カニエ・ウェストが2020年大統領選挙に立候補したのは事実であり,新曲「Nah Nah Nah」を発表。

2020年10月12日,カニエ・ウェストは公式に大統領選挙立候補のキャンペーン広告を発表。

そして正式に米国内12の州で,投票用紙にカニエ・ウェストの本名カニエ・オマリ・ウェスト(Kanye Omari West)が記載されることとなりました。

そしてカニエは先週リリースされた新曲「Nah Nah Nah」で次のラインをスピットします。

Next time you text, can it wait?
You are talkin’ to a presidential candidate

次テキスト送ってくるの,待ってくれる?
俺を誰だと思ってる? 大統領選挙立候補者だぞ

このワンラインのためだけに大統領選に立候補したのか,もしくは,大統領選に立候補したからこそこのワンラインが言えたのか,カニエであれば前者も大いにありうることと想定されるが,しかし,同曲の後半ではこういう風にもラップしています。

If I put myself in harm’s way to get my own masters
They’ll put theyself in harm’s way to stay the master
They’ll put theyself in harm’s way ’cause they ain’t askin’
They’ll put theyself in harm’s way, the slaves are massive

Do you want me to get specific?
Do you want me to name numbers?
Do you want me to name summers?
All the stars came from us
All the styles came from us
All the talent came from us
All the shoes came from us
But the news ain’t on us
All the news ain’t honest
All the news ain’t honest
They wanna ignore me, rewrite the story
Take all the top spots, in every category
Back in fashion with them boys, can’t ig-can’t ignore me

自分自身を犠牲にしてまで,原盤権(=マスター音源に対する権利)を得ようとしたが
連中は犠牲をかえりみず,主人(マスター)でい続けようとした
連中は犠牲をかえりみず,俺らの願いを払い下げようとした
連中は犠牲をかえりみず,こうして奴隷は増加してくばっかであった

具体的に言ってやろうか?
数字を挙げてやろうか?
年代,季節,挙げてやろうか?
スターと呼ばれる連中は,俺ら(=つまり黒人)の真似をしてきた
スタイルに関しても俺らが「もと」を作った
タレントに関しても俺らが「もと」を作った
スニーカーに関しても俺らが「もと」を作った
しかしメディアではそんなことからっきし報道されないし
ニュースで真実は語られないし
ニュースで真実は語られないし
俺らは無視され続け,歪んだ物語にすり替えられるだけ
しかしその俺らが今,あらゆるジャンルで,トップをぶっちぎってる
同輩とともにファッション界を取り返し,もはや無視のできない存在となった

大統領選挙に立候補したというのはカニエにとっては単なるツカミでしかあらず,ほんとうに伝えたかったのはこの後半の部分ではなかろうか,と思った先週でしたが,否しかし,このツカミですら同等に重要な事実であることはカニエの人生にとっては間違いないことであろうと考えます。

最後にその「Nah Nah Nah」を掲載しておきます。

(対訳及び文責:Jun Nishihara)