NYの街角で、レオン・トーマスからひとこと

場所はNYマンハッタンの E 25th St. と 5th Ave. の街角で、タイラー・ウォルシュ(Tyler Walsh @twalsh)がレオン・トーマス(Leon Thomas)をインタビューした映像がありますので、そちらをご紹介します。

質問:どんな仕事やってますか?

レオン:僕はアーティストでシンガーソングライター。俳優もやってる。

質問:名前は?

レオン:レオン・トーマス。

質問:有名な曲は?

レオン:SZAの「Snooze」っていう曲をプロデュースした。その曲でグラミー賞も受賞した。

質問:いま制作中の曲は?次のリリース予定は?

レオン:自分の曲を出す予定。「MUTT」っていうシングル曲なんだ。チェックしてくれよ。
他のアーティストともコラボする予定だから、楽しみにしていてくれ。

質問:みんながキミの曲を聴くべき理由をひとつ挙げるとしたら?

レオン:僕は根っからのミュージシャン。曲中のメロディーは自分で楽器を演奏してプロデュースしてる。ナマの楽器を演奏するアーティストが好きなファンがいれば、ぜひ聴いてくれ。

質問:ファンに伝えたいメッセージは?

レオン:他人に何て言われようと、他人が決めた自分になるんじゃなくて、自分が決めたように生きること。自分の価値を自分で作り上げていくってとても大事。そうすれば他のことはだいたい流れるようにうまくいくようになる。

インタビュア:今日はありがとう。

レオン:こちらこそ、Yo、Thank you.

from @twalsh on YouTube

文責及び訳:Jun Nishihara

太陽が照る13ヶ月:Aminéのニューアルバム

5月24日(土)お昼正午頃、アミーネ(Aminé)が5月15日にリリースしたニューアルバム『13 Months of Sunshine』を聴く。1曲目は「New Flower!」いきなりフィーチャリングアーティストとして今ノリに乗ってるレオン・トーマス3世(Leon Thomas)を迎えた楽曲。新しい人生、新しい世界、新しい未来を迎える準備が整った2人が織り成す世界をこのアルバムで満喫。爽快な氣分にさせてくれるアルバム。2人の若さと軽さでまったく胃もたれしない。まさにこんなアルバムをいま求めていた。奥田民生がNHKの『鶴瓶の家族に乾杯』に出演した際、新潟の街を歩きながら、ずっと探していた「道具を作る道具」をようやく見つけた時に言っていた「まさに求めてたものってこれじゃない」の「これ」がまさにこのアルバムじゃない。13 Months of Sunshineってなぜ13ヶ月にしたのか気にならない?まず、この「Sunshine」をどう日本語に訳すかと考えた時に、まっさきに思いついたのは「日なた」という日本語だけれど、これって、またNHKネタですが、ルイ・アームストロングの「On the Sunny Side of the Street」が話題になったNHK連続テレビ小説『カムカムエブリバディ』で出た「Sunny」の訳語だった。1年だけじゃなくて、12ヶ月にプラスしてもう1ヶ月加えることによって、1年という一線を「越えた(抜けた)」感が伝わってくる。これから始まる新しいスタートを表現している。まさにNew Flower!の「New」がこの新しい年の「1ヶ月」とリンクする。そして新しい13ヶ月目の新しい年には、まずは「Be easier on yourself」(自分自身に)あんまり無理させんなよ、と、楽曲11で伝えてくれている。「Just give it time」時間掛ければいいよ、と。あ、大事なことを忘れてた。アミーネのルーツであるエチオピアの暦では1年が13ヶ月あり、エチオピアはまたの名を「13ヶ月の太陽(13 Months of Sunshine)」と呼ばれているんですね。13か月間太陽が照ってる国、それがアミーネのふるさとなのですわ。

