出ました。カニエがexecutive produceしたキング・コムズのニューアルバム『NEVER STOP』。(アルバム『NEVER STOP』全曲2分解説)

ここ2週間ほど、世の中から最も嫌われることとなったHip-Hop/R&BアーティストであるDiddy(ディディ)とR. Kelly(R.ケリー)の特集をした。未だにこの2人については世間から批判の目を浴びせられ、彼らを擁護する者たちも批判の対象となり得る。

しかし、である。Hip-Hopというものそのものの存在意義は、1973年に誕生した時から、「世間に反抗して」育まれてきたものであるといえる。つまりいつの時代もHip-Hopは少数派の音楽/文化であり、大多数の人たちの賛同を得られることなく、メインストリームには(その存在性質からして)なりえなかった音楽/文化であった。

ということはつまり、DiddyもR. Kellyも至極Hip-Hopの人生を歩んでいるといえる。そしてこの週末(2025年6月27日(金)米国東部時間真夜中0時)ついにカニエ・ウェスト(Kanye West)改めイェ(イェイ(Ye))がDiddyの息子であるKing Combs(キング・コムズ)とコラボレートし、ニューアルバムをリリースした。その名は『Never Stop』。クレジットにはExecutive produced by Yeの名が。これまでDiddyこそが他のアーティストのアルバムをExecutive produceする立場であり、これまでも数えきれないほどのHip-Hipアルバムに(Executive produced by Sean Combs)というクレジットが表記されてきたのに、ついに、ここにSean Combs (=Diddy) ではなく、カニエの名前が入ることになるとは。

コロナ後、ニューヨークの街はこんな画で溢れ返った。外を歩けば2、3ブロック毎に必ず1軒くらいは、このような状況になっている建物やビルが見られた。

Diddy(ディディ)が創設したBad Boy Records(バッド・ボーイ・レコーズ)という名だたるHip-Hopアーティストを輩出してきた(ビギーもそう!)Hip-Hop史上最も重要なレーベルの一つ、それがいま、こういう状況になっている。まずはアルバムジャケからして90年代のHip-Hopを聴いて育った我々としては蒼然とする画である。これをジャケにしたカニエとDiddyの息子であるKing Combsの静かな憤りが聞こえてくる気がする。

2分で読めるブログにする。1曲ずつ、解説していく。(長く書くともう誰も読んでくれない時代になったので。)

まずタイトルは『NEVER STOP』。DiddyがBad Boy Records創設してきた時から言ってきた合言葉/フレーズである「As we proceed… to give you what you need」の前半部分「As we proceed…(前へ進め)」というフレーズの哲学とも一致するタイトルである。

【収録楽曲】

  1. Lonely Roads
  2. KIM
  3. People Like Me
  4. Diddy Free
  5. Repeat Me
  6. The List
  7. Souls Outro

【各楽曲解説(かけ足で)】

1.Lonely Roads

まずビートはDiddyにリスペクトを捧げたものであるとしか思えない。Bad Boy Recordsの昔っからのビートそのものである。後半、Diddyのかすれた声が聞こえる。おそらく刑務所内で録音したものか。カニエ(Ye)の娘さんであるノース・ウェスト(North West)も軽めのラップをしている。

2.KIM

このKimって誰の事だと思う?Diddyの亡くなった奥さん、キム・ポーター(Kim Porter)のこと。つまり、King Combs(キング・コムズ)のお母さん。冒頭、キング・コムズが歌う。「I love you, Mama. Things aint been the same without you Mama」(ママがいなくなってから、何もかも変わってしまったよ。愛してるよ、ママ。)

もう一つ、カニエも自身の母親を亡くした。アルバム『Graduation』をリリースしてからのこと。その後、Hip-Hopの概念を覆した非常に重要なアルバムである『808s & Heartbreak』をリリースした。キング・コムズの思いは、そのままカニエ(Ye)の思いを乗せているといえる。

もう一つ、ノース・ウェスト(North West)にとっては、母親であるキム・カーダシアン(Kim Kardashian)が父親のカニエと離婚したことの思いも反映しているといえる。

