ヒップホップ音楽とイスラム教の関係 (アルバム『Ye』のリリースから今年6月1日で1年を経たいま振り返る(その③))

kanye-kim-minister-Farrakhan
(上記写真の中心奥で,ネーション・オヴ・イスラームの現・指導者であるルイス・ファラカーンと肩を並べて映るカニエ・ウェスト)

前々回,そして前回は,カニエ・ウェスト周辺のイスラム教徒たち,そしてヒップホップ界のイスラム教徒たちはイスラム教のどういったところに魅了され改宗していったのか,ということをさぐっていきました。

本日はその最終日,ネーション・オヴ・イスラームの起源,そしてルイス・ファラカーンという人物についてお送りして,幕を閉じたいと思います。

<ネーション・オヴ・イスラーム(Nation of Islam(略してNOI))とは>
ネイション・オヴ・イスラムという表記もします。これはいわば「黒人イスラム団体」です。1930年7月4日(アメリカでは独立記念日の日)にアフガニスタン出身とされるウォレス・D・ファード・ムハンマドという人物によって創始されました。黒人イスラム団体ではありますが,幾分か政治的な含みも持っておりました。NOIを批判する人たちは,この団体を「黒人至上主義団体だ」みたいに主張しますが,NOI側は,これをまっさきに否定し「我々は黒人“至上”団体なんかでは全くない。黒人と白人の平等を目指す団体だ」と明確に主張しております。もともとは「黒人の社会的自立を目指す運動」として始まりました。これまで400年間,黒人は奴隷として扱われてきた歴史を立て直そうという使命のもと,立ち上がりました。それがこの団体の起源でした。

本年3月31日にこの世を去ったヒップホップ界の英雄=ニプシー・ハッスル(Nipsey Hussle)もイスラム教徒でした。ネーション・オヴ・イスラーム団体は,ニプシーの追悼に以下の文章を捧げております。

「ネーション・オヴ・イスラーム(ニプシー・ハッスルを追悼)」

<ルイス・ファラカーン(Louis Farrakhan)とは何者か>
上記追悼ステートメントでも署名をしている「ルイス・ファラカーン」とは,ネーション・オヴ・イスラーム団体の現・議長です。1933年5月11日ニューヨーク市の生まれ。1955年にマルコムXに誘われて,ネーション・オヴ・イスラームに加盟します。1978年に黒人のイスラーム運動を再生すると主張し,イリノイ州シカゴ市にネーション・オヴ・イスラーム本拠地を再建し,強硬派をまとめて指導者となりました。1995年10月ワシントンで「黒人100万人大行進(ワシントン大行進)」を指揮し,1996年年米TIME誌で「米国の最も影響力のある25人」の一人に選ばれました。同年カダフィ大佐が主宰するカダフィ人権賞が贈られ,雄弁な演説家で、黒人の自立を唱える一方、米国は人種別に離婚すべきだと語る黒人分離主義者で,過激な主張も展開しています。

最後にネーション・オヴ・イスラーム現・指導者であるルイス・ファラカーンに言及しているカニエ・ウェストの楽曲「All Day」をお届けして,幕を閉じることといたします。

カニエ・ウェストはキリスト教徒ですが,ルイス・ファラカーンとは共感する部分も多かったといいます。特に「黒人であることに対する思想」については共鳴するところが多いようです。

同曲でカニエはこうラップします。

Just talked to Farrakhan, that’s sensei, nigga
Told him I’ve been on ten since the 10th grade, nigga

さっきファラカーンと電話で話した,あれは俺の師匠(センセー)だぜ
「高1の頃からずっとあんた(=ファラカーン)の言ってること信じてきたぜ」って,そう伝えたぜ

カニエ・ウェストのアルバム『Ye』のリリースから1年を経たいま,同アルバムを振り返るいい機会に,曲の冒頭でスピットする「I called up the Muslims」がとてもインパクトのある歌詞として取り上げ,
黒人文化がイスラム教に影響を受けてきた歴史や,ヒップホップ音楽とイスラム教との関係,そしてマルコムXを経由してのネーション・オヴ・イスラームについてほんの少しだけでしたが,取り上げました。

音楽がインスタントに消費され,作られては消え去っていくサイクルが短い昨今,アルバム『Ye』はスルメイカのようにじっくり噛んで,聴き込まれるべき音楽といえるでしょう。上記「I called up the Muslims」というほんの1行の歌詞だけで,いろいろ遊ぶことができます。そう言った意味合いでも,まさに長生きするアルバムでしょう。

最後に同アルバム『Ye』の全曲歌詞・対訳を以下のとおり掲載しておきます。
今日も当サイトにお越しいただき,ありがとうございます。

1527857422_e6c7a146a71d9347d28675f7a0226d8e

楽曲①「I Thought About Killing You」
楽曲②「Yikes」
楽曲③「All Mine」
楽曲④「Wouldn’t Leave」
楽曲⑤「No Mistakes」
楽曲⑥「Ghost Town」
楽曲⑦「Violent Crimes」

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

Advertisements

カニエ・ウェスト対訳「Waves」全ヴァース訳(アルバム『The Life of Pablo』楽曲⑩)

square-1428088704-1428011167-77988621
(上記写真はビヨンセ(左)とクリス・ブラウン(右)。クリス・ブラウンは以下楽曲「Waves」でカニエ・ウェストとコラボレーションしました。)

Kanye West feat. Chris Brown, Kid Cudi & Chance the Rapper – “Waves”
カニエ・ウェスト feat. クリス・ブラウン,キッド・カディ&チャンス・ザ・ラッパー「Waves」(全ヴァース訳)

[Intro]
Turn me up!

