カニエ・ウェストのニューアルバム『DONDA』がリリースされる前夜に、リスニング・イベント開催。

本日は7月22日(木)の夜23時です。つい先ほどまで、カニエ・ウェスト(Kanye West)による、ニューアルバム『DONDA』(カニエの亡き母親の名前です)リリースに際しての、前夜リスニング・イベントがジョージア州アトランタ市のメルセデス・ベンツ・スタジアムにおいて、満席(チケット完売)状態で、開催されました。

その一部始終を、勿論私はリアルタイムでライヴストリーミングをとおして観ていました(現在NYに住んでおり、明日は仕事があるため、アトランタまで行けませんでした)。ただ、観るだけでは勿体無いので、一部始終をiPadを使用して録画しました。いくつかその模様の写真等を以下掲載しておきます。

午後8時に開催される予定でしたが、以下のような画面が約1時間30分ほど、流れていました。

そして午後9時30分頃を過ぎ、カニエが登場。真っ赤な服装に身を纏い(My Beautiful Dark Twisted Fantasy時代(つまり2009年)のカニエを彷彿とさせます)、巨大なスタジアムにひとり、赤い姿が映し出されます。(以下写真の右上です。)

チケット完売である証拠に、物凄い人の数です。

ネタバレさせたくないですが、アルバム『DONDA』の最終収録楽曲には、Big Brotherが登場します。

こういうことです。

リスニング・イベント、開催時間は約1時間20分を経て、おしまいです。

トラックリストはこちら。(カニエ・ウェストのインスタグラムにアップされた写真より。)

アルバムのジャケ写はこちら。

いよいよ間もなく、本22日が終わろうとしており、23日(金)に差し掛かろうとしております。カニエ・ウェスト(Kanye West)のニューアルバム『DONDA』がリリースされます。

(文責及び写真:Jun Nishihara)

アルバム『Khaled Khaled』より、楽曲⑥「LET IT GO」です。

DJキャレド(DJ Khaled)が本年4月30日にリリースしたアルバム『Khaled Khaled』より、ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)及び21サヴェージ(21 Savage)を迎えた楽曲⑥「LET IT GO」です。

こちらもイマをときめく(っていうか、ずっとときめいていたが、ポップを聴く連中以外にはちゃんと評価されておらず、ここへ来てヒップホップ界へもその名を馳せてきた)ジャスティン・ビーバー登場です。

(キュレーティング:Jun Nishihara)

アルバム『Khaled Khaled』より、楽曲⑤「I DID IT」です。

DJキャレド(DJ Khaled)が本年4月30日にリリースしたアルバム『Khaled Khaled』より、ミーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)、リル・ベイビー(Lil Baby)及びダ・ベイビー(DaBaby)そしてサビにポスト・マローン(Post Malone)を迎えた楽曲⑤「I DID IT」です。

まさにイマをときめく3名のラッパー、ミーガン・ジー・スタリオン、リル・ベイビーそしてダ・ベイビー登場。

ミュージックビデオの冒頭で、しっかりスポンサーを行い、それでビデオ制作費をまかなうというさすがのDJキャレド(DJ Khaled)でした。スポンサー提供先は、ディディ(Puff Daddy)のDELEON(←テキーラ)、そしてリック・ロスのBelair(←シャンパン)、それからビールのBUD LIGHT PLATINUM SELTZER。加えて、オンライン銀行アプリのCHIME。ミュージックビデオ・ディレクターであるDave Myersの請求書が高額っつうんで、上記4つ(+ビデオ中でちゃっかりDORITOSの宣伝もしてますね笑)のスポンサー収入だけでまかなうことを冒頭宣言したという素晴らしきクリエイティビティでした。

(文責:Jun Nishihara)

