「ガタ・カタ・ラタ・アダ・ヤ・ビッチ・オナ・ガナ・ワナ・・・」と続く最新のラップ曲。

2020年5月22日にリリースされたニューアルバム『Wunna(ワナ)』は米国ジョージア州出身の若手ラッパー=Gunna(ガナ)の仕業によるものです。

リードシングルであるアルバムタイトルと同名の楽曲「Wunna」は,フック(サビ)が「ワナ」に韻を踏む語の羅列を用いてリスナーの耳に心地良い錯覚を与えるデキとなっています。

ビジュアルはこんなヤツです。

View this post on Instagram

Still a Kid I Love Barney 🥵🧡

A post shared by ❕WUNNA❕ (@gunna) on

以下のミュージックビデオでも聴けますが,そのサビの部分は英文で表記するとこうなります。

Money puddles (puddles) got a cutter (cutter)
Lotta orders (Orders), dollars, quarters (Ayy)
Wrist water (Ayy), Rich Porter (Ayy)
Your bitch on now (On now), Gunna Wunna (Wunna)
Commas, commas (Racks), hundreds, hey (Hey)
I’m a stunna (sauna) summer (Hey)
Benihana (‘Hana), cook up, hey (Hey)
My crew paid (Paid), surf a wave (Wave)

音声をカタカナで表記するとすれば,こうなります。
「マネー」が「マニ」,「ウォーター」が「ワラ」,「コンマ」が「カマ」になります。

マニ・パド・(パド)・ガタ・カタ・(カタ)
ラタ・アダ・(アダ)・ダラ・クォタ・(エィ )
リス・ワラ・(エィ)・リチ・ポタ・(エィ )
ヤ・ビッチ・オナ・(オナ)・ガナ・ワナ(ワナ)
カマ・カマ・(ラク)・ハニッ・ヘイ(ヘイ)
アイマ・スタナ・(ソナ)・サマ(ヘイ)
ベニ・ハナ・(ハナ)・クカッ・ヘイ(ヘイ)
マクル・ペイ・(ペイ)・サファ・ウェィ(ウェィ)

さて,日本語意味に対訳するとなると,こうなります。

カネ・たんまり・(たんまり)・忍ばす・銃・(銃)
どっさり・注文・現ナマ・硬貨(エィ )
手首・ギラギラ・(エィ )・リッチ・野郎(エィ )
おまえの・女・抱く・俺が・ヤる(ヤる)
1万・10万・(札束)・100万・ヘイ(ヘイ)
俺は・スタナ・(サウナ)の如く・夏のよに・アツい・野郎
高級・レストラン・コックの・料理・ヘイ(ヘイ)
仲間も・カネも・(儲け)・波に・ノッてる(ノッてる)

真夏の・夜の・眠れなき・暑さの・中で・こんな・曲は・どで・っか?

1993年生まれのラッパー=ガナ(Gunna)は,同郷であるアトランタ出身の大人気ラッパー野郎ヤング・サグ(Young Thug)に見出されて,ヤング・サグ自身が創設したレコード・レーベル=YSN Recordsに迎えられた。まさに現代の若者ラップをリードするヤング・サグ(Young Thug)に認められたラッパーであり,昨年2019年にはデビューアルバム『Drip Or Drown 2』を発売し,米ビルボードチャート第2位を獲得した。そして先日リリースされた本アルバム『Wunna』では,現在最も勢いあるウェッサイはコンプトン出身のラッパー=ロディ・リッチ(Roddy Ricch)をフィーチャリングした楽曲「Cooler Than A Bitch」も収録。ガナ自身はサウス・ラップのど真ん中であるATL(アトランタ)はカレッジ・パーク出身。カレッジ・パーク出身のラッパーには,2チェインズ(2 Chainz)やリュダクリス(Ludacris),ヤング・ジョック(Yung Joc)等,大物ラッパーが並ぶ,と書くと,ガナにプレッシャーを与えるかな,カナ?

