元ネタの曲を知る(16) ファイヴィオ・フォーリン⇔ザ・チェインスモーカーズ

久しぶりにこのコーナーです。
ファイヴィオ・フォーリン(Fivio Foreign)がカニエ・ウェスト(Kanye West)とアリシア・キーズ(Alicia Keys)とともに名曲「City of Gods」でコラボレートを果たしたのは記憶に新しいですが、この曲には元ネタがあり、ザ・チェインスモーカーズ(The Chainsmokers)というEDMの救世主、グラミー賞ダンスミュージック部門でも受賞した3人組ユニットが出した「New York City」という楽曲が、そもそも大元の元ネタなのでした。それを新しい「City of Gods」とあわせて、以下に掲載しておきます。

まずはFivio Foreign feat. Kanye West & Alicia Keysバージョンから。

この曲には、アリシア・キーズ(Alicia Keys)のソロ楽曲もあります。そちらのバージョンはこちら。

Alicia Keys – “City of Gods (Part II)”

そして、いよいよ元ネタの発表ですが。
こちらです。

The Chainsmokers – “New York City”

こちらはAudio Onlyバージョンです。

この曲「公式」ミュージックビデオは発表されておりませんので、以上です。

(文責及びキュレーティング:Jun Nishihara)

2022年のNYアンセム、Fivio Foreign x Alicia Keys x Kanye West出る。

2022年のNYアンセムは、まだ2月であるにもかかわらず、早くもこれに決まりです。
ファイヴィオ・フォーリン(Fivio Foreign)、アリシア・キーズ(Alicia Keys)そしてカニエ・ウェスト(Kanye West)でコラボ作として発表した「City of Gods」。ミュージックビデオは未発表ですので、現時点では音源のみです。

途中、カニエがこう言い放ちます。
おっと、その前に、ファイヴィオがこう言います。
ブルックリン・ドリル(Brooklyn Drill)の威力を世界に知らしめた今は亡きポップ・スモーク(Pop Smoke)へ曲の冒頭でシャウトアウトを捧げます。

Pop was the king of New York, now I’m the nigga in charge
(NYのキングはポップ(・スモーク)だった、俺が後を継ぐ)

そしてカニエは自身のヴァースでこう言います。

Ayy, Fivi, excuse me, but this is the feature of the year
(エィ、ファイヴィ、すまん、これ、今年イチのフィーチャーだわ)

そして、これがその今年イチのフィーチャーです。

Fivio Foreign x Alicia Keys x Kanye West – “City of Gods”

(文責:Jun Nishihara)

ヒップホップ界に現れた新人!=YNW Mellyの新曲対訳「Mixed Personalities」。フィーチャリングは,カニエ・ウェスト。

日本ではほとんど聞いたことがないラッパーでしょう。ヒップホップ界に現れた新人=YNW Melly(読み方は,ワイ・エヌ・ダブリュー・メリー」です)。英語風に読めば「ワイ・エン・ダボ・メリー」。その彼が新曲「Mixed Personalities」にカニエ・ウェストをお迎えして,曲を発表しました。

YNW Mellyは1999年5月1日生まれの若手。フロリダ出身,年齢はまだ19歳。16歳の頃に拳銃保持で逮捕され,今年(2019年)に入ってからも1月3日にまた同罪で逮捕されるという,まったくゲットーな生活をしてきたヤンチャ野郎です。

そんなヤツが「Mixed Personalities(意味は多重人格障害)」という曲をカニエとやるというのは,まー,少しは成長してきた証しでしょう。

ミュージックビデオはYouTube等で検索してみてください。
ヴィジュアルはこんなヤツです。

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YNW Mellyは昨年12月5日にレコーディング・スタジオに来てくれたカニエと撮ったツーショットをインスタ(Instagram)にアップしています。

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そのカニエ・ウェストを迎えた曲「Mixed Personalities」の対訳を掲載いたします。

YNW Melly feat. Kanye West – “Mixed Personalities”

[Intro: R. Lee Ermey]
Because I am hard, you will not like me

(イントロ:R.リー・アーミー)
キビしすぎて,おまえは俺を好きになれないね

[Refrain: YNW Melly & Kanye West]
Say you want someone
Say you want someone
Said you want someone
Say you want someone

(リフレイン:YNWメリー&カニエ・ウェスト)
人肌恋しいんだろ
人肌恋しいんだろ
人肌恋しいんだろ
人肌恋しいんだろ

[Chorus: Kanye West]
I think I got mixed personalities
This bitch switched up my whole mentality
This girl, she got mixed personalities
One day she’s happy, then she mad at me

