第1位に輝いた「Meek Mill feat. Rick Ross & JAY-Z – “What’s Free”」ヴァース1の対訳

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Meek Mill feat. Rick Ross & JAY-Z – “What’s Free”(ヴァース1対訳)

[Verse 1: Rick Ross]
Since a lad, I was cunning, just got a pad out in London
I keep stackin’ my money, I’ll need a ladder by summer
AK shots, niggas duckin’ stray shots
Been a top dog, that’s before the K-Dots
Crackin’ in ’06, immaculate showmanship
Talkin’ like you Mitch, disastrous on the strip
Holdin’ on your bitch, coulda never sold you a brick
With them people, you never been on a list
Mona Lisa to me ain’t nothin’ but a bitch
Hangin’ pictures like niggas swingin’ from his dick
We so different, you thought these didn’t exist
The Megalodon never seen on his wrist
I’m from the South where they never make it this rich
God is the greatest, but Satan been on his shit
Walkin’ the pavement, I pray I’m illuminated
Over a decade and never nobody’s favorite
Pot and kilo go hand in hand like we Gamble and Huff
My amigo, a million grams and we countin’ ’em up
You was dead broke, I let you hold a pack
You paid for it, but I fucked around and stole the track
Screaming “gang gang,” now you wanna rat
Racketeering charges caught him on a tap
Lookin’ for a bond, lawyers wanna tax
Purple hair got them faggots on your back

(ヴァース1:リック・ロス)
ガキの頃から悪知恵働かせ,ロンドンに豪邸買った
カネは金庫にどんどん貯まって,毎年夏にはハシゴを掛けてた
AK銃弾のシャワー,流れ弾をよける生き様
昔からワルのドン(=トップ・ドッグ),ケンドリック(=TDE)のずっと前から
2006年に大ヒット,エンタメの腕前は巧みなショーマン
おまえら,ドラッグディーラーの真似してると,マイアミじゃヤケドするぜ
自分の女をしっかり握っとけ,クラック売りさばいて女ごと奪っちまうぜ
他の連中のように,ヒットリストに載るんじゃねえぜ
モナリザは俺にとっちゃ単なる他人の女
絵画を壁に掛けるごとく,男どもを手先で操る女の様
他の連中とは一味違う
もう絶滅したと思ったろ,巨大ザメのメガロドン,ベナルスのダイバーウォッチ
俺はサウスの出身,サウスで俺ほど儲けたヤツは今までいなかった
神は最も偉大なる存在と言われるが,悪魔(サタン)も捨てたもんじゃねえ
舗道を歩きながら俺は祈った,将来も光り輝いて(イルミナティ)いることを
あれから10年越えのキャリア,誰からも嫌われ役でやってきた
鍋釜とコカ,互いに必要とする関係,ギャンブル&ハフの様
仲間とともに,1tのクラック捌いて,札束数えた
一文無しの野郎にも,1パック捌かせた
犠牲は払ってきた,ふざけあってトラック奪って
叫んだ「ギャング,ギャング」,よう,サツにチクろうとしてんのか
恐喝罪で告発され,ヤツ(=テカシ・シックスナイン)はブタ箱行き
ヤツは保釈金を求め,弁護士は税を課す
ムラサキ色の髪型で,ホモ野郎にタカられてんぜ

(文責:Jun Nishihara)

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第6位「ドレイクの“キキ!Do you love me??!!”で今年イチ!流行った曲」(今年2018年に出た最も偉大なるヒップホップ曲ランキング)

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遂にドレイク(Drake)のこの曲「キキ!Do you love me?!?!」の番が回ってきました。第6位です。

最近は,「曲が流行ったかどうか」のモノサシとして,どれだけSNSで話題になったか,トレンドになったか,ハッシュタグがついたかで測られます。以前はCDの売り上げや,TVやラジオ,そしてビルボードチャートのランキングやらで,今どういった曲が流行っているかが測定されていましたが,この頃はそれがSNS上で垣間見れます。