ちなみに楽曲5「Cool About It」でfeat.されているLIDOはノルウェーのプロデューサーでチャンス・ザ・ラッパーのアルバム『Coloring Book』でも「Same Drugs」と「Angels」を手掛けた人。冒頭曲の「New Flower!」でアミーネが言ってる「In New York but I’m feeling Memphis / Bleek」のくだりは、今年イチのラインかもしれない。「今年イチのライン」の候補に入れときます。

さて、2曲ここに載せておきます。

まずは1曲目、楽曲7「Vacay」です。

そして2曲目、楽曲15の「Arc de Triomphe」です。

文責・キュレーター:Jun Nishihara

Hip-Hopの一つの回帰場所:2002年リリースの楽曲。

シカゴ出身のカニエ・ウェストによるプロダクション,ブルックリン出身のJAY-Zによるリード,フィラデルフィア出身のビーニー・シーゲルによるフィーチャリング,そして場所は深南部(Deep South)に飛んで,ヒューストン出身のスカーフェイス。ヒップホップ史なかなか多種性(diversity)に富んだラップ曲。こんな素晴らしい曲が2002年にリリースされていた,ことを憶えておいてほしいです。

電話の保留音(以下)が当時のNYイチカッケーラップになるとは誰も思っていなかった。

ベートーヴェン「エリーゼのために」をフリップしたNASの「I Can」である。

Mos Defの「Brown Sugar」。2002年が蘇ってきますか?

続いては,ブルックリンからマンハッタンダウンタウンの映像を細切れに集めたコラージュをミュージックビデオに昇華させたタリブ・クウェリの名曲「Get By」。“get by”とは「ありあわせのものでなんとかやっていく」という意味で,ゼータクなんてできねぇよ的なサヴァイヴァル・ミュージック。「just to get by」ってタリブがリピートしますよね?それ「なんとかやっていくだけで」っていう意味です。

そして,密かにHip-Hop史上原点回帰の楽曲「What We Do」。一つには,ワルやらなきゃ生きてけねえ時代を映し出した音楽。まさに「正しさ」とは逆のことをやって生きていた2002年。他方で,ハスリングという,ヒップホップ界で当時流行った金儲けのやり方も表現している。2002年という時代が俺らの心の中で永遠にすたれることのないように,この曲にそれらを閉じ込めてくれた,偉大なる曲。この曲を聴けば,2002年当時の精神(ワルやってた,その代わり勢いはめちゃめちゃあった生き様)に即,戻してくれる。

雰囲気は一変して,パーリーピーポー感のある映像を一つ。これも2002年。なつかしいですね。

次はブロンクスから。Fat Joe(ファット・ジョー)の登場。これも2002年。かなりなつかしいですね。

Fat Joeと同じく同郷ブロンクス出身のジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)がLL Cool Jとコラボレーションした曲。これも2002年リリース。流行りましたねえ。

ヒップホップ・ダンスに生涯を捧げているミッシー・エリオット(Missy Elliott)の「Gossip Folks」。これも2002年リリース。

続いて同じくミッシーから。「Work It」。これは当時,50セントのREMIXバージョンも世に出ました。

50セントといえば,当時ガチ流行った「In Da Club」以外に,なかなか素晴らしい曲を出しています。その一つが「21 Questions」。これは「In Da Club」の裏で流れていた曲。2002年を思い出しますね。

続きまして,ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)プロダクションのSnoop Dogg「Beautiful」。これも2002年リリース。当時私もNYに住んでいましたが,Hot97のヒップホップラジオで流れまくり。ハヤりました。ファレルは年取らないですね。いまも同じルックス。

まだまだ行けそうですが,今日はここら辺で。これくらい2002年リリース楽曲の数々を聴くと,いつでも即原点回帰が可能となります。人生に迷った時には,原点回帰することが重要。上記を聴いて,回帰してください。

最後に,2002年リリースのアルバム『The Blueprint 2: The Gift & The Curse』に収録された「All Around The World」の素人ドラムバージョンをお届けして終わりにします。

