カニエ・ウェスト新アルバム『Jesus Is King』10月25日リリース確定。

EHYMUCCU4AExxvF

ついにやって来ました。
数回のアルバムリリース日を遅らせた後の確定日ということで,今週金曜日10月25日に『Jesus Is King』はリリースされます。

10月21日,カニエ・ウェストは9ヶ月ぶりにtwitterをして,そのツイート上で,アルバムリリース日を発表いたしました。

10月25日はカニエ・ウェストのミュージックドキュメンタリー映画同名『Jesus Is King』の上映公開日でもあります。映画とアルバムを世界同時リリースとなる予定です。映画のジャケは以前当サイトでも紹介いたしましたが,こちらです。

Jesus is King Final NK Poster 9.25

『Jesus Is King』なるお題目で,いかにもクリスチャン的で,タイトルだけ見ればなにか近寄りがたい雰囲気がありますが,なんのことあれ,キリスト教を信じていない人がどれだけ多くこのアルバムを楽しみにしていることか。お題目はジーザスなんて言っちゃっていますが,これはゴスペル,つまり,音楽そのものを思う存分に楽しむためのアルバムであります。ひとまずキリスト教のことは一切考えず,先入観はこの際取り払って聴いてみていただければと思います。

とか言いながら,先週末(10月18日(金))の夜にジャマイカのキングストン市で開催されたSunday Service中に,カニエはいきなりスマホを取り出して,ケータイを見ます。何をやっているのかと思うと,その5秒後くらいに,バイブル(聖書)の一節を声に出して読み始めます。カニエはこう詠みます。

Kanye:
Mark 1:15, this is my favorite!
Jesus Begins His Ministry.
Mark 1:15, these are the first read letters in the bible.

“The time is fulfilled, and the kingdom of God is at hand;
Repent and believe in the gospel.”

That’s my favorite right there.
The first words of Jesus in the bible.
Repent and believe in the gospel.

この“Repent, and believe in the gospel”という文は「悔い改め,福音を信じなさい」と聖書では訳されますが,これを口語で英語で言うとき,以下のニュアンスが入ります。つまり,聖書さえも読めないような罪深いとされる一般人(つまり普通の人,われわれのこと)にはこう聞こえます。

「しっかり反省して,ゴスペル(天の歌)を信じなさい」

それだけしていれば,大丈夫だと。つまり,たとえ頭が悪くて,いままで悪いことやって生きてきたとしても,無知ながらにちゃんと考えて,天のうたを歌えばいい,それさえすれば,なんとかやっていけるんだと。

こういう生きる根っこにあるものは,カニエの場合,歌(gospel)なのだということが感じ取れます。

非常に基本的なことですが,非常に重要なことを教えてくれる気がしました。

その動画を載せておきます。

(文責:Jun Nishihara)

Advertisements

カニエ・ウェストの“Sunday Service”まとめ(10月6日&10月12日開催分)

引き続きカニエ・ウェストの“Sunday Service”を掲載しておきます。

10月6日(日) 於:ユタ州ソルト・レイク・シティ
“Sunday Service”ファンにはお馴染みの曲を,タイムライン9:07秒からどうぞ。

 

10月12日(土) 於:ハワード大学(名門黒人大学)
アメリカには「歴史的黒人大学(HBCU=Historically Black Colleges and Universities)」という言葉があります。ハワード大学(Howard University)はその中でも名門と呼ばれる大学です。土曜日の“Sunday Service”ですが,そのハワード大学にカニエが登場しました。
以下は,そのハワード大学のツイッターより抜粋します。

以下はTMZからです。冒頭の曲は,なかなかアツいですね。Mad fireですね。

そしてなんと,カニエ・ウェストは2003年にも同大学でライヴを開催していました。2003年といえば,16年前,まだデビューアルバムさえもリリースしていなかった頃です。まだアルバムを1枚も出していなかった頃!(カニエにもそんな時代があったのです。)その貴重な映像が以下です。なにせ16年前の映像ですので,映像クオリティの悪さには悪しからず。(カニエ・ウェスト,2003年ハワード大学にて。)