これまで出てきたサウスのラップ調子をさらに鋭敏化させたこの「ガナ・ワナ調」ラップを以下ミュージック・ビデオでお聴き下さい。

Gunna – “Wunna”

(文責&キュレーティング:Jun Nishihara)

ドレイクに影響を与え,そして影響を受けた,UKの黒人音楽シーン(その③)

まずは,こちらをお聴き頂いて,この英国ヒップホップの雰囲気を十分に堪能して下さい。

ドレイク(Drake)が2017年3月にリリースしたUKミュージックシーンの影響をモロに受けた(heavily influenced)アルバム『More Life』には,UK(英国)のR&Bシンガーソングライターであるジョルジャ・スミス(Jorja Smith)もフィーチャリングされていました。

ジョルジャ・スミスは英国中部に位置するウェスト・ミッドランド州ウォル・ソール市の生まれ。父親はジャマイカ人で母親はイギリス人。2018年にリリースされた公式デビューアルバム『Lost & Found』は「UK R&Bチャート」で第1位を記録。毎年イギリスで開催される音楽の祭典式=ブリット・アワード(The Brit Awards)では,2018年にクリティクス・チョイス・アワード(音楽評論家が選ぶアーティスト)を受賞。翌年2019年には,同ブリット・アワードのベスト・フィメール・ソロ・アーティスト(最優秀女子ソロアーティスト)部門で賞を受賞しました。

雨季が多い英国のしっとりした雰囲気を醸し出す音楽もあれば,冒頭のように現代英国のヒップホップシーンを映し出す楽曲も披露するという多才ぶり。彼女の幾つかのミュージックビデオを以下に紹介いたします。

Jorja Smith – “Goodbyes”

Jorja Smith – “Teenage Fantasy”

Jorja Smith – “Where Did I Go?”

Jorja Smith – “The One”

そして2018年に大ヒットしたマーベル・スタジオ製作の映画『ブラックパンサー』のサウンドトラックでもジョルジャはフィーチャリングされておりました。それがこちらです。

Jorja Smith – “I Am”

最後に英国ラッパーであるストームジー(Stormzy)と,生粋のナイジェリア生まれラッパー=バーナ・ボーイ(Burna Boy)と共演した楽曲をそれぞれ掲載いたします。ストームジーやバーナ・ボーイと共演してここまでぴったりウマが“合う”女性のR&Bアーティストというのは珍しく,ジョルジャ・スミスならではの味が出ていることが伺えます。

Jorja Smith feat. Stormzy – “Let Me Down”

Jorja Smith feat. Burna Boy – “Be Honest”

(文責&キュレーティング:Jun Nishihara)

ドレイクに影響を与え,そして影響を受けた,UKの黒人音楽シーン(その②)

UKの黒人音楽シーンに出現した若手シンガー女子2名=エラ・メイ(Ella Mai)とマハリア(Mahalia)が並んで映ると,まさに姉妹のように映る,そんな映像が流れるのが2019年9月にリリースされたミュージックビデオ「What You Did」です。二人ともUK出身。エラ・メイはジャマイカ人の母親と,アイルランド出身の父親の混血。マハリアは,英国ミッドランド東部に位置するレスターシャーの生まれ。同じくジャマイカ人の母親と,アイルランド出身の父親の混血。やっぱり二人とも,姉妹?!

Screen Shot 2020-05-17 at 10.59.20

「What You Did」のミュージックビデオはこちらです。

Mahalia feat. Ella Mai – “What You Did”

キャムロン(Cam’ron)好きの私は,すぐにこの曲が好きになりました。
(キャムロンについては,コチラを読んでみてください。)

なぜこれがキャムロン好きにはタマらん曲なのか,と言えば,マハリアのこの楽曲「What You Did」のビートは,まさに以下のキャムロンの2002年4月リリースのシングル曲をサンプリングしているからです。

Cam’ron – “Oh Boy”(2002年4月リリース)ディップ・ディップ・セッセッ!!