この曲はこの3名の思いを複雑に(というかストレートに)のっけた楽曲であるといえる。

3.People Like Me

個人的にこの曲がいちばん好きである。唯一、アルバム中カニエがラップするトラックである。

冒頭の「You need people like me…so you can point you middle finger and say there go the BAD BOOOOYYYY」これはHip-Hopでよく引用される映画『Scarface(スカーフェイス)』からのスカーフェイスの言葉ですね。「おまえらには俺みたいな人間が必要なんだろ。そうやって指差して、俺をワル者に仕立てあげたいんだろ。」これをもじって「おまえらには俺みたいな人間が必要なんだろ。そうやって中指立てて、ワル者に仕立てあげたいんだろ、Bad Boooyyyをな!」

4.Diddy Free

「フランク・オーシャン構文」と、私が勝手に名付けている英文構造があります。それがこの曲のリリックに出てくる「What’s a good kid to a bad boy」(よい子はバッド・ボーイにはかなわない)という部分です。なぜ、フランク・オーシャン構文と呼ぶかというと、2011年にリリースされたHip-Hop史上最も重要なアルバムであるJAY-Zとカニエが作り上げた『Watch The Throne』(ウォッチ・ザ・スローン)の冒頭の曲で、Frank Ocean(フランク・オーシャン)がこう歌うからです。

What’s a mob to a king / what’s a king to a God / what’s a God to a Non-Believer who don’t believe in anything – Jay-Z & Kanye West feat. Frank Ocean “No Church In The Wild”

輩(やから)はキングにかなわない。キングは神(ゴッド)にかなわない。しかし、その神でも、信じるものがいない野生の無神論者には到底かなわない。

これは同アルバムの冒頭の曲「No Church In The Wild」(野生の地に教会は無い)からR&B歌手であるFrank Ocean(フランク・オーシャン)の余りにも有名なリリックです。このリリックはもはや今や格言化しているため、フランク・オーシャンのこの歌詞の英文構造を私が勝手に「フランク・オーシャン構文」と名付けたのです。

当曲「Diddy Free」に戻ります。「Diddyを解放せよなら「Free Diddy」」ですが、それを逆にして「Diddy Free」にすると、Diddyはすでに解放された(freeである)ことを形容しているフレーズになります。ここら辺も、ただ単にこのアルバムはDiddyを解放することを擁護しているものではないというカニエの意図が窺えます。

5.Repeat Me

エモーショナルなメロディーで始まる曲ですね。前半の1曲目~4曲目まではカニエ(Ye)色が色濃かったですが、ここからはキング・コムズの若さとエロさが出ます。この曲を聴いて、King CombsとIce Spice(アイス・スパイス)に恋愛関係があったのかどうかググってしまったんですが(笑)、あまりにもIce Spiceのラップに似ていたので、二人には恋愛感情があったのかどうか、調べてしまった(笑)。そういう曲です。(どういう曲やねん)

6.The List

このリストってなんのリストかというと、いわんやThot-listのことですね。Thotって「That Hoe Over There(あっちのビッチ)」の頭文字(イニシャル)であすが、要するに「ヤリマン」ということです。そういった女の子たちについて歌っている曲です。

6.Souls Outro

最後の曲です。キング・コムズが言います。「F*** around and lose yourself chasing these hoes.(女を追いかけてばっかいたら、自分を見失うぞ)」と警告してくれている曲です。Diddyの裁判の内容と照らし合わせても、現実味を浴びていて、ゾッとするラインですね。それが「Souls(複数の魂)」つまり、これまで刑務所に入ってきた複数の人間たちの思いを総称して、それをOutro(エンディング)にしている曲です。

駆け足で解説しましたが、7曲にあらゆる感情がギュッと色濃く凝縮された稀有なアルバムになっています。このアルバムが「世の中から嫌われるアルバムになればなるほど」カニエやキング・コムズの思惑(おもわく)通りとなる。世間から嫌われるアルバムになることで存在意義を発するアルバムとなる。嫌われて「勝ち」であり、万が一好かれたとしても(いや、どう考えても世間から好かれるアルバムにはならないと思うが、万が一好かれたとしても)負けではない、つまり「負けがない」アルバムであると言える。しかしながら、カニエが目指したのはもう少し先にある。それが「マイノリティ(minority=少数派)への回帰」である。これについては2分では語れないのでまた今度書くことにする。

左から、カニエ・ウェスト(Ye)、ノース・ウェスト(North West)、キング・コムズ(King Combs)。

毎週月曜日と木曜日に更新していますが、今週木曜日はお休みです。

(文責:Jun Nishihara)