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト“Sunday Service”を金曜日に開催 (9月27日分) & アルバム『Jesus Is King』のリスニングパーティー

いよいよカニエ・ウェストのニューアルバム『Jesus Is King』がリリースされるぞ!と期待が絶頂に高まろうとしようとしていた頃,カニエは週末にかけて連チャンでライヴパフォーマンスを開催しました。

第1日目は9月27日(金)デトロイトにて“Sunday Service”を開催。そう!“Sunday Service(日曜のミサ)”は当然のようにこれまでずっと「日曜日に」開催されてきました。しかしここへきて初めて!金曜日に日曜のミサを開催!これまで以上に素晴らしいパフォーマンスとなりました。カニエのみならず,“Sunday Service”クルーの皆さんのダンスとパフォーマンスが極上!当サイトで何度も何度も詳細に亘りくりかえし書いてきましたが,黒人のパワーが発現します。

そして第2日目は9月28日(土),この日,カニエ・ウェストは同じシカゴ出身の同胞ラッパー=Chance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)のライヴステージでパフォーマンスします。同日,ここでも書いたように,カニエ・ウェストのドキュメンタリー映画(IMAX配給)『Jesus Is King』の上映日もキム・カーダシアンのInstagramやTwitterをとおして発表されました。

さて,チャンス・ザ・ラッパーのライヴに登場したカニエ・ウェストの映像も掲載しておきます。

ここでカニエ・ウェストは「Jesus Christ is king.(イエス・キリストこそが王様だ。)」と発言します。

そして第3日目の9月29日(日)には,NYはクイーンズの教会にカニエ・ウェストがあらわれます。クイーンズにあるGreater Allen A.M.E. Cathedral(グレイター・アレンA.M.E.大聖堂)です。地元のクイーンズ出身のアーティストやメディア関係者,ヒップホップジャーナリストたちはこぞって参加。クイーンズは地元といってももうニューヨークですから,ヒップホップ業界の関係者たちもいます。まさにヒップホップの生誕地で,日曜日にヒップホップ化されたゴスペル・クワイアとともに繰り広げる“Sunday Service”はまさに格別!!こんなゼータクなことはないでしょう。

タイムライン4分53秒あたりから,祭壇の奥の方にカニエ・ウェストの姿が見え始めます。

ついにニューヨークまで来ましたね。今まではニューヨークを避けて,ニューヨーク以外のいろいろな場所で“Sunday Service”を毎週日曜日に開催してきましたが,ニューヨークだけは来なかった。しかし,いよいよ,ここへ来た。こりゃあ,ニューヨークの連中は黙っていないですよ。全米でいちばんうるさい野郎たちがニューヨークにいますから。ヒップホップに関しては。黙っていないですよ。ニューヨーク最大のヒップホップ&R&Bラジオ局=HOT97でもちろん取り上げました。以下です。

ニューヨークはアメリカではない,というのがこれを見ていると分かります。ニューヨークではまったく違う時間が流れている。まさにそれをNew York Minuteという。ニューヨーク以外のその他全米と,そしてニューヨークとでは,物事のとらえ方がまったく違う。いやあ,これを見ていて,爽快です。

それから,カニエ・ウェストの未だリリースされないニューアルバム『Jesus Is King』のリスニング・セッションの模様を以下,数枚掲載いたします。(それぞれのクリップは非常に短く,すぐ終わります。)

カニエ・ウェストの『Jesus Is King』アルバムは未だリリースされておりませんが,彼がアルバムをリリースしない時,それはさらなる良き改良(tweaks)を加えているということを意味し,われわれの期待はさらに膨らんでいきます。

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェストの“Sunday Service” (9月22日分:ワイオミングにて)

当サイトでは,カニエ・ウェストが今年初旬から日曜のミサならぬソウル・ミュージックのミニコンサートを毎週日曜日に休まず開催し始めてから,そのつどアップデートして参りました。

