第1位:2020年冒頭から終盤まで,いやいや,いまだに終わらないMegan Thee Stallionの活躍ぶり! (2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

2020年の第1位は,Megan Thee Stallion(メーガン・ジー・スタリオン)です。

実は,昨年2019年も第1位をMegan Thee Stallionに選びました。すでに彼女は2019年にかなり活躍し始めておりましたが,その時点でメーガンのことを知っている人々はまだまだヒップホップ界のみ。それが2020年になり,全米各地で老若男女,お茶の間に知られる名前となりました。

全米に知られることになる火付け役となったキッカケはビヨンセ(Beyonce)とのコラボレーション楽曲「Savage (Remix)」でした。

これで,全米各地のまさに老若男女が,TikTokやインスタ,ツイッター等のSNS上でそれぞれにダンスをした動画をアップしました。

2020年前半のちょっとした社会現象ともなりました。

その後,2020年6月28日開催の米BETのアワード・ショウで,Megan Thee Stallionがマスクをするバックダンサー達とともにパフォーマンスを披露しました。

これはメーガン自身がまわりのダンサー達のことをちゃんと気遣っていたパフォーマンスであったと,ファンや批評家達からも評価が高かったものでした。

その後,メーガンはあらゆる雑誌の表紙(カバー)を飾ることになります。

まずは米TIME誌の「The 100 Most Influential People」で,大坂なおみ選手らとともにその一人として取り上げられ,表紙を飾りました。続いて2020年5月号の米ファッション雑誌であるマリ・クレール(Marie Claire)の表紙を飾り,そして2020年12月/2021年1月号の米GQ雑誌で「今年最高のラッパー(Rapper of the Year)」としてカバーを飾りました。その他にも米ローリング・ストーン(The Rolling Stone)誌の表紙,米国で最も洗練された芸能雑誌であるVarietyの表紙,イギリス(英国)の音楽雑誌であるNMEの表紙,そして米FADER誌の表紙。その他にも,まだまだあります。下記に掲載しておきます。

1. 米TIME誌

2. 米GQ誌

3. 米Marie Claire誌

4. 米The Rolling Stone誌

5. 米VARIETY誌

6. 英NME誌

7. 米FADER誌

8. The New York Times Magazine

9. i-D(米ファッション・スタイル雑誌)

10. 米Harper’s Bazaar誌(2021年2月/3月号)

11. 米PAPER誌

2020年,最も多くの雑誌表紙を飾ったヒップホップ・アーティストとしての活躍ぶりがこれだけでも明らかです。

しかしながら,メーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)の2020年の活躍ぶりは,これだけではありませんでした。

米ビルボード・チャートで複数週に亘って第1位に君臨し続けたCardi Bとのコラボレーション曲「WAP (=Wet Ass Pussy)」での活躍もありました。

2020年3月にアルバム『Suga』をリリースし,同年11月にアルバム『Good News』をリリース。1年に2枚もニューアルバムをリリースするという,ヒップホップ・アーティストとしては非常にめずらしい快挙を成し遂げました。

その間に,グラミー賞では「Best New Artist(今年最高の新人アーティスト)」としてノミネートされ,ビヨンセとの「Savage (Remix)」で「Record of the Year(今年最高の楽曲)」としてノミネートされました。

2020年の「People’s Choice Awards(人々が選ぶアワード・ショウ)」では,ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)と同じ8つの部門でノミネートされ,同年の「American Music Awards」では,ロディー・リッチやザ・ウィークエンドに続いてノミネート数が最も多いラップ・アーティストとしてノミネートされました。

コロナ禍における活躍したアーティストとして,メーガン(Megan Thee Stallion)は,「Bread of Life」という非営利団体に,シングル曲「Savage」の売り上げを寄付することに回し,10月のSaturday Night Liveでは全米で広がっている人種差別に関しての歌詞を新しく楽曲「Savage」に充て,披露しました。

2020年11月には,メーガンは全国黒人女性のicon(代表的存在)として米新聞ニューヨーク・タイムズ紙(The New York Times)に論説(コチラ)を発表しました。

昨年2019年に最も活躍した女性,否,女性とか男性とかカンケーなくのヒップホップ・アーティストとして,この場で発表しましたが,2020年はメーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)にとって,さらなる飛躍の年でありました。現に,上記,これだけ(これ以上に)活躍したのでありました。

さて,最後に,2年前にL.A. Leakersのラジオ局で発表されたメーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)によるフリースタイルを掲載いたします。

2020年も第30位から第1位までお付き合いいただきまして,ありがとうございました。ちなみに,メーガンが11月にリリースした『Good News』の冒頭楽曲は,ビギー(The Notorious B.I.G.)の「Who Shot Ya?」をサンプリングしております。

もうひとつ,「ちなみに」関連で,同アルバムより楽曲2「Circles」のおおもとのネタはJazmine Sullivanの名曲「Holding You Down (Goin’ In Circles)」です。

(文責:Jun Nishihara)