(今でも)R&Bの王様:R. Kelly特集

メジャーデビューをした1993年、R. Kelly(R.ケリー)はR&Bの歴史上最高のR&Bアルバムと呼ばれた『12 Play』をリリースして、華々しいR&Bアーティスト人生を送ったのだが、その名声高き人生の特に後半は様々な訴訟と投獄を繰り返すこととなる。90年代そして2000年代初期の頃はあれだけ全米TV番組や音楽業界などからどれだけ素晴らしい歌声を持ったR&Bアーティストであるかと揶揄されていたにもかかわらず、訴訟や裁判の判決などが関わってきた頃から、業界始め一般市民はR. Kellyに冷たい視線を浴びせるようになった。

見てくれ、この世の中の手のひら返し。

今般のDiddy(パフ・ダディ AKA ディディ)の訴訟にしても、ユダヤ人に対する差別的発言をした頃のYe(カニエ・ウェスト改めイェイ)に対しても、ちょっとでも間違いを犯すと、それまで彼らの熱烈なファンだと自称していた人たちもすぐさま彼らに冷たい視線を浴びせる。そして彼らの音楽から遠ざかる。

世の中ってそんなもんですよね。「うまくいっている時は好かれる。間違いを犯したらすぐ嫌われる」まさにこれがHip-Hopメンタリティの真逆に位置する精神ですよね。

Hip-Hopの根底に流れる精神として「世の中への反発心」というものがあります。心構えのモンダイです。世の中へのことばにならない怒りと憤りを、ラップのビートに載せてリリック(ラップの言葉)を発するHip-Hopの遊びです。「遊び」と言いましたがそのHip-Hopの遊びをけっしてあなどるなかれ。「あそび」は時に真剣な金儲けにつながりますから。

脱線しました。世界イチHip-Hopを「あそんで」いるYe(カニエ・ウェスト)とR&Bの王様であるR. Kellyがコラボレートして作った「世の中への反発曲」があります。曲名はまさしく「To The World(世界へ)」です。これは様々な訴訟の嵐に揉まれている最中であり誰も音楽の才能として相手にしなくなったR. Kellyを呼んでカニエがプロデュースした曲です。この危険な時代のR. Kellyをコラボレートの相手にしたのはカニエだけ。それができるのはカニエしかいない。まぁ、カニエもそのクチですからね。世の中から当時もっとも嫌われていた2人で作り上げたこの曲はHip-Hopの最高の名曲であると言わずしてなんと呼ぶ?

そして後半歌う女性はTeyana Taylor(ティアナ・テイラー)です。ティアナもね、ワルなんですよね(笑)。この2人を手なずけられる唯一の女性R&Bアーティストであると。その曲がこれです。

Kanye West, R. Kelly & Teyana Taylor – “To The World”

R. Kellyについてマスメディアが書く腐った情報を読むよりも、上記の曲を1回聴いてみ。昔、R. Kellyのファンだと自称しながら、いまは全くR. Kellyの音楽を聴かなくなったヤツに訊きたい。訴訟とかマスメディアの情報があんたに一切遮断されていたら、R. Kellyの音楽をまだ聴いていたと思うか。心の底でどう思っているのか、それともR. Kellyの音楽はもう長年、遠ざかりすぎて、もはやどうも思わなくなったのか。訊きたい。

(文責:Jun Nishihara)

ラップでもなくR&Bでもなく(Kid Cudiが築いたポジショニング)

ちょうどカニエ・ウェスト(当サイトではYeの日本語名を「カニエ・ウェスト」に統一しております)が2018年にキッド・カディ(KiD CuDi)と組んで、Kids See Ghostsというスーパーグループを組んだ際、カディはラッパーとして売り込んでおらず、アルバム中、ほとんどラップしていませんでした。自分はもう「ラップはしないんだ」と。しかしながら、当時アメリカのメディアではカディのことをrapperと紹介していることが少なくありませんでした。

最近ではメインストリームのメディアに出ることは多くありませんが、カニエが創設したG.O.O.D. Musicのようなメジャーレーベルでデビューを果たしたカディのようなアーティストが当時、15年前に、真っ向からラップを否定する発言をしているのは珍しかった。カディは2010年のMTVインタビューでこう発言しています。

“I’m just over rapping. I don’t get any fulfillment out of it anymore… I really don’t get any fulfillment out of writing a 16 [bar verse]. […] I get more fulfillment now out of singing and learning to play the guitar.” – MTV News (2010)