(イントロ)
音アゲてくれ!

[Verse 1: Kanye West]
Step up in this bitch like (turn me up!)
I’m the one your bitch like
Yeah I’m the one your bitch like (turn me up!)
And I be talkin’ shit like
I ain’t scared to lose a fistfight (turn me up!)
And she grabbin’ on my **** like
She wanna see if it’ll fit right (turn me up!)
That’s just the wave

(ヴァース1:カニエ・ウェスト)
シーンにスキップして入ってきた(アゲてくれ!)
おまえの彼女が惚れてる男
そうさ,俺は,おまえの彼女が惚れてる男(アゲてくれ!)
おまけに,こんなくっだらねえことほざいて
「コブシの喧嘩に負けるのは怖くねえ!」(アゲてくれ!)
女は俺の股間をがっつり掴んで
試してんのさ,すっぽり入るかどうか(アゲてくれ!)
それが「ウェーブ」ってもんさ

[Chorus: Chris Brown & Chance The Rapper]
(Yeah) Waves don’t die
Let me crash here for the moment, yeah
I don’t need to own it
No lie
Waves don’t die, baby
Let me crash here for a moment
Baby, I don’t, I don’t need to own you
(Yeah, yeah, yeah, yeah) (turn me up!)

(サビ:クリス・ブラウン&チャンス・ザ・ラッパー)
(そうさ)ウェーブは死なない
しばらくここで,波打たせてくれるかい,イヤー
永遠を求めているわけじゃない
ほんとうさ
ウェーブは死なないよ,ベイビー
しばらくここで,波打たせてくれるかい
ベイビー,俺は君と,永遠を求めているわけじゃない
(イヤー,イヤー,イヤー,イヤー)(アゲてくれ!)

[Verse 2: Kanye West]
Sun don’t shine in the shade, ugh (turn me up!)
Bird can’t fly in a cage, ugh (turn me up!)
Even when somebody go away (turn me up!)
The feelings don’t really go away
That’s just the wave

(ヴァース2:カニエ・ウェスト)
日陰に太陽は当たらない,アッ!(アゲてくれ!)
鳥はケージの中じゃ飛び立てない,アッ!(アゲてくれ!)
たとえ去る人がいたとしても(アゲてくれ!)
気持ちまで去っていくことはない
それが「ウェーブ」ってもんさ

[Chorus: Chris Brown & Chance The Rapper]
(Yeah) Waves don’t die
Let me crash here for the moment
I don’t need to own it
No lie
Waves don’t die, baby
Let me crash here for a moment
Baby, I don’t, I don’t need to own you
(Yeah, yeah, yeah, yeah)

(サビ:クリス・ブラウン&チャンス・ザ・ラッパー)
(イヤー)ウェーブは死なない
しばらくここで,波打たせてくれるかい
一生モノじゃなくたっていい
ほんとうさ
ウェーブは死なないよ,ベイビー
しばらくここで,波打たせてくれるかい
ベイビー,俺は君と,永遠を求めているわけじゃない
(イヤー,イヤー,イヤー,イヤー)

[Bridge: Chris Brown]
No lie
No lie
No lie
You set the night on fire
I’m still gon’ be here in the morning
No lie

(ブリッジ:クリス・ブラウン)
ほんとうさ
ほんとうさ
ほんとうさ
君が夜を燃え上がらせてくれる
僕はここにいるよ,朝までね
ほんとうさ

[Interlude: Kid Cudi & Kanye West]
Humming

(インタールード:キッド・カディ&カニエ・ウェスト)
“ハモり”

[Outro: Chris Brown]
No lie
Ooh baby, ooh baby, ooh yeah
You set the night on fire
I’m still gon’ be here in the morning
No lie

(アウトロ:クリス・ブラウン)
ほんとうさ
ウゥベイビー,ウゥベイビー,ウゥイヤー
君が夜を燃え上がらせてくれる
僕はここにいるよ,朝までね
ほんとうさ

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト対訳「Waves」ヴァース2(アルバム『The Life of Pablo』楽曲⑩)

justin-bieber-support-chris-brown-backlash
(写真はジャスティン・ビーバー(左)とクリス・ブラウン(右)。クリス・ブラウンは,以下楽曲「Waves」でカニエ・ウェストとコラボレーションしました。)