(サビ:カニエ・ウェスト)
多重人格障害かもしれねえ
あの女のせいで,メンタルいかれちまった
あの女,多重人格障害だったんだ
ハッピーかと思いきや,次の瞬間キレていた

[Post-Chorus: YNW Melly]
Say you want someone that’ll love you
Someone who could please you
Someone who can kiss on and rub you
Fuck you like this, fuck you like that

(ポスト・サビ:YNWメリー)
キミを愛してくれる人が現れたとしな
キミを喜ばせてくれて
キミにキスして,愛撫してくれる
あんな風にヤッてくれて,こんな風にヤッてくれる

[Verse 1: Kanye West & YNW Melly]
Oh, now, I got mixed personalities
She got me stressin’, singin’ melodies
For her, I swear I’d catch a felony
Oh, Penelope

(ヴァース1:カニエ・ウェスト&YNWメリー)
オゥ,俺って多重人格障害かもな
あの女のせいでストレス溜まって,メロディなんか口ずさんじまう
彼女のためなら,重罪だって犯しちまう
オゥ,ペネロペ

[Refrain: Kanye West & YNW Melly]
Say you want someone
Say you want someone
Said you want someone
Said you want someone

(リフレイン:YNWメリー&カニエ・ウェスト)
人肌恋しいんだろ
人肌恋しいんだろ
人肌恋しいんだろ
人肌恋しいんだろ

[Verse 2: YNW Melly]
I swear to God, this girl be trippin’, dawg
One day she Blooded, then she Crippin’, dawg
You know I put it in the kittens, dawg
She screamin’ out, she need some liftin’, aw
She blockin’, ignorin’ my calls (Blockin’, ignorin’ my calls)
She keep on blockin’, ignorin’ my calls (Blockin’, ignorin’ my calls)
I’m all inside her, I’ll knock down her walls (Knock ’em down, boom)
This bitch is hyper, need some Adderall (Oh, no)

(ヴァース2:YNWメリー)
カンペキこの女,イカれちまってるぜ
今日はブラッヅだと思えば,次の日はクリップってるぜ
彼女のアソコに,ぶち込んじまうぜ
彼女,大声であえいでる,もっと気持ちいいの求めてる
彼女,俺をブロックして,俺からの電話シカトする(ブロックして,シカトする)
彼女,俺をブロックして,俺からの電話シカトする(ブロックして,シカトする)
全部アソコにぶち込んでやった,ズルズル奥まで入れてやった(ズルズル奥まで,バンッ!)
女の気分はハイ,アンフェタミン錠剤もぶち込んでやれ(オゥ,ノゥ)

[Chorus: Kanye West]
I think I got mixed personalities
This bitch switched up my whole mentality
This girl, she got mixed personalities
One day she’s happy, then she mad at me

(サビ:カニエ・ウェスト)
多重人格障害かもしれねえ
あの女のせいで,メンタルいかれちまった
あの女,多重人格障害だったんだ
ハッピーかと思いきや,次の瞬間キレていた

[Post-Chorus: YNW Melly]
Say you want someone that’ll love you
Someone who could please you
Someone who can kiss on and rub you
Fuck you like this, fuck you like that

(ポスト・サビ:YNWメリー)
キミを愛してくれる人が現れたとしな
キミを喜ばせてくれて
キミにキスして,愛撫してくれる
あんな風にヤッてくれて,こんな風にヤッてくれる

[Verse 3: YNW Melly]
Oh, Lord, I ain’t never been here before, oh, no
Oh, keep pressin’ ignore, oh, no
She keep ignorin’ my calls and blockin’ me on everything
Bitch, oh, no
Oh, and it’s my fault, mmm
I got the keys to the lil’ bitch heart and you can’t get the vault (Yeah)
Better go get a locksmith, better go get your Glock, bitch
Pull up on mothafuckin’ opp if he playin’ with my Slime
That’s my boo, that’s my Slime, that’s my everything (Everything)
That’s my bitch forever, don’t need no wedding ring (Wedding ring)
I’ll give her the world, polka dots on her new pajamas
Take the bitch out to Bahamas, let the ho eat at Benihana (Benihana)
Matter of fact, ain’t tryna meet your mama (Meet her mama)
Dick her down, that the other way (All the way)
Dick her down, yeah, the other way (Right way)
Dick her down, yeah, the Thugger way (Thugger way)
Knockin’ on your door (Door), tryna give your love (Love, love)
You keep tellin’ me (Love), you don’t give a fuck (Fuck, fuck)

