第28位「ニック・グラントの’96ブルズ」(今年2018年に出た最も偉大なるヒップホップ曲ランキング)

2018年総まとめヒップホップ曲ランキング《トップ30》です。
本日は第28位の発表です。

第28位:ニック・グラントの楽曲「’96 Bulls」

まさに正統派のラップをするアーティストです。ニック・グラント(Nick Grant)はつい昨年(2017年)にデビューした新人ラッパーです。しかし,まったく新人ラッパーとは思わせないこの「正統派」のラップが好評ですが,世間では,まったく売れていません。最近ハヤリのラップスタイルを取っているわけでもなく,派手さもなく,全然ふざけてもいませんので,「売れない」ということはありますが,しかしここまで上手いラップをし,正確な韻律(cadence)を踏み,見た目も悪くないラッパーですので,もっと売れて良いハズです。現在は,世間にはあまり評価されていない(underratedな)ヒップホップ・アーティストですが,このまま着実に力を付けていけば,将来有望なラッパーといえるでしょう。

↑このミュージックビデオを観てもらってもわかりますが,確実に90年代のラップに影響を受けております。これからが楽しみです。

2018年のヒップホップ曲ランキングの第28位として相応しいアーティストだと思います。曲名の「’96 Bulls」というのは1996年のシカゴ・ブルズのこと。1996年のブルズというのは,ブルズとして最も強かった頃(マイケル・ジョーダンが所属していた頃)です。負ける雰囲気は全くありませんでした。その頃のブルズが抱いていたメンタリティと同じ気持ちを,ニック・グラントも心に持ってラップに挑んでいる,と彼はインタヴューで語っていました。

(文責:Jun Nishihara)

第29位「ジャネル・モネのジャンゴ・ジェーン」(今年2018年に出た最も偉大なるヒップホップ曲ランキング)

2018年総まとめヒップホップ曲ランキング《トップ30》です。
本日は第29位の発表です。

第29位:ジャネル・モネのシングル曲「ジャンゴ・ジェーン」

これは下手なラッパーがラップする曲よりも,はるかに素晴らしいラップ曲です。
ジャネル・モネ(Janelle Monae)は普段はラッパーではなく,R&Bシンガーです。
にもかかわらず,ラップが上手い!巧い!旨い!ウマい!,というのがこの曲で証明されました。

下手なラッパーよりラップが上手い歌手として,ラッパー顔負けの曲として,堂々の29位,ランキング入りです。

(文責:Jun Nishihara)

今年2018年に出た最も偉大なるヒップホップ曲ランキング《トップ30》:第30位「Pusha-Tがドレイクをディスった曲」。

師走になりました。今年2018年も残すところ1ヶ月です。

2018年の総まとめとして,今年リリースされたヒップホップ曲で,最も素晴らしい曲のランキング《トップ30》を今日から毎日,1曲ずつ発表していきます。

早速始めましょう。

2018年総まとめヒップホップ曲ランキング《トップ30》の開幕です。

初日は第30位の発表です。

第30位:プッシャTがドレイクをディスった曲「The Story of Adidon」です。

それは2018年の初夏のことじゃった。
カニエ・ウェスト軍団とドレイク軍団がアルバムを続々とリリースする直前のこと。
いわゆる「アルバム・リリース対決」が始まる前の引き金(トリガー)となった事件として,カニエ・ウェスト軍団に所属するラッパー,プッシャT(Pusha-T)が,ライバル軍団のリーダーであるドレイク(Drake)をディスった曲「The Story of Adidon」をリリースした。

しかし,この事件の前にもボヤがあり,それがドレイクが発表した「Duppy Freestyle」であった。このフリースタイルでドレイクは,ライバルのカニエ・ウェストをディスっている。それを聞いたカニエの弟子的存在であるプッシャTが上記のディス・ソングを発表したというわけである。

2018年に出たヒップホップ曲ランキングの初動として相応しい,エキサイティングな1曲である。こういう「対決」がたまに起こるからこそ,ヒップホップ・アーティストの間にも張り詰めた空気が流れ,緊張感を感じることができる。こういったディスりとか対決とかいうものは,ヒップホップの醍醐味の1つであり,やっている本人も,それを聞いている我々にとっても,エキサイティングなことである。

(文責:Jun Nishihara)