2021年のHIP-HOPに非常に重要な意味を持つアルバム『Khaled Khaled』がリリースされた。

DJ Khaled(DJキャレド)が通算12枚目となるアルバム『Khaled Khaled』をリリースした。表紙はこんな感じ。

このアルバムタイトルである「キャレド・キャレド」というのは,DJ Khaledがまだ無名であった時代(正確に言えばメジャーデビューはせず,マイアミエリアでしか名を馳せていなかった時代)の芸名であった。DJ Khaledはデビューして今年で15年。早いもんだぜ。2006年にリリースされたDJ Khaledのデビューアルバム『Listennn… the Album』が今もまだ「新たな世代のラップ」のように聞こえてならない。あれから15年たった今も,DJ Khaledは「新たな世代」を「ベテランの大御所ラッパー」とともに引き合わせる「接着剤」「橋渡し」「触媒」の役割として,絶妙なポジションにいるDJ兼プロデューサーの役を引き受けている。そしてそれに成功している。

DJ Khaledがムスリムの儀式である「ナマーズ(祈り)」を捧げている際に,末っ子のアラム君が祈るパパを指さして微笑んでいるのが素晴らしく,これはなかなか良いものを表紙にしましたね。

まずはこの曲を送ります。収録楽曲1曲目,「THANKFUL(感謝)」です。

(文責:Jun Nishihara)

元ネタの曲を知る(15):ドレイク ⇄ ジェイ・Z

2001年9月11日にリリースされたジェイ・Z(JAY-Z)の『The Blueprint』を当時,CDで買い,その翌年(2002年)に予定されていたNYで始まる学生生活に向けて,準備をしていた。その準備期間中,2001年〜2002年にかけて,『The Blueprint』ばかりを聴いていた。お金は無く,現代のようにストリーミングサービス(Apple MusicやSpotify等)があるわけではないため,聴ける音楽の種類と量は限られていた。その限られた中でも,『The Blueprint』をPanasonicのポータブルCDプレイヤーで聴きながら,タワレコ(Tower Records)やHMV等に通っては,リリースされたニューアルバムだけに限らず,以前にリリース済みの古いアルバムについても試聴をしまくり,店頭のラックを見て勉強しつつ,TSUTAYAで安くレンタルしたりして,どういった音楽が世に出ているのかを勉強するといった日々を過ごしていた。幸い,インターネットが世に出て初期の頃であり,ありがたいことに私もインターネットが使えたため(AOLの有線で,接続する際にピーピュルルーと鳴るアレである),YouTubeなど存在しない当時ではあったものの,非常に画質の悪いもののミュージックビデオ等を確認することは可能であった。かろうじて,音は聞こえたし,当時TVの衛星放送等でミュージックビデオ等が放映されていたため,食い入るようにして観ていた。

「ミュージックビデオ」という存在は当時はめずらしかった。今でこそ,YouTube等で誰でも観られるようになり,めずらしくもなんともなくなったが,当時は,毎週MTVでその週のミュージックビデオランキングをしていたほど,ある種の「特別感」があり,我々はそれをワクワクしながら観ていた。

JAY-Zの「Song Cry」のミュージックビデオを初めて観た時は感動した。理由は,この曲の音源はそのポータブルCDプレイヤーの中のCDが擦り切れる程,聴きまくっていたのに,ミュージックビデオだけは長い間,観られなかった(観られる環境がなかった)からだ。インターネットでもこの曲のミュージックビデオは,どうしても見つけられなかった。なので,あそこまで音源だけは繰り返し聴いていて,ミュージックビデオを初めて観たのは,もっと後になってからであった。

現代の音楽を聴く世代をうらやましく思う反面,かわいそうに思えるのはこれが理由である。私が当時経験した,楽曲だけは聴いていて,ミュージックビデオがどうしても観られない,そしてそれを何がなんでも観たいと日々強まる想い,というこの気持ちを,現代の子たちは経験できなくなってしまっているのではないかと思う。今は,見ようと思えば,YouTubeやGoogleで検索すればすぐに観られる時代である。日々,強まる想いは,すぐにその瞬間に「解消」「解決」されてしまう。そのスピード感であるがゆえに,当時感じたような,ゆっくり湧き上がる,徐々に強くなる想いのような青春は感じられなくなってしまっているのではないかと推測する。