本日は9月22日(日)にワイオミングで撮影された,カニエ・ウェストのSunday Serviceの模様を掲載いたします。カニエの前出アルバム『Ye』のレコーディングもワイオミング州のスタジオでレコーディングされ,そしてアルバムジャケに映された山もワイオミング州に連なる山脈,グランド・ティトン山脈を撮影したものでした。

Grand_Teton_in_Winter-NPS
(カニエ・ウェストが自身のiPhoneで撮ったグランド・ティトン山脈の一部を自身のアルバム『Ye』のジャケにしました。グランド・ティトンに雪が積もると,上記のようになります。)

さて,カニエ・ウェストはワイオミングといろいろな意味で縁があるのですが,このたび今週の“Sunday Service”をそのワイオミングで撮影することになりました。

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト“Sunday Service”まとめ(つづき:9月1日,9月8日,9月15日開催分) あと,黒人の「揺れ」について。

カニエ・ウェスト軍団が毎週日曜日に開催する“Sunday Service”(日曜のミサ)ゴスペルを今年初の日曜日から欠かさずアップしてきました。カニエ・ウェストのこのサンデー・サーヴィスは初回分からかなりの盛り上がりを見せてきましたが,ここへ来て,アメリカ全土の主要都市を回り始めております。今までは,主にカリフォルニア州カラバサス(カニエの豪邸近隣)で実施されてきましたが,カラバサス市を飛び出します。ついに8日,15日にはカリフォルニア州さえも出ます。

9月1日(日):カリフォルニア州ワッツ市(歴史的黒人コミュニティが集まる市街)

9月8日(日):カニエの生まれ故郷であるイリノイ州シカゴ市

9月15日(日):ジョージア州アトランタ市(←これまでのSunday Serviceとは,確実に異なっております。ミニコンサートと呼んでもよいほど,本格的になってきました。この観客(audience)の数はこれまでとは確実に違います。4月のイースター祭の日に開かれた特別な“Kanye West’s Easter Sunday Service”を除いては。)
※特に下記映像0:44秒から始まる観客側にいる複数メンバーが同時に揺れる映像は,これはこのブログで今までも何度も買いてきましたが,これこそが「奴隷時代を経た先祖の血が入った黒人にしかできないリズム感とともに“体のうねり”」ですね。しかも一人でやっているのではなく,一人一人各人のうねりが合わさって,映像2:41からの爆発力ある黒人の女性も含めたバワーとエネルギーは物凄いものです。これに近いものをこの人たちは毎週日曜日にやってきているのですから,この継続するエネルギーもすぐれています。何度も何度もこれでもかと突き続ける,といいますか,揺れ続けるエネルギーは圧巻です。そしてその上にさらに声!メンバーの中には白人もちらっといますが,この黒人の揺れに付いていけるでしょうか。たとえば下記映像7:28の箇所で,まわりの黒人は揺れていますが,真ん中にポツンと映る白人は静止していたり。これはもう体の作りというか,魂の熱(=体温)の違いであるから,もうしょーがない!黒人が揺れていて,白人が揺れていないなんて,もうこの子は責められない。「揺れる」はもうこのブログのキーワードでもあります。下記映像17:29からはウケのいい曲「Father Stretch My Hands」も鳴り始めます。映像タイムライン18:16からの黒人たちの「揺れ」もまことに見事です。映像タイムライン20:45からの黒人の手拍子(clapping)と揺れも,まさにこの映像の真骨頂です。

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト対訳「Wolves」全ヴァース(アルバム『The Life of Pablo』楽曲13)

カニエ・ウェストのこの楽曲「Wolves」は,アルバム『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』収録の楽曲「Lost In The World」や,アルバム『Yeezus』収録の楽曲「Blood On The Leaves」を想起させます。これら3曲の共通点はどれも自然をモチーフにしていることです。また,前回「Wolves」のヴァース3の紹介として,新約聖書よりヨセフとマリアの話を取り上げました。このことからも,カニエ・ウェストは,今までのヒップホップやラップで語られる内容とは,全く違う角度や方向から物事を捉えようとしていることが窺い知れます。

それでは以下に楽曲「Wolves」の対訳を掲載いたします。

Kanye West feat. Sia & Vic Mensa – “Wolves” (the whole verses)
カニエ・ウェスト feat. シーア&ヴィック・メンサ 「ウルヴス」(全ヴァース対訳)