Kanye West feat. Chris Brown – “Waves” (Verse 2)
カニエ・ウェスト feat. クリス・ブラウン「Waves』(ヴァース2対訳)

[Verse 2: Kanye West]
Sun don’t shine in the shade, ugh (turn me up!)
Bird can’t fly in a cage, ugh (turn me up!)
Even when somebody go away (turn me up!)
The feelings don’t really go away
That’s just the wave

(ヴァース2:カニエ・ウェスト)
日陰に太陽は当たらない,アッ!(アゲてくれ!)
鳥はケージの中じゃ飛び立てない,アッ!(アゲてくれ!)
たとえ去る人がいたとしても(アゲてくれ!)
気持ちまで去っていくことはない
それが「ウェーブ」ってもんさ

ヒップホップ音楽とイスラム教の関係 (アルバム『Ye』のリリースから今年6月1日で1年を経たいま振り返る(その①))

本年6月1日で,カニエ・ウェストのアルバム『Ye』リリースから1年が経ちました。昨年のちょうど今頃,暑い夏が始まろうとしていた頃でした,同アルバムを当サイトで翻訳・対訳を掲載させていただき,いろいろな方々に読んで頂きました。当サイトにお越しいただき,読んでいただき,ありがとうございました。そして今日もここに来ていただき,ありがとうございます。

リリースから1年後の今,アルバム『Ye』を振り返って,カニエがアルバム冒頭の楽曲「I Thought About Killing You」でラップしている歌詞の一部について,注目しておきたいと思います。

カニエはこういう歌詞で曲を始めております。

[Verse: Kanye West]
I called up my loved ones, I called up my cousins
I called up the Muslims, said I’m ’bout to go dumb
Get so bright, it’s no sun, get so loud, I hear none
Screamed so loud, got no lungs, hurt so bad, I go numb
Time to bring in the drums, that prrt-pu-pu-pum
Set the NewTone on ’em, set the nuke off on ’em
I need coke with no rum, I taste coke on her tongue
I don’t joke with no one, they’ll say he die so young
I done had a bad case of too many bad days
Got too many bad traits, used the floor for ashtrays
I don’t do shit halfway, I’ma clear the cache

(ヴァース:カニエ・ウェスト)
愛する人たちに,親戚兄弟に,ムスリムの仲間たちに
電話してこう伝えた,「ついに俺,暴れちゃいそう」
まぶしくなって,太陽は沈んだ,爆音で,音は消えた
悲鳴をあげた,声は出ない,傷ついた,感覚は麻痺した
叩いて響かせろ,太鼓の音を,ダ・ダ・ダ・ダン・ダン
オートチューンを効かせて,ピッチを爆発させろ
ラム無しのコーラ,彼女の舌にコカの味
ふざけてんじゃない,よく言われるよ,「早死にするよ」って
ツイてない日が連続で起こったケースが俺
悪い癖がありすぎて,床を灰皿代わりにしたりして
中途半端なことはしたくない,すべて真っさらにしてやりたい
(対訳:Jun Nishihara)

曲の冒頭でカニエは「I called up my loved ones / I called up my cousins / I called up the Muslims(俺は愛する人たち,親戚兄弟,そしてムスリムの仲間たちに電話してこう伝えた)」と言っております。

ムスリムとはイスラム教の教えを信仰する教徒の人々のことですが,カニエ・ウェストにとって,そしてヒップホップ,はたまた黒人の歴史にとって,イスラム教は切っても切れない一つの宗教といいますか思想でした。アメリカに住む黒人が信仰するイスラム教は一般的にブラック・イスラーム(Black Islam)と呼ばれているものですが,どういう宗派があって,ヒップホップ・アーティストでは誰がそのイスラム教徒で,どういう教えで,なぜ彼らはイスラム教徒に改宗したのか,というのを簡単にひもといていきたいと思います。

カニエ・ウェストの周辺では,カニエと同郷出身でむかしからともに活動してきたラッパーのモス・デフ(Mos Def)がカニエに一番近いムスリム(イスラム教徒)といえるでしょう。

Mos_Def_-_Ilosaarirock_2012
(上記写真はモス・デフです。)

モス・デフは2011年9月に自身の名前を法的に「Yasiin Bey(ヤシーン・ベイ)」に改名し,2016年1月19日,カニエ・ウェストのホームページでヒップホップ業界からの引退宣言をしました。モス・デフ改めヤシーン・ベイは,母親シェロン・スミスと父親アブドゥル・ラフマーンの子です。父親アブドゥル・ラフマーンはネーション・オヴ・イスラーム(Nation of Islam(略してNOI))の信者で,ワリス・ディーン・ムハンマドというスンニ派(イスラム教徒の宗派)に信徒として仕えました。モス・デフは20代の頃,ア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)という偉大なるヒップホップ・グループのメンバーでありイスラム教徒であるアリ・シャヒード・ムハンマドやQティップ(Q-Tip)とよくつるんでいました。

