ケンドリック・ラマー『Mr. Morale & The Big Steppers』出た。現時点での印象について。

米国時間5月13日(金)午前0時に、ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)の新盤『Mr. Morale & The Big Steppers』がリリースされました。

現在こちらNYは14日(土)午前11時ですが、リリースされて1日が経ち、少しおちついて聴き始めることができている状況です。

聴き始めてまだ時間は経っておらず、聴く回数も追いついておらず、全く理解もできておらず(というか、これから)というこの段階で本アルバムについて書くことはまだ何も無いのです。

ただひとつ受けた印象といえば楽曲「Worldwide Steppers」で「全てを捨てた」、ということ。この楽曲をぶち込んだことにより、本アルバムに対するグラミー賞の期待を捨て、世の中の評論家が下すアルバムに対する評価なんて気にしない、まさか2度目のピューリッツァー賞なんて求めていない、ということを世に発表したような印象を受けた。このリリックをあえてスピットすることにより、ポリティカルコレクトネス(PC)に沿った評価を下す世の当局・政府・国・評論家軍団の期待を裏切った、ということ。評価の対象ではなくなった(というかケンドリック側から、評価の対象とされることを断った)ことにより、あとは(4曲目以降は)ケンドリックの思うがまま自由に羽ばたいて芸術作品を作ることができるようになった、ということを示唆している印象を受けた。

世の中がどういった評価を下すか気にして作った音楽なんておもしろくないので、世界中の「steppers」へ向けた楽曲を1つぶち込むことにより、ステップをしない評論家を遠ざけたアルバムにした、ケンドリックの意志がこちらに伝わった。

欲張ってもうひとつ言えることがあるとすれば、成長。
ジェイ・Zにおける『4:44』が、ケンドリックにおける『Mr. Morale & The Big Steppers』であるように見受けられる。が、それにしても成長のスパンが短すぎるように思う節も正直ある。ジェイ・Zに関しては、デビュー後21年目に『4:44』をリリースした。公式アルバム13枚目。ケンドリックに関しては、デビュー後10年目に本アルバムをリリースした。公式アルバムとしては5枚目。世代も変わり、成長のスパンも短期化しているのかもしれない、という印章を受けた。(アルバムリリース前夜の楽曲「The Heart Pt.5」では、あらゆる人に入れ替わって、人生についても語った。それも成長の一部と見ることができるかもしれない。)

ということで、今のところはこの2つです。
①評論家の期待に対するケンドリックによる意図的な裏切り
②ケンドリックの成長

2022年5月14日(土)時点では以上です。
引き続き本件アルバムに対する思想は変わりゆくかもしれませんが、記録しておきます。

(文責:Jun Nishihara)

ブラック・スター(black star)再結成!ヤシーン・ベイとタリブ・クウェリ。

1998年に当時モス・デフ(Mos Def)という名で活動していたブルックリン出身の天才MCが同じくブルックリン出身の同輩であるタリブ・クウェリ(Talib Kweli)とユニットを組み、ブラック・スター(Black Star)という名で1枚の名盤アルバムをリリースしました。

それが・・・

『Mos Def & Talib Kweli are Black Star』というアルバムでした。

あれから24年の年月を経て、ふたりは再結成。もっともモス・デフ(Mos Def)は改名していまやヤシーン・ベイ(Yashiin Bey)という名であまり公には顔を出さずに活動をしています。タリブ・クウェリ(Talib Kweli)はヤシーンとは対照的で、引き続きアルバムをリリースしており、直近では昨年(2021年)4月に『Gotham』(ゴッサムシティ=ニューヨークシティ)を出したばかりでした。