[Chorus: Kanye West]
Lost out, beat up
Dancin’, down there
I found you, somewhere out
‘Round ’round there, right right there
Lost and beat up
Down there, dancin’
I found you, somewhere out
Right down there, right ’round there

(サビ:カニエ・ウェスト)
迷子になって,傷だらけ
踊ってた,あの場所で
君と出会った,森の中で
あの場所,森の中で
迷子になって,傷だらけ
踊ってた,あの場所で
君と出会った,森の中で
あの場所,森の中で

[Verse 1: Kanye West]
Lost and, found out
Turned out, how you thought
Daddy, found out
That you turned out, how you turned out
If mama knew now
How you turned out, you too wild
You too wild, you too wild
You too wild, I need you now
Love you, got to
Love you, love you
Found you, found you
Right now, right now
Right now, right now
If your mama knew how
You turned out, you too wild
You too wild, you too wild
You too wild, and I need you now
Lost in… my doubt

(ヴァース1:カニエ・ウェスト)
迷子のところを,拾われた
蓋をあけると,期待していたとおりに
パパへと成長した
期待どおり,君はそうなった
ママがこれを見ていたら
君の成長をね,とてもワイルドだって言うだろう
とてもワイルド,とってもワイルド
とてもワイルド,君と今すぐ一緒になりたい
愛してる,それしかない
愛してる,愛してる
みっけた,君をみっけた
今すぐ,今すぐ
今すぐ,今すぐ
ママがこれを見ていたら
君の成長をね,とてもワイルドだって言うだろう
とてもワイルド,とってもワイルド
とてもワイルド,君と今すぐ一緒になりたい
迷っている,自己疑心の中で

[Bridge: Vic Mensa]
Cry, I’m not sorry
Cry, who needs sorry when there’s Hennessy?
Don’t fool yourself
Your eyes don’t lie, you’re much too good to be true
Don’t fire fight
Yeah I feel you burning, everything’s burning
Don’t fly so high
Your wings might melt, you’re much too good to be true
I’m just bad for you
I’m just bad, bad, bad for you

(ブリッジ:ヴィック・メンサ)
泣いて,でも言い訳しない
泣いて,ヘネシーがあれば悩まなくたっていい
自分をごまかすんじゃない
君の瞳は嘘つかない,君の存在はまるで夢のようだ
炎を消さないで
君は燃え上がり,あらゆるものが熱くなる
そんなに高く飛んでいかないで
翼が溶けてしまうかもしれないから,君の存在はまるで夢のようだ
君にとって俺は毒なのさ
君にとって俺は,俺は毒なのさ

[Verse 2: Sia]
I was lost and beat up
Turned out, burned up
You found me, through a heartache
Didn’t know me, you were drawn in
I was lost and beat up
I was warm flesh, unseasoned
You found me, in your gaze
Well, I found me, oh, Jesus
I was too wild, I was too wild
I was too wild, I was too wild
I was too wild, I was too wild

(ヴァース2:シーア)
私は迷っていて,くたくただった
身柄を確保され,燃え殻同然だった
心の痛みをとおして,あなたが私を見つけてくれた
知らない同士だった,でも惹かれ合った
迷っていて,くたくただった
未熟なまま,肉体であたため合った
あなたの瞳に,私は自分が見えた
そう,やっと見えた,ええ,信じられなかった
ケモノのように私は,ワイルドすぎた
ケモノのように私は,ワイルドすぎた
ケモノのように私は,ワイルドすぎた

