第4位に輝いた「Nas feat. The-Dream & Kanye West – “everything”」ヴァース3及びサビ部分の対訳 

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Nas feat. The-Dream & Kanye West – “everything”(ヴァース3及びサビ部分対訳)


[Verse 3: Nas]
Watch me as I walk through the folly, golly, New York to Saudi
In Italy, I’m Eduardo Wiccari
But Nasty the hustler, nasty like mustard gas, sulfur
And I could sell Alaska to Russia, no pressure
My first house, 11,000-square-feet mansion
It was a haunted by dead rich whites
Mad a nigga bought his crib to hang up pictures of black Christ
Circular driveways, black cars and black ice
My second house, still in my twenties, illin’ with money
Chilled through my spine, spillin’ wine, it’s funny
Did good for a staircase loiterer, euphoria
What you saw when you seen a teen turn to a warrior
Did every Fourth of July, bustin’ in the sky
It was important to a guy who was mob-minded
Future Murcielago driver ’til Lambos got average on me
I started likin’ the look like I ain’t had no money
Yellow taxi seats over Maybach seats
Just to remind me, just to inspire me
To stay focused, it’s a real sick society
Just ’cause I got your support don’t mean you’re buyin’ me
I’m buyin’ back the land owned by the slave masters
Where my ancestors lived, just to say a rapper
Made a change, the pants-sagger put plans in action
To lay claim the Pan-African made it happen

(ヴァース3:ナズ)
狂気の沙汰を歩んだ,NYからサウジアラビアまで
イタリアではエドアルド・ウィカリと呼ばれて
ハスラーのナスティ,毒ガスのようにタチ悪く,まるで硫黄
ロシア政府にアラスカ州を売りさばき金稼ぐこともできる,容易いもんさ
初めて買った家,11万平方フィートの大豪邸
死んだ白人の富豪によって呪われた家だった
「黒人のキリスト像」を壁に飾ったことに怒ってたんだろう
円形の車寄せ,ブラックの車体にブラックライト
二つ目の家,俺はまだ20代,半端ない金儲け
脊髄に快感を憶え,ワインをこぼし,大笑い
階段の裏でぶらついてたヤツにしちゃ,良くやったもんだろ,上機嫌
ティーンエイジャーが勇者として育った
毎年独立記念日には大空に花火を飛ばした
犯行の脳みそしかなかったヤツにとっちゃ,天晴れなことだぜ
未来のムルシエラーゴ運転手,ランボルギーニなんて普段車さ
一文無しで始めたヤツにしちゃ,見栄えもマシになってきた
イエロータクシーのシートからマイバッハのインテリアへ
思い出して,感化させられる
気を失うな,ここは病的な社会だからな
おまえをサポートしてるからって,カネに身を売った訳じゃない
奴隷の御主人たちに奪われてきた土地を,俺は今,買い返そうとしている
俺たちのご先祖さんが住んでいた場所を,1人のラッパーがこうして
小遣い稼いで,だぼだぼのズボン履いてた野郎がちゃんと目的を果たそうとしている
アフリカ祖先たちが遺してきたものを,ここで受け継ごうとしている

[Pre-Chorus: Kanye West & The-Dream]
You’ll live, and you’ll learn
See ’cause you’ve never been the same as anyone else
Don’t think the same as everyone else
You’ll love, and you’ll learn
See you’ll never conclude with anyone else
Don’t think the same as everyone else

[Chorus: Kanye West]

If I had everything, everything

I could change anything

If I changed anything, I mean anything

I would change everything, oh yeah

[Post-Chorus: The-Dream & Kanye West]

Dark boy, don’t you cry

There’s too much life left in those eyes

Don’t you let that face go waterfall

Don’t you learn to love your scars and all

Dark boy, don’t you die

They’re just human, let them lie

You just know your world and speak your truth

Let them come to you

For you’ll love, in your heart

See ’cause you’ve never been the same as anyone else

Don’t think the same as everyone else

This is your call, there are no wrongs

See you’ll never conclude with anyone else

Don’t think the same as everyone else

(前サビ:カニエ・ウェスト&ザ・ドリーム)
生きて,学ぶ
他人とは違う生き方を歩んできた
他と同じように考えるのはもう止めにしな
愛して,そして学ぶ
ほら,他人と同じじゃ満足しない
他と同じように考えるのはもう止めにしな