(ヴァース3:YNWメリー)
オゥ神よ,ここまで来たの初めて,オゥノゥ
オゥ「無視」ってボタン,押し続けてやれ,オゥノゥ
なんでもかんでも,あの女,ブロックして無視しやがる
ビッチ,オゥノゥ
オゥ,俺のせいか,うん
あの女のハートの鍵は俺が持ってる,なのに金庫をこじ開けられねえ(イヤー)
鍵師に頼むか,グロック銃を掴むか,どっちかだ,ビッチ
彼女を軽くあしらったなら,タダじゃおかねえぜ
俺の女,俺の親友,俺のすべてだからな(俺のすべてだからな)
永遠に俺の女,結婚指輪なんてもはやいらねえ(もはやいらねえ)
俺の世界すべてをあげる,水玉模様の新しいパジャマ
彼女と海外旅行,バハマまで,ディナーは和食のBenihana(ベニハナ)で
ほんとのこと言うと,彼女のママには会ってない(ママには会ってない)
でもぶち込んでやった,アソコへ(ずっと奥まで)
ぶち込んでやった,イヤー,アソコへ(気持ち良くなるまで)
ぶち込んでやって,イヤー,サグのやり方で(サグのやり方で)
奥のドアをぶち破って(破って),愛してやんのさ(愛して,愛して)
いっつも言ってるね(ラヴ),ファックはしないって(ファックは,ファックは)

[Bridge: YNW Melly]
You won’t find nobody that can fuck you like I fuck you, babe
You won’t find nobody that can fuck you like I fuck you, babe
You won’t find nobody that can fuck you like I fuck you, babe
Young Nigga World and I got the young nigga wave

(ブリッジ:YNWメリー)
キミのこと,俺みたいにファックできるヤツ,他にいねえぜ,ベイビー
キミのこと,俺みたいにファックできるヤツ,他にいねえぜ,ベイビー
キミのこと,俺みたいにファックできるヤツ,他にいねえぜ,ベイビー
若くて黒いこの世界,ヤングで黒いウェーヴで

[Chorus: Kanye West & YNW Melly]
I think I got mixed personalities
This bitch switched up my whole mentality
This girl, she got mixed personalities
One day she’s happy, then she mad at me

(サビ:カニエ・ウェスト)
多重人格障害かもしれねえ
あの女のせいで,メンタルいかれちまった
あの女,多重人格障害だったんだ
ハッピーかと思いきや,次の瞬間キレていた

[Refrain: YNW Melly & Kanye West]
Say you want someone
Say you want someone
Said you want someone
Said you want someone

(リフレイン:YNWメリー&カニエ・ウェスト)
人肌恋しいんだろ
人肌恋しいんだろ
人肌恋しいんだろ
人肌恋しいんだろ

(文責:Jun Nishihara)

Guest Versesのコーナー:カニエ・ウェスト(ゴーストフェイス・キラーの「Back Like That (Remix)」より)

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このコーナーでは,カニエ・ウェストが人の曲にヴァース(歌詞)を提供している曲を紹介します。
本日ご紹介する楽曲は,Ghostface Killah feat. Ne-Yo & Kanye West で「Back Like That (Remix)」です。

[Verse: Kanye West]
I’m high powered, put Eva Mendes to sleep
Yo pardon, that bitch been on my mind all week
But back to you, MAC gloss chick, you’re way fit
How you have everything in this world and waste it
Prince told me it’ll be okay
I’m so sick like Ne-Yo say
I’m laid back, like neo-soul
I holla back at this Creole ho
She from the N.O., but she never told me “N-O” so
We at the spot to chill, where the food get grilled
She ordered the Kobe beef like Shaquille O’Neal
Second I walked in, the whole room got still
I don’t know how to put this, but I’m kind of a big deal
And she conceited, she got a reason
She got her hair did, she got her weave in
And I’mma sweat that out by the evening
You, I don’t sweat that now, I got a new

(ヴァース:カニエ・ウェスト)
精力アゲアゲ,俺とヤり過ぎで,エヴァ・メンデスもクタクタ
失礼しやした,今週ずっとカノジョが頭から離れない
でもキミのリップグロスがタマんない,ボディラインもピチピチだし
世のどんな男でもキミなら手にできるのに,この俺を放っておくのかい
プリンスに言われた,「気にすんな」って
ニーヨが言ってた,「心の病い(ソー・シック)さ」って
いい気分でくつろいで,雰囲気はネオ・ソウル
俺が声かけたい女の子の血は,クレオール
ニューオーリンズ出身,一度も断ったことがない
お決まりのスポットで,グリルで肉焼いて,一緒にチルして
神戸牛をオーダー,まるでシャキール,コービーじゃないぜ
俺のお出まし,部屋中のみんな一瞬フリーズ
言わせてくれるか,俺ってね,ちょっぴりセレブなの
カノジョはちょっぴり自惚れてる,でもあのボディじゃ無理もない
髪型キメて,ウェーヴ風にして
でも今晩はキミと汗だくで髪はクチャクチャ
キミにはもう冷や汗かかない,みっけ,新しい女の子