[Chorus: Kanye West]
And I need you now
Lost and found out

(サビ:カニエ・ウェスト)
キミが必要なんだ
迷子のところを,拾われた

[Verse 3: Kanye West]
You gotta let me know if I could be your Joseph
Only tell you real shit, that’s the tea, no sip
Don’t trip, don’t trip, that pussy slippery, no whip
We ain’t trippin’ on shit, we just sippin’ on this
Just forget the whole shit, we could laugh about nothin’
I impregnate your mind, let’s have a baby without fuckin’, yo
I know it’s corny bitches you wish you could unfollow
I know it’s corny niggas you wish you could unswallow
I know it’s corny bitches you wish you could unfollow
I know it’s corny niggas you wish you could unswallow
I know it’s corny bitches you wish you could unfollow
I know it’s corny niggas you wish you could unswallow
You tried to play nice, everybody just took advantage
You left your fridge open, somebody just took a sandwich
I said baby what if you was clubbin’
Thuggin’, hustlin’ before you met your husband?
Then I said, “What if Mary was in the club
‘Fore she met Joseph around hella thugs?
Cover Nori in lambs’ wool
We surrounded by the fuckin’ wolves”
(What if Mary) “What if Mary
(Was in the club) was in the club
‘Fore she met Joseph with no love?
Cover Saint in lambs’ wool
(And she was) We surrounded by
(Surrounded by) the fuckin’ wolves”

(ヴァース3:カニエ・ウェスト)
教えてや,キミのヨセフにならせてや
リアルしか話さねえ,紅茶は啜らねえ
あわてんな,あわてんな,あの女のアソコは濡れてんぜ,かき混ぜんな
イカれてんじゃねえ,ゆっくり堪能してんのや
なにもかも忘れて,くだらないことで大笑いして
キミの脳ミソを孕んでやる,セックスやらずに赤ちゃん産ませてヨゥ
ダッセェ女どもをフォローから外したがってるって,知ってんだぜ
ダッセェ男どものザーメンは飲み込みたくないって,知ってんだぜ
ダッセェ女どもをフォローから外したがってるって,知ってんだぜ
ダッセェ男どものザーメンは飲み込みたくないって,知ってんだぜ
ダッセェ女どもをフォローから外したがってるって,知ってんだぜ
ダッセェ男どものザーメンは飲み込みたくないって,知ってんだぜ
「いい人」ぶってると,まわりから「いいように」使われちまうぜ
冷蔵庫を開けっ放しにしてると,誰かが君のサンドイッチを食っちまうぜ
俺は彼女にこう訊いた,「ねぇベイビー,君だって今のダンナに会う前は,
クラブ行ったりなんかして,可愛くキメて,男を逆ナンしたりしてたんでしょ」
そしてこうも言った,「もしもマリアがヨセフに会う前に
クラブ行ったりなんかして,男ばっかりに囲まれていたら,どうなっていただろう」
ノリちゃん(ノース)を羊毛でまとってあげて
俺らはオオカミ連中に囲まれる
(もしもマリアが)もしもマリアが
(クラブ行ったりして)クラブ行ったりして
ヨセフに会ったとしても,愛していなかったら
セイントを羊毛でまとってあげて
(するとあたりは)あたりは
(寄ってきた)どう猛な,オオカミだらけ

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト対訳「Wolves」ヴァース3(アルバム『The Life of Pablo』楽曲13)

raphael-sistine-madonna
(以下歌詞でヨセフとマリアの話が出てきますが,マリアを孕ませたのはヨセフで,お腹の中にはイエス・キリストが宿ります(新約聖書マタイによる福音書1章18~25節より)。つまり,カニエが言うとおり,「もしもマリアがあの夜,ヒップホップクラブなんかに行ったりしていて,イケメンの男に囲まれて,ナンパなんかされていれば,どうなっていたことだろう」と。その後に,カニエは歌詞中で,自身の子ども=ノースとセイントの言及をしますが,これは,マリアがヒップホップクラブで出会ったのはカニエだったと仮定してのことだとも解釈できます。マリアとカニエが出会って,ノースとセイントが産まれたのだと。
 上記の歴史的絵画は,巨匠ラファエロ・サンティによるものです。題名は『システィーナの聖母(原題:Sistine Madonna)』です。中央では聖母マリアが幼児キリストを抱えています。つまりこれはキリストが産まれた後(クリスマスの後)の絵ですが,この子をノースやセイントに重ねているのが以下カニエの歌詞の後半です。)