なお,知ってました?この「オゥ・ボーイ・ビート」は以下の曲でマライア・キャリー(Mariah Carey)もサンプリングします。

Mariah Carey feat. Cam’Ron – “Boy (I Need You)”

さて,話を戻しますと,エラ・メイはシングル曲「Boo’d Up」で2018年に全世界を席巻し,売り上げは米国のみで500万枚セールス,カナダや英国での売り上げを合わせますと,合計600万枚以上。2018年のビルボードチャートを総ナメする勢いにまで発展しました。

他方,マハリアはその間,UKの音楽シーン,とりわけアンダーグラウンド・シーンでグツグツと人気を温存してきており,2019年9月にアルバム『Love and Compromise』をリリースし,同アルバムは英国R&Bアルバムランキングに於いて第3位を記録しました。

この生粋のUK生まれの二人は,冒頭のシングル曲「What You Did」でコラボレーションしたわけですけれども,楽曲に起用されている元ネタ・ビート「Oh Boy」を世に出した張本人であるキャムロン自身を迎えたというREMIXヴァージョンも今年リリースされました。2002年に出たキャムロンのビートをサンプリングとして使い,そして18年後の2020年に,キャムロン自身をREMIXに迎えた!という大胆な手法で,以下REMIXをリリースしたものです。

https___images.genius.com_8bfee30f6d24423c85426ed1eb265cb7.640x640x1

ちなみに,マハリアが上記写真でまとっている緑色の毛皮は,2002年にキャムロンがピンクの毛皮をまとって撮った以下の写真をオマージュとしております。これは2002年当時,キャムロンがヒップホップ界随一のピンク色好きということで有名で,クルマもピンク,ダボダボのシャツもピンク,毛皮もピンクという出立(いでたち)で,ヒップホップ界では当時このピンク色を「Cam’ron Pink(キャムロン・ピンク)」と呼ぶようにまでなり,当時かなり話題になりました。ゴテゴテのヒップホップ野郎でもピンク色のシャツを着てもいいんだ,と,NYの若者はそのカラーを真似するようになり,ついにヒップホップ・ファッション界にまで影響を及ぼすこととなりました。

c533ea0d10d63fdd71243311f5e0fe84

さて,そのキャムロン張本人を迎えてリリースしたREMIXヴァージョンがこちらです。

Mahalia feat. Cam’ron & Ella Mai – “What You Did (REMIX)”

(文責:Jun Nishihara)

元ネタの曲を知る(12):ドレイク ⇄ JAY-Z ⇄ ボビー・グレン

どうも,西原潤です。

1年半以上前ですが,2018年9月にこういう見出しを1件UPしました。

ジェイZのヒップホップ界歴史に残る名盤『The Blueprint』に収録されている「Song Cry」の元ネタを探ったものでした。

この曲が世にリリースされて,かれこれ18年以上が過ぎておりますが,その18年以上が経過した今,ヒップホップ界でベテランの域に入り始めているドレイクが,この名曲を引っ提げお手本にして,「When To Say When」という曲を今年2月にリリースしました。そして,2020年5月1日にリリースした公式ミックステープに同曲「When To Say When」を収録しました。

私の尊敬するHip-Hop JournalistにElliott Wilsonという方がいます。Elliott(YN)は80年代から米ヒップホップ雑誌(『ego trip』『The Source』『XXL』『RESPECT.』)の編集者(後に編集長)として名を上げてきた人物です。最近はTIDALで放送されている動画付きのラッパー・インタヴュー集「Rap Radar Podcast」を立ち上げております。すでに現時点で,90話まで進んでおりますので,約90名のラッパーをインタヴューしてきた計算になります。このインタヴュー集は,TIDALを月額購買していれば,視聴可能です。

昨年2019年12月25日に公開されたElliott Wilson & B.Dotとドレイク(Drake)のインタヴューは,ドレイクのトロントの自宅で行われました。インタヴューが“あの”ドレイクの自宅で行われた,というのは,どれだけElliottがヒップホップ界でリスペクトされているか,ということを物語っています。このインタヴューはTIDALを月額払って観てみる価値はありますので,お金に少し余裕のある方は,月額スタートしてみると良いですよ。