「もうラップには飽きた。そこからは何の充実感も得られなくなってしまった・・・16小節のヴァースを書いても何の満足感を得られなくなったんだ。(中略)今は歌ったり、ギターを習ったりすることのほうが、よっぽど満たされるよ。」(キッド・カディ、2010年、MTV Newsのインタビューで)

Hip-Hop業界では、まだラップが売れる時代であった当時にこれを言っているHip-Hopアーティストは少なかった。しかしながら、この時期以降、ラップでもなくR&Bでもないポジションにいるアーティストが少なからず現れてきた。

Smino(スミノ)やNoname(ノーネイム)、それから今は亡きXXXTENTACION(エックスエックスエックス・テンタシオン)、Juice WRLD(ジュース・ワールド)。この2名(XXXTENTACIONとJuice WRLD)については、亡くなった後である現在も熱狂的なファンがい続ける物凄いカリスマ性を帯びたアーティストであるのは間違いない。さらに現在に近づいてくると、Saba(サバ)やLil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)、SiR(サー)やEarthGang(アースギャング)、Lil Durk(リル・ダーク)、そしてRoddy Ricch(ロディー・リッチ)と、カディの発言は受け継がれてきた。

こうして考えると、時代の趨勢がどうであろうと、世の中がどう思おうと、自分が感じている心の声に正直でいたほうがいいことがわかる。でないと、充実感を得られない、満足感を得られないことをやり続けることとなり、且つ、その後、それを受け継いでくれる人が現れない、もしくは、現れたとしても、自分の言葉がきっかけではなく、自分がそれに乗っかるほうになる、という”イノベーター”にはずっとなれないままとなる。そういった意味で、2010年に心の声に忠実にこのような発言をして、その後、それに続くフォロワーを確実にしたカディは、イノベーターであったといえる。

そのキッド・カディ(KiD CuDi)が16小節のヴァースで構成されたラップではなく、心の底から自分がやりたいと思っていた「歌」ができているミュージックビデオを3点、紹介します。

1. KiD CuDi – Mr. Solo Dolo III

2. KiD CuDi – Mojo So Dope

3. Kanye West feat. KiD CuDi – “Welcome To Heartbreak”

世の中には(いやYouTubeでも)キッド・カディを批判する内容のもので溢れているでしょう。メインストリームのHip-Hopカルチャーから外れたことをずーっとやってきた人間ですから。でもまさにカディにとっては「世の中に理解されない」ということが彼自身の個性であった。それに共感するアメリカ中の隠れ若者は多かった。公には公表していなくとも。そしてカディは生き続けた・・・

最後に、3週間前にリリースされた新曲「Neverland」のステージパフォーマンスを掲載して終わります。

(文責&キュレーター:Jun Nishihara)

カニエ・ウェストのビート・プロダクション・クレジット楽曲(その②)

前回のお約束どおり,1曲目はあの人,キーシャ・コール(Keyshia Cole)の登場です。この曲でキーシャは公式デビューを果たし,日本のブラック・ミュージック好きの女子にも人気を博し始めるようになります。

この頃に,いよいよ「カニエの音」というものが確立し出します。2005年リリースの楽曲ですが,カニエの初期の頃の「音」を総まとめにしたようなビート,ソウルネタも含まれ,後のカニエの音を代表することとなるローランド社の808ビートマシンのベース音も聞こえます。

2曲目は,キーシャ・コールとも仲良しであった,当時刑務所に囚われの身であったシャイン(Shyne)(当時,こいつの声に関しては,ビギー・スモールズの生まれ変われの化身とも呼ばれた)の登場です。

聴いてもらえれば解りますが,シャインのこの曲はドラムマシンのハイハットをふんだんに使用しております。カニエ・ウェストがハイハットをここまでヘヴィに使用するのは当時のティンバランド(Timbaland)の影響をかなり受けていたことが解ります。実際,2007年にシングル曲「Stronger」をリリースした頃,カニエはあるインタヴューでティンバランドを一人の師と呼んでいます。

3曲目は,チャイニーズ・ラッパーとして2000年,Friday Freestyle on BETで黒人ラッパーを次から次へと負かしていったジン(Jin)の登場です。

4曲目は,3曲目のJin – “I Got A Love”の冒頭ビートの始まり方にそっくりな曲です。嵐の舌を持つラッパー=トゥイスタ(Twista)はカニエと同じ同郷シカゴ出身。“Overnight Celebrity”です。

