カニエ・ウェストのニューアルバム『DONDA』がリリースされる前夜に、リスニング・イベント開催。

本日は7月22日(木)の夜23時です。つい先ほどまで、カニエ・ウェスト(Kanye West)による、ニューアルバム『DONDA』(カニエの亡き母親の名前です)リリースに際しての、前夜リスニング・イベントがジョージア州アトランタ市のメルセデス・ベンツ・スタジアムにおいて、満席(チケット完売)状態で、開催されました。

その一部始終を、勿論私はリアルタイムでライヴストリーミングをとおして観ていました(現在NYに住んでおり、明日は仕事があるため、アトランタまで行けませんでした)。ただ、観るだけでは勿体無いので、一部始終をiPadを使用して録画しました。いくつかその模様の写真等を以下掲載しておきます。

午後8時に開催される予定でしたが、以下のような画面が約1時間30分ほど、流れていました。

そして午後9時30分頃を過ぎ、カニエが登場。真っ赤な服装に身を纏い(My Beautiful Dark Twisted Fantasy時代(つまり2009年)のカニエを彷彿とさせます)、巨大なスタジアムにひとり、赤い姿が映し出されます。(以下写真の右上です。)

チケット完売である証拠に、物凄い人の数です。

ネタバレさせたくないですが、アルバム『DONDA』の最終収録楽曲には、Big Brotherが登場します。

こういうことです。

リスニング・イベント、開催時間は約1時間20分を経て、おしまいです。

トラックリストはこちら。(カニエ・ウェストのインスタグラムにアップされた写真より。)

アルバムのジャケ写はこちら。

いよいよ間もなく、本22日が終わろうとしており、23日(金)に差し掛かろうとしております。カニエ・ウェスト(Kanye West)のニューアルバム『DONDA』がリリースされます。

(文責及び写真:Jun Nishihara)

DMXがカニエ・ウェスト率いるSunday Serviceに登場してくれた映像。

2019年4月に開催されたコーチェラ(Coachella)のカニエ・ウェスト率いるSunday Serviceに,DMXが来てくれました。

二木崇先生がライナーノーツに書いていたとおり,DMXの生の声ほど俺らを熱くしてくれるものはない,というのは,当時それを読んだ時,物凄く共感したのを思い出します。

こちらにもDMXは来てくれました。

ありがとう,DMX!

(文責:Jun Nishihara)

DMXの追悼式及び告別式

4月24日(土),ブルックリンのBarclays CenterでDMXの追悼式(memorial service)が近親者のみで行われました。

翌日25日(日),ブルックリンの教会で告別式(funeral service)がこれも近親者のみで行われました。

24日の追悼式では,カニエ・ウェストのSunday Service Choirも聖歌をDMXに捧げ,最後にRuff Ryders及びThe Lox仲間たちがDMXへ別れの言葉を捧げました。

Eve,Drag-On,Jadakiss,Styles P,そしてスウィズ・ビーツ(Swizz Beatz)が順番に追悼の言葉を捧げるのですが,個人的にDrag-Onの言葉が一番心に沁みました。掠れた声で,「コイツがいなけりゃ,今の俺はなかった。ブロンクスのドブで俺みたいな野郎を見っけてくれた。」と言います。作られた文章ではない,Drag-Onの生の声で,本心から湧き上がった言葉というのが聞いていて感じ取れます。

Sunday Service Choir です。

Nasも追悼の言葉を捧げます。

DMXの娘もフリースタイルを捧げます。

最後にカニエ・ウェスト率いるSunday Service Choirの「How Excellence」です。

そして翌日の告別式の一部を以下に掲載いたしますが,これはDMXの元妻(Tashera Simmons)がDMXとの11年間の結婚生活と,それ以上のDMXと歩んだ人生を語ります。これで1冊の本ができるくらい。結婚する前,そして結婚した後もTasheraはDMXと歩みました。