今日も当サイトにお越しいただき,ありがとうございます。過去のページも見ていってください。

(キュレーティング:Jun Nishihara)

コロナ禍「以前」のNYラップ。

コロナ禍「以前」のNYラップを載せておきます。コロナ禍前はこういう感じだったというフィーリングを憶えておくために。

まずはNYベテラン・ラッパー。ファボラス(Fabolous)の2019年11月リリースのミュージックビデオから。

続きまして,ハーレム・ラップの極み,ディップセット(ディッップセッ!!)の凄さを世に知らしめたゴテゴテのNYラップ,キャムロン(Cam’ron)。

上記キャムロン(aka キラ・キャム)の「Losing Weight 3」には勿論のこと,バージョン1とバージョン2がございまして,バージョン1に至っては2000年9月リリース。ちょうど20年前の今月ですね。ちゃんとその伝統を引き継いでいる。興味ある方はネットを探してみてください。ビートのサンプリングはTeddy Pendergrassの「Don’t Leave Me Out Along the Road」です。以下掲載しておきます。

ファボラス及びジェイダキスのタッグはNY以外の何物でもない。その贅沢なソウルフル・コラボレーションを以下でどうぞ。FabolousとJadakissがこう言ってます。「ほら,おまえも椅子持ってこい(Then, pull up a chair)」ってね。そこで一緒にsoul foodを頰張ろうじゃないか,と。

次は,クイーンズブリッジのプロジェクト・ビルディングで1973年9月に産声を挙げ,1994年,HIP-HOP史で最も重要なアルバム『Illmatic』を世に送り出したラッパー,NAS(ナズ)の登場。これもコロナ前。コロナになろうとならまいと,コロナ前から,生きることに伴う「生の苦闘」がNASの生声には漂っていた。

次はブルックリンのMARCY PROJECTS野郎,JAY-Z。又の名をホヴァ。ここでは多くを語らない。

コロナ禍以前にも関わらず,NYラップはどうしてここまでも哀しみを帯びた音楽であろうのだろう。全然パーリーピーポー感が感じられない。哀愁漂う楽曲の多さ。

週末HIP-HOP曲:YBN Cordae feat. Roddy Ricch – “Gifted”

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大坂なおみ選手の彼氏でも知られるYBNコーデー(Cordae)の新曲を以下のとおり掲載しておきます。今をときめくロディ・リッチ(Roddy Ricch)を迎えてのコーデー新曲です。曲名は「Gifted」,日本語では「天賦の才を授けられた」と訳されますが,giftedのニュアンスとして授けられているものは必ずしも「才能」とは限らず,日本で言う「縁」という場合もありますし「恩恵」という場合もあります。そういった「恵み」を見えないものから授けられたという語義がこの言葉に含まれているようです。

YBN Cordae feat. Roddy Ricch – “Gifted”

(キュレーティング:Jun Nishihara)

リック・ロス vs. 2チェインズ

8月6日に開催されたVerzus恒例バトル,今回はHIP-HOP界大御所=リック・ロス(Rick Ross)と現代のアトランタラップを代表するラッパー=2チェインズ(2 Chainz)のバトルでした。明らかにヒット曲の引き出しが次から次へとエンドレスに出てくるリック・ロス(Rick Ross)に真正面から挑もうとするだけ2チェインズの勇敢さに拍手・・・ですが,勝敗は明らかにリック・ロスでしょう。あまりにもこの2人のヒット曲の多さの違いが見て取れます。

