UKの黒人音楽シーン(UKシリーズ:その⑤)

UK生まれのHip-Hop楽曲を以下にキュレートしておきます。

1. 1993年生まれのロンドン出身黒人女子ラッパー=ナディア・ローズ(Nadia Rose)。同郷出身の黒人ラッパー=ストームジー(Stormzy)の従姉妹です。

2. 1993生まれのロンドン出身黒人男性ラッパー=ストームジー(Stormzy)。もう今となっては英国出身のカオともなっておりますが(ドレイクにfeat.された後は特に),有名になる以前は暫くの間,英国アンダーグラウンドラッパーとして名を馳せておりました。

彼がアングラ・コミュニティに受け入れられるキッカケとなった,Wicked Skengmanフリースタイル・シリーズを以下掲載いたします。英国の「声」を聴いてみてください。

3. ミズ・ダイナマイト(Ms. Dynamite),1981年生まれロンドン出身。デビューはなんと2002年!デビューアルバム『A Little Deeper』はこれまで約50万枚を売り上げ,シングル曲「Dy-Na-Mi-Tee」は英国R&Bチャート第2位にランクイン。

4. カノ(Kano),若き英国ラッパー。アメリカではハードコア・ラップというジャンルが昔ありましたが,そんなものはUKにはそぐわない。UKでは,グライム・ラップ(Grime Rap)と呼びます。それが彼が名を馳せるキッカケをくれたものなのです。レペゼンはどこまでもイングランド。

5. デイヴ(Dave),1998年生まれ,ロンドンはブリックストン出身。ナイジェリア出身の両親のもとに生まれた3人兄弟の末っ子です。デビューアルバム『Psychodrama』は英国ヴァイナル・ファクトリーが選ぶ「2019年に出た最も素晴らしい50枚のアルバム」のなんと第1位に選ばれます。

その『Psychodrama』から収録楽曲「Black」を掲載いたします。

デイヴ(Dave)は2019年11月,米NPR局の“Tiny Desk Concert”にも登場しました。

(文責及びキュレーション:Jun Nishihara)

UKの若手黒人音楽シーン(UKシリーズ:その④)

英国UKの黒人音楽シリーズその④として,本日は,UK出身の若手黒人アーティストの楽曲を幾つかお届けします。

まずは1人目,英国はノッティンガム生まれの32歳。NAO(ナオ)です。ノッティンガムは人口27万人越えの学生の街として知られますが,子供の頃にイースト・ロンドンに引越し,学生の街生まれで大都会育ちの女子として育っていきます。

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(photo credit: The Fader)

デビューは2016年,アルバム『For All We Know』を発表し,UKのR&Bチャートで第5位を獲得。セカンド・アルバムは『Saturn』を2018年にリリースし,UKのR&Bチャートで第2位を獲得します。

その『Saturn』からシングル曲「Make It Out Alive」を下記掲載いたします。

2人目は,FKAツイッグス(FKA Twigs),17歳の頃,サウスロンドンという大都会に引越し,バックアップダンサーとして暫く名を馳せます。24歳で歌手デビューを果たし『EP1』をリリース。米ダンス・ミュージックとして第11位にランクイン。EP盤にも関わらず,好成績を挙げます。

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(photo credit: Glamour)

2014年にアルバム『LP1』をリリースし,あらゆるメディアから絶大の高評価を得ます。同アルバムに収録された「Two Weeks」を以下掲載いたします。

続きまして,3人目はロンドン出身のアーティスト,ドーニック(Dornik)です。ドーニックは元はラッパーのゴーストライターとして働いておりました。しかし2015年,ついに自身のために歌詞を書き,アルバムDornik』をリリースします。裏の人間から,オモテに出てきた瞬間です。

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そのドーニック(Dornik)から楽曲「Retail Therapy」を以下掲載いたします。

おまけにもう1曲,英国生まれのソウルフル!な楽曲「God Knows」です。

4人目は,セレステ(Celeste)。生まれは米国カリフォルニアですが,3歳の頃,ロンドン東部のダゲナム地区(Dagenham)に引越します。イギリス人の母親とジャマイカ人の父親を持ち,アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)やエラ・フィツジェラルド(Ella Fitzgerald)の音楽に影響を受けます。

