第28位までとはガラッと雰囲気が変わります。

第27位はジェイダキッス(Jadakiss)のアルバム『Ignatius』です。

まー,こちらを聴いてみてください。
この曲を聴くと,ここまで第30位〜第28位のアルバムをつまみ聴きしてきた曲とは,全く種が異なるということが分かると思います。同じHIP-HOPという所謂“ジャンル”にくくられた中にあるかもしれませんが,どれだけ幅が広いものか,わかっていただけると思います。

Jadakiss feat. Pusha T – 「Huntin Season」

90年代にHIP-HOPという言葉がカバーしていた幅の広さと,現在2020年にHIP-HOPという言葉がカバーする幅の広さ,というのは,「広さ」という意味でまず,異なってきています。そして次に異なるのはその言葉が表すものであったり意味するものであったり,定義も異なってきています。しかしながら,何よりも,90年代を生きた人々が「Hip-Hop」と聴いて想像するものと,2020年代に10代や20代を過ごしている現在の若者たちが「Hip-Hop」と聴いて想像するものが,異なってきている,というものは大きいでしょう。

Jadakissの「Hip-Hop」を聴くと,いつもこのように「Hip-Hop世代の変革」を感じます。

まずは聴いてみてください,Jadakissの「ME」を。

この曲からこのセリフ・・・

Never had a wack verse!

ダサいヴァースとは無縁で来たぜ!

直訳すると「イカシていないヴァースなんて1つも書いたことがない」,つまり,これまで俺がスピットしてきたラップに,ダサいヴァースなんて1つもねえよ!

これはJadakissにしか言えない称号。

第27位にするのがもったいないくらいデキの良いアルバム。

も1曲いっときまひょか。

Jadakiss – 「Catch & Release」です。

(文責:Jun Nishihara)

第28位:A Boogie wit da Hoodieのアルバム『Artist 2.0』(2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30

2020年の第28位は,全米ビルボードで第2位を獲得し,1年以内に50万枚以上を既に売り上げているというヒット・アルバム『Artist 2.0』です。アルバムジャケがなかなか記憶に残る,ヒップホップではめずらしい,ファンタジー掛かった演出ですね。

もはやこのアルバムジャケを見るだけでは果たしてヒップホップのアルバムなのか,イギリスのファンタジー映画クエスト・オブ・キング的な映画のプロモなのか,分からないという風に,アルバムジャケからして,これまでのHIP-HOPではめずらしく,興味深い作品に仕上がっています。

たとえば収録楽曲には「Cinderella Story(シンデレラ・ストーリー)」なんていう曲もあります。

調子に乗って「Thug Love(サグ・ラヴ)」も掲載しておきます。

(文責:Jun Nishihara)