「涙が出ないので,曲に泣いてもらうしかないんだ」という切なさをラップしたこの曲を,「音源」だけを聴いて,どういった意味をJAY-Zはこの曲にもたせているんだろうと,少なくとも1,2年はそれについて考え続けた。その楽曲を聴きながら。だから必然的に何度も何度も繰り返し聴き込んだ。知りたかったから。JAY-Zがどういう思いをこの曲にもたせたのか,ということを。インターネットは当時あったが,そんなことを解説しているブログ(ブログという言葉すら存在しない時代)もなかったし,「Song Cry」を私ほど聴き込んでいる日本人は日本中探してもどこにもいないだろう,と思っていたからだ。その答えを知るために,誰に頼ることもできない。日本人に頼ることなどできない。自分で答えを探すしかなかった。だから,他の日本人の誰よりも,聴き込んだ,という自信だけはあった。しかし,ミュージックビデオだけは見つからなかった。

その答えを見つけたいという思いと,ミュージックビデオを観たいという日々強まる想いと,楽曲の切なさに胸打たれる思いと,そんなあらゆる思いが複雑に交わり合って,ついにミュージックビデオを初めて自分の目で見ることができた瞬間は,涙が流れた。

JAY-Zは曲に泣いてもらうしかない,とラップしていたが,私自身の目から涙が流れた。

そのようなあらゆる思いが入ったこの曲を,19年後の2020年3月にドレイク(DRAKE)がサンプリングネタとして起用し,「When To Say When」という楽曲として世に出した。そしてまた,それを聴いたあと,NYに戻っていた。

Drake – “When To Say When”

JAY-Z – “Song Cry”

P.S. 上記本文内で,「Song Cry」を私ほど聴き込んだ日本人は他にいないと書きましたが,故・二木崇先生だけは私よりも聴いていた(いや,正確に言えば,私ほど聴き込まなくても,ちゃんとこの名曲のことをご理解されていた)のではないか,と後に有難いご縁もあり,そういう想いを強めた次第でした。二木先生,私はあなたの書くヒップホップ的な文章にずっと憧れておりました。

(文責:Jun Nishihara)

第5位:NETFLIXラップ・バトル番組『リズム+フロー』で優勝したD・スモーク (2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

2020年といえば,NETFLIXで放映された『リズム+フロー』というラップ・バトル番組無しには語れません。エピソード1,2を観た感じでは,レベル低いと思い,初めは期待もしていなかったのですが,これが,すごいことになっていきます。注目すべきはもちろん,それぞれに全く異なる個性を持つラッパーたちですが,番組が進んでいく中,投じる予算も増えていくのがもう明らかに分かります。いろいろな仕掛けが為され,超大物プロデューサーやアーティストと楽曲を作成したり,ブースでスピットしたり,ミュージックビデオを製作したり(製作舞台裏もたっぷり見せたり),まぁそういうことをして,それそのものが一つ一つの勝負となり,その勝負に負けたヤツが一人ずつ番組から落とされていく,というリアリティ・ショーです。

そして,そのラップ・バトルで大活躍を果たしたD・スモーク(D Smoke)が2020年にアルバム『Black Habits』をリリースしました。BLM(Black Lives Matter)ムーヴメントがここまで取り上げられた2020年の象徴となるようなアルバムです。

同アルバムから2曲以下のとおり掲載しておきます。

D Smoke – 「Black Habits 1」

D・スモークは上記楽曲でこう言います。

Every time they hear this, they gon’ say he made an anthem
Life ain’t a panda
Shit ain’t black and white, it’s a canvas
Spike Lee your dreams and Bruce Lee your tantrums

この曲を流す度,皆は言うだろう「これがアンセムだ」
人生はパンダじゃねえ
黒白分けられるモンじゃねえ,人生はカンヴァスだ
スパイク・リーだと思って夢を叶え,ブルース・リーだと思って癇癪起こせ

