JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲②「Ghost of Soulja Slim」(独断偏見ライナーノーツ)

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3月13日(金)に突如リリースされたアルバム『A Written Testimony』。ここへ来て,誰が想定していただろうか。10年以上,ジェイ・エレクトロニカのアルバムがリリースされることをファンは待ち,待ち,待ち続けていた。まるでDr. Dreの『Chronic 2.0』のごとく。しかし一向にリリースされない。10年以上待ってもこれなんで,ファンは半ば諦めかけていた。

そうしてジェイ・エレクトロニカの存在が人々の顕在意識から離れようとしていたまさにこの時,ジェイは突如アルバムをリリースした。

そしてアルバムを再生し,2曲目「Ghost of Soulja Slim』に入る時,JAY-Zの声が聞こえる。しかしクレジットにJAY-Zの名前は無い。ファンは驚く。え?えっ?この声はJAY-Zだよね?と。

そう,そのとおり。

そのJAY-Zのヴァースをいくつか引用してみる。

Next time they bring up the Gods, you gon’ respect us
(名人とは俺らのこと,リスペクトしな)

ヒップホップ界では互いのことをGodsと呼び合う。これはお互いにリスペクトの意を含めた呼び名であるが,おそらく最近の若手はこういう呼び名は使わなくなってきている。90年代〜2000年代前半に見られた呼び名で,つまり2020年の現代,そういう呼び名をしていたラッパーは既にベテラン,名人となっているということ。ここではジェイ・エレクトロニカの歌詞でよく登場する宗教的レフェレンスも含めた二重の意の含みを持たせている。

That lil’ vest ain’t gonna do you, I shoot from neck up
(防弾チョッキじゃ足りねえ,首から上は無防備だ)

ジェイ・エレクトロニカはイスラム教徒としてメッカ礼拝を行った。ここでは「neck up(ネカッ(プ))という音と「mecca(メカッ)」という音を重ねている。

I ain’t even tryna hold ya, Magnolia Slim
I’m a soldier from that mode, I’m the ghost of him

マグノリア・スリムの死に対し,誰を責め立てようとしてる訳でもない
俺はその世代に育った勇士(ソウルジャ)であり,ヤツの霊が俺の中に息づく

出ました。この曲のタイトルともなっている「Soulja Slim(ソウルジャ・スリム)」の名。アメリカ深南部(deep south)に位置するジャズ音楽やブラック・ミュージックの源流であるニューオーリンズ。ジェイ・エレクトロニカはそのニューオーリンズ出身。他に有名どころではLil Wayne, Juvenile, Mannie Fresh, Birdman等々が同郷出身。彼らはニューオーリンズ市のスラム街=マグノリア(Magnolia)エリアで生まれ育った。そしてそのマグノリア出身のヒップホップ・アーティストらが尊敬してやまないのが,2003年に亡くなったSoulja Slim又の名をMagnolia Slim。ジェイZはここで,「じぶんはこの世代の野郎だ。Magnolia Simの霊が俺の中に息づく」ということをヴァースで言っています。

Peaceful teaching of Rumi, but don’t confuse me
You mouth off for the cameras, I make a silent movie
Now here’s some jewelry
No civilization is conquered from the outside until it destroys itself from within

ルーミー開祖による平穏なる教え,勘違いすんな
カメラに向かってわめき散らすお前と,無声映画を製作する俺
金言を一つ教えてやろう
文明というものは,外部からの力で滅びるのではなく,とかく内部から腐り滅びる

ルーミー開祖というのは,イスラーム神学であるスーフィズムの重要人物であり,ペルシア(現・イラン)の詩人(1207年〜1273年)。実際に,イスラム教徒の国で本屋さんに入ると,ルーミー開祖が書いた詩集が沢山置いてある。1200年代の詩人であるのに,2000年代の現代になっても,いまだにイスラム教徒をここまで魅了するものとは何なのであろうか。

実際,彼の名=ルーミーにちなんで,JAY-Zとビヨンセは双子の息子をRumiと名付けた。

さて,ヴァース2ではジェイ・エレクトロニカ(Jay Electronica)がこうラップする。

If it come from me and Hov, consider it Qur’an
If it come from any of those, consider it Harām
The minaret that Jigga built me on the Dome of the Roc
Was crafted, so beautifully, consider this Adhan
From a hard place and a rock to the Roc Nation of Islam

俺とホヴァ(=JAY-Z)の曲,コーランの如く
他の連中の曲,ハラームの如く
ジガ(=JAY-Z)が俺のために建ててくれたミナレット,ロック・ドームのテッペンに
あまりにも美しき芸術,アドハーンの如く
苦悩に満ちたどん底から這い上がり到達した,ロック・ネーション・オヴ・イスラーム