そのセレステから「I Can See The Change」をお届けします。

最後5人目は,マイケル・キワヌカ(Michael Kiwanuka),ロンドン出身のシンガー・ソングライターです。2012年にデビューを果たしアルバム『Home Again』をリリース。セカンド・アルバム『Love & Hate』は米GQ雑誌が選ぶ「2016年に出たベスト10枚のアルバム」の第7位に選ばれます。

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アルバム『Love & Hate』から楽曲「Black Man In A White World」を掲載いたします。

(文責及びキュレーション:Jun Nishihara)

ドレイクに影響を与え,そして影響を受けた,UKの黒人音楽シーン(その①)

2017年3月にリリースされたドレイク(Drake)のアルバム『More Life』で特筆すべきことは,アルバム全体をとおして,UK(英国)調のヒップホップシーンが鮮やかに表現されている点です。(このアルバムを「公式ミックステープ」と呼んでいるメディアもあるそうですが,ここでは「アルバム」と呼ぶことにしたいと思います。)

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本アルバムで共演しているアーティストは,Jorja Smith,Black Coffee,Sampha,Baka Not Nice,Giggsなど,英国出身もしくは英国のミュージックシーンに影響を受けてきたアーティストが勢揃いしております。

この中でも収録楽曲⑧「4422」という雨の日のロンドンを彷彿とさせるしっとりとした音調の曲に,英国はロンドン南部のモーデン(Morden)出身アーティスト=サンファ(Sampha)がfeat.されています。

サンファは2016年9月にリリースされた,ビヨンセの妹であるソランジュ(Solange)のアルバム『A Seat At The Table』でも共演しておりました。

実はこのサンファとドレイクの共演は2013年のアルバム『Nothing Was The Same』の楽曲12「Too Much」にまで遡ります。

ドレイクのアルバムに起用された2013年以降,サンファは共演アーティスト(featured artist)としてどんどん売れ始めていきます。

2014年のBlood Orangeとの共演(楽曲「A Kiss Goodbye」),2016年カニエ・ウェストとの共演(楽曲「Saint Pablo」),2016年ソランジュとの共演(楽曲「Don’t Touch My Hair」),2017年ドレイクとの共演(楽曲「4422」),2017年現代ジャズの大物=Kamasi Washingtonとの共演(楽曲「Mountains of Gold」)等々です。そして遂に同年2017年,自身のデビューアルバム『Process』をリリースします。

現代ヒップホップ/R&Bシーンでは,静かに,UKの黒人音楽シーンがグツグツと出現し始めてきております。ヒップホップはもうアメリカ人のものだけじゃないんだよ,と言わんばかりに。

それが見事に垣間見れるのが,ドレイクの2017年発売のアルバム『More Life』でした。

この『More Life』というアルバムが米国のヒップホップシーンに与えた影響,つまり,UKの音楽シーンをそのまんまアメリカに引っ張ってきたという,その偉大さを振り返るとともに,その原点の一つであり,サンファのキャリアに非常な影響を与えた,ドレイクとサンファの共演作品
「Too Much」を以下に掲載しておきます。以下掲載する映像は,英国BBC Radio 1で放映されたサンファのライヴ・パフォーマンスです。

(文責及びキュレーション:Jun Nishihara)

スヌープ・ドッグからの追悼の言葉(ニプシー・ハッスルへ)

4月11日(木),ニプシー・ハッスルのお葬式及び追悼式がニプシーの出身地であるL.A.(ロサンゼルス)の最大ヴェニューであるステープルズ・センター(Staples Center)で行われました。

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いろいろな方々が追悼式に参列してくださいました。その中には同じ出身地で,同じギャング(Crips)の出であるスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)もいました。

以下は,スヌープからの追悼の言葉です。

最後にバラク・オバマ大統領からニプシー・ハッスルに宛てて書かれた追悼の言葉を掲載しておきます。

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(文責:Jun Nishihara)