リック・ロスといえば,あの曲もあればあの曲もあるという風に,芋づる式に出てきます。例えば,Jay-Zとの「Free Mason」,カニエとの「Devil In A New Dress」,リル・ウェインやDJ Khaled,そしてドレイクとの「I’m On One」,そして2010年代HIP-HOP界のクラシック(名曲)とされるドレイクとの「Aston Martin Music」,Jay-Zとの「YouKnowIGotIt」・・・リック・ロスと聞いて連想するヒット曲は以上のとおり,幾らでも出てきます。これでもまだ,リック・ロス履歴の代表作である初期の作品「Hustlin’」や「B.M.F.」を数えずに,これだけ出てきます。圧倒的に,2チェインズにとってはちょっとレベルの差がありすぎて公平さに欠ける勝負となってしまったので,2チェインズも途中で言いますが,「Y’all gonna keep bullying us the whole time or what!!(こりゃ参った!今日の俺はイジメられ役だな)」と。

リック・ロス vs. 2チェインズ

(キュレーティング:Jun Nishihara)

UKの黒人音楽シーン(UKシリーズ:その⑤)

UK生まれのHip-Hop楽曲を以下にキュレートしておきます。

1. 1993年生まれのロンドン出身黒人女子ラッパー=ナディア・ローズ(Nadia Rose)。同郷出身の黒人ラッパー=ストームジー(Stormzy)の従姉妹です。

2. 1993生まれのロンドン出身黒人男性ラッパー=ストームジー(Stormzy)。もう今となっては英国出身のカオともなっておりますが(ドレイクにfeat.された後は特に),有名になる以前は暫くの間,英国アンダーグラウンドラッパーとして名を馳せておりました。

彼がアングラ・コミュニティに受け入れられるキッカケとなった,Wicked Skengmanフリースタイル・シリーズを以下掲載いたします。英国の「声」を聴いてみてください。

3. ミズ・ダイナマイト(Ms. Dynamite),1981年生まれロンドン出身。デビューはなんと2002年!デビューアルバム『A Little Deeper』はこれまで約50万枚を売り上げ,シングル曲「Dy-Na-Mi-Tee」は英国R&Bチャート第2位にランクイン。

4. カノ(Kano),若き英国ラッパー。アメリカではハードコア・ラップというジャンルが昔ありましたが,そんなものはUKにはそぐわない。UKでは,グライム・ラップ(Grime Rap)と呼びます。それが彼が名を馳せるキッカケをくれたものなのです。レペゼンはどこまでもイングランド。

5. デイヴ(Dave),1998年生まれ,ロンドンはブリックストン出身。ナイジェリア出身の両親のもとに生まれた3人兄弟の末っ子です。デビューアルバム『Psychodrama』は英国ヴァイナル・ファクトリーが選ぶ「2019年に出た最も素晴らしい50枚のアルバム」のなんと第1位に選ばれます。

その『Psychodrama』から収録楽曲「Black」を掲載いたします。

デイヴ(Dave)は2019年11月,米NPR局の“Tiny Desk Concert”にも登場しました。

(文責及びキュレーション:Jun Nishihara)

UKの若手黒人音楽シーン(UKシリーズ:その④)

英国UKの黒人音楽シリーズその④として,本日は,UK出身の若手黒人アーティストの楽曲を幾つかお届けします。

まずは1人目,英国はノッティンガム生まれの32歳。NAO(ナオ)です。ノッティンガムは人口27万人越えの学生の街として知られますが,子供の頃にイースト・ロンドンに引越し,学生の街生まれで大都会育ちの女子として育っていきます。

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(photo credit: The Fader)

デビューは2016年,アルバム『For All We Know』を発表し,UKのR&Bチャートで第5位を獲得。セカンド・アルバムは『Saturn』を2018年にリリースし,UKのR&Bチャートで第2位を獲得します。

その『Saturn』からシングル曲「Make It Out Alive」を下記掲載いたします。

2人目は,FKAツイッグス(FKA Twigs),17歳の頃,サウスロンドンという大都会に引越し,バックアップダンサーとして暫く名を馳せます。24歳で歌手デビューを果たし『EP1』をリリース。米ダンス・ミュージックとして第11位にランクイン。EP盤にも関わらず,好成績を挙げます。

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(photo credit: Glamour)