ジェイ・エレクトロニカの公式デビューアルバムとして,冒頭の曲にふさわしい,イスラム・レファレンス満載の1曲。イスラーム教に関するレファレンスが次から次へと繰り出します。

1行目の「コーラン(クルァーン)」というのはイスラム教で最も聖なるものといわれている聖書のことです。
2行目の「ハラーム」というのは,ハラール(ムスリム教徒が食して良いとされる合法的と認められたもの)の反対語。つまり,イスラームとして認められていない(非合法の)もの。
3行目の「ミナレット」というのは,イスラム教の国に旅行したことある方であればご存知のとおり,イスラム寺院の尖塔(せんとう)であり,ここの上から人々に歌(アザーン=アドハーン)で礼拝の時を知らせます。
同じく3行目の「the Dome of the Roc」とは,ジェイZのレーベル=ロック・ネーション(Roc Nation)の軍団組織(ドーム)を指す。
4行目の「アドハーン」とは上記でも出た「アザーン」のこと。アザーンという歌をうたい,「これからお祈りが始まりますよ」という時をみんなに知らせる。イスラム教の国ではこれが1日に5回ある。タイミングは,早朝,正午,午後,日没後,就寝前。世界のどこにいても,これを守る。世界のどこにいても,メッカの方向を向いて,額を地面につけて,お祈りする。
5行目の「ロック・ネーション・オヴ・イスラーム」とは,Roc Nationと当サイトでも頻出しているNation of Islamaを重ね合わせている。

最後にJAY-Zがこうラップします。

Think of things I said that you hated then
Empirical facts that can’t be debated now
Things you say today, I was sayin’ then
Tell us who your favorite now

だから当時から言ってんじゃん,あんたらは聞きたくなさそうにしていたけどよ
経験に基づく事実,もはや今となっては火を見るよりも明らか
ようやく理解されようとしてきているけど,当時から俺が言ってたきたこと。
で,誰だっけ?あんたらが大好きなラッパーって

(文責・対訳:Jun Nishihara)

JAY ELECTRONICAのデビュー公式アルバム『A Written Testimony』ようやくリリース!(独断偏見ライナーノーツ)

音楽がまるでインスタント麺のように消費されている現代において,ここまで手間ひまかけて,時間をかけて作り上げられたアルバムは今,現代,とくに現代の音楽界において,とてもめずらしい。そしてこういったアルバムは,時間をかけて繰り返し聴き込まれるこことなるであろう。

2020年3月13日に全米リリースされたアルバム『A Written Testimony』(ジェイ・エレクロトニカ)のミニ・レビューを下記にて記しておきたいと思う。

まず1曲目,アルバムの冒頭からとても難しいスピーチが出てくる。これはルイス・ファラカーン師によるものであるが,ネーション・オブ・イスラームについては,前回当サイトでも3回に亘って取り上げたが,このアルバムに流れる一つの旋律である。

スピーチの冒頭いきなり,ルイス・ファラカーンはこう言う。

I don’t wanna waste any time
I ask the question, “Who are the real Children of Israel?”
And I’d like to answer it right away

(訳)
時間を無駄にしたくない
早速質問だ「イスラエルの真の子は誰か?」
その質問のこたえを今すぐ伝えておこう

確かに,時間は無い。これがヒップホップアルバムである限り,時間は無駄にできない。
だからこの一文はこれから聴いていくアルバムのテンポの良さを象徴させるセンテンスと言える。

さて,そのこたえはこうだ。

The honorable Elijah Muhammad has said that almighty God Allah revealed to him
That the black people of America are the real Children of Israel
And they, we, are the choice of God
And that unto us, he will deliver his promise

(訳)
イライジャ・ムハンマド師は,全能の神であるアッラーからお告げを聞いたという
「米国の黒人こそがイスラエルの真の子である」と
そして彼ら,我らが神に選ばれし者であると
そして我らに,約束された地が齎されるのだと

ここで思い出さなければならないのは,ジェイ・エレクトロニカ(JAY ELECTRONICA)はアメリカの深南部(deep south)であるニューオーリンズ出身であるということ(ニューヨークじゃないよ!)。1940年代,1950年代,つまり,ジェイ・エレクトロニカの祖父母は奴隷制度のまっただ中を生きたということ。アメリカの(北部ではなく,中西部でもなく)深南部に住む黒人が,最も酷い扱いを受けてきた奴隷であったということを思い出してほしい。それについては当サイトでも何度も取り上げてきた。その奴隷という過去を持つ,アメリカ南部の黒人にとって,「なぜ生きているのか」「生きる価値はあるのか」「死んだ方がマシだ」と自問自答してでも生きていかざるを得なかったあの世界で,イライジャ・ムハンマドが創設したネーション・オブ・イスラーム教団は,当時の虐げられた南部黒人にとって,唯一の救いであった,ということ。「我らが神に選ばれしものである」とか「我らに約束された地が齎される」のだとか,そういう傲慢でずうずうしいセリフをよく言えたもんだな,と勘違いされては困る。時代の背景が違いすぎる。現代の生温い平和ボケした我々が(おそらく)生きてきたであろう生活背景と違いすぎる。肌の色も違えば,人種も違う。当時の黒人が生きるために,これが唯一,すがれるものであった。