5曲目は,カニエ・ウェストにしか作れない!という楽曲を紹介して本日終わりにします。スラム・ヴィレッジ(Slum Village)の「Selfish」です。ここら辺で,ソウルネタはソウルネタで同じにしても,ジャスト・ブレイズがソウルネタを回す音とはやっぱり違うなぁというのが解ってきます。ジャスト・ブレイズにしか出せない「ジャスト・ブレイズの味」というのがもちろんあって,そして当曲は「カニエの味」そのものが出ている。これ,もう16年前,2004年です。

(文責&キュレーション:Jun Nishihara)

カニエ・ウェストのビート・プロダクション・クレジット楽曲(その①)

カニエ・ウェストが90年代後期から2000年代前半にかけて,カニエが自身以外のアーティストに提供したビート・プロダクションとして,以下の楽曲を紹介いたします。

前回,ソウル・ネタ回しにおいてはカニエと双璧を成すジャスト・ブレイズ(JUST BLAZE)のプロダクション曲をご紹介いたしました。

本日はジャスト・ブレイズに一聴そっくりなビートのようにも聞こえるカニエ・ウェストのビート5曲を以下のとおり掲載いたします。

まずは,アリシア・キーズ(Alicia Keys)の2003年リリース,キャリア2枚目のアルバム『The Diary of Alicia Keys』よりシングル曲「You Don’t Know My Name」です。

いやぁ,なつかしい!!この頃,カニエ・ウェストはジェイZに認められて当時のロッカフェラ・レコーズ(Roc-a-fella Records)に入団して間も無い頃でした。カニエ・ウェストの名前が当時はまだ「ビート・プロデューサー」としてのみですが,少しずつ徐々に,メインストリームに受け入れられ始めていた頃です。以下ミュージックビデオに出演するモス・デフ(Mos Def)名前改めヤシン・ベイ(Yasiin Bey)は勿論カニエの盟友です。

2曲目は,少し時空を遡って,ジャーメイン・デュプリ(Jermaine Dupri)の1998年リリースアルバム『Life in 1472』より楽曲「Turn It Out」です。

3曲目は西アジアの雰囲気さえも彷彿とさせるビートネタ起用。モス・デフやコモンたちと同じくカニエの盟友=タリブ・クウェリ(Talib Kweli)の名曲「Get By」です。ちなみに西アジアというのはアフガニスタンからエジプトまで,中東を含めたアラブ諸国エリアを指します。

4曲目はハーレム・ワールド(Harlem World)というハーレム出身のラッパーで組まれたラップグループ(メンバーはMa$eやルーン等)が1998年にリリースした『The Movement』より,楽曲「100 Shiety’s」です。ディープな曲でしょう?知ってました,こんな曲が存在していたこと。

5曲目から,だんだんとカニエ“らしく”なっていきます。これはモニカ(Monica)の2003年の楽曲「Knock Knock」です。ミッシー・エリオットをfeat.し,当時R&B界の土壌に脈々と流れていた2000年代前半メロディを代表するかのようなビートです。

次回は,引き続き「その②」を紹介いたしますが,1曲目には,あの人が出てきます。日本の女子ブラック・ミュージック・リスナーにも当時人気を博していたキーシャ・コール(Keyshia Cole)のデビュー曲から始めます。

(文責及びキュレーション:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト feat. トラヴィス・スコットの新曲「Wash Us In The Blood」リリース。

遂にリリースされました。カニエ・ウェストfeat.トラヴィス・スコットの新曲「Wash Us In The Blood」。タイムライン00:40で,お尻をフリフリ振りまくるtwerkerを左の画面に見せながら「これが神の国だ」とモロ真正面に「God’s Country」という文字を提示するというのはカニエ・ウェストらしい映像であります。

もうこれからはクリスチャン・ミュージックしかやらない!と宣言したカニエ・ウェストでしたが,ここまでも非クリスチャンである(クリスチャンを否定している)神をテーマにした楽曲っていうのは,非クリスチャンを真正面から経験してきたカニエであるからこその芸術,クリエイティビティであると言えます。

黒人女子のtwerkerを見せながらこれが神の国だ!っていう矛盾の思想が1つ,そしてもう1つは現政権でも何でもいいですが,あらゆるシステムへの憤りをドライブ(駆り立てる)するかのような激しいビート,この2つは頻繁にカニエの芸術に登場します。

