今週の新曲:Black ThoughtそしてPusha TそしてKiller Mikeという朝から超リリカル・タッグで新曲「Good Morning」をリリース!

朝起きのお供にどうぞ。スウィズ・ビーツが「グッ・モーニン!!」って起こしてくれます。iPhoneの目覚まし時計にこの曲を仕掛けておけば,その時間にSwizz Beatzの声とともに目覚められます。

Black Thought feat. Pusha T, Swizz Beatz & Killer Mike – “Good Morning”

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BlackThought of The Roots.

なお,ブラック・ソート(Black Thought)という偉大なるラッパーについてはこちらもどうぞ。

(キュレーティング:Jun Nishihara)

カニエ・ウェストのニューアルバム『Jesus Is King』より,楽曲⑩対訳「Use This Gospel」。

楽曲⑩「Use This Gospel」feat. プッシャT & ノー・マリス(クリプス) 対訳

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[Intro: Kanye West]
Oh, oh, oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh-oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh-oh, oh, oh

(イントロ:カニエ・ウェスト)
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ オゥ,オゥ,オゥ
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ オゥ,オゥ,オゥ

[Chorus: Kanye West]
Use this gospel for protection
It’s a hard road to Heaven
We call on your blessings
In the Father, we put our faith
King of the kingdom
Our demons are tremblin’
Holy angels defendin’
In the Father, we put our faith

(サビ:カニエ・ウェスト)
御守りのため,このゴスペルを使ってくれ
天への道は険しい道だから
あなたに御加護あれ,俺は神にお願いしておくよ
ぼくらは神に信じる心を捧げる
王国のキング
ほら,悪魔たちがおびえているよ
聖なる天使たちが守ってくれているよ
ぼくらは神に信じる心を捧げる

[Post-Chorus: Kanye West]
Oh, oh, oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh-oh, oh, oh

(ポスト・サビ:カニエ・ウェスト)
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ オゥ,オゥ,オゥ

[Verse 1: Pusha T]
How could He not be the greatest?
In my bed, under covers when undercovers had raided
My presence is happy belated
Fashionably late, I’m just glad that you made it
The best is yet to come, I’m just glad that you waited
They all say they real ’til it’s time to appraise it
I seen them come and go, you only the latest
But who am I to judge? I’m crooked as Vegas

(ヴァース1:プッシャT)
神こそが最高に偉大じゃないなんて,んなこと言えねえよ
覆面ポリが襲ってきたとき,俺はベッドの下に身を隠してた
待たせたな,期待どおりだろ
イイ感じで遅れてきたね,来てくれてよかったぜ
最高のショーはこれからだ,待っててくれてありがとよ
ほんとに鑑定されるまで,誰もがそれをリアルと呼んでいる
どれだけ来ては去っていったヤツらを見てきたか,キミもその一人かい
だけど俺には何も言えねえ,だってさ,その俺もヴェガスのように歪んでるヤツだからさ

[Chorus: Kanye West]
Use this gospel for protection
It’s a hard road to Heaven
We call on your blessings
In the Father, we put our faith
King of the kingdom
Our demons are tremblin’
Holy angels defendin’
In the Father, we put our faith

(サビ:カニエ・ウェスト)
御守りのため,このゴスペルを使ってくれ
天への道は険しい道だから
あなたに御加護あれ,俺は神にお願いしておくよ
ぼくらは神に信じる心を捧げる
王国のキング
ほら,悪魔たちがおびえているよ
聖なる天使たちが守ってくれているよ
ぼくらは神に信じる心を捧げる

[Verse 2: No Malice]
A lot of damaged souls, I done damaged those
And in my arrogance, took a camera pose
Caught with a trunk of Barry Manilows
They sing a different tune when the slammer close
From the concrete grew a rose
They give you Wraith talk, I give you faith talk
Blindfolded on this road, watch me faith walk
Just hold on to your brother when his faith lost