そういう南部の黒人の間で「共有された記憶(collective memory)」というものが,この曲で,一気にダムの箍(たが)が外れたように溢れ出す。そしてあのおぞましい奴隷の過去を想起させられたところで,我々は,次の2曲目を聴くことになる。

2曲目のレビューについては,次回に。

(文責:Jun Nishihara)

楽曲(16)対訳「Sweet Grace」(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より)

楽曲(16)「Sweet Grace」対訳
(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より。カニエ自身のアルバム『Jesus Is King』の対訳については,こちらをどうぞ。)

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[Verse]
Oh (Sweet), amazing
Crystal sweet (Sweet)
And I know that, I know that, I know for myself (Sweet)
He is, He’s so (Sweet)
He is mighty, mighty (Sweet)
Sweet (Sweet), Taste and see (Sweet)
He is (Sweet), He is (Sweet)
So (Sweet), so sweet (Sweet)
So sweet (Sweet), so sweet (Sweet, sweet), yeah (Sweet, sweet)
And I know (Sweet), and I know (Sweet), and I know (Sweet), and I know (Sweet)
And I know (Sweet), know, know (Sweet), know, know, know, know (Sweet, sweet)
I know (Ohh)
Sweet, oh
Sweet, oh
Sweet, mm, and I don’t know what to say
I can’t move all by myself (Sweet)
Mhm (Sweet), mhm (Sweet)
Mhm (Sweet)
And I show it (Ahh)

(ヴァース)
オゥ(なんてステキで)すばらしい
クリスタルの如くステキ(ステキ)
実体験として,知っている,私自身知っている(ステキ)
神は,神はとても(ステキな存在)
ステキ(ステキ)味見すればわかる(とても甘い)
神は(甘味で)神は(ステキ)
とても(ステキ)とてもステキ(ステキ)
とてもステキ(ステキ)とてもステキ(ステキ,ステキ)イヤー(ステキ,ステキ)
知っている(ステキ)知っている(ステキ)知っている(ステキ)知っている(ステキ)
知っている(ステキ)知っている(ステキ)知っている,知っている(ステキ,ステキ)
知っている(オゥゥ)
ステキ,オゥ
ステキ,オゥ
ステキ,これ以上どう表現すればいい
じぶんひとりじゃ全てはできない(ステキ)
そうよ(ステキな)存在(存在)
そうよ(ステキな)
見せてあげる(あぁ!)

(対訳:Jun Nishihara)

楽曲(15)対訳「Souls Anchored」(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より)

楽曲(15)「Souls Anchored」対訳
(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より。カニエ自身のアルバム『Jesus Is King』の対訳については,こちらをどうぞ。)

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[Verse]
On time (On time)
Every time (Every time)
Always there (Always there)
Said you’ll never leave us nor forsake us (Sake us)
So we stand (So we stand)
On your Word (On your Word)
Brought us out of darkness into your light (Your light)
By your power (By your power)
We’re set free (We’re set free)
Where two or three are gathered you’re there (You’re there)
In the midst (In the midst)
Thank you, Lord (Thank you, Lord)
So glad we know our…

(ヴァース)
ちょうどいい時に(ちょうどいい時に)
いつだって(いつだって)
傍にいてくれる(傍にいてくれる)
こう言ってくれた「傍を離れることも,見捨てることもない」(見捨てることもない)
我らは信じる(我らは信じる)
あなたの言葉を(あなたの言葉を)
我らを暗闇から,明るみに導いてくれた(あなたの光で)
あなたの力によって(あなたの力によって)
解放された(解放された)
2,3人がいるところに,あなたはいる(あなたはいる)
まっただ中に(まっただ中に)
ありがとう,神よ(ありがとう,神よ)
嬉しく思う,こんなふうに・・・

[Chorus]
Soul’s anchored
Every single day you’re worthy
To you we give the glory ’cause our
Soul’s anchored
When we think back where we started
We were brokenhearted, now our
Soul’s anchored
Every single day you’re worthy
To you we give the glory ’cause our
Soul’s anchored
When we think back where we started
We can’t help but lift our hands up