Kanye West feat. Travis Scott – “Wash Us In The Blood”

(文責:Jun Nishihara)

全曲対訳:カニエ・ウェスト率いるSunday Service Choirのアルバム『Jesus Is Born』

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カニエ・ウェスト(Kanye West)率いるサンデー・サービス聖歌隊(Sunday Service Choir)のアルバム『Jesus Is Born』:全曲対訳

楽曲①「Count Your Blessings」

楽曲②「Excellent」

楽曲③「Revelations 19:1」

楽曲④「Rain」

楽曲⑤「Balm In Gilead」

楽曲⑥「Father Stretch」

楽曲⑦「Follow Me – Faith」

楽曲⑧「Ultralight Beam」

楽曲⑨「Lift Up Your Voices」

楽曲⑩「More Than Anything」

楽曲11「Weak」

楽曲12「That’s How The Good Lord Works」

楽曲13「Sunshine」

楽曲14「Back to Life」

楽曲15「Souls Anchored」

楽曲16「Sweet Grace」

楽曲17「Paradise」

楽曲18「Satan, We’re Gonna Tear Your Kingdom Down」

楽曲19「Total Praise」

(対訳:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト率いる,自己隔離中の『Sunday Service Choir 』模様

カニエ・ウェスト率いる,自己隔離中の『Sunday Service Choir』模様は,こちらです。
楽曲名は「Revelation 19:1」(アルバム『Jesus Is Born』より)です。

以下も同じくカニエ・ウェストとともに働く聖歌隊(Sunday Service Choir)の皆さんです。
楽曲名は「Satan, We’re Gonna Tear Your Kingdom Down」(アルバム同上『Jesus Is Bornより)です。

ちなみに,以下は「おうちバージョンのカニエ」です。

以下は,カニエの妻であるキム・カーダシアン(Kim Kardashian)がカリフォルニア州の皆さんに「STAY HOME」の重要性についてメッセージを伝えている動画です。この動画は,カリフォルニア州知事=ギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)が #StayHome のPSA(お手本)としても流しました。「Stay home and save lives.(おうちにいて,命を守りましょう。)」

(キュレーション:Jun Nishihara)

楽曲(19)対訳「Total Praise」(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より)

楽曲(19)「Total Praise」対訳
(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より。カニエ自身のアルバム『Jesus Is King』の対訳については,こちらをどうぞ。)

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[Refrain]
I lift my hands in total praise
Amen, amen
Amen, amen
Amen, amen
Amen (Hallelujah, the Lord Jesus)
Amen (Come on altos, sing your song)
Amen, amen
Amen, amen
Amen, amen
Amen, amen (Come on all the tenors, come on, sing your song to the king)
Amen, amen
Amen, amen
Amen, amen (This soul)
Amen, amen (My deliverance is soul, my healing is soul)
Amen, amen (Shall be done)
Amen, amen (Sing it to me, sing!)
Amen, amen
Amen, amen

(リフレイン)
完全なる賛美に,両手を挙げる
アーメン,アーメン
アーメン,アーメン
アーメン,アーメン
アーメン(ハレルーヤ,救い主ジーザスよ)
アーメン(カモン,アルトのみんな,歌ってくれ)
アーメン,アーメン
アーメン,アーメン
アーメン,アーメン
アーメン,アーメン(カモン,テナーのみんな,カモン,歌ってくれ,神のため)
アーメン,アーメン
アーメン,アーメン
アーメン,アーメン(このソウル)
アーメン,アーメン(ソウルに解放され,ソウルに癒される)
アーメン,アーメン(もたらされるでしょう)
アーメン,アーメン(歌ってくれ,歌ってくれ!)
アーメン,アーメン
アーメン,アーメン

(対訳:Jun Nishihara)

楽曲(18)対訳「Satan, We’re Gonna Tear Your Kingdom Down」(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より)

楽曲(18)「Satan, We’re Gonna Tear Your Kingdom Down」対訳
(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より。カニエ自身のアルバム『Jesus Is King』の対訳については,こちらをどうぞ。)

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[Verse 1]
Satan, we’re gonna tear your kingdom down (Ooh-ooh)
Oh, Lord (Satan, we’re gonna tear your kingdom down)
Oh, you’ve been (Building your kingdom)
All over (All over this land), and that’s all right
Satan, hey (Satan, we’re gonna tear your kingdom down), yeah