(ヴァース2:ノー・マリス)
傷だらけのソウル,俺も魂に傷をつけてきた張本人だった
偉そうな態度で,カメラの前でポーズしてきた
ウーファーでかかるバリー・マニロウの曲に心を奪われた
ムショの檻の中では,同じ曲も異なって聞こえた
コンクリの道路から,バラの花が咲いた
そして俺は,他の連中が高級車についてラップしてる時に,信仰心について語り始めた
この道で両眼に目隠しをされたとしても,信仰心があれば俺はまっすぐ歩ける
そして信仰心を失いかけそうになった時,しっかり“ブラザー”につかまればいい

[Saxophone Solo: Kenny G]

(ソロ・サクソフォン:ケニーG)

[Outro: Kanye West]
Oh, oh, oh (Work, work, work, work)
Oh, oh, oh (Work, work, work, work)
Oh, oh, oh (Work, work, work, work)
Oh-oh, oh, oh (Work, work, work, work)
Oh, oh, oh (Work, work, work, work)
Oh, oh, oh (Work, work, work, work)
Oh, oh, oh (Work, work, work, work)
Oh-oh, oh, oh (Work, work, work, work)

(アウトロ:カニエ・ウェスト)
オゥ,オゥ,オゥ(ワーク,ワーク,ワーク,ワーク)
オゥ,オゥ,オゥ(ワーク,ワーク,ワーク,ワーク)
オゥ,オゥ,オゥ(ワーク,ワーク,ワーク,ワーク)
オゥ オゥ,オゥ,オゥ(ワーク,ワーク,ワーク,ワーク)
オゥ,オゥ,オゥ(ワーク,ワーク,ワーク,ワーク)
オゥ,オゥ,オゥ(ワーク,ワーク,ワーク,ワーク)
オゥ,オゥ,オゥ(ワーク,ワーク,ワーク,ワーク)
オゥ オゥ,オゥ,オゥ(ワーク,ワーク,ワーク,ワーク)

(対訳:Jun Nishihara)

ファレル・ウィリアムス主宰=“Something In The Water”フェス(平成最後もうひとつの音楽祭)

ファレル・ウィリアムス出身の地,米ヴァージニア州ヴァージニア・ビーチの海辺で4月26日(金)〜28日(日)にかけて開催されたミュージック・フェス=“Something In The Water”は,平成の幕を閉じるにふさわしい音楽祭となりました。

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その模様をインスタグラムの“Something In The Water”特設ページから掲載いたします。

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BREEZY🔥🔥 @chrisbrownofficial #SITWfest

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Sparks joy ✨🍭 @friendswithyou #SITWfest

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さて,別途特筆すべきことがあるとすれば,このフェスであらわれたキャラクター=KAWSのHolidayでしょう。

それはこういう↓ものです。

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これはファレルもさることながら,カニエ・ウェストが全世界に広めたことでも有名なKAWS先生のキャラクターです。本件ミュージック・フェス“Something In The Water”のコンセプトは,何かの物体(Something)が海に浮かんでいる(in the water)。それが浜辺に乗り上げて,ポツンとこのビーチに座っているわけです。それがこのデッカいキャラクターなのです。これは浜辺に乗り上げた姿なのです。そこから,この物体(=KAWSのHolidayキャラクター)がライヴステージを鑑賞している,という考え方なのです。ですから,この“Something In The Water”ミュージックフェスの主役は,ライヴで演奏するアーティストたちでもはなく,主宰者のファレル・ウィリアムスでもなく,コイツ=KAWSのキャラクターなのです。彼(彼女?無性?)のためにライヴをやり,彼(彼女?無性?)のためにフェスを開催している,というコンセプトであります。

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さて,カニエの息吹はここでも流れておりました。ファレルが着ているカニエの「HOLY SPIRIT」のトレーナーです。

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We are Virginia. @SOMETHINGINTHEWATER

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ファレルはなぜこういったミュージック・フェスを開催したのでしょうか。今年が初めてです。

ファレルはその問いにこう答えます。

「これはただのミュージック・フェスではない。これは地元のお祭りなんだ。ヴァージニアで生まれ育った人たちのために開くお祭りなのさ」(ファレル・ウィリアムス)

そしてファレルと同郷のヴァージニア・ビーチ出身のミッシー・エリオットやティンバランド,プッシャTも参加しておりました。

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地元のためのお祭りとは言い得て妙,カニエが開いたコーチェラでの“Sunday Service”とは,これまた違った趣(おもむき)のあるものとなりました。