Kanye West feat. Sia & Vic Mensa – “Wolves” (Verse 3)
カニエ・ウェスト feat. シーア&ヴィック・メンサ 「ウルヴス」(ヴァース3対訳)

[Verse 3: Kanye West]
You gotta let me know if I could be your Joseph
Only tell you real shit, that’s the tea, no sip
Don’t trip, don’t trip, that pussy slippery, no whip
We ain’t trippin’ on shit, we just sippin’ on this
Just forget the whole shit, we could laugh about nothin’
I impregnate your mind, let’s have a baby without fuckin’, yo
I know it’s corny bitches you wish you could unfollow
I know it’s corny niggas you wish you could unswallow
I know it’s corny bitches you wish you could unfollow
I know it’s corny niggas you wish you could unswallow
I know it’s corny bitches you wish you could unfollow
I know it’s corny niggas you wish you could unswallow
You tried to play nice, everybody just took advantage
You left your fridge open, somebody just took a sandwich
I said baby what if you was clubbin’
Thuggin’, hustlin’ before you met your husband?
Then I said, “What if Mary was in the club
‘Fore she met Joseph around hella thugs?
Cover Nori in lambs’ wool
We surrounded by the fuckin’ wolves”
(What if Mary) “What if Mary
(Was in the club) was in the club
‘Fore she met Joseph with no love?
Cover Saint in lambs’ wool
(And she was) We surrounded by
(Surrounded by) the fuckin’ wolves”

(ヴァース3:カニエ・ウェスト)
教えてや,キミのヨセフにならせてや
リアルしか話さねえ,紅茶は啜らねえ
あわてんな,あわてんな,あの女のアソコは濡れてんぜ,かき混ぜんな
イカれてんじゃねえ,ゆっくり堪能してんのや
なにもかも忘れて,くだらないことで大笑いして
キミの脳ミソを孕んでやる,セックスやらずに赤ちゃん産ませてヨゥ
ダッセェ女どもをフォローから外したがってるって,知ってんだぜ
ダッセェ男どものザーメンは飲み込みたくないって,知ってんだぜ
ダッセェ女どもをフォローから外したがってるって,知ってんだぜ
ダッセェ男どものザーメンは飲み込みたくないって,知ってんだぜ
ダッセェ女どもをフォローから外したがってるって,知ってんだぜ
ダッセェ男どものザーメンは飲み込みたくないって,知ってんだぜ
「いい人」ぶってると,まわりから「いいように」使われちまうぜ
冷蔵庫を開けっ放しにしてると,誰かが君のサンドイッチを食っちまうぜ
俺は彼女にこう訊いた,「ねぇベイビー,君だって今のダンナに会う前は,
クラブ行ったりなんかして,可愛くキメて,男を逆ナンしたりしてたんでしょ」
そしてこうも言った,「もしもマリアがヨセフに会う前に
クラブ行ったりなんかして,男ばっかりに囲まれていたら,どうなっていただろう」
ノリちゃん(ノース)を羊毛でまとってあげて
俺らはオオカミ連中に囲まれる
(もしもマリアが)もしもマリアが
(クラブ行ったりして)クラブ行ったりして
ヨセフに会ったとしても,愛していなかったら
セイントを羊毛でまとってあげて
(するとあたりは)あたりは
(寄ってきた)どう猛な,オオカミだらけ

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

カニエ・ウェストの新作アルバム『Jesus Is King』は9月29日(日)にリリース(妻キム・カーダシアンのインスタ&ツイッターより)

妻キム・カーダシアンのインスタグラム・ストーリーにて,カニエ・ウェストの新盤『Jesus Is King』は明日29日(日)にリリースされる,と発表がありました。

79e3b5505cc86e82156f98a069384a85.828x1068x1
(「カニエ・ウェストは28日(土)にシカゴで新作のリスニングセッションを実施し,29日(日)にはニューヨークでリスニングセッションを実施予定。そして同日29日(日)にアルバム『Jesus Is King』をリリースします。」と書かれております。)

なお,以下のインスタグラム・ストーリーでは,10月にカニエ・ウェストのミュージックドキュメンタリー映画『Jesus is Lord』がIMAXにて上映開始されると発表されました。