また,カニエと同郷シカゴ出身ですが,カニエよりも若い世代のルーペ・フィアスコ(Lupe Fiasco)もムスリムです。

lupe-fiasco-colin-kaepernick-kneelin-on-needles-mp3
(上記写真はルーペ・フィアスコです。)

ジェイZのレーベル=ロック・ネーション(Roc Nation)に所属しているヒップホップ・アーティスト=ジェイ・エレクトロニカ(Jay Electronica)も熱心なイスラム教徒です。彼の歌詞には,「神の平和を」を意味するムスリム同士の挨拶言葉「As-salāmu ʿalaykum(السَّلَامُ عَلَيْكُمْ)」がよく使われております。以下は,ジェイ・エレクトロニカの名曲「Exhibit C」ですが,以下YouTubeのタイムライン3:11~3:17の箇所で,アラビア語らしきイスラームの祈りの言葉が発せられております。

上記曲「Exhibit C」のプロデューサーはかの有名なジャスト・ブレイズです。ジェイZの名盤『The Blueprint』(2011年9月11日(9.11の日)にリリース)でカニエ・ウェストと双璧をなしたベテラン・プロデューサーです。ビヨンセのアルバム『レモネード(Lemonade)』に収録されているケンドリック・ラマーをfeat.した楽曲「Freedom」も,ジャスト・ブレイズがプロデューサーを務めております。

さて,話を戻しますと,このようにヒップホップ界にはイスラム教徒はめずらしくなく,他にも以下のとおり結構な数でイスラム教徒と呼ばれるヒップホップアーティストはいます。一部を挙げますと,T-ペイン,DJキャレド,バスタ・ライムス,SZA(最近ポップ界でも人気の女性歌手),スウィズ・ビーツ,MCレン,ケヴィン・ゲイツ,アイス・キューブ,フレンチ・モンタナ,フリーウェイ,ビッグ・ダディ・ケイン,ビーニー・シーゲル,エイコン,スカーフェイス,シェック・ウェス,ニプシー・ハッスルです。彼らの多くは,モス・デフの父親と同じく,ネーション・オヴ・イスラーム(NOI)を中心に信仰しているようですが,各アーティストによっては,どれくらい信仰しているかについての程度の差はあると思います。

ブラック・イスラームにおけるネーション・オヴ・イスラームという宗派は,どういった教えなのでしょうか。大きくわけて3つのことがいえるそうです。

1.伝統的イスラームの教えと同じくイスラム教の五行は基本的に信じているが(例えば「ラマダンの月には断食を行う」(夕刻のイフタールまでご飯を食べないし,水も飲まない。しかし最近は,パキスタンやアフガニスタン,イラクなど,酷暑の夏には水分を取らないのは危険なため,水だけは許されている国もあるそうです。)など)しかし,解釈の面で伝統的イスラームと相違している部分もある。

2.堕落した人生を送っている黒人を救うとする。(街角や監獄で,未来への希望も夢もなく時を過ごしている黒人たちや,麻薬,白人女性に対するレイプ,家庭崩壊などといったような(黒人として)誇るべき生き方でない道を歩んでいる者を救うとする。)

3.イライジャ・ムハンマドを使徒とする。(2019年時点の指導者はルイス・ファラカーンであるが,指導者は時代によって変われど,使徒(Messenger)であるイライジャ・ムハンマドは変わらない(注:NOIが解体しない限り。))ちなみに,預言者(Prophet)は伝統的イスラームもNOIも,ムハンマドであると信じる。

さて,こうしたネーション・オヴ・イスラームという黒人を対象とした特有のイスラム教のひとつの思想に,ブラック・ムスリムであるモス・デフやルーペ・フィアスコ,ジェイ・エレクトロニカは,どういうところに魅了されたのでしょか。

この続きは,後日,ひもといて参ります。

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェストの“Sunday Service”まとめ(20週目と21週目)

本年2019年の最初の日曜日(Sunday)から始動したカニエ・ウェストの“Sunday Service”は,はやくも現在20週目を迎えることとなりました。

今年初めての日曜日は1月6日にあたりますが,その日から日曜日は1日たりとも休まず,カニエ・ウェストとその仲間たち(名付けてカニエ軍団)は“Sunday Service”を開催してまいりました。

本日はその20週目(5月19日)と21週目(5月26日)を以下にて記録しておきます。

20週目(5月19日開催):この回では奇抜なミュージックビデオとミステリアスな存在感で知られるシンガー=Sia(シーア)が登場します。彼女のヒット曲「Elastic Heart」をミサのゴスペル・クワイア(聖歌隊)と合唱します。