2014年にアルバム『LP1』をリリースし,あらゆるメディアから絶大の高評価を得ます。同アルバムに収録された「Two Weeks」を以下掲載いたします。

続きまして,3人目はロンドン出身のアーティスト,ドーニック(Dornik)です。ドーニックは元はラッパーのゴーストライターとして働いておりました。しかし2015年,ついに自身のために歌詞を書き,アルバムDornik』をリリースします。裏の人間から,オモテに出てきた瞬間です。

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そのドーニック(Dornik)から楽曲「Retail Therapy」を以下掲載いたします。

おまけにもう1曲,英国生まれのソウルフル!な楽曲「God Knows」です。

4人目は,セレステ(Celeste)。生まれは米国カリフォルニアですが,3歳の頃,ロンドン東部のダゲナム地区(Dagenham)に引越します。イギリス人の母親とジャマイカ人の父親を持ち,アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)やエラ・フィツジェラルド(Ella Fitzgerald)の音楽に影響を受けます。

そのセレステから「I Can See The Change」をお届けします。

最後5人目は,マイケル・キワヌカ(Michael Kiwanuka),ロンドン出身のシンガー・ソングライターです。2012年にデビューを果たしアルバム『Home Again』をリリース。セカンド・アルバム『Love & Hate』は米GQ雑誌が選ぶ「2016年に出たベスト10枚のアルバム」の第7位に選ばれます。

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アルバム『Love & Hate』から楽曲「Black Man In A White World」を掲載いたします。

(文責及びキュレーション:Jun Nishihara)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲⑧「Fruits Of The Spirit」からジャスト・ブレイズまで。

この曲を再生(play)すると,まずビートに反応します。2000年代初期の頃にすでにラップをヘヴィに聴いてきたヒップホップ・ヘッズ(Hip-Hop Heads)にとっては,感慨深いものがあるでしょう。なんといったって,ジャスト・ブレイズ(Just Blaze)のビートをサンプリングしているのですからね。

聴き比べて見てください。まずは,ジェイ・エレクトロニカの当曲「Fruits Of The Spirit」です。

そして,このビートの元ネタとなったビート・プロデューサーの鬼才=Just Blaze先生のビートを聴いてみぃ。

ここまでソウルフルなビートネタ使いをできるのは,ジャスト・ブレイズ先生以外にいる?!?・・・あ,カニエがいたな。しかしながら,ジャスト・ブレイズ(「ジャス・ブレェェェィィィィィィィイズ!」)とカニエ・ウェストのネタづかいは,ちと違うんですねえ。

そっくりなんですけどね。

でも違うんですね。

例えばですよ,ジャスト・ブレイズ(Just Blaze)先生のビート・プロデュースの曲として,これを聴いてみて下さい。

The Diplomats – “I Really Mean It”(ビート・プロデューサーは produced by ジャスト・ブレイズ)

続きまして,こちらもジャスト・ブレイズ作。

Memphis Bleek – “Intro (U Know Bleek)”(produced by ジャスト・ブレイズ)

だんだん,感じてきました?ソウルネタも入れているのに,ドラムビートがぶっ飛んでます。

JAY-Z – “PSA (Public Service Announcement)”(produced by ジャスト・ブレイズ)

続けましょう。
次の曲は,メンフィス・ブリークのセカンド・アルバムから。

Memphis Bleek – 曲名が“Just Blaze, Bleek & Free”と3名の名前を並べた曲名。シック!(produced by ジャスト・ブレイズ)

続きまして。
ジャスト・ブレイズの弟子,と言っても,ビートメイカーの弟子ではなく,ラッパーとしての弟子。サイゴン(Saigon),覚えてます? 2011年に遅咲きでデビューして,アルバム『The Greatest Story Never Told』をリリースしたアイツ。レペゼンはニューヨーク市はブルックリン。少なくとも,ビートはキレッキレ!