キム・カーダシアンのツイッターでは,ニューアルバム『Jesus Is King』のトラックリストが発表されました。前回発表されたものからは少し改訂されています。この「改訂していく」というのも,カニエの仕事に対する態度でカニエによく見られる傾向です。カニエは過去に一度アルバムに収録してすでに発表した楽曲のビートを後に改訂したことがありました。「たとえアルバムに収録された曲でも,さらに良いものにし続ける態度」というのはカニエの傾向です。

また,以下に,昨日27日(金)にカニエ・ウェストがデトロイトで行った特別の“Sunday Service”ならぬ“Friday Service”のストリーミングを掲載しておきます。題して「Jesus is King: A Kanye West Experience(邦題:ジーザスはキング:カニエ・ウェスト体験)」。タイムライン16:40では,パパ(カニエ)の横で跳びはねて踊る娘(ノース)も映ります。なお,これはストリーミングですので,一定期間を過ぎますとリンクが消えます。(映像が見られなくなります。)

なお,先ほど映画『Jesus Is King: A Kanye West Film』(一部報道では『Jesus Is Lord』となっておりましたが,『Jesus Is King』だそうです)は来月10月25日(金)にIMAXにて上映開始されると発表がありました。以下がそのカバーアートです。

Jesus is King Final NK Poster 9.25

映画の内容はこれまでの“Sunday Service”の模様がたっぷりと流される予定だそうです。しかしそれだけでは終わりません。セットは大自然そのまんまの“RODEN CRATER”現代美術家ジェームズ・タレルの大作です!)で撮影される(た)そうです。

(文責:Jun Nishihara)

Mary J. Bligeの名曲「You Remind Me」から回想できる事柄。

「You Remind Me」という曲は,メアリーJ.ブライジ(Mary J. Blige)のデビュー作です。今からちょうど30年前にリリースされました。

メアリーも,この曲をプロデュースしたDave”Jam”Hallも,あれから30年も後に,メアリーが全米向けのTV番組でこの曲が歌われることになるとは思っていなかったんじゃないでしょうか。少なくともこの曲が制作された当時,30年後の今のことは想像されていたかどうかは分からないです。

「You Remind Me」とは「あなたを見てると,かつての恋人のことや,かつて感じていた気持ちや,どこかで見た景色などを思い出す」という意味があります。

この曲が作られて30年後,僕らはこの曲が作られた頃のメアリーを思い出します。それとともに,当時じぶんたちが何をたいせつに感じていたか,という初心といいますか原点のようなものも思い出すことになります。

このサイトを見られている方の中には,30年前はMary J. Bligeの曲を聴いていたけれど,今はもうそういった音楽はめっきり聴かなくなったという方もいらっしゃると思います。もしくは,今は日々の仕事に追われて,ヒップホップなんかとは全く関係のない仕事をして,せわしなく仕事や生活をされている方もいらっしゃると思います。

しかしそんな時にこそ,Mary J. Bligeのこの曲「You Remind Me」を聴いて,ほんとうは何がたいせつだったのかを,一時的にも思い出すことができれば,人生がすこし良い方向に進むかもしれません。

そんなのは余計なお世話ですし,かってなおせっかいかもしれませんが,メアリーが30年後の今,あらためて「You Remind Me」をBETで歌ったのは,僕らにそういうことを思い出させてくれている縁かもしれません,なんて思います。

「You Remind Me」の解釈は,必ずしも恋愛に関するものでなくともいいですし,特定の元カレや元カノのことに関するものでなくともいいです。これは日々あわただしく仕事をするサラリーマンにとって,もう一度,一息立ち止まって,何がじぶんにとってたいせつだったのかを思い出すための曲なんです。

この曲を聞くと,「俺はこんなことしてる場合じゃない」と思えてきますね。30年前のヒップホップをもういちどからだじゅうに浴びるべきだ,と。

仕事は代わりがあるけれど(別の人が後を継げばいいけれど),ほんとうにじぶんが愛していたもの(“Real Love”)は,他の誰でもなく,じぶんでしかやることができない,ということを思い出させてくれる(“You Remind Me”)という曲です。