(サビ)
我らの魂は導かれて
いつの日も,尊きあなた
あなたへ賛美を捧げる,なぜなら
我らの魂は導かれて
スタート地点を思い返せば
我らは悲嘆に暮れていた,でも今は
我らの魂は導かれて
いつの日も,尊きあなた
あなたへ賛美を捧げる,なぜなら
我らの魂は導かれて
スタート地点を思い返せば
いてもたってもいられずに,我らは両手を挙げる

[Bridge]
Ooh, ooh, ooh
Hey, hey, hey
Ooh, ooh, ooh
Hey, hey

(ブリッジ)
オゥ,オゥ,オゥ
ヘイ,ヘイ,ヘイ
オゥ,オゥ,オゥ
ヘイ,ヘイ

[Verse]
On time (On time)
Every time (Every time)
Always there (Always there)
Said you’ll never leave us nor forsake us (Sake us)
So we stand (So we stand)
On your Word (On your Word)
Brought us out of darkness into your light (Your light)
By your power (By your power)
We’re set free (We’re set free)
Where two or three are gathered you’re there (You’re there)
In the midst (In the midst)
Thank you Lord (Thank you Lord)
So glad we know our…

(ヴァース)
ちょうどいい時に(ちょうどいい時に)
いつだって(いつだって)
傍にいてくれる(傍にいてくれる)
こう言ってくれた「傍を離れることも,見捨てることもない」(見捨てることもない)
我らは信じる(我らは信じる)
あなたの言葉を(あなたの言葉を)
我らを暗闇から,明るみに導いてくれた(あなたの光で)
あなたの力によって(あなたの力によって)
解放された(解放された)
2,3人がいるところに,あなたはいる(あなたはいる)
まっただ中に(まっただ中に)
ありがとう,神よ(ありがとう,神よ)
嬉しく思う,こんなふうに・・・

[Chorus]
Soul’s anchored
Every single day you’re worthy
To you we give the glory ’cause our
Soul’s anchored
When we think back where we started
We were brokenhearted, now our
Soul’s anchored
Every single day you’re worthy
To you we give the glory ’cause our
Soul’s anchored
When we think back where we started
We can’t help but lift our hands up

(サビ)
我らの魂は導かれて
いつの日も,尊きあなた
あなたへ賛美を捧げる,なぜなら
我らの魂は導かれて
スタート地点を思い返せば
我らは悲嘆に暮れていた,でも今は
我らの魂は導かれて
いつの日も,尊きあなた
あなたへ賛美を捧げる,なぜなら
我らの魂は導かれて
スタート地点を思い返せば
いてもたってもいられずに,我らは両手を挙げる

[Outro]
Ooh, ooh, ooh
Hey, hey, hey
Ooh, ooh, ooh
We can’t help but lift our hands up
Ooh, ooh, ooh
Hey, hey, hey
Ooh, ooh, ooh
We can’t help but lift our hands up

(アウトロ)
オゥ,オゥ,オゥ
ヘイ,ヘイ,ヘイ
オゥ,オゥ,オゥ
いてもたってもいられずに,我らは両手を挙げる
オゥ,オゥ,オゥ
ヘイ,ヘイ,ヘイ
オゥ,オゥ,オゥ
いてもたってもいられずに,我らは両手を挙げる

(対訳:Jun Nishihara)

楽曲(14)対訳「Back to Life」(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より)

楽曲(14)「Back to Life」対訳
(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より。カニエ自身のアルバム『Jesus Is King』の対訳については,こちらをどうぞ。)

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[Verse: Sunday Service Choir]
Steady, are you ready?
What’s going on?
Steady, are you ready?
Are you ready?
What’s going on? (What’s going on?)
Cold fresh air
Feel the melody passing the air
Oh yeah
So high we can see the ground
How sweet the sound
We live at, living at the top of the sky
There’s no more room for anything more (No, no, no, there’s no)
We state your name
Your name we proclaim

(ヴァース:サンデー・サーヴィス・クワイア)
着実に,準備はいいかい?
調子はどうだい
着実に,準備はいいかい?
そろそろ,いいかい?
調子はどうだい(調子はどうだい)
ひんやりと,新鮮な空気
メロディが宙を舞う
オゥ,イヤー
とっても高く,地上が見える
なんて甘い音
僕らの居場所は,空高くの頂きさ
他に必要なものなんて何もない(ノー,ノー,ノー,何もない)
あなたの名を言えば
あなたの名を讃えれば

[Chorus: Sunday Service Choir]
Oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh, oh, oh, oh

(サビ:サンデー・サーヴィス・クワイア)
オゥ,オゥ,オゥ
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ

[Verse: Sunday Service Choir]
Hey (Let’s go, let’s go, let’s go)
We live at the top of the sky
There’s no more room for anything more (No, no, no, there’s no)
We state your name
Your name we proclaim

(ヴァース:サンデー・サーヴィス・クワイア)
ヘイ(行くぜ,行くぜ,行くぜ)
空高く頂きまで
他に必要なものなんて何もない(ノー,ノー.ノー.何もない)
あなたの名を言えば
あなたの名を讃えれば

[Chorus: Sunday Service Choir]
Oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh, oh, oh, oh

(サビ:サンデー・サーヴィス・クワイア)
オゥ,オゥ,オゥ
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ
オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ,オゥ

[Outro]
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?
How ever do you?