Tasheraがいなければ,DMXは無かったな,というのを直感的に思いました。Tasheraが話すように,彼女とDMXは子供の頃に出会い,39年間,共に過ごしました。離婚後も含め。話を聞いていて,DMXの分身のような存在だな,と分かります。そして最後に,DMXの現・フィアンセにバトンを渡します。そして一言「I love you.」とフィアンセに伝えます。

このTasheraの話は,どんな本よりも,どんなドキュメンタリーよりも,DMX,否,Earl Simmonsが「DMXでない時間」の彼について,最もうまく語っている永久保存版であると私は言いたいです。彼女の29分間の話を聞いて,私は個人的にDMXを高校生の頃から20年間大聴いてきましたが,それ以上にこの29分間で,その20年間を超えるほど,DMXのことが身近に感じられたように思いました。

(文責:Jun Nishihara)

第10位:隔離(Quarantine)期間中でのカニエ・ウェスト率いる“Sunday Service Choir” (2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

2020年には新型コロナウイルス感染拡大中にもカニエ・ウェスト率いる“Sunday Service”(サンデー・サービス)セッションは数回行われました。社会的距離(social distancing)を保ちながらのセッション,及び,ロックダウン中にヴァーチャルを介してのセッション等です。

その模様に関しては,こちらをご参照ください。

また,こちらにも掲載いたしました。

コロナ禍「以前」の“Sunday Service”コンサート(もはやセッションどころではない)の模様も掲載しておきます。

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェストの新曲「Nah Nah Nah」にDaBaby及び2 Chainzが乗っかって,リミックス誕生!

カニエ・ウェストが2020年10月に発表した新曲「Nah Nah Nah」に,いまをときめくラッパー=DaBaby(ダベイビー)と2チェインズ(2 Chainz)が乗っかりました。

カニエ・ウェストが先月本曲「Nah Nah Nah」を出した時点で,この曲のことを「なんて馬鹿馬鹿しい曲だ」なんて一刀両断したあなた,気づけばDababyがリミックスに乗っかり,2 Chainzがヴァースを乗っ取り,いよいよ段々と,楽曲は洗練され始め,いよいよHip-Hop界に影響力を増し始めてきました。

こんな独特な曲は米国のラジオに馴染まないから,ラジオでオンエア(On Air)される頻度も少ないでしょう,なんてリリース当時は思われていた曲が,あながちそうでもないのではないか,という風に展開が逆転してきました。「馬鹿馬鹿しい」と思わせといて,後半で覆す,というのは最近のカニエにとってよく見られる動静です。そういった意味でこの曲は,今後どのような展開を遂げていくのかワクワクします。

それではその問題のリミックス(REMIX)ヴァージョンです。

Kanye West feat. DaBaby & 2 Chainz – “Nah Nah Nah (Remix)”

(キュレーティング:Jun Nishihara)

2020年8月及び9月に実施された,ウィズ・コロナ禍でのカニエ・ウェスト率いる“Sunday Service Choir”。

2020年,新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け,ロックダウン発令中,カニエ・ウェスト率いる“Sunday Service Choir”は,自宅からオンラインで行われました。その映像はこちらに掲載いたしました

さて,そのロックダウン時期を経て,2020年8月及び9月にいよいよ,オンラインではなく直接会っての“Sunday Service”が実施されました。8月にはワイオミング州の山の中(カニエ・ウェスト・ファミリーが購入した山中の牧場(West Ranch))にて行われ,9月にはジョージア州アトランタ市ダウンタウンから南に35km場所に位置するフェイエットビルの湖上で行われました。

① まずは2020年8月16日(日)に実施された“Sunday Service”の模様です。

② 続きまして,2020年9月6日(日)に実施された“Sunday Service”の模様です。

(キュレーティング:Jun Nishihara)

2020年3月に実施された,コロナ禍直前でのカニエ・ウェスト率いる“Sunday Service Choir”。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で,カニエ・ウェストの“Sunday Service”に関するレポートもここしばらく掲載しておりませんでした。(最後に“Sunday Service”のレポートを載せたのは,2020年4月29日でした。)