(サビ:カニエ・ウェスト)
すべてが手に入るなら,手に入るなら
何もかも変えることができるなら
何もかも変えることができるなら,できるなら
すべてを変えてやりたい,oh yeah

(後サビ:ザ・ドリーム&カニエ・ウェスト)
黒い子よ,もう泣くのはやめなさい
その瞳の中には,まだまだ生きる力が残されている
その美しい顔を涙で濡らしてばかりいないで
その身体の傷跡を愛してやりなさい
黒い子よ,死ぬんじゃない
他人も人間,嘘をつかれても放っておけばいい
自分が知る世界で,知る限りの真実を語ればいいだけ
向こうからやってくるわ
心の底から,愛そうとしなさい
他人とは違う生き方を歩んできた
他と同じように考えるのはもう止めにしな
これは天の声,間違いなんて存在しない
ほら,他人と同じじゃ満足できない
他と同じように考えるのはもう止めにしな

(文責:Jun Nishihara)

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第4位「ナズ(Nas)とカニエとザ・ドリームの“Everything”という曲は今年イチの感動ヒップホップであった。」(今年2018年に出た最も偉大なるヒップホップランキング)

今年No.4の曲はナズ(Nas)とカニエ・ウェストとザ・ドリームの「Everything」です。

音楽に精通している方が以前こう言っておりました。「ヘビメタバンドが作るバラードほど素晴らしいものはない」と。つまり,ヘビメタバンドという普段は激しいヘビーメタル(めちゃめちゃ激しいロック音楽)を作っているバンドが,バラード曲を作るとそれはもう格別(最高)であると。

そしてその文脈で語られるのが,本日第4位にランクインしたこの曲です。

ヒップホップのど真ん中を行く(ヒップホップ界で最も偉大なるアーティストの1人である)ナズ(Nas)をMCとして,ビートメイカーとボーカルはザ・ドリーム(The-Dream),そしてプロデュースはカニエ・ウェストという素晴らしいタッグで制作された楽曲です。

この壮大なる素晴らしい楽曲をまずは聴いてみて下さい。ヒップホップにはめずらしい,7分32秒の大作です。

(文責:Jun Nishihara)

ちょこっと解説:Nasのニューアルバム『Nasir』より

6月16日(土)にビヨンセとジェイZ夫婦(名付けてThe Carters)のコラボレーション・アルバム『Everything Is Love』がTidal上でリリースされてから,カニエ・プロダクションによる一連の7トラック・アルバムは落ち着きを見せはじめた。

しかし,ザ・カーターズが『Everything Is Love』をリリースしたのは,Nasが『Nasir』をリリースしたまさに翌日。そこで注目は一気にNasからザ・カーターズへとシフトしていったわけであるが,あえてここで,Nasにスポットライトを当ててみたいと思う。

アルバム『Nasir』からすでに名曲と揶揄されている楽曲⑤『everything』(feat. The-Dream)より,Nas自身のヴァースである以下を引用してみたい。

“When the media slings mud, we use it to build huts /
Irrefutable facts, merciful, beautiful black”

「マスコミが泥を投げてくれば,その泥で仮小屋を作り上げてきた/
まぎれもない事実,なさけ深く,美しい“ブラック”」(訳:J.N.)

このようにNasは,今までカニエ・ウェストがリリースしてきたプッシャTやカニエ自身のようにドレイクに対してサブ・ディスを投げかけたりすることなく,黒人としての強さを表現している。Nasのライムにはこのような「強さ」を常に感じる。Nasがデビューしたのは1994年のことであるが,あれから24年経た今も,アンダードッグとしての「強さ」を感じる。他方でジェイZのラップ内容は時期を経て,変わってきた。ハスラー時代からコーナーオフィス時代を経て,リッチ時代,そして今やルーブル美術館でMVを撮影するほどのアート時代。しかし,それとは対をなしてNasのライムには24年前に聴いた「強さ」をいまだに感じることができる。

ザ・カーターズの『Everything Is Love』も素晴らしいが,Nasの『NASIR』も同じくらい聴いていくこととしたい。