カニエ・ウェストの才能は,ビートプロデュースにとどまることなく,ちゃんとライム・スキルにも生かされています。

たとえば,冒頭の4行です。このラインでは,常日頃からヒップホップと接している人にはたまらないカラクリが隠されています。もともと,これはヒップホップ史に残る最高のリリシストの1人=レイクウォンがリリースしたヒップホップの歴史的名曲「Ice Cream」の歌詞からです。同曲でfeat.されているゴーストフェイス・キラーのヴァースをもじって,カニエ・ウェストがラップしています。これはカニエからゴーストフェイスに送る,最高のリスペクトです。

おおもとの歌詞はこうでした。

原曲のヴァースです。
I’m high-powered put Adina Howard to sleep
Yo pardon, that bitch been on my mind all week
Back to you Maybeline Queen let’s make a team
You can have anything in this world except C.R.E.A.M

精力アゲアゲ,俺とヤり過ぎで,アディーナ・ハワードもクタクタ
失礼しやした,今週ずっとカノジョが頭から離れない
でもキミはコスメの女王,俺と一緒にチームを組もうぜ
世のどんなものでもあげちゃうよ,C.R.E.A.M(Cash Rules Everything Around Me)以外はね

こちらが現代によみがえる,カニエ・ウェスト版です。
I’m high powered, put Eva Mendes to sleep
Yo pardon, that bitch been on my mind all week
But back to you, MAC gloss chick, you’re way fit
How you have everything in this world and waste it

精力アゲアゲ,俺とヤり過ぎで,エヴァ・メンデスもクタクタ
失礼しやした,今週ずっとカノジョが頭から離れない
でもキミのリップグロスがタマんない,ボディラインもピチピチだし
世のどんな男でもキミなら手にできるのに,この俺を放っておくのかい

こういう風に「元ネタの曲から一部の歌詞をもじる」というのは,実際ヒップホップを常日頃から聴き込んでいる人でないと,気づかないものです。現代の曲に,さりげなく(subtle)昔の曲をほのめかしている,というのは,常に明示的(clear cut)で,なんでも堂々と(in your face)はっきり見せるアメリカでは珍しいことです。カニエ・ウェストはシカゴ市の芸術大学を卒業していますが,和にも通ずる日本的なこの「さりげなさ(subtlety)」というのを曲中にちりばめている,というのは,アメリカの芸術もだんだんと変わってきたことを示しています。いままではアメリカでは白人が大多数(majority)を占めていましたが,現在はそれが逆転し始めている州も出てきております。これまで通例と思われてきた「白人のアメリカ」というイメージや,「明示的で,大きくて,わかりやすく,堂々としたものが一番良い」と当然のように思われてきたアメリカが変わりつつあります。そうした中で,カニエ・ウェストに共感するアメリカ人が増えてきたのも確かです。トランプ大統領がここまで不人気なのもうなずけます。もしもこれが1990年代であれば,トランプ大統領の支持率もここまでは低くはなかったはずです。また,カニエ・ウェストもここまで受け入られてなかったでしょう。

ますます多様・多彩化(diversify)する現代のアメリカで,多民族・多人種が「共感しあえる同じ土壌」(empathic common ground)を見つけるというのはとても大切なことであるはずです。その「共感しあえる同じ土壌」のひとつがカニエ・ウェストの音楽であっても良いと思うのです。

(文責:Jun Nishihara)

Guest Versesのコーナー:カニエ・ウェスト(ミスター・ハドソン「Supernova」)

カニエ・ウェストの英国好き(UKシーン好き)は有名ですね。カニエのような米国黒人ラッパーで,英国のシンガーとコラボしているケースは珍しいです。最近ではドレイク(Drake)が,英国のシンガー=ジョージャ・スミス(Jorja Smith)とコラボしたり,英国の黒人ラッパー=スケプタ(Skepta)や,ギッグス(Giggs)と組んだりして,英国(UKシーン)にコアなファンベースを広めておりますが,ドレイクがそれをやるずっと前に,カニエ・ウェストはその傾向性を見せていました。