Saigon – “The Greatest Story Never Told”(produced by ジャスト・ブレイズ)

それから,こういう曲もありました。
アッシャー(Usher)の名曲「Throwback」のビートを制作したのもジャスト・ブレイズ。

ヴォーカル無しで,ビートのみで聴いてみましょう。

最後に,XVっていうラッパー知ってますか?カンザス州出身のラッパーです。カンザス州と言えば『オズの魔法使い』の舞台となった場所で有名ですが,あんな田舎からラッパーが出てくるのか?と言わんばかりにあなた,今,思っていますよね?(笑)出てきたんです。

そのXVが自分の生まれ故郷であるカンザス州ウィチタ(Wichita)にオマージュを捧げた曲として,同名のタイトルで曲を作りました。ビートはもちろん,ジャスト・ブレイズ。

XV – “Wichita”(produced by ジャスト・ブレイズ)

このクラシック・ソウルミュージックをネタに回し,ヒップホップ曲に仕上げるというワザは,ジャスト・ブレイズの特権と言ってもいいほど,この人,廻しまくってます。まず,ジャスト・ブレイズがいて,その後にカニエ・ウェストがそのワザで名を馳せ始めてきました。

上記「ウィチタ」の曲は,ジャスト・ブレイズの典型的なソウル・ネタ回しだと思います。やっぱりカニエとは違いますよね。これはカニエではない,ジャスト・ブレイズだ,っていうのが分かる。

すいません,最後とか言っといて,もう1曲いいですか?ジャスト・ブレイズ制作のビート。

ドレイク(Drake)のセカンド・アルバムから。この曲,Drake – “Lord Knows”(produced by ジャスト・ブレイズ)です。

本日は,ジャスト・ブレイズ(Just Blaze)制作の楽曲を聴きまくりましたので,次回はカニエ・ウェスト(Kanye West)が他のアーティストに提供した楽曲を幾つか聴いてみましょう。

(文責&キュレーション:Jun Nishihara)

黒人若手女子アーティスト2名(米公共ラジオ局(NPR)主宰“Tiny Desk Concert”で取り上げられた黒人女子シンガー抜粋(その②))

本日ご紹介する2名のシンガー/ラッパーは,現代音楽界に於ける,とても特別なお二人です。

ひとりめは,当サイトでも以前取り上げました。
公式デビューアルバムを本年3月にリリースしたチカ(CHIKA)です。
(「第4位:大ブレイク寸前,漆黒の女子ラッパー=オラニカ又の名をCHIKA「トランプ大統領への手紙」(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)」)

ついに,チカも米公共ラジオ局(NPR)の「Tiny Desk Concert」に登場するようになりました。
以下の演奏と彼女の饒舌ぶり(間奏中の,おしゃべり達者!)をご堪能下さい。

前回,当サイトで彼女を取り上げた際には彼女が公式デビューアルバム『Industry Games』をリリースする前でしたので,彼女のフリースタイル映像をメインにご紹介いたしました。

最近はもう有名になってきておりますので,米国現代の若者文化(スローガンは“The Culture of Now”)を代表するウェブサイトUPROXXに於いて,“Rising Hip-Hop Star”(人気上昇中のヒップホップスター)として取り上げられたこともあり,その洗練されたミニセッション映像をお送りいたします。

チカのシングル曲「No Squares」も掲載しておきます。

ちなみにヒップホップを聴いている方なら誰でも知っている(べき)元Queen of Hip-Hopといえばローリン・ヒル(Lauryn Hill)ですが,彼女のメジャーヒットシングル曲「Doo Wop (That Thing)」のビートに乗っけたチカ(CHIKA)のフリースタイルがありますので,掲載しておきます。これは2017年の映像です。もう3年前!