(アウトロ)
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに
あなたの思し召すままに

(対訳:Jun Nishihara)

楽曲(13)対訳「Sunshine」(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より)

楽曲(13)「Sunshine」対訳
(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より。カニエ自身のアルバム『Jesus Is King』の対訳については,こちらをどうぞ。)

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Somebody say, “Jesus brought the sunshine”
Jesus brought the sunshine
Jesus brought the sunshine
Jesus brought the sunshine

こう言ってくれ「イエスが照らしてくれた,太陽の光」
イエスが照らしてくれた,太陽の光
イエスが照らしてくれた,太陽の光
イエスが照らしてくれた,太陽の光

You made my day
You came my way
You heard me every time I prayed
You gave me peace
You gave me grace
What else did he do?
You put a smile upon my face

いい日にしてくれた
僕らのもとに来てくれた
いつも祈りを訊いてくれた
平静をくれた
栄光をくれた
他に何をしてくれた?
私たちを笑顔にしてくれた

You brought the sunshine (You brought the sunshine)
In my life (Threw out the lifeline)
Threw out the lifeline (You brought the sunshine)
Saved my life (Threw out the lifeline)
Since then, I have found Christ, there has been such a change in my life (Oh, yeah)

太陽の光で照らしてくれた(太陽の光で照らしてくれた)
僕らの人生に(命綱(ライフライン)を投げてくれた)
命綱を投げかけてくれた(太陽の光で照らしてくれた)
命を救ってくれた(命綱を投げかけてくれた)
その時にキリストを出合った,人生を変えてくれた(オゥ,イヤー)

I’m a witness (Can I get a witness?)
That Jesus (Anybody know Jesus, won’t he make a)
Will make a difference in your life
I’m a witness (Can I get a witness?)
That Jesus (Anybody know Jesus, won’t he make)
Will make a difference in your life
I’m a witness (Can I get a witness?)
That Jesus (Do you know Jesus? Won’t he make a difference)
Will make a difference in your life
I’m a witness (Can I get a witness?)
That Jesus (Do you know Jesus? Won’t he make a difference)
Will make a difference in your life (Hey)

私が証人(証人はいるか)
イエスが(イエスを知る者はいるか,どんなことをしてくれた)
あなたの人生を変えてくれる
私が証人(証人はいるか)
イエスが(イエスを知る者はいるか,どんなことをしてくれた)
あなたの人生を変えてくれる
私が証人(証人はいるか)
イエスが(イエスを知る者はいるか,どんなことをしてくれた)
あなたの人生を変えてくれる
私が証人(証人はいるか)
イエスが(イエスを知る者はいるか,どんなことをしてくれた)
あなたの人生を変えてくれる

I’m wondering do I have any witnesses in here?
Sopranos, are you a witness?

聞かせてくれ,ここに証人はいるか
ソプラノの皆,あんたらは証人か

I’m a witness
That Jesus
Will make a difference in your life

私は証人
イエスが
あなたの人生を変えてくれるでしょう

I’m a witness (Yeah, yeah)
That Jesus (Ayy)
(Will make a difference in your life)
Will make a difference in your life (C’mon, altos, what you got?)

私は証人(イヤー,イヤー)
イエスが(エィィ)
(あなたの人生を変えてくれるでしょう)
あなたの人生を変えてくれるでしょう(カモン,アルトの皆,君らはどうだ)

I’m a witness
That Jesus (Yeah, yeah, yeah)
Will make a difference in your life

私は証人
イエスが(イヤー,イヤー,イヤー)
あなたの人生を変えてくれるでしょう

I’m a witness
That Jesus (Are there any witnesses in the tenor section?)
Will make a difference in your life (Let me hear you, come on)

私は証人
イエスが(テナー部に証人はいるか)
あなたの人生を変えてくれるでしょう(聞かせてくれ,カモン)

I’m a witness (Oh, there you go)
That Jesus (Will make a difference in)
Will make a difference in your life

私は証人(オゥ,行くぜ)
イエスが(変えてくれる)
あなたの人生を変えてくれるでしょう

I’m a witness
That Jesus
Will make a difference in your life

私は証人
イエスが
あなたの人生を変えてくれるでしょう

I’m a witness (Hey)
That Jesus (Anybody know Jesus? Won’t he make a difference?)
Will make a difference in your life