キム・カーダシアンのツイッターでも以下のとおり掲載されております。

21週目(5月26日開催):この回ではついに,こどもたちの合唱まで聴くことができます。こども達の合唱を聞いているのもいいのですが,この動画のほんとうに重要なポイントは,タイムライン01:02から始まります。(ビデオはもう少し下のほうに掲載しております。)タイムライン01:02から始まる曲では,次第に手拍子(clappings)が始まるのが分かります。黒人音楽の歴史において,リズム感抜群の「手拍子」はとても重要な意味をもっております。手拍子は黒人が奴隷として重労働を強いられていた1900年代初期,手拍子でリズムをとって,重労働のつらさを幾分か和らげておりました。以下は,ウェルズ恵子先生の『魂をゆさぶる歌に出会うーアメリカ黒人文化のルーツへ』より抜粋します。

歌は,身体を使うどんな仕事のときも,働き手に力をくれました。リズムをとってみなが力を合わせた方が大きい力が出ますし,単純作業のときは歌いながらの方が飽きずに仕事がはかどります。帆船の船乗りは帆を揚げるときや錨を巻き上げるときに歌いましたし,農民が固い地面を耕したり,鉄道工夫が岩山をうがってトンネルを掘ったり,鉱山の坑夫が鉱石にハンマーを当てて砕くときなども,黒人たちは「はっ!」というかけ声を入れた歌をうたって力を合わせました。
(中略)
人間の筋力で固い地面を耕したり,鉱脈や石炭をハンマーとたがねで切り崩したりしていた時代,男たちは集団で歌のリズムにあわせて働きました。鉄の道具を振り上げるまでに息を吸ってひと呼吸,振り下ろすときに息を吐いてひと呼吸。テンポの速い曲も遅い曲もありますが,歌詞は呼吸と動作の速度にあわせて選ばれています。
−ウェルズ恵子・著『魂をゆさぶる歌に出会う(アメリカ黒人文化のルーツへ)』より︎

このように黒人にとって「リズム」は奴隷制度の時代から,黒人の身体を血液のように脈打つたいせつな要素でありました。リズムの中でも「打つ」という要素が高いものは「ビート」とも呼ばれます。

このように,黒人の身体の奥底に脈打つとても大事な要素としてリズムやビートがあり,黒人歴史にとっては,それはメロディや音色というものよりもさらに古くからあるものでした。メロディや音色を奏でるだけでは,重労働ははかどらないですからね。黒人にとってはリズムやビートが先に来ていた。逆に,貴族の暮らしをして,舞踏会に出向き,メロディにあわせて舞うように踊っていた白人にとっては,音楽のメロディや音色が重要視されておりました。こうした歴史を鑑みますと,黒人はビートの文化,白人は音色の文化,と位置付けることが一つの見方となりますでしょう。

そこで上記のカニエ軍団聖歌隊の「手拍子」に話を戻します。

この手拍子はとても速いテンポで叩かれます。「Jesus died for you.(ジーザスは我々の犠牲となった)」という歌詞を手拍子の合間に挿入し,聖歌隊メンバーが同じリズムで歌います。とても短いクリップですが,黒人文化に息づく音楽のとても大事な部分がここに垣間見れます。さて,そのビデオを以下に掲載しておきます。(タイムラインは01:02〜の箇所です。)

(文責:Jun Nishihara)

エミネムのラップ術に学ぶ(その②:教材はロジックの楽曲「Homicide」)

前回は,エミネムのラップ術について,1.アクセントの場所を入れ替えるワザを取り上げました。
本日はその②として,以下のとおり説明していきます。

2.次から次へと連打のように繰り出す韻踏み

まずは以下のヴァースをご覧下さい。

Big bills like a platypus
A caterpillar’s comin’ to get the cannabis
I’m lookin’ for the smoke but you motherfuckers are scatterin’
Batterin’ everything and I’ve had it with the inadequate
Man, I can see my dick is standin’ stiff as a mannequin
And I’m bringin’ the bandana back, and the fuckin’ headband again
A handkerchief and I’m thinkin’ of bringin’ the fuckin’ fingerless gloves back
And not giving a singular fuck, like fuck rap

上記の赤文字で反転している箇所の特に下線を引いているシラブルは韻を踏んでおり,これをまるでエミネムは連打するかのように,次から次へをスピットしています。

この部分を音声で聴いてみましょう。
以下のタイムライン,2:49〜3:02の部分です。

ものの13秒で以上のヴァースをスピットするのも驚くべきことではありますが,それ以上に注目すべきは「韻踏みを1秒に1回以上繰り出しているということ」です。13秒のうちに14回韻を踏んでいますので,その計算になります。

3.息の長さ

これは言うまでもないことですが,上記のヴァースにしても,ひと息でラップをやり遂げています。最後の「fuck rap」という箇所で息継ぎをして,その後の「I sound like a fuckin’ millionaire」のくだりへと進んでいます。

息継ぎはリセットです。たとえ,へとへとになっていたとしても,エミネムはこんなことないでしょうが,ぐだぐだのラップになっていたとしても,息継ぎの箇所で一旦持ち直して,心機一転,新たな心持ちで,その後に進めていけるようになります。