さて,そのドレイクが「When To Say When」を今年2月にリリースした際に,ミュージックビデオも同日公開されました。そのミュージックビデオは,ドレイクがジェイZの生まれ育ったブルックリンのMarcy Projectsに赴き,そこで撮影しているという感動的なものです。なぜ感動的か,というのは幾つか理由はあるのですが,1つは,タイミングです。2001年8月に亡くなったAaliyahをドレイク自身,当時好きで聴いていました。当時2001年にドレイクはラッパーとしてまだ世に出ていませんでしたが,同じ世代の人間として私も,Aaliyahを当時ヘヴィロテで聴いておりました。当時ヘヴィーローテーションで流していた大好きなアルバムの歌手が亡くなった,と。それを知ったのは,当時インターネットなんて僕はやってなかったですから,誰かアメリカに住んでいた友達から聞いたんだと思います。新聞でも見たのかな?もうアメリカと黒人音楽にどっぷり浸かっていた2001年でしたので,当時の様々な思い出が,「Song Cry」を聴くと甦ってくるのです。そういう最中のことでしたから,Aaliyahが亡くなった翌月にリリースされた『The Blueprint』収録楽曲の最も感動的である曲をサンプリング(という言葉が安っぽく聞こえてしまうので使いたくない)否,サンプリングではなく「お手本として起用させていただいた」曲をドレイクがリリースしたというのは,そして同日にリリースされたミュージックビデオを拝見した時には,あの当時を思い出して,いろいろな感情が溢れ出してきたため,涙が出てしまったのでした。

ここにその「When To Say When」と「Song Cry」と,そしてBobby Glennの「Sounds Like A Love Song」を掲載しておきます。

Drake – “When To Say When”

JAY-Z – “Song Cry”
(ミュージックビデオの冒頭で2002年という文字が出てきますが,この曲を収録したアルバムが出たのは2001年です。当時はミュージックビデオ(当時の言葉でPV)は時間をかけて製作されていましたから,曲が世に出て1年,2年後にPVが発表されても不自然ではなかったのです。最近のように,リードシングル曲ならまだしも,それ以外の曲がリリースされて,同日中にミュージックビデオも世に出るなんていうのは極めて稀なことだったのです。)

Bobby Glenn – “Sounds Like A Love Song”

(文責&キュレーション:Jun Nishihara)

ビヨンセを招いての「Savage REMIX」/ミーガン・ジー・スタリオン自身が振り付けを踊る動画UP!(そして愛犬のフォー)

先週,全米の女子たちを席巻したビヨンセ(Beyonce)を招いてのミーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)の楽曲「Savage Remix(サヴェッジ・リミックス)」を紹介しました。ダンサーに限らず,むしろ一般人による動画のUPが全米中で話題になりました。

そしてついに,ミーガン自身もその振り付け(choreography)を踊って,自身にインスタグラム(@theestallion)にUPされました。後ろの二人はお友達です。愛犬のフォー(@frenchie4oe)はここには登場していないですね。

ちなみに愛犬フォー(Foe Thee Frenchie(フォー・ジー・フレンチー))はコチラです。

View this post on Instagram

Señor 4oe 🐾🐶

A post shared by Foe Thee Frenchie (@frenchie4oe) on

View this post on Instagram

Who not that sleepy?🐶🐾

A post shared by Foe Thee Frenchie (@frenchie4oe) on

以上,フォーのブロマイドページでした。

(文責&キュレーション:Jun Nishihara)

ドレイクのデモテープならぬミックステープ登場!タイトルは『Dark Lane Demo Tapes』。

先週は,いそがしい週でした。週の中日(なかび)にミーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)がビヨンセをフィーチャリングした「Savage Remix」をリリースし,全米がそのRemixで躍りまくっていた最中さながらに,ドレイク(Drake)が新盤公式ミックステープ『Dark Lane Demo Tapes』をリリースしました。