そして昨年2019年12月16日には,このような記事をアップしました

本年2020年に入り,米国では3月,4月頃から新型コロナウイルス感染症拡大により,全世界であらゆる活動が休止されてきましたが,カニエ・ウェスト率いる聖歌隊“Sunday Service Choir”(サンデー・サービス・クワイヤ)も例に漏れず,活動を休止してきました。

活動を休止する直前,2020年3月1日に行われた“Sunday Service”アクトは,フランスはパリ市のブッフ・デュ・ノール劇場(Théâtre des Bouffes du Nord, Paris, France)で実施されました。

その映像をご紹介いたします。

① Kanye West & Sunday Service Choir – “Lord You’re Holy / Ballin'”

② Kanye West & Sunday Service Choir – “Father Stretch My Hands”

③ フル映像(2020年3月1日の“Sunday Service Choir”)

(キュレーティング:Jun Nishihara)

カニエ・ウェストが2020年大統領選挙に立候補したのは事実であり,新曲「Nah Nah Nah」を発表。

2020年10月12日,カニエ・ウェストは公式に大統領選挙立候補のキャンペーン広告を発表。

そして正式に米国内12の州で,投票用紙にカニエ・ウェストの本名カニエ・オマリ・ウェスト(Kanye Omari West)が記載されることとなりました。

そしてカニエは先週リリースされた新曲「Nah Nah Nah」で次のラインをスピットします。

Next time you text, can it wait?
You are talkin’ to a presidential candidate

次テキスト送ってくるの,待ってくれる?
俺を誰だと思ってる? 大統領選挙立候補者だぞ

このワンラインのためだけに大統領選に立候補したのか,もしくは,大統領選に立候補したからこそこのワンラインが言えたのか,カニエであれば前者も大いにありうることと想定されるが,しかし,同曲の後半ではこういう風にもラップしています。

If I put myself in harm’s way to get my own masters
They’ll put theyself in harm’s way to stay the master
They’ll put theyself in harm’s way ’cause they ain’t askin’
They’ll put theyself in harm’s way, the slaves are massive

Do you want me to get specific?
Do you want me to name numbers?
Do you want me to name summers?
All the stars came from us
All the styles came from us
All the talent came from us
All the shoes came from us
But the news ain’t on us
All the news ain’t honest
All the news ain’t honest
They wanna ignore me, rewrite the story
Take all the top spots, in every category
Back in fashion with them boys, can’t ig-can’t ignore me

自分自身を犠牲にしてまで,原盤権(=マスター音源に対する権利)を得ようとしたが
連中は犠牲をかえりみず,主人(マスター)でい続けようとした
連中は犠牲をかえりみず,俺らの願いを払い下げようとした
連中は犠牲をかえりみず,こうして奴隷は増加してくばっかであった

具体的に言ってやろうか?
数字を挙げてやろうか?
年代,季節,挙げてやろうか?
スターと呼ばれる連中は,俺ら(=つまり黒人)の真似をしてきた
スタイルに関しても俺らが「もと」を作った
タレントに関しても俺らが「もと」を作った
スニーカーに関しても俺らが「もと」を作った
しかしメディアではそんなことからっきし報道されないし
ニュースで真実は語られないし
ニュースで真実は語られないし
俺らは無視され続け,歪んだ物語にすり替えられるだけ
しかしその俺らが今,あらゆるジャンルで,トップをぶっちぎってる
同輩とともにファッション界を取り返し,もはや無視のできない存在となった

大統領選挙に立候補したというのはカニエにとっては単なるツカミでしかあらず,ほんとうに伝えたかったのはこの後半の部分ではなかろうか,と思った先週でしたが,否しかし,このツカミですら同等に重要な事実であることはカニエの人生にとっては間違いないことであろうと考えます。

最後にその「Nah Nah Nah」を掲載しておきます。

(対訳及び文責:Jun Nishihara)