私は証人(ヘイ)
イエスが(イエスを知る者はいるか? イエスは変えてくれるか)
あなたの人生を変えてくれるでしょう

I’m a witness (I tried Him)
That Jesus (And I know Him by myself)
Will make a difference in your life

私は証人(実際にそうだった)
イエスは(私自身も知った)
あなたの人生を変えてくれるでしょう

I’m a witness
That Jesus (He’ll make a difference, hey, hey)
Will make a difference in your life

私は証人
イエスが(変えてくれるでしょう,ヘイ,ヘイ)
あなたの人生を変えてくれるでしょう

I’m a witness (I’m a witness)
That Jesus (I know Jesus)
Will make a difference in your life

私は証人(私は証人)
イエスが(イエスを知った)
あなたの人生を変えてくれるでしょう

(対訳:Jun Nishihara)

リル・キムのシングル曲:歌詞対訳「The Jump Off」

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Lil’ Kim feat. Mr. Cheeks – “The Jump Off” 歌詞対訳

前回はニッキー・ミナージュのデビュー以前の動画を紹介いたしました。その中にこのリル・キムの曲のビートに乗っかりフリースタイルをカマしている映像がありました。その大元となった,2003年リリースのこのシングル曲「The Jump Off」の歌詞対訳を掲載いたします。

[Intro: Lil’ Kim & Mr. Cheeks]
Whoa! (Whoa!) Whoa! (Yeah)
Aiyyo Tim man this the jump off right here man! (Jump off!)
Whoa! (Whoa!) Whoa! (Whoa!) Whoa! (It’s Queen Bee nigga)
It’s the jump off (Come on)

(イントロ:リル・キム&Mr.チークス)
ウォゥ!(ウォゥ!)ウォゥ!(イヤー)
エィ ヨゥ ティンバランド,そろそろジャンプ・オフでキメたるで(ジャンプ・オフ!)
ウォゥ!(ウォゥ!)ウォゥ!(ウォゥ!)ウォゥ!(クイーンビーだぜ)
ジャンプ・オフ(カモン)

[Verse 1: Lil’ Kim & Mr. Cheeks]
I been gone for a minute now I’m back with the jump off (Jump off)
Goons in the club incase somethin jumps off
And back up before the hive let the pump off
In the graveyard is where you get dumped off
All we wanna do is party (Woo!)
And buy everybody at the bar Bacardi (Woo!)
Black Barbie dressed in Bulgari
I’m tryin to leave in somebody’s Ferrari
Spread love that’s what a real mob do
Keep it gangsta look out for her people (For her people)
I’m the wicked bitch of the east, you better keep the peace (Aiyyo!)
Or out come the beast
We the best still there’s room for improvement
Our presence is felt like a Black Panther movement
Seven quarter to eights back to back with ’em (Back to back)
And I’m sittin on chrome seven times platinum

(ヴァース1:リル・キム&Mr.チークス)
しばらく不在にしてたけど,ジャンプ・オフを引っ提げ戻ってきてあげた(ジャンプ・オフ)
クラブ行く時は輩(やから)も一緒,銃撃戦カマすことになった時のため
ミツバチの群れも一緒,女王バチ(クイーン・ビー)のバックアップ
あんたなんか墓穴に落っことしてやるわ
アタイらはパーティー野郎(ウー!)
バーカウンター全員にバカルディ,今夜はアタイのおごり(ウー!)
ブルガリのコートまとった,アタイはブラック・バービー
今夜は男のフェラーリに乗って,クラブから抜け出すの
本物のモブはどうするか,「ラヴを広める!」
ギャングスタにキメて,仲間を大事にする(仲間を大事に)
東海岸出身のヤンチャなクソ女,それがアタイ,ふざけたことしてっと(エィ ヨゥ!)
アタイの中の野獣が飛び出してくるわよ!
最高の連中,伸びしろはまだある
アタイらの存在は,まるでブラック・パンサー運動の如く
クルマはBMWを乗り回し(連発でキメる)
クローム型のホイール廻して,プラチナ7倍

[Hook: Lil’ Kim & Mr. Cheeks]
This is for my peeps, with the Bentleys, the Hummers, the Benz
Escalades twenty three inch rims (Oh!)
Jumpin out the Jaguar with the Tims, keep your bread up
And live good, East coast West coast worldwide
All my playas in the hood stay fly
And if your ballin let me hear you say right (Right)

(サビ:リル・キム&Mr.チークス)
この曲はベントレー,ハマー,ベンツ乗り回す仲間たちへ
キャデラック・エスカレード,23インチのリムホイール(オゥ!)
ティンバランド履いてジャガーを降りる,カネ稼げ
で,善く生きろ,東海岸,ウェッサイ,世界中
フッドの連中,カッコ良くキメろ
存分に遊んでんなら,聞かせてくれ「ええぞ」(ええぞ)