ゆーたら,現代黒人音楽のスリー・トップですよ。ミーガン,ビヨンセ,そしてドレイク。この3人が話題となった先週は2020年始まって,ヒップホップ界的にはなかなか濃い週でした。

そのドレイクの『Dark Lane Demo Tapes』,アルバムジャケはコチラ。

drake-dark-lane-demo-tapes-1588291452-640x640

聴きどころは以下のとおり。

収録楽曲,②「When To Say When」,③「Chicago Freestyle」,⑤「Toosie Slide」の3曲に関しては,3曲とも2020年になってから世に出回っていたストリート・シングル曲。それぞれにミュージック・ビデオもリリースされております。

既出の上記3曲以外で,今回のミックステープで初出の楽曲としては④「Not You Too」(クリス・ブラウンを迎えて,ムードある曲調)⑦「Time Flies」(ポップな仕上がりで,中毒性のあるフック),⑩「Pain 1993」(若者がリスペクトするファッションデザイナー=イアン・コナー(Ian Connor)に捧げた曲),12「From Florida With Love」(2009年に銃を持った強盗にガンポイントで狙われたドレイク自身の体験をもとに曲作りしたもの。まさにアルバムタイトルのとおり“ダーク”な曲調。),そして最終曲14「War」はいわゆる「UK Tings(UK調子)」で作り上げたラップスタイル。他のドレイクのラップスタイルとは全く異なった調子でラップするドレイクに注目。これは数年前から英国(United Kingdom)出身のラッパーと連れ始めたドレイクならではの曲です。

以上,ミックステープの良さは適度に力を抜いて聴けるというところ。収録楽曲の2曲目「When To Say When」以外は,力を抜いて聴けるという,どこへでも持っていけそうな1枚です。

(キュレーティング:Jun Nishihara)

ビヨンセを招いてREMIX登場。ミーガン・ジー・スタリオンのアイマ・サヴェッジ!

Megan-Thee-Stallion-Savage-Remix-1588189546-640x640
(種馬=スタリオン,ミツバチ群=クイーン・ビー。スタリオン(Stallion)とは「種付け馬のようにがっしりとした体格で性的に魅力のある女」という意味の米スラング用語。ミツバチは,ビヨンセの愛称=Queen Beeより。)

出ました。サヴェッジのリミックスヴァージョン。

今年の夏もアツくさせてくれそうです。ホット・ガール・メグことミーガン・ジー・スタリオン。

ホット・ガール・サマー(Hot Girl Summer)は2019年でした。今年2020年は,サヴェッジ・ガール・サマー(Savage Girl Summer)となる勢いです。

まずは,そのオリジナル・ヴァージョンで素人がダンス披露をするコンピレーション動画をご覧下さい。その後,ビヨンセを招いてのREMIXヴァージョンです。

オリジナル(Megan Thee Stallion – “Savage”)

以下はジャスティン・ビーバーも参戦。

続いて,2020年4月29日にリリースされたBeyonce(ビヨンセ)を招いてのリミックス:Megan Thee Stallion feat. Beyonce – “Savage Remix”です。YouTube上のミーガンの公式ページでアップされ,すぐにトレンディング急上昇第1位,再生回数は3日で1000万回超え,全米のサヴェージ女子がリミックスを掛けてダンス動画を続々UPするという記録。

以下は,#SavageRemixChallengeより。

以下はきちんと歌詞の意味を捉えてのダンスでなかなかの好印象。

(キュレーション:Jun Nishihara)

Cam’ronのアルバム『Purple Haze』を知っているか?