(ヴァース1)
サタンよ,おまえの王国を破壊してやる(ウゥ,ウゥ)
オゥ,神よ(サタン,おまえの王国を破壊してやる)
オゥ,おまえは(王国を作り上げようとしてきた)
そこら中に(この大地のそこら中に)それを悪いと言ってんじゃない
サタンよ,ヘイ(サタンよ,おまえの王国を破壊してやる)イヤー

[Verse 2]
The mothers are gonna pray your kingdom down (Ooh-ooh)
Any mothers out there, prayin’? I heard the mothers
Mothers are gonna pray your kingdom down (Pray your kingdom down)
Yeah, you’ve been (Building your kingdom), hey, all over
All over this land (And see, that’s alright)
‘Cause Satan, hey (Satan, we’re gonna tear your kingdom down) down

(ヴァース2)
すべての母はこう祈る,おまえの王国が崩れ落ちることを(ウゥ,ウゥ)
母たちよ,祈っているだろうか,母たちの祈りが聞こえる
母たちは祈る,おまえの王国が崩れ落ちることを(祈る,王国が崩れ落ちることを)
そうだ,おまえは(王国を作り上げようとしてきた)ヘイ,そこら中に
この大地のそこら中に(それは,悪いことじゃない)
だってサタンよ,ヘイ(サタンよ,おまえの王国を破壊してやる)してやる

[Verse 3]
One more thing I heard
See, I heard the preachers are gonna preach your kingdom down (Ooh-ooh)
Oh, Lord, the preachers
Preachers, they’re gonna preach your kingdom down (Oh, they’re gonna call the preachers)
Yeah, yeah, you’ve been (Building your kingdom), hey, yeah, ohh
All over this land (And, see, that’s all right)
Satan, yeah (Satan, we’re gonna tear your kingdom down)
We’re gonna tear it down, hmm

(ヴァース3)
もう一つ,聞こえた
そう,牧師たちの祈りが,おまえの王国が崩れ落ちるようにと(ウゥ,ウゥ)
オゥ,神よ,牧師たち
牧師たちは祈る,おまえの王国が崩れ落ちるようにと(オゥ,牧師たちを呼びたまえ)
イヤー,イヤー,おまえは(王国を作り上げようとしてきた)ヘイ,イヤー,オゥ
この大地のそこら中に(それは,悪いことじゃない)
サタンよ,イヤー(サタン,おまえの王国を破壊してやる)
破壊してやる,hmm

[Verse 4]
See Satan, we’re gonna tear your kingdom down (Ooh-ooh)
This is your last one, Satan
Satan (Satan, we’re gonna tear your kingdom down), we’re gonna, we’re gonna, yeah, yeah
You’ve been (Building your kingdom)
Yeah, yeah, all over (All over this land), hey, that’s alright, that’s alright
Satan, we’re gonna tear your kingdom down (Satan, tear your, we’re gonna tear it down, yeah, hey, yeah, yeah)

(ヴァース4)
さぁサタン,おまえの王国を破壊してやる(ウゥ,ウゥ)
これが最後だ,サタン
サタン(サタン,おまえの王国を破壊してやる),おまえの,おまえの,イヤー,イヤー
おまえは(王国を作り上げようとしてきた)
イヤー,イヤー,そこら中に(この大地の)ヘイ,それでいい,それでいい
サタンよ,おまえの王国を破壊してやる(サタン,おまえの,王国を破壊してやる,イヤー,ヘイ,イヤー,イヤー)

[Outro]
Satan, we’re gonna tear your kingdom down (Satan, we’re gonna tear it down, tear it down, tear it down, tear it down)
Satan, we’re gonna tear your kingdom down (Tear, hey, we’re not here to play with you, not here to play with you)
Satan, we’re gonna tear your kingdom down (Satan, tear your kingdom down, yeah, yeah)

(アウトロ)
サタンよ,おまえの王国を破壊してやる(サタンよ,破壊してやる,破壊してやる,破壊してやる,破壊してやる)
サタンよ,おまえの王国を破壊してやる(破壊,ヘイ,ふざけてるんじゃない,ふざけあいたいんじゃない)
サタンよ,おまえの王国を破壊してやる(サタン,おまえの王国を破壊してやる,イヤー,イヤー)

(対訳;Jun Nishihara)