[Verse 2: Lil’ Kim & Mr. Cheeks]
It’s Lil’ Kim and Timbaland niggas shit ya drawers (Come on)
Special delivery for you and yours (Now)
I rep for bitches he rep for boys (Uh ha)
If you rep for your hood then make some noise
I got my eye on the guy in the Woolrich coat
Don’t he know Queen Bee got the ill deep throat?
Uh! Let me show you what I’m all about
How I make a Sprite can disappear in my mouth….HO!!!!
Shake up the dice, throw down your ice (What)
Bet it all playa fuck the price
Money ain’t a thing throw it out like rice
Been around the world cop the same thing twice
Rub on my tits (Huh!) squeeze on my ass (Oooh!)
Gimme some UH!!! step on the gas (Ah)
Pop the cork and roll up the hash (Roll it!)
You know what we about, sex, drugs and cash

(ヴァース2:リル・キム&Mr.チークス)
リル・キムとティンバランドのお出ましよ,おまえら小便漏らしてんぜ(カモン)
特注のデリバリー,おまえと仲間たちへ(ナウ)
アタイはビッチ代表,彼はボーイズ代表(アッハ)
自分のフッドをレペゼンしてるなら,ノイズを出してくれ
毛皮のコート着た男に目がないの
アッ!アタイの本性を見せてあげよっか
この口の中で,スプライトの炭酸をゴックン呑み込んであげる・・・ヤリマン!!!!
サイコロ転がし,ダイアをまとい(何だって!)
全部を賭けて,値段は気にしねえ
カネなんてカンケーねえ,米粒のようにバラまけな
世界中をグルっと一周,おんなじもんを2回ゲットしてやった
オッパイにこすり付けな(何!)オシリで締め付けな(ウーッ!)
もっとヤッてアーッ!アクセル踏んで(アー)
コルクを飛ばして,ハッパを巻いて(巻け!)
それがアタイらの本性,セックス,ドラッグと現ナマよ

[Hook: Lil’ Kim & Mr. Cheeks]
This is for my peeps, with the Bentleys, the Hummers, the Benz
Escalades twenty three inch rims (Oh!)
Jumpin out the Jaguar with the Tims, keep your bread up
And live good, East coast West coast worldwide
All my playas in the hood stay fly
And if your ballin let me hear you say right (Right)

(サビ:リル・キム&Mr.チークス)
この曲はベントレー,ハマー,ベンツ乗り回す仲間たちへ
キャデラック・エスカレード,23インチのリムホイール(オゥ!)
ティンバランド履いてジャガーを降りる,カネ稼げ
で,善く生きろ,東海岸,ウェッサイ,世界中
フッドの連中,カッコ良くキメろ
存分に遊んでんなら,聞かせてくれ「ええぞ」(ええぞ)

[Verse 3: Lil’ Kim & Mr. Cheeks]
Enter the world of the Playboy pin up girl
Buttnaked dressed in nothin but pearls
You wanna meet me cause ya, know I’m freaky
And ya, wanna eat me cause ya, say I’m sexy
Got a man in Japan and a dude in Tahiti
Believe me sweety I got enough to feed the needy
No need to be greedy I got mad friends that’s pretty (Hey!)
Chicks by the layers (And) all different flavors (Woo!)
Mafioso that’s how this thing go (Yeah)
Now everybody come get with the lingo
Shake your body body, move your body body (Body body)
On the dancefloor don’t hurt nobody body (Body body)
I’m the one that put the Range in the Rover
When I’m steppin out the Range yo it’s over
Comin through in the Brooklyn Mint gear
We ‘gone do this just like Big Poppa was here

(ヴァース3:リル・キム&Mr.チークス)
プレイボーイのピンナップガール世界へようこそ
真っ裸でなんにも着てない,真珠のネックレスだけ
アタイに会いたい? どうして? エロいから?
アタイのアソコを食べたい? どうして? 色っぽいから?
ニッポンに男が一人,タヒチにも男が一人
憶えとけ,お子ちゃまたちよ,欲求不満な男どもは幾らでもいる
そんなに欲張るんじゃない,プリティな女友達だったらいっぱいいる(ヘイ!)
数えきれないほどオンナだらけ(それに)いろんな味が楽しめる(ウー!)
マフィアのボス,それがこの世の摂理(イヤー)
ほらお前らも,この言葉遣いについてこい
フリフリさせろ,そのバディ,バディ,動かせろ,そのバディ,バディ
ダンスフロアで,転ぶんじゃねえぜ,そのバディ,バディ
アタイが乗らなきゃ,レンジ・ローヴァーも報われない
アタイがレンジ・ローヴァーを降りれば,この世の終わり
ブルックリン・ミントの洋服をまとって
一発カマしてやりましょ,ビッグ・ポパ(ビギー)がいた頃のようにね