今般の新型コロナウイルスの影響で,アメリカ人も隔離の生活(quarantine life)を送っているわけですけれど,家でこもっている全米の人たちにとって,あらゆる「おうち娯楽(At-Home Entertainment)」が届けられています。

まずは全米音楽ストリーミングサイトであるTIDALでは,「At Home with TIDAL」という題名で,これまでのTIDALインタヴューをまとめて放映しています。

そこでニューヨーク市はイースト・ハーレム出身のベテランラッパー=キャムロン(Cam’ron)のインタヴューが流れていました。

キャムロンについては以前このサイトでも少しだけ取り上げました。

キャムロンがこれまでリリースしてきた公式ソロ・アルバムは7枚。以下のとおりです。

https_images.genius.com3c9078c99248a02e298976d5d0e167be.600x600x1
『Confessions of Fire』

SDE_cover
『S.D.E.』

Come_Home_With_MeCam
『Come Home with Me』

Cam'ron_-_Purple_Haze
『Purple Haze』

Cam-killa-season
『Killa Season』

CrimePays
『Crime Pays』

Camron_Purple_Haze_2_Cover_Art
『Purple Haze 2』

この中でキャムロンはじぶんが一番気に入っているアルバムとして,TIDALインタヴュー中で,話します。それが『Purple Haze』であると。

アルバム『Purple Haze』については,知っている人も,リリース当時から何回も聴いてきた人も,この機会にもう一度,聴き直すべき名作です。

収録楽曲は以下のとおりです。

1. “Intro”
2. “More Gangsta Music” (featuring Juelz Santana)
3. “Get Down”
4. “Welcome to Purple Haze” (skit)
5. “Killa Cam”
6. “Leave Me Alone, Pt. 2”
7. “Down and Out” (featuring Kanye West and Syleena Johnson)
8. “Harlem Streets”
9. “Rude Boy” (skit)
10. “Girls” (featuring Mona Lisa)
11. “I’m a Chicken Head” (skit)
12. “Soap Opera”
13. “O.T.” (skit)
14. “Bubble Music”
15. “More Reasons” (featuring Jaheim)
16. “The Block” (skit)
17. “The Dope Man” (featuring Jim Jones)
18. “Family Ties” (featuring Nicole Wray)
19. “Adrenaline” (featuring Twista and Psycho Drama)
20. “Hey Lady” (featuring Freekey Zekey)
21. “Shake” (featuring J.R. Writer)
22. “Get ‘Em Girls”
23. “Dip-Set Forever”
24. “Take ‘Em to Church” (featuring Juelz Santana and Un Kasa)

第一印象は,収録楽曲が多いこと。その理由はなんといっても「スキット」の多さです。

まぁインタヴューの中でも笑い話として語られますが,当時のヒップホップ・アルバムはそれはまぁスキットが多かった。スキットを挟むことによって,ゲットーの暮らしっていうものを再現していた。黒人(とくに若者黒人)が実際に話している英語の使い方等を所々に散りばめて,黒人生活の「リアルさ」を再現していた。とくにキャムロンはそれを「ユーモア」を込めた会話を含め,収録していた。2002年〜2009年頃までにリリースされたヒップホップアルバムはとてもスキット(skits)が多かった。なつかしい。

さて,当時からすでにカニエ・ウェスト(Kanye West)は売れっ子のプロデューサーとして働いていたわけですけれど,キャムロンの当該アルバムには当時,DipSet常連のザ・ヒートメイカーズ(The Heatmakerz:例えば2曲目)と並んで,登場しておりました。カニエ・ウェストが上記収録楽曲中でプロデューサーとして関わったのは2曲。収録楽曲7.の「Down and Out」と楽曲23.の「Dip-Set Forever」です。

当時キャムロン自身,ソウルフルなサンプリングを好んでいましたので,カニエ・ウェストのソウルフルなサンプリング・ネタ使いと相性が合ったのでしょう。聴いているこちらも,とても心地よいです。

23曲も聴くのは大変ですので,つまみ食いするとするならば,次の曲を聴くべきでしょう。キャムロンとその周辺(DipSet野郎たち)のこのぶっ飛んだ音楽に打ちのめされてみてください。

【聴くべき曲目リスト】
7. Down and Out(カニエのソウル・ネタに乗っけた,キャムロンの遅めのラップに注目!)
8. Harlem Streets
10. Girls(マドンナのガールズ・ネタ使い!当時,シングル・ヒットした曲。)
21. Shake(テンポ,ビート,リズム,どれを取ってもクラブ用。ハーレム・シェイクを別の次元にもっていった,当時にしては,ぶっ飛んでいた曲。)
23. Dip-Set Forever