だからこれを読んでいるあなたもですね,ほんとうに熱くなれない仕事なのであれば,じぶんがあの頃好きだったことを少しだけでも思い出してみるといいと思います。会社で上司のことや人間関係について苦しんでいる場合じゃないのです。たいせつなものはもっと違うところにあるのですから。

ちょっとズレてみてください。

そのズレがきっかけとなって,ヒップホップに回帰することができるといいですね。

Mary J. Blige,そういうことを思い出させてくれて,ありがとう。

MARY_J_BLIGE_YOU+REMIND+ME-548498
(上記はMary J. Bligeが「You Remind Me」をリリースした当時のジャケ写真です。)

(文責:Jun Nishihara)

アメリカ『BET』の歴史と重なるメアリーJブライジの音楽史に贈られた特別功労賞。

MJBRealLove
(デビュー当時のMary J. Blige)

黒人音楽を聴くという習慣がついているものにとって,アメリカのBETというTVチェンネルは欠かせないものです。アメリカ黒人のカルチャーやファッション,音楽やミュージックビデオ等に関するあらゆる番組を一日中放映しているTVです。(BET=Black Entertainment TV)2000年代初期の頃にはまだまだBETよりもMTVという時流はありましたが,最近ではMTVと双璧をなすほどのクオリティとトレンド力をBETはつけてきたと思います。

MTVと同じくBETでも毎年「BET Music Awards」が開催されます。2001年から開催するようになり,今年で19年目です。

そのBET Music Awardsで今年開かされたAwards授賞式では,メアリー・J.ブライジ(Mary J. Blige)が素晴らしきステージパフォーマンスを見せてくれました。メアリーが活動を始めたのは1989年,BETが創設されたのは1980年,アメリカの全国版TVチャンネルとして認められたのは1983年でした。つまり,BETがアメリカ全土に放映されるようになって僅か6年後にメアリーのミュージックビデオはBETチャンネルで放映されるようになったのでした。

こうして四半世紀以上の黒人音楽史を,Mary J. Bligeとともに歩んできた米国BETチャンネルは,今年(2019年)のBET授賞式で彼女を特別に讃えることとしました。まさにその名に等しい「Lifetime Achievement Award(特別功労賞)」です。この特別功労賞は,黒人音楽の歴史において名を馳せるとともに,黒人音楽に長年の間貢献した偉大なる人物に贈られる賞です。過去に同賞を受賞した人物にホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston),ジェイムス・ブラウン(James Brown),チャカ・カーン(Chaka Khan),プリンス(Prince),ダイアナ・ロス(Diana Ross)等,まさに偉大なる人物が並びます。

その偉大なる人物の中に,ついにMary J. Bligeも並ぶこととなりました。現代の世代のヒップホップアーティストでこの受賞者の欄に並ぶのは初めてです。「ヒップホップ」が初めてなんです。信じられないようで,ずっとヒップホップを聞いてきたものにとっては感慨深いものがあります。繰り返しますが,「功労賞」にヒップホップという音楽も入るようになったんです。今まで「若者の音楽」だと勝手に思ってきたヒップホップも「歳をとったものだなぁ」とこれを見て思いましたよ。あのダボダボのシャツとダボダボのパンツとベースボールキャップを被って腰を屈めてストリートを闊歩したいたナインティーズのヒップホップスタイルも,今や,小ぎれいに着飾って,ジュエリーなんかしちゃって,パンツもタイト,シャツもタイト,キャップも高価,もうかつての「土臭さ」はなくなりつつありますけれど,以下のメアリーのパフォーマンス映像では,ミーゴスもカーディBもリスペクトの目でメアリーを見る映像が映し出されます。この姿はMTVでは観られないんじゃないかなぁなんて思います。

そしてその同授賞式でのメアリーのステージがまた素晴らしかった。これです。

そして以下がメアリーが特別功労賞を受賞する際の模様です。

ヒップホップ・ソウルの歴史がまた1ページ,刻まれました。

(文責:Jun Nishihara)