第30位〜第28位までとはガラッと雰囲気が変わります。
第27位はジェイダキッス(Jadakiss)のアルバム『Ignatius』です。
まー,こちらを聴いてみてください。
この曲を聴くと,ここまで第30位〜第28位のアルバムをつまみ聴きしてきた曲とは,全く種が異なるということが分かると思います。同じHIP-HOPという所謂“ジャンル”にくくられた中にあるかもしれませんが,どれだけ幅が広いものか,わかっていただけると思います。
Jadakiss feat. Pusha T – 「Huntin Season」
90年代にHIP-HOPという言葉がカバーしていた幅の広さと,現在2020年にHIP-HOPという言葉がカバーする幅の広さ,というのは,「広さ」という意味でまず,異なってきています。そして次に異なるのはその言葉が表すものであったり意味するものであったり,定義も異なってきています。しかしながら,何よりも,90年代を生きた人々が「Hip-Hop」と聴いて想像するものと,2020年代に10代や20代を過ごしている現在の若者たちが「Hip-Hop」と聴いて想像するものが,異なってきている,というものは大きいでしょう。
Jadakissの「Hip-Hop」を聴くと,いつもこのように「Hip-Hop世代の変革」を感じます。
まずは聴いてみてください,Jadakissの「ME」を。
この曲からこのセリフ・・・
Never had a wack verse!
ダサいヴァースとは無縁で来たぜ!
直訳すると「イカシていないヴァースなんて1つも書いたことがない」,つまり,これまで俺がスピットしてきたラップに,ダサいヴァースなんて1つもねえよ!
これはJadakissにしか言えない称号。
第27位にするのがもったいないくらいデキの良いアルバム。
も1曲いっときまひょか。
Jadakiss – 「Catch & Release」です。
(文責:Jun Nishihara)