D Smoke – 「Sunkissed Child」feat. Jill Scott & Iguocho

なお,コロナ禍により,米NPR局が主催する「Tiny Desk (Home) Concert」にも参加しましたので,以下掲載しておきます。

(対訳・キュレーティング:Jun Nishihara)

第6位:Run the Jewelsが2020年にリリースしたアルバム『RTJ4』(2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

まずはこのアルバム『RTJ4』を聴いてみなはれ。
ハマります。

これはそれぞれの曲をかいつまんで別々に聴くのではなく(勿論それでも面白いでしょうが),ここは一つ,アルバムを1つの作品を考え,「通し」で聴いてみてください。

と言いつつ,アルバムから2曲,あえて,あまり目立たない曲を以下に掲載しておきます。

楽曲7「JU$T」

楽曲3「out of sight」

ハマりました?
私はハマったので,2020年リリースされた素晴らしきアルバムのトップ5(そして2020年の総まとめトップ6)として,ヘヴィ・ローテー...ショーン!

(キュレーティング&文責:Jun Nishihara)

第11位:ブラック・ムスリムとして多彩なる宗教心を反映させた特異なアルバム『A Written Testimony』をリリースしたJay Electronica (2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

本アルバムは,2021年グラミー賞の「ベスト・ラップ・アルバム」部門でノミネートが決まりました。

ジェイ・エレクトロニカ(Jay Electronica)の本アルバム『A Written Testimony』については,下記ページに10回に分けて書き記しておきましたので,ご参照ください。

JAY ELECTRONICAのデビュー公式アルバム『A Written Testimony』ようやくリリース!(独断偏見ライナーノーツ)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲②「Ghost of Soulja Slim」(独断偏見ライナーノーツ)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲③「The Blinding」(独断偏見ライナーノーツ)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲④「The Neverending Story」(独断偏見ライナーノーツ)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲⑤「Shiny Suit Theory」(対訳:ジェイ・エレクトロニカのヴァース)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲⑤「Shiny Suit Theory」(対訳:ジェイZのヴァース)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲⑤「Shiny Suit Theory」(対訳)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲⑥「Universal Soldier」(独断偏見ライナーノーツ)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲⑦「Flux Capacitor」(独断偏見ライナーノーツ)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲⑧「Fruits Of The Spirit」からジャスト・ブレイズまで。

(上記ページの文責は全てJun Nishiharaによるものです。)

第13位:道に迷った時に聴くべきNasのアルバム『King’s Disease』(2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

Nasの音楽は,道に迷った時に聴くべき原点である。
2020年8月にリリースされたアルバム『King’s Disease』は,新しくも旧い原点を示してくれている。

Nasはわれわれに,「あんたらが道に迷った時に聴ける音楽として,こんだけありますよ。こん中から,いまのあんたの境涯・苦境に合う曲を数曲セレクトして,それを聴けばいい。」という選択肢を大風呂敷を広げて,提供してくれている。

まさに,名曲の宝庫をわれわれの目の前に広げてくれていて,そこから今の自分に合った曲を選べばいいという,なんという贅沢。こんなことが出来るのは,Nasが1994年にデビューしてから,26年間という(もはや歴史上人物にさえもなりうるような)年月をかけてリリースしてきた数々の名曲があるからこそである。

そして2020年8月にリリースされた『King’s Disease』は,そのコレクションにまたもや選択肢を増やしてくれる(さらに目移りさせられてしまう要因となる)ディスクなのである。

そしてNasのカッコ良さについては,こちらのページを読んでいただければと思う。

2020年の第13位は文句無しのNasである。

そして,1月22日(金)に以下のミュージックビデオをリリースした。「27 Summers」とはその名のとおり「夏を27回経てきた」ということ,つまり,27年間,現役でやってきたということ(夏を制するとはその年のヒットを飛ばすということ)。

このビデオ,勢いだけは誰にも負けないDJ Khaledを迎えて,その勢いとは真逆に位置する安定感の塊のようなNasと組んで.ある意味,壮大なる楽曲である。

(文責:Jun Nishihara)