ここに2つ並べて,掲載しておきます。その違いは明らかです。

カニエ・ウェストの“Sunday Service”
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ファレル・ウィリアムスの“Something In The Water”
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なんか雰囲気も色も形もぜんぜん違いますね。

アクセスの方法,といいますか,会場のマップもこの際,比べておきましょう。

カニエ・ウェストの“Sunday Service”
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ファレル・ウィリアムスの“Something In The Water”
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最後に“Something In The Water”にはヒップホップの三冠王=ディディ,ジェイZ,ティンバランドも登場しました。

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(ヒップホップ界最も偉大なるプロデューサー=ティンバランド)

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(ジェイZと)

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(ディディakaパフ・ダディと)

(文責:Jun Nishihara)

今年2018年に出た最も偉大なるヒップホップ曲ランキング《トップ30》:第30位「Pusha-Tがドレイクをディスった曲」。

師走になりました。今年2018年も残すところ1ヶ月です。

2018年の総まとめとして,今年リリースされたヒップホップ曲で,最も素晴らしい曲のランキング《トップ30》を今日から毎日,1曲ずつ発表していきます。

早速始めましょう。

2018年総まとめヒップホップ曲ランキング《トップ30》の開幕です。

初日は第30位の発表です。

第30位:プッシャTがドレイクをディスった曲「The Story of Adidon」です。

それは2018年の初夏のことじゃった。
カニエ・ウェスト軍団とドレイク軍団がアルバムを続々とリリースする直前のこと。
いわゆる「アルバム・リリース対決」が始まる前の引き金(トリガー)となった事件として,カニエ・ウェスト軍団に所属するラッパー,プッシャT(Pusha-T)が,ライバル軍団のリーダーであるドレイク(Drake)をディスった曲「The Story of Adidon」をリリースした。

しかし,この事件の前にもボヤがあり,それがドレイクが発表した「Duppy Freestyle」であった。このフリースタイルでドレイクは,ライバルのカニエ・ウェストをディスっている。それを聞いたカニエの弟子的存在であるプッシャTが上記のディス・ソングを発表したというわけである。

2018年に出たヒップホップ曲ランキングの初動として相応しい,エキサイティングな1曲である。こういう「対決」がたまに起こるからこそ,ヒップホップ・アーティストの間にも張り詰めた空気が流れ,緊張感を感じることができる。こういったディスりとか対決とかいうものは,ヒップホップの醍醐味の1つであり,やっている本人も,それを聞いている我々にとっても,エキサイティングなことである。

(文責:Jun Nishihara)

ちょこっと解説:カニエ・ウェストと大自然で過ごしたワイルドな3日間(ニューヨークタイムズ紙記事より)

本日(7月1日)付,ニューヨークタイムズ紙WEEKEND MUSIC欄に,大きく一面(いや,2頁にわたる2面!)を飾ったのはカニエ・ウェスト。1頁目には「Into the wild with Kanye(カニエと共に大自然へ)」と題して,2頁目には「Three Days in the wild with Kanye(カニエと大自然で過ごしたワイルドな3日間)」と題して,2頁をフルに使って掲載された。

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記事にはカニエが写っている写真が5つ,掲載されている。

ワイオミング州の山奥で開催された,アルバム『ye』のリスニングパーティーの模様。ウェスト夫人=キム・カーダシアンや娘のノースとともに写った写真。ライブ模様。トランプ大統領とのツーショット等だ。

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さて,この長文記事を2頁にわたって書いたのはJon Caramanicaというニューヨークタイムズ紙専属の音楽評論家ジャーナリストであるが,なかなかうまい具合に記事をまとめている。

記事の内容は,まず,今年4月中頃に始まったカニエがアップした一連のツイートに始まり,カニエのアルバム『ye』がリリースされるまでのドラマをイチから説明してくれている。「事の始まり」としてのカニエの入院の原因等,私生活も説明している。自殺を考えたいきさつや,人の目を気にし過ぎていた日々,自由を感じられず,束縛されていた日々など,カニエの精神状態について,なかなかうまくまとめている。