もうひとつ,チカのフリースタイルを。これも3年前の映像です。キレッキレのフリースタイルです。韻を全くハズさない!脚韻だけでも注意して聴いてみてください。脚韻というのは各ラインの終わりのフレーズで踏む韻です。

続きまして,ふたりめはNoname(ノーネーム)です。本名ファティマ・ワーナー。当サイトでも以前,こちらで取り上げました

彼女の以下“Tiny Desk Concert”での模様は,大好きな動画の一つで,これを観て朝元気になって仕事に行くということもありました。

Nonameはシカゴ出身。シカゴはカニエ・ウェストやコモン,ルーペ・フィアスコなど,ソウルフルなラッパーを数々輩出してきた大都市です。そこにこの特別な星(スター)をわれわれファンに授けてくれるなんて,なんてありがたいことか。

Nonameのように,ラップが詩的な人,って最近はめずらしくなってきています。とくに20代のアーティストではそうです。とっても貴重なアーティストなのですよ,ノーネームは。

そんな特別な存在であるNonameのライヴが51分間堪能できる映像がありますので(YouTube, thank you!)掲載しておきます。

あまりにも有名なシングル曲「Diddy Bop」のサビでNonameは歌います。

Watching my happy block my whole neighborhood hit the diddy bop
(ハッピーな近所の隣人たちが,みんなでディディ・ボップのダンスを踊る)

この1行を聴いた時,聴いた人の頭の中では,「幸せそうな隣人たち」のイメージが浮かんだかと思いきや,その後瞬間的に,イメージは「ディディ・ボップを踊る黒人」に切り替わります。

「幸せそうな隣人たち」といういかにもゆったりした時間かと思いきや,次に飛び込んでくる映像は「ディディ・ボップ」ですからね。もう,たまんないです。

同曲から,もう少し歌詞を引用してみます。

Stop overreacting, it’s past my curfew I’m out after 6
Happily making my accident
Mama gon’ whoop on my ass again
Pray that I’m making my way before 8 and I might have to sneak in the back again

(対訳)
過剰に反応しないで,門限はとっくに過ぎてる,夕方6時を回ってる
嬉しさあまりにアクシデント起こす
ママにまたお尻ぺんぺんされるわよ
祈ってる,午後8時前までには帰宅できること,また家の裏口からこっそり入ろうかしら

なんて素朴な歌詞!
Rauryというノーネーム仲間のヴァースです。

まぁ,これがノーネーム(Noname)なのです。まったく飾らない,素朴な歌詞を曲にするのです。

そして冒頭のチカ(CHIKA)とは対照的で,ノーネームには脚韻はあまり関係ないのです。その分,ラップにキレ感は無いのですが,しかしながら,脚韻なんて踏まなくても,すでに詩的になっている。

もう一丁,歌詞,行ってみましょう。

B2K in the stereo, we juke in the back seat
Or juke in the basement, in love with my KSWISS’s
This feel like jumping in a pool and I’m knowing I can’t swim
Ooh, you about to get your ass beat
For stealing that twenty dollars like “baby, just ask me”

(対訳)
ステレオで流れるB2Kの歌,後部座席でバカ暴れするアタシたち
お気に入りのKSWISSのスニーカー履いて,家の地下でバカ暴れ
まるで気分は,プールに飛び込んで,アタシ,泳げないんだけどね
ウゥゥ,あんた,ママにお尻蹴飛ばされるわよ
20ドル札ドロボーしたでしょ「ベイビー,いつでも言って」って

良いですねえ。

歌詞中の「B2K」っていうのは2000年代前半に流行った黒人のボーイバンドです。↓これです。

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2行目の「KSWISS」っていうのは,これも2000年代前半に流行ったスニーカーです。懐かしいですね。今でも売れていますよ。

で,そのKSWISSを履いて,家の地下で踊りまくるっていうイメージです。まず,KSWISSで1ポイント。それに加えて,アメリカの家はよく地下に部屋がありますよね。郊外の中流階級の家庭では地下の部屋にpool table(ビリヤード台)を置いて,ちょっとした