とくに23曲目の「Dip-Set Forever」はソウル・サンプリングを極端に回しているので,もう涙ものです。こんなことをやる人は,最近もういないですよ。こんな一歩まちがえるとシロウトが作ったビートに聞こえてしまいそうなネタ回しを,ここまで大袈裟に,真正面から,愚直にできるのは,もうカニエしかいない。そのカニエの「まわし」についてこれるキャムロンのラップは極上です。

ちなみに,最後になりましたが,この『Purple Haze』は小生自身,初めて対訳をさせてもらったアルバムでもあります。ユニバーサル・ミュージックの皆様,ありがとうございました。この感謝,Dip-Set THANKS Forever。

(文責:Jun Nishihara)

久しぶりに今週のカニエ・ウェスト“Sunday Service”模様をお届けします。おまけにカニエ論を。

カニエ・ウェストが10月25日(私の誕生日)に名作『Jesus Is King』をリリースしてから,しばらく“Sunday Service”の模様をアップしておりませんでした。以下のとおり,今年に入ってから,今年初旬から毎週日曜日にはぶっ続けで,休むことなくカニエ・ウェストはソウルフルなジャムセッション=“Sunday Service”を開催してきました。こんなことはラッパー,否,ヒップホップアーティストでは(ここでは何回も書いてきましたが)前代未聞なのであります。

これまでの“Sunday Service”の模様は,ここら辺(↓)でご覧ください。

カニエ・ウェストの“Sunday Service”まとめ(10月6日&10月12日開催分)

カニエ・ウェスト“Sunday Service”を金曜日に開催 (9月27日分) & アルバム『Jesus Is King』のリスニングパーティー

カニエ・ウェストの“Sunday Service” (前回,前々回,前々々回・・・からのつづき)

そして本日,先週末12月8日(日)に実施されたばかりの“Sunday Service”をお届けいたします。
(於:フロリダ州のVOUS Church)

そしてもうひとつ,11月10日(日)にヒューストン市の刑務所に於いて,囚人相手に開催した“Sunday Service”も以下のとおり掲載しておきます。

今年の冒頭でこのサイトで,カニエ・ウェストの与えるエナジーで2019年を一気に乗り越える,と書きましたが,そのエナジーはやむことなく,ここまで火はともされ続けてきました。もう12月も半分を超えたばかりですが,カニエ・ウェストのエナジーは,ほぼ1年経ったいまも,消える気配がしません・・・と,そんなことを今こうして書いておりますが,思い返せば2003年にカニエ・ウェストのmixtapeをニューヨーク市かクリーブランド市がどちらか忘れましたが買った時にも,同じようなエナジーを感じたことは確かです。2003年のあの頃から現在2019年の終盤を迎えようとしている今も,まだまだ健在です。

ニューヨークの大学に通っていた際,クラスメートが当時,「50セントはもう終わりね,ラッパーってのはだいたい10年が寿命よ」と言い放ちましたが,カニエ・ウェストは10年どころか,プロデューサー時代にジェイZにビートを提供していた時代から考えると20年経た今も,まさにこんな新しいことをやっているっていうのは,イカレているというか,まさにこれを人は「天才的」と呼んでいるのでしょうが,カニエ・ウェストほど「天才」という言葉が似合わないアーティストはいないでしょう。カニエは天才ではなく,芸術家なのです。

何が芸術家なのか,というと,それを象徴しているのは,カニエが2004年にデビューシングルを出したとき,当時,それまでのヒップホップのサグやゲットーやハスラーのイメージの「逆」からスタートした。それはカニエの意図的なものなのであったか否かは別として,それまでのヒップホップのイメージに逆らうように,対抗していった。みずから師(=big brother)と仰ぐジェイZの「真逆」を行った。