さて,写真にもあるワイオミング州ジャクソン・ホールの山奥で開かれたリスニング・パーティーである。

これだけのヒップホップアーティストが一度にワイオミング州の山奥に集合したのは,前代未聞ではなかろうか。カニエ,プッシャT,キッド・カディはもとより,コンセクエンス,スウィズ・ビーツ,070シェイク,2チェインズ(ペットの犬まで!),タイ・ダラー・サイン,DJグレッグ・ストリート,デザイナー,サイハイ・ザ・プリンス,エイサップ・ナスト,リル・ヤッティー・・・so on and so forth。

みんなでキャンプファイアーを囲んでのリスニング・パーティーになったという。(↓こんな感じ)

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(カラーではこんな感じ↓)

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本記事にはカニエとのインタヴュー内容も掲載されている。

トランプ大統領支持について,こう答えている。

質問:But if he says something like he doesn’t want to let Muslims into the country, do you like the way that sounds?
(もしトランプ大統領が「イスラム教徒はこれ以上,アメリカへ入国させない」なんていうことを言えば,それを支持しますか?)

カニエ:No, I don’t agree with all of his policies.
(いや,ヤツの政策全てを支持するワケじゃない。)

そして,「奴隷は選択だ」発言について,こう答えている。

質問:To clarify, do you believe that slavery in this country was a choice?
(確認ですが,この国にあった奴隷制度は,ほんとうに選択できたものだと思いますか?)

カニエ:Well, I never said that.
(いや,そういうことを言ったんじゃない。)
カニエ:I said the idea of sitting in something for 400 years sounds – sounds – like a choice to me, I never said it’s a choice. I never said slavery itself – like being shackles in chains – was a choice.
(言ったのは,400年の時を経ても,奴隷制度がまだ続いていたっていうのを考えた時,それは人々が「あえて」廃止しようとしなかったから,って思えたんだ。奴隷そのもの,例えば両足を鎖に繋がれたりしていたことが選択だ,とは一度も言っていない。)

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そして,この記事から学べる一番大事なことはこれなんじゃないかと思う。

カニエは言う。

We need to be able to be in situations where you can be irresponsible. That’s one of the great privileges of an artist. An artist should be irresponsible in a way – a 3-year-old.

(時に,自分が無責任になれる状況に身を置かなきゃいけない。それがアーティストとしての素晴らしき特権である。本来アーティストは無責任でなければいけない,ある意味,3歳児だと思って。)

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記事の最後に,記者はこう締めくくる。

“Getting comfortable with the dissonance, that’s the thing.”
(不調和音を安心して受け入れられるようになること,それがカニエを理解することの第一歩である。)

カニエはこう言う。

“My existence is selvage denim at this point, it’s a vintage Hermes bag. All the stains just make it better.”
(俺の存在は今やセルビッジ・デニムだよ。エルメスバッグのヴィンテージ品さ。シミと汚れがさらに良い味を醸し出す。 ー カニエ・ウェスト)

補足:ちょうど昨年の今頃(2017年6月30日)であったが,ジェイZが『4:44』をリリースした際,ボーナストラックとして後日,アルバムに収録された楽曲「MaNyfaCedGod」で,ジェイZはこうラップした。

Broken is better than new / That’s Kintsukuroi.

傷が入った品は,新品よりも価値がある/それを金繕いと言う。

金繕い(金継ぎ)とは,割れや欠け,ヒビなどの陶磁器の破損部分を漆によって接着し,金などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法をいう。まさに「新品」とは異なった趣(おもむき)をその芸術作品に感じることができる。(つまり,新品の作品と,ヒビ割れを修復したあとの作品とを較べたとき,ヒビ割れ後の作品のほうが,深い味を感じられる,ということだ。)

これをカニエに繋げるとすれば,新品のカニエと,精神的な傷跡によってできた「割れ」や「ヒビ」などを経てきたカニエ(まさに今のカニエ)とでは,後者のほうが,深い味を鑑賞することができる,といった具合だ。

ジェイZが言う「kintsukuroi」を,カニエは「vintage Hermes bag」と表現した。この今となっては「疎遠のブラザー同士」は,ほんとうに似たようなことを考える“兄弟”である。

(文責:Jun Nishihara)