息継ぎをどこでするかという大切さはあります。ラップは息継ぎの場所で決まります。むかしから思っていたのは,ジェイZ(Jay-Z)は息継ぎがとてもうまい人だな〜と思って聴いておりました。しかも息をしているということが判らないように,「息の音」をひそめている。ラッパーによっては,「スーッ」とはっきりと息継ぎをしていることが聞こえる人もいますが,ジェイZはむかしから聞こえなかった。自分でもラップしてみると必ず,「スーッ」とやってしまうのですが,慣れてくると,「息の音」をひそめて息継ぎをすることができるようになってきます。意識をするかしないか,という要素もあります。「スーッ」と聞こえるように息継ぎするのが悪いというわけでもないです。ラップは芸術ですから,どちらが正解ということはないですが,おそらく息の音を聞かせると,敵に心の内を読まれてしまうキケンがあるので,下積み時代をハスラーとして過ごしたジェイZは,人に心の内を読まれないようにするため,自然に息の音を消すことを身につけていったのかもしれません。それが彼のラップに顕在していた,と言えるかもしれません。

(文責:Jun Nishihara)

エミネムのラップ術に学ぶ(その①:教材はロジックの楽曲「Homicide」)

5月10日(金),ロジック(Logic)はニューアルバム『Confessions of a Dangerous Mind(=アブナい脳ミソから湧き出る告白)』をリリースした。

(翻訳のポイントとして,人がPC画面をパッと見て映るこのタイトルの「長さ」を考慮したとき,
“Confessions of a Dangerous Mind”

「狂気の告白」
とサラッと訳してしまうと,イメージが思い浮かばない。
とは言え,はたまた
「キケンな頭を持った男が打ち明ける告白」
と説明的に(英語原文では所有格の名詞構造なのに,日本語ではS+V+O構造で)訳すとイメージはできるが,原文の構造をくずしてしまう。

原文の構文をくずさずに,だいたい同じ「長さ」を尊重して
「アブない脳ミソから湧き出る告白」
と訳せば,ぱっと見,原文の語彙レベル(confessionsとかdangerousとかなかなかスペルが長い語を使用しているスタイル)を保ちつつ,人がパッと一目で視界に入れた際に,同じ長さだと感じられる訳になる。
ここでの翻訳のポイントは,“of”という前置詞を“from”と読み替えて「〜の」ではなく「〜から」と訳すところがミソである。)

さて,このアルバムの楽曲「Homicide」ではエミネム(Eminem)をフィーチャリング・ラッパーとして迎えて,スピード感ある高速ラップを披露している。この曲でロジックとエミネムを聴き比べてみると,全体的なスピードは双方とも優劣ない勝負を見せているが,やはりエミネムの凄まじさは,ロジックとは比較にならないほど,優れているといえるでしょう。

どういうところがエミネムが優れているか,といいますと,以下3点のとおりでしょう。

1.アクセントの場所を入れ替えるワザ
2.次から次へと連打のように繰り出す韻踏み
3.息の長さ

説明していきましょう。

1.アクセントの場所を入れ替えるワザ

どんな英語の単語にも,シラブル(Syllable=音節)があります。たとえば,“bandana”という単語には,シラブルが3つあります。“ban/da/na”のように3音節に分かれます。「バン」「ダ」「ナ」です。簡単に言いますと,母音1つ(文字上の母音ではなく,音の上での母音。たとえば,beautifulという単語には,文字上の母音は5つありますが,音の上での母音は,「ビュー」「ティ」「フォ」と3つのみです)において,シラブルが1つと考えれば,簡単でしょう。

さて,そのシラブル1つに,アクセントが1つ決まっています。英語は日本語とは違い,上下のアクセント(イントネーション=抑揚)のある(つまり音楽のような)言語ですから,強弱あったり,上下あったり,高低あったり,音的な要素がいろいろ入っております。そして,“bandana”のアクセントは,“ban→DA⤴︎na→”となります。

そこで,もうちょっと話をややこしくして,こんどは別の単語とつなげてみましょう。

“I’m bringing the bandana back.”という一文があったとしましょう。
普通にこの一文を音読するとき,どこにアクセントがあるでしょうか。(つまり,この一文でもっとも強く発音するシラブル(音節)はどこでしょうか。)

答えは,“da”のシラブルです。
(「アイン・ブリンギン・ザ・バンダ⤴︎ーナ・バック」と「ダー」の箇所(シラブル)にもっとも強いアクセントが表れます。ちなみにもっとも弱く発音する所は「ザ」です。聞こえても小さい「ナ」くらいにしか聞こえません。)

これは普通にネイティヴのアメリカ人がこの一文を音読した場合です。

これをエミネムがラップすると,こうなります。
(タイムラインは2:56〜2:57の箇所です。一瞬で過ぎますので,注意して聴いて下さい。)

エミネムは通常のネイティヴが発音するアクセントとは違い,こういう風にラップします。

「ア⤵︎イン・ブリンギン→ナ→バンダ↑ナ→バック」

つまり,もっとも強く発音するアクセントを冒頭の「ア」に置き換えて,その他はフラットに流しています。しいていえば「ダ」にちょっぴりほんの強みを出すだけです。しかし1秒も経たないうちに,一瞬で通り過ぎていきますので,気合を込めて聴く必要があります。