HIP-HOP歌詞引用その2:Kanye West「Father Stretch My Hands, Pt.2」

カニエ・ウェストの2016年2月リリースのアルバム『The Life of Pablo』収録楽曲「Father Stretch My Hands, Pt.2」より,以下の歌詞を取り上げます。

Up in the mornin’, miss you bad
Sorry I ain’t call you back, same problem my father had
All this time, all he had, all he had
And what he dreamed, all his cash
Market crashed, hurt him bad
People get divorced for that
Dropped some stacks, pops is good
Mama passed in Hollywood
If you ask, lost my soul
Drivin’ fast, lost control
Off the road, jaw was broke
‘Member we all was broke
‘Member I’m comin’ back
I’ll be takin’ all the stacks, oh

(対訳)
朝起きて,めちゃ恋しい
ごめん,電話返さず,親父に似た性格
老舗,それが親父の全て,全て
親父の夢,でも市場が暴落し,水の泡
親父は無一文,泣いていた
それが理由で離婚するヤツもいた
実家にカネを入れた,親父は立ち直った
ハリウッドで,おふくろはあの世へ
その時の気持ち,魂を奪われた気分
アクセル踏んで,コントロール失って
クルマをぶつけて,アゴの骨粉砕
覚えてっか,一文無しだった頃
覚えてって,成り上がってやるって言っただろ
ありたっけのカネ儲けてさ,オゥ

コンマごとにリズムを切って,テンポ良くラップしていくこの歌詞は,音読するに値するヴァースです。密かにそういった意味で名曲です。以下音源を聴きつつ,リズム感のある詞を音読してみてください。

(対訳及び文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェストのビート・プロダクション・クレジット楽曲(その②)

前回のお約束どおり,1曲目はあの人,キーシャ・コール(Keyshia Cole)の登場です。この曲でキーシャは公式デビューを果たし,日本のブラック・ミュージック好きの女子にも人気を博し始めるようになります。

この頃に,いよいよ「カニエの音」というものが確立し出します。2005年リリースの楽曲ですが,カニエの初期の頃の「音」を総まとめにしたようなビート,ソウルネタも含まれ,後のカニエの音を代表することとなるローランド社の808ビートマシンのベース音も聞こえます。

2曲目は,キーシャ・コールとも仲良しであった,当時刑務所に囚われの身であったシャイン(Shyne)(当時,こいつの声に関しては,ビギー・スモールズの生まれ変われの化身とも呼ばれた)の登場です。

聴いてもらえれば解りますが,シャインのこの曲はドラムマシンのハイハットをふんだんに使用しております。カニエ・ウェストがハイハットをここまでヘヴィに使用するのは当時のティンバランド(Timbaland)の影響をかなり受けていたことが解ります。実際,2007年にシングル曲「Stronger」をリリースした頃,カニエはあるインタヴューでティンバランドを一人の師と呼んでいます。

3曲目は,チャイニーズ・ラッパーとして2000年,Friday Freestyle on BETで黒人ラッパーを次から次へと負かしていったジン(Jin)の登場です。

4曲目は,3曲目のJin – “I Got A Love”の冒頭ビートの始まり方にそっくりな曲です。嵐の舌を持つラッパー=トゥイスタ(Twista)はカニエと同じ同郷シカゴ出身。“Overnight Celebrity”です。

5曲目は,カニエ・ウェストにしか作れない!という楽曲を紹介して本日終わりにします。スラム・ヴィレッジ(Slum Village)の「Selfish」です。ここら辺で,ソウルネタはソウルネタで同じにしても,ジャスト・ブレイズがソウルネタを回す音とはやっぱり違うなぁというのが解ってきます。ジャスト・ブレイズにしか出せない「ジャスト・ブレイズの味」というのがもちろんあって,そして当曲は「カニエの味」そのものが出ている。これ,もう16年前,2004年です。

(文責&キュレーション:Jun Nishihara)