DMXよ,ありがとう。

私の人生の黄金時代を共に過ごしてくれたラッパーだった。こちらは勝手に親近感を感じていたし,あんたの声が聞こえると,身体が熱くなった。そして俺も吠えた。ラップを聴いて,ハードコアラップの叫びの部分を聴いているように感じたのは,DMXが初めてだった。そしてDMX以降,こんなに跳び上がるほどの爆発力を持ったラッパーには,出会うことはなかった。サビに入るまでの,導入部分で,「くるよ,くるよ,くるよ」と心の中で待ち伏せしながら,サビに入った瞬間に跳び上がる,そういうことができたのは,今も昔も,DMXだけだった。

ラッパーっていうのは割りと醒(さ)めている部分があるんだけれど,DMXはそうではなく,DMXはいつもアツかった。曲が鳴り出すと,腹の底からどんどん湧き上がってくる「熱」のようなものを感じ始め,サビの部分でそれが絶頂に達してJUMPするという快感をくれたラッパーだった。

そしてそれを私はだいぶ初期の頃に経験(体験)することができて,幸せだった。DMXと同じジェネレーション(世代)に生きることができてこそのご褒美だった。

DMXよ,ありがとう。

DMX – “What’s My Name”

こっちはそのライヴ版です。こんなアツいヤツいるか?

次は,DMXの「Where The Hood At?」,音量最大限までアゲて,爆音で鳴らしてください。近所に迷惑をかけることが重要。実際,本日のニューヨーク・ヨンカーズでは,街中でDMXが爆音で流れているという報告があります。曲の後半では「Kato」と書いて,「加藤」ではなく「ケイトー」に捧げた曲が流れます。

DMX feat. Dyme – “Good Girls, Bad Guys”

(DMXを聴いて大きくなったJun Nishihara)