しかし,これはエミネムのワザであり,他の箇所にも,アクセントの場所を入れ替えるというのがちらほら見られます。

例えば,次のような箇所でしょう。
アクセントの場所(エミネム特有のアクセントを入れ替える箇所)を大文字で書いておきますので,目で追いながら,エミネムのラップを聴いてみてください。

BEAST mode, motherfuckers ’bout to get hit
with so many foul lines, you’ll think I’m a FREE throw
figured it was about time for people to EAT crow
you about to get out-rhymed, how could I be DEthroned?
I stay on my toes like the REpo, a beHEmoth in SHEEP’s clothes
from the EAST Coast to the west, I’m the ETHOS and I’m THE goat
who the best, I don’t gotta say a fuckin’ THING, though
’cause emCEEs know

赤文字で反転した箇所と下線を引いた箇所が,エミネムがアクセントを置いている場所です。ネイティヴがこの文章を音読する際とは,異なる箇所にアクセントを置いてラップをしております。たとえば「dethrone(王座を奪う)」という単語のアクセントは「o」にありますが,エミネムは冒頭の「e」にアクセントを置き換えています。また「eat crow(カラスを食べている)」と話すとき,情報としては「何を食べているのか?」「カラス(crow)」が大事なのであって,普通であれば「crow」にアクセントを置きます。エミネムのように「イー(ea)」という音節を強調したいがために,普通の会話や普通の音読で「eat」にアクセントを置くネイティヴはいないでしょう。(「カラスをどうしているのか?」「食べて(eat)いる」という変わった会話をすることがない限り。ちなみに,「eat crow」はイディオムで「屈辱を味わう」や「大恥をかく」という意味です。)しかし,エミネムはこうしてアクセントの箇所を自由自在に入れ替えて,まるで楽器のようにラップを演奏しているのです。

さて,「2.次から次へと連打のように繰り出す韻踏み」と「3.息の長さ」については,来週土曜日,ご説明いたします。

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェストの“Sunday Service”(14週目:Week 14) 

しかしロジ的な面から言っても,毎週日曜日にこれだけの準備をするのは容易いことではないでしょう。

まず,音楽の機材をここまで運搬するための車両の手配,そしてその費用。
そして人が移動するための交通機関,フライトの手配,そしてその費用。
観客(オーディエンス)もいますので,その人たちへの知らせ,誰に招待状を配るか,その費用はどうするか。誰を呼ぶかの選定。(前回の“Sunday Service”から1週間後ですから,時間は1週間しかない間での調整となります。)
観客が座るためのベンチもしくは椅子の用意。
そしてなんといっても,カニエ・ウェスト自身や聖歌隊(choir)の人々のフライトの手配,費用,空港から会場(本日はカリフォルニア州カラバサスの山奥)までの車両もしくは交通機関の手配。
そしてカニエ・ウェストとその仲間達(聖歌隊)は,本日の場合は,2種類の衣装を用意しています。クリーム色の上下と,グレー色の衣装です。この手配と費用。幸い,カニエ・ウェストはファッション業界にも関わっておりますから,そのツテもあるでしょう。パステルカラーのこの衣装は,まさにカニエ・ウェストの十八番と言えるでしょう。
本日はどの曲をセッションするかという,セットリスト(プレーリスト)。式次第からプログラムの準備。誰がセットリストを決めるか,どの曲の順番で進めるか,ということを予め全員で共有しておく必要があります。幸い,リーダーはカニエ・ウェストでしょうから,カニエ・ウェストが最終的な承認をするのでしょう。
毎週よく観てみますと,楽器は少しずつ入れ替わっております。どの楽器もしくはサウンドシステムを今回用意するか,ということも決めなければなりません。
場所の選定もあります。今週はどこでセッションを開催するか。果たして,その場所を勝手に使用することはできないと思いますので,市当局からの事前の許可申請は必要か。許可が下りるまでどのくらいの期間が必要か。費用はかかるのか。
おそらくまだまだ決めるべきことはあると思います。
ヌケ・モレがないように,いろいろな面で詰めるべきことは出てくると思います。

そして,いよいよ,コーチェラ音楽祭は明日,イースターの日曜日(4月21日)に迫ってきました。

カニエ・ウェストと聖歌隊仲間達の“Sunday Service”(Week 14)を以下に掲載しておきます。
以下ビデオ,Pt. 1の見所は,3:41からのスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の「Love’s In Need of Love Today」の曲です。
そして,8:20からの盛り上がりと,8:54からの奴隷時代を彷彿とさせる手拍子(clappings)です。

以下ビデオ,Pt. 2の見所は,0:30からのニプシー・ハッスル(Nipsey Hussle)への追悼の言葉です。

今週はカニエ・ウェストとキム・カーダシアン(Kim Kardashian West)との娘であるノース・ウェスト(North West)ちゃんの映像も少し観られます。