その盟友ふたりが再結成したブラック・スター(black star)として新たにリリースしたのが、こちら。

タイトルは『no fear of time』。
「時間を怖がらない」(時間が経つのを怖がらない)という意味ですが、まさにこのふたりは今やHIP-HOP界で長年生き残ってきた言わば大ベテラン・アーティストです。もう「ラッパー」と呼ぶには年を取りすぎている(ヤシーンは49歳、クウェリは47歳)。「若者」とは言えない。ラップ(Rap)じゃなくて、ヒップホップ(Hip-Hop)と呼ぶのがしっくりくる年代。ラッパーではなく、MCと呼ぶのがしっくりくるふたり。

そのふたりがどのような音楽を作るのか。
ここで聴けます(↓)(注:Luminaryという米ポッドキャストをサブスク必要ありますのでご留意を。)

Luminary Podcasts

ご参考までに、楽曲1「o.G.」を掲載しておきます。

このカッコ良さは、昔からMos Def及びTalib Kweliを聴いてきている人にはすぐわかります。このケイダンス(cadence)と間の取り方、スワガー(swagger)、その他諸々、この辺の奥行き、奥深さは、最近の若手ラッパーが出す作品ではあまり楽しめないので、ベテランのMCならではの楽しみ方のひとつではあると思います。

(文責:Jun Nishihara)

【速報】ケンドリック・ラマーの「The Heart Pt. 5」出た。

標題のとおりです。こちらです。
2017年にHIP-HOPの歴史を塗り替えることとなった史上非常に重要なHIP-HOP名盤アルバム『DAMN.』をリリースした時と同じく、ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)は今回もアルバムリリースの前触れ(前兆)として「The Heart Pt.5」をリリースしました。

再生回数、話題沸騰、巷ではエラいことになってます。
この衝撃、あれから5年ぶり。久しぶり。

(文責:Jun Nishihara)

ヒューストン市長により、「メーガン・ジー・スタリオンの日」が発表されました。

当サイトでも頻出しているメーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)関連を1点、共有いたします。

ヒューストン市長の発表により、2022年5月2日は、出身地ヒューストンに於いて「メーガン・ジー・スタリオンの日(Megan Thee Stallion Day)」と定められました。

地元のABCニュースで取り上げられましたので、掲載しておきます。

(文責:Jun Nishihara)

ここへ来てフューチャー(Future)のアルバム『I NEVER LIKED YOU』がリリース!

5月にニューアルバムをリリース予定のケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)へ告ぐ。
フューチャー(Future)が出したこのアルバム『I NEVER LIKED YOU』を聴いて、慄くが良い。このアルバムを凌ぐことは相当難しいぜよ。

と、若干挑戦的な出だしで始めてみました。

プッシャ・T(Pusha T)のアルバムの次はケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)のアルバムだな、と思っていた諸君。

あいだにフューチャー(Future)がぶち込まれてきました。しかも、今回、クオリティ、かなり高めです。

2曲、掲載しておきます。
この2曲だけでは、アルバム全体の良さが伝わらないかもしれない。
というくらい、質は高いです。

まずは、カニエ・ウェスト(Kanye West)をfeat.したこの楽曲 - 「KEEP IT BURNIN」です。
カニエのヴァースが狂気の沙汰。
何回、set it offいうんやと。
フューチャーのふざけたbankのところとかね。
完全に真剣にラップやってるやつらをあざ笑うが如くの余裕さで恰好良い。

先週金曜日(4/29)にオフィシャルミュージックビデオが出ました。

2曲目は雰囲気がガラッと変わって、バラード系を。
ドレイク(Drake)及び最近ドレイクのアルバム『Certified Lover Boy』でもfeat.されたナイジェリア出身のソウル・シンガー=テムス(Tems)をfeat.した楽曲「WAIT FOR U」です。

Future feat. Drake & Tems – 「WAIT FOR U」

おまけに、調子に乗ってもう1曲。

Future – 「LOVE YOU BETTER」

先日リリースされたPusha Tの『It’s Almost Dry』アルバムとは景色/毛色は全く異なりますが、いずれも、2022年トップ10に余裕で入るというアルバムがはやくも登場してしまいました。

益々、ケンドリックのアルバムが愉しみでなりません。

(文責:Jun Nishihara)