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さて,今回Guest Verses(人の曲に歌詞を提供)のコーナーで紹介する曲は,UKシンガー=ミスター・ハドソン(Mr. Hudson)が2009年7月にリリースしたシングル曲「Supernova」から,カニエのヴァースを紹介します。

Oh, they got it all you can see they got it all
They got the cars, the boat and the beautiful house by the shore
And you know there’s more
But I can’t take another minute of it at all
He wants his kids and the dog, he wants his breakfast in bed
He’s got his trust fund saved, not a worry in his head
It’s not you, homie
I wanna break up the scene and see you running back to me

Cause I feel like taking off, let me be your supernova
Before you make the biggest mistake of your life
Just give me the chance to get it right, get it right
Yeah, I feel like taking off, let me be your supernova tonight
Before you make the biggest mistake of your life
Just give me the chance to get it right, get it right

あぁ,あらゆるモノすべて,なんでも手に入る人生
たとえ高級車でも,豪華客船でも,海辺のきれいな豪邸だってね
しかも,それだけじゃ止まらない
でもね,もう,うんざりさ,これ以上たえられない
これからは自分の子どもが欲しいし,犬だって飼いたい,ベッドで朝食なんていいね
たとえ莫大な貯金があったって,カネの心配は無い人生って言ったって
キミがいなきゃ,意味がないんだよ
この場所から飛び出して,キミに飛び込んできてほしい,オレの胸の中へ

ここから飛び出して,キミだけの超新星(スーパーノヴァ)になりたいんだ
人生で最大のあやまちを犯してしまう前に
オレにチャンスをくれるかい,やり直してみせる,やり直してみせる
ここから飛び出して,キミだけの超新星(スーパーノヴァ)になりたいんだ
人生で最大のあやまちを犯してしまう前に
オレにチャンスをくれるかい,やり直してみせる,やり直してみせる

(文責:Jun Nishihara)

Guest Versesのコーナー: カニエ・ウェスト(スラム・ヴィレッジ「Selfish」)

このコーナーでは,カニエ・ウェストが人の曲にヴァース(歌詞)を提供している曲を紹介します。

今回紹介する曲は2004年6月にリリースされた,スラム・ヴィレッジ(Slum Village)の「Selfish」という曲です。先日亡くなった「ソウルの女王」ことアレサ・フランクリンの「Call Me」ネタをサンプリングに使った曲です。プロデュースはカニエ・ウェスト。

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カニエ・ウェストがプロデューサーとして,アレサ・フランクリンの曲を元ネタにしているヒップホップ曲は多いですね。これこそアレサ・フランクリンに捧げる,至極のリスペクトですね。

その曲から,カニエ・ウェストのヴァース(一節)を紹介します。

Uhh, and don’t be tryna come around my girl
Acting like Mr. Friendly
And steal the spotlight like Mr. Bentley
I spotted her like Spud McKenzie
And for them fake boobies I paid them Benjies, get your own
I got Paris, he got Nicky, he tried to get em a clone
He said, “Ye you know you got extra hoes
And everything you do is extra cold”
From the Polo fleece to the Jesus piece
I got family in high places like Jesus’ niece
Can I please, say my peace?
If y’all fresh to death, then I’m deceased
And this one here is a heatrocks, spit like a beat box
The way the beat rocks, new version of Pete Rock
But for that Benz, I get CL love
So I switch my girls around like 3L-dub, I’m calling

ねぇ,オレの女に軽がる声かけんじゃねえよ
勝手にフレンドリーに接しやがって
カノジョの注目,盗もうとしやがって
カノジョみっけたのオレだよ,仔犬(オレ)の手がらだよ
シリコン入りのオッパイ,オレのお金だよ,くれてやんねえよ
オレのパリス,おまえのニッキー,クローンにはダマされねえよ
「カニエ,女ならいくらでもあんだろう
あんたは何やっても,イカしてんなあ」だってよ
ポロのフリースから,ジーザスのチェーンまで
雲の上から家族が見守ってくれてんだ,ジーザスの姪っ子みたく
おねげえだから,お祈りさせて
おまえの「それ」でフレッシュなら,オレはゲロ吐いて死んじまう
アッツアツの溶岩なみにホットな曲,ビートボックスなみにスピット
爆音でぶっ飛びビート,よみがえるピート・ロックの現代版
でもベンツと来たら,オレの気に入りはCLクラス
日によってカノジョを入れ替え,まるで3LW,電話するよ

(文責:Jun Nishihara)