いよいよ明日はコーチェラ音楽祭(Coachella Music Festival)ですが,改めましてプログラムを以下のとおり掲載しておきます。

D3PnaDZUUAA46Ir

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェストの“Sunday Service”(さらなる,さらなる,つづき:Week 13&コーチェラ発表)

ここまで律儀に続けるのは,異例のケースでしょう。やるとなったら,とことんやり続けるのがカニエ・ウェストというアーティスト,いや,芸術家,なのであろうと言えるでしょう。

しばらく前からカニエ・ウェストとキム・カーダシアンが開催する「日曜のミサ」と名付けられた“Sunday Service”についてここに掲載してきました

先々週も,そして先週も欠かさず,カニエ・ウェストは“Sunday Service”を開催してきました。

そして今13週目まで突入しております。カニエの快進撃はつづきます。

ついに発表されました。

今年のイースターサンデイ(Easter Sunday=復活祭の日曜日)は,4月21日(日)にあたります。この日に,カリフォルニアのインディオ市で毎年開かれるコーチェラ・ヴァレー音楽祭(Coachella Valley Music Arts and Festival)で,カニエ・ウェスト率いる“Sunday Serviceメンバー達”がフィーチャリング・アクトを務めることを発表しました。コーチェラ・ヴァレー音楽祭はアメリカ最大のミュージック・フェスとも呼ばれています。これは,2週間(週末)かけて開催されるフェスで,2017年のヘッドライナーは,金曜日はレディオヘッド,土曜日はレディ・ガガ,日曜日はケンドリック・ラマーが務めました。昨年のヘッドライナーは,金曜日はザ・ウィークエンド,土曜日はビヨンセ,日曜日はエミネム,でした。

そして今年は,キリストが蘇ったとされる復活祭の日曜日に,その名にふさわしい“Sunday Service”のメンバーを連れて,カニエ・ウェストとその仲間たちがパフォーマンスを披露してくれる,というのは,ありがたいニュースでございます。

今年のフルラインアップはこちらです。

D3PnaDZUUAA46Ir

今年2019年のヘッドライナー・アクトは,4月12日(金)及び19日(金)は,チャイルディッシュ・ガンビーノ,4月13日(土)及び20日(土)はテーム・インパラ,4月14日(日)及び21日(日)のヘッドライナー・アクトはアリアナ・グランデですが,この21日(日)のみ,カニエ・ウェスト率いる仲間たちがフィーチャリング・アクトを務めることが決定いたしました。

これはけっこうなおおごとであります。

もともとは,内輪のみでやっていた小さなジャム・セッションが,アメリカ最大の音楽祭へたった13週間後に出演することが決定されたとは,おそるべしパワーであります。

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト対訳「I Love Kanye」(アルバム『The Life of Pablo』楽曲⑨)

_AG18885-1
(写真はカニエ・ウェストのファッション・ブランド=Yeezyのコレクションより。)

Kanye West – “I Love Kanye”
カニエ・ウェスト「I love Kanye」対訳

[Verse]

I miss the old Kanye, straight from the Go Kanye

Chop up the soul Kanye, set on his goals Kanye

hate the new Kanye, the bad mood Kanye

The always rude Kanye, spaz in the news Kanye
I miss the sweet Kanye, chop up the beats Kanye

I gotta say, at that time I’d like to meet Kanye

See, I invented Kanye, it wasn’t any Kanyes

And now I look and look around and there’s so many Kanyes

I used to love Kanye, I used to love Kanye

I even had the pink polo, I thought I was Kanye

What if Kanye made a song about Kanye

Called “I Miss The Old Kanye”? Man, that’d be so Kanye

That’s all it was Kanye, we still love Kanye

And I love you like Kanye loves Kanye

(ヴァース)
むかしのカニエがなつかしい,シカゴ時代のカニエが良かった
ソウルビートを鳴らすカニエ,ゴールに邁進するカニエ
新しいカニエは大っ嫌い,不機嫌なカニエ
いつも行儀の悪いカニエ,ニュース報道で騒ぐカニエ
かっちょいいカニエがなつかしい,ビートを飛ばすカニエ
ぶっちゃけ,俺がカニエじゃなきゃ,カニエに出会ってみたかった
ほらね,俺がカニエを発明した,当時はカニエなんて一人もいなかった
でもそれが今,辺りを見回せばそこらじゅうにカニエだらけ
かつて愛してた,カニエのこと,かつて愛してた,カニエのこと
ピンク色のポロシャツ着て,俺もカニエの真似してた
もしカニエがカニエ自身についての曲を作ったとしたら?
タイトルは「なつかしい,むかしのカニエ」,それって超カニエっぽいだろ
カニエはカニエでしかなくて,みんな今も愛してるカニエ
俺もキミを愛してる,カニエがカニエが愛しているようにね

(文責及び対訳:Jun Nishihara)