[Hook: Lil’ Kim & Mr. Cheeks]
This is for my peeps, with the Bentleys, the Hummers, the Benz
Escalades twenty three inch rims (Oh!)
Jumpin out the Jaguar with the Tims, keep your bread up
And live good, East coast West coast worldwide
All my playas in the hood stay fly
And if your ballin let me hear you say right (Right)

(サビ:リル・キム&Mr.チークス)
この曲はベントレー,ハマー,ベンツ乗り回す仲間たちへ
キャデラック・エスカレード,23インチのリムホイール(オゥ!)
ティンバランド履いてジャガーを降りる,カネ稼げ
で,善く生きろ,東海岸,ウェッサイ,世界中
フッドの連中,カッコ良くキメろ
存分に遊んでんなら,聞かせてくれ「ええぞ」(ええぞ)

[Outro: Mr. Cheeks]
Yeah, to the what, yeah, oh, yo, keep your bread up, yeah, and worldwide
And stay fly nigga, yeah man, right right right right, Queen Bee, LB
Two thousand and, fuckin three, why not? we makin it hot
Come to, blow the spot, come on, yeah, Hey yo
She back at it, why wouldn’t she be? come on, yeah
B.I.G. Freaky Tah, yeah yeah yeah, L’s, light ’em, oh
Hmm hmmm

(アウトロ:Mr.チークス)
そや,何だって,カネは稼いでけよ,世界中のお前ら全員
カッコ良くやれよ,そや,そや,そや,そや,女王ミツバチのリル・キムや
2000年と,ファッキン3年や,足して2003年や,ホットにキメろや
ここのスポットへ来いや,カモン,来いや,ヘイ,ヨー!
戻ってきて,やらかしちまった,やらかすのが俺らや,カモン,イヤー
ビギー,フリーキー・ター,おまえらに冥福を祈るぜ,火を点けて,ハッパ一発吸うぜ
フー,フー

(対訳:Jun Nishihara)

ニッキー・ミナージュ:デビュー以前のフリースタイル動画など

ニッキー・ミナージュが正式デビューしたのは2010年11月22日,アルバム『Pink Friday』を引っ提げて全世界に旋風を巻き起こしました。ニッキーがデビューするまで,「女子MC」や「女子ラッパー」という職業はめずしらかった。限られたラッパーでしか(例えばLil Kim, Missy Elliott, Eve, Rah Digga, Remy Ma),名声は得られていませんでした。認知度は低かった。

しかしニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)が世に出てくることにより,女子MCという職業の認知度は上がり,「女子もヒップホップ界に出て,一発カマしていいんだ」という,これまで潜在的に準備してきた女子MCたちがドバドバッと輩出され始めてきました。もちろん,インターネットや動画サイト,SMSサイト等の発展もそれに寄与しているでしょう。

さて,そのニッキーがデビューする以前に収録されたフリースタイル動画というものがあります。ものすごく貴重なものです。

以下にまとめておきます。

・これはニッキーがリル・キム(Lil Kim)のシングル曲「The Jump Off」のビートに乗っかって,フリースタイルをカマしたものです。当時,ニッキーはリル・キムにビーフを仕掛けようとしていました。

・これはニッキーが有名になるキッカケとなった最初の映像です。時は2007年。『The Come Up』という駆け出しの新人ラッパーが出るDVDに出演し,リル・ウェイン(Lil Wayne)の目に留まり,ドレイクやリル・ウェインのレーベル=Young Money Entertainmentと契約する運びとなりました。そういう意味で,とても貴重な映像です。前半はニッキーの豪語連発(boasting),後半はフリースタイルという構成です。

・デビュー前,リル・ウェインに見出される前,ニッキーはDirty Money Recordsというブルックリンのローカルレーベルにサインされていました。時は2006年です。当時は,今のようにここまで有名になるとは,誰が予想したことでしょうか。ビッグ・フェンディ(Big Fendi)です。ビッグ・フェンディはそれを予想していた。ビッグ・フェンディっていうのは,ブルックリン在住のDirty Money Records所属A&Rマネージャーです。ニッキーはもともと,ニッキー・マラージュ(Nicki Maraj)というラッパー名でやっていたのですが,フェンディが「マラージュなんかより,ミナージュのほうが良い。フロウがヤバイから!」って言って,ニッキーに「Minaj(ミナージュ)」という芸名を与えた張本人です。

・リル・ウェイン見出されるキッカケとなったDVD『The Come Up』より,フリースタイルをいくつか掲載しておきます。

そしてこれがかの有名な「The Lip Gloss」フリースタイルです。

(キュレーティング:Jun Nishihara)