そこに彼の「芸術」は端を発するのではないかとずっとモヤモヤと感じてきたのですが,誰かがカニエは天才などということをどこかで書いていたので,それは違うだろう〜と違和感を感じ,初めて文字にしたまでなのです。カニエ論なんていうことばがあるのならば,そこを地点にスタートするのもおもしろいかもしれない,というひとつのアイデアです。

ひとまずは,ここで終わりにしますが,カニエのことを天才だと思ったことは,20年以上カニエの音楽を聴いてきて,感じたことはなかった。(Jay-Z feat. Scarface & Beanie Sigel “This Can’t Be Life”はジェイZの『The Dynasty』アルバムに収録。カニエ・ウェストがプロデュース。リリースは1999年。)ひとまずはそれをクリアーにしておきたいです。

カニエ論は,気が向いた時に,ひょっこりと,また続けます。

(文責:Jun Nishihara)

Mary J. Bligeの名曲「You Remind Me」から回想できる事柄。

「You Remind Me」という曲は,メアリーJ.ブライジ(Mary J. Blige)のデビュー作です。今からちょうど30年前にリリースされました。

メアリーも,この曲をプロデュースしたDave”Jam”Hallも,あれから30年も後に,メアリーが全米向けのTV番組でこの曲が歌われることになるとは思っていなかったんじゃないでしょうか。少なくともこの曲が制作された当時,30年後の今のことは想像されていたかどうかは分からないです。

「You Remind Me」とは「あなたを見てると,かつての恋人のことや,かつて感じていた気持ちや,どこかで見た景色などを思い出す」という意味があります。

この曲が作られて30年後,僕らはこの曲が作られた頃のメアリーを思い出します。それとともに,当時じぶんたちが何をたいせつに感じていたか,という初心といいますか原点のようなものも思い出すことになります。

このサイトを見られている方の中には,30年前はMary J. Bligeの曲を聴いていたけれど,今はもうそういった音楽はめっきり聴かなくなったという方もいらっしゃると思います。もしくは,今は日々の仕事に追われて,ヒップホップなんかとは全く関係のない仕事をして,せわしなく仕事や生活をされている方もいらっしゃると思います。

しかしそんな時にこそ,Mary J. Bligeのこの曲「You Remind Me」を聴いて,ほんとうは何がたいせつだったのかを,一時的にも思い出すことができれば,人生がすこし良い方向に進むかもしれません。

そんなのは余計なお世話ですし,かってなおせっかいかもしれませんが,メアリーが30年後の今,あらためて「You Remind Me」をBETで歌ったのは,僕らにそういうことを思い出させてくれている縁かもしれません,なんて思います。

「You Remind Me」の解釈は,必ずしも恋愛に関するものでなくともいいですし,特定の元カレや元カノのことに関するものでなくともいいです。これは日々あわただしく仕事をするサラリーマンにとって,もう一度,一息立ち止まって,何がじぶんにとってたいせつだったのかを思い出すための曲なんです。

この曲を聞くと,「俺はこんなことしてる場合じゃない」と思えてきますね。30年前のヒップホップをもういちどからだじゅうに浴びるべきだ,と。

仕事は代わりがあるけれど(別の人が後を継げばいいけれど),ほんとうにじぶんが愛していたもの(“Real Love”)は,他の誰でもなく,じぶんでしかやることができない,ということを思い出させてくれる(“You Remind Me”)という曲です。

だからこれを読んでいるあなたもですね,ほんとうに熱くなれない仕事なのであれば,じぶんがあの頃好きだったことを少しだけでも思い出してみるといいと思います。会社で上司のことや人間関係について苦しんでいる場合じゃないのです。たいせつなものはもっと違うところにあるのですから。

ちょっとズレてみてください。

そのズレがきっかけとなって,ヒップホップに回帰することができるといいですね。

Mary J. Blige,そういうことを思い出させてくれて,ありがとう。

MARY_J_BLIGE_YOU+REMIND+ME-548498
(上記はMary J. Bligeが「You Remind Me」をリリースした当時のジャケ写真です。)

(文責:Jun Nishihara)