この「キキ!Do you love me?!?!」(*正しくは「In My Feelings」という曲名)は,アメリカ全米だけでなく,アジア,中東,ラテンアメリカ,そしてアフリカ含む世界中の若者がSNSでこのセリフをマネて歌い,踊り,アップしました。

こうしてドレイクは,カナダやアメリカを飛び出し,世界へと羽ばたいていきました。

それでは第6位の当曲「In My Feelings」について,「人」という面から重要な点を簡潔に述べておきます。

Shiggy Challenge(シギーチャレンジ)という現象がSNS上(ツイッターやインスタグラム)で巻き起こりました。

シギーというのは,25歳の黒人コメディアンで,この曲のおかげで一躍有名人になりました。ドレイクのアルバム『Scorpion』が発売されて,当時(2018年6月30日時点)ではまだシングル曲にもなっていなかったのにもかかわらず,彼(シギー)はこの曲をおもしろいと思い,自分がこの曲のビートに合わせて踊っている(ダンスしている)動画を自身のインスタグラムにアップしました。またたく間にその動画はネット上を席巻し,あらゆる場所でリツイートなりリアップなりされて,世界中がその動画を見,世界中の若者にとどまらず,老若男女がそのダンスを真似して,アップするという連鎖反応が起こりました。

まさにドレイクのこの曲と自身のダンス動画のアップによって,シギーの人生は,一変しました。世界中に彼の名が知られることになりました。

その動画がこれです。これがきっかけで,ウィル・スミスも,シアラも,ベッカムも,それを真似して曲に合わせて踊るダンスを自身のインスタグラムにアップしました。

まずはウィル・スミスの動画から。

次にシアラの動画です。

そして,ついに,シギー自身の動画です。これが全ての始まりです。

そしてこの「In My Feelings」における2つ目の重要な点は,黒人ギャルのラップユニット=City Girlsをフィーチャリングしているという事実です。

彼女たち(City Girlsの2人)も前出のシギーのように,この曲「In My Feelings」によって一躍有名人になりました。今までCity Girlsなんていう黒人ギャルのラップユニットなんて聞いたことがなかったという人にも,今ではアメリカではお茶の間に知れ渡る名前となりました。

City Girlsのラップには「ナマリ」があります。アメリカ南部の田舎訛り&黒人英語の発音(南部訛りに加えて黒人英語Ebonicsというキツいアクセント)です。それがまた良い味を出しています。ドレイクのような「ど真ん中」を行くアーティストに,彼女たちのドギツイ抑揚が曲中に入っているというのが,素晴らしい味をぷんぷん臭いくらいに匂わせています。かつて伝説のヒップホップデュオであるアウトキャスト(Outkast)が「Stankonia(ぷんぷん匂う音楽)」と称した南部の黒人ヒップホップですが,これもまた,南部の黒人の臭さがいい具合で匂ってくるくっさい英語です。

今年の流行語ならぬ流行名は「キキ(Kiki!)」と言っていいほど,この曲は今年めちゃめちゃ売れました。

Aliya Janellヴァージョンも載せておきます。

そして最後に,今年最大のヒット曲であるドレイク「In My Feelings」の本物のミュージックビデオがこちらです。

なにがすごいって,本物のドレイクのビデオ中にシギー(シロウト)が創出したダンスが起用されていることですね。ほんとは逆ですけれど,この場合は今までの「逆」なんです。そこまで今年,シギーのダンスは影響力がありました。

(文責:Jun Nishihara)

元ネタの曲を知る⑤:ドレイク⇆スノー・アレグラ

2017年にリリースされたドレイクのアルバム『More Life』のラスト・トラックを飾ったのが楽曲「Do Not Disturb」です。

曲は・・・

Yeah, stylin’ though
Dissin’ but got pictures with me smilin’ though

で始まります。

これはまさにビギー(The Notorious B.I.G.)の歌詞のモジりです。
こういう2行をさらっと言えるのは,ドレイクの格好良さのひとつです。

日本語に訳すと・・・

そう,スタイル,キメて
ディスってる,でも俺と笑顔で写メ撮ってる

こうなります。
解説すると,これはドレイクが当時,ライバルだったミーク・ミルに宛てた歌詞です。「ディスり合ってる仲だけど,おまえと二人で,笑って写真撮ってた。しかもスタイルはバッチリ決めてた。」

この曲「Do Not Disturb」は,スノー・アレグラというスウェーデン出身の歌手の曲「Time」をサンプリングしています。

ドレイクの「Do Not Disturb」は・・・

この原曲となっているのはスノー・アレグラの「Time」です。

(文責:Jun Nishihara)

元ネタの曲を知る④:ゴーストフェイス・キラー⇄ウィリー・ハッチ

ヒップホップの黄金時代とは,まさにこの曲のことです。黄金時代を築き上げたウータン・クランのメンバーであるゴーストフェイス・キラーが当時デビューしたての若手R&BシンガーのNe-Yoと組んでリリースした曲です。

2006年2月28日にリリースされたこの曲=「Back Like That」の美しきピアノメロディを聴いてみてください。ゴーストフェイスの迫真のラップと対照的(コントラスト)で,素晴らしい相乗効果を生み出しています。

Ghostface Killah feat. Ne-Yo – “Back Like That”

そしてこの曲の元ネタとなっているのは,1976年にリリースされた,ウィリー・ハッチ(Willie Hutch)の「Come Back Home」という曲です。聴き比べてみてください。

Willie Hutch – “Come Back Home”

ゴーストフェイスの感情的な「泣きのラップ」と,ウィリー・ハッチの「泣きの歌声」が世代を超えて響き合っているように感じませんでしょうか。

次は,この同曲に「あの人」が加わったリミックス(REMIX)バージョンを紹介いたします。

(文責:Jun Nishihara)

元ネタの曲を知る③:ジェイZ⇄ローズ・ロイス⇄ビヨンセ

前回はジェイZの名曲「Song Cry」の元ネタとなっている1976年の曲を紹介いたしました。

引き続いてジェイZの曲です。
ジェイの隠れた傑作である「Wishing On A Star」(1998年3月11日リリース)という曲を紹介します。「隠れた」というのは米国で公式にリリースされたジェイZのアルバムには,この曲は収録されたことがないからです。現時点(2018年9月時点)では,月額サービスのApple Musicでも聴くことはできません。

もともとこの曲は,ジェイZのアルバム『In My Lifetime Vol.1』のUK(英国)盤のボーナストラックとして収録されました。その後,日本では,ジェイZの『Chapter One: Greatest Hits』(2002年リリース盤)に収録され,聴くことができます。

聴き比べてみてください。

Jay-Z – “Wishing On A Star”

その元ネタがこちらです。
Rose Royce – “Wishing On A Star”

ジェイZはこの曲を1998年にリリースしましたが,その6年後,2004年にビヨンセが同曲をカバーしました。

こちらです。

Beyonce – “Wishing On A Star”

元ネタは,1978年にリリースされたローズ・ロイス(Rose Royce)という女性歌手の曲です。1978年の曲がこうして,20年の年月を経て,ジェイZにサンプリングされたことがよみがえり,その6年後にビヨンセがカバーしました。

まさにこれがヒップホップの醍醐味のひとつであります。古い曲が現代に“真新しく”よみがえり,これを聴いている老若男女が「おおもとの曲(元ネタの曲)」を探しに行く,また,探したくなる,見つけて,聴きたくなる,という欲を掻き立ててくれるものだと感じております。そうなると,たまらなくおもしろいです。

(文責:Jun Nishihara)

元ネタの曲を知る②:ジェイZ ⇄ ボビー・グレン

さて,このコーナーでは,現代のヒップホップ曲で起用されている「おおもととなっている曲ネタ」を紹介しています。

前回は,ドレイクがマライア・キャリーの曲をネタにした「Emotionless」⇄「Emotions」を紹介しました。

このように「もとのネタ」を知ることによって,ヒップホップのおもしろさが少しでも伝われば幸いです。

さて,今回はこんな曲を紹介します。

カニエ・ウェストよりも少し前に出現した異次元ビートメイカーにジャスト・ブレイズ(Just Blaze)というビート・プロデューサーがいます。カニエ・ウェストは「元ネタづかい」を世界中のヒップホップ界に広めたビートメイカーとして知られていますが,カニエが世に出るよりもずっと前に「元ネタあそび」をグヅグヅとアングラで温め続けてきたのは,ジャスト・ブレイズです。

ジャスト・ブレイズがプロデュースしたヒップホップ曲には,数々の名曲が生まれています。

その豊富なレパートリーの中から,ジェイZの名盤『The Blueprint』に収録されている楽曲(名曲!)「Song Cry」を取り上げます。

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この「Song Cry」は2001年9月11日(世界同時多発テロ事件と同日)にリリースされたアルバム収録楽曲ですが,この曲のおおもととなっている曲は,美しきまさに名曲(名曲をサンプリングにしたからこそジェイZの名曲が生まれたという,なんというビート・プロデューサーのセンス!)である,ボビー・グレン(Bobby Glenn)の1976年リリースの楽曲「Sounds Like A Love Song」を元ネタにしています。

それでは聴いてみましょう。

Bobby Glenn – “Sounds Like A Love Song”

(文責:Jun Nishihara)

元ネタの曲を知る①:ドレイク ⇄ マライア・キャリー

ヒップホップの楽しみ方の1つに「元ネタで遊ぶ」というものがあります。あるヒップホップ曲を聴いて,その曲に起用されているおおもととなっている曲ネタを探す,というものです。

ネタは時にメロディーであったり,ビートであったり,はたまたリリックであったりもします。

この元ネタを知ることによって,同じヒップホップ曲でも,たんなる平面的な音楽ではなく,奥深い,立体的な音に聞こえるようになってきます。

そこにはこれまで綿々と連ねられてきた歴史を感じることができます。それを知ってしまえば,その1曲はもはや「たんなる点」などではなく,遠いむかしから綿々とつづく「線状にある途中」の1曲として,「つながり」をその曲に感じることができるようになります。

イマドキの流行りに乗っかった「one hit wonder(一発屋)」のように聞こえる曲でさえ,その曲の「元ネタ」を知ればたちまち,「おっ,これはアノ曲か」と,つながりを感じることができるようになります。

このコーナーでは,現代のヒップホップにつながる「元ネタ」となっている曲を紹介します。元ネタとなる曲は,むかしの曲もありますが,けっして古い曲だけでなく,最近リリースされた曲もあります。

たとえば,こういうものです。

ついこのあいだ(2018年6月29日に)リリースされた,ドレイク(Drake)のニューアルバム『Scorpion』から収録楽曲「Emotionless」の元ネタとなっている曲=マライア・キャリー(Mariah Carey)の「Emotions」を紹介します。

ドレイクの「Emotionless」を聴いていただいた後に,元ネタとなっているマライア・キャリーの「Emotions」を聴いていただくと分かるかと思いますが,この曲は「リリックを元ネタにしたパターン」の曲です。

マライアが歌う下記の歌詞部分をループで回し,起用しています。

You’ve got me feeling emotions
Ayy, higher
Ahhhhhhh
You’ve got me fe–
You, ohhhh

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ドレイクがマライアの声を起用したり,アリーヤ(Aaliyah)の声とメロディを起用したりすることは今までもありました。特にアリーヤの声を起用したドレイクの曲は,どれも感慨深いものがあります。

こうして過去の偉大なる音楽が,現代のヒップホップを媒介としてよみがえります。

マライア・キャリー「Emotions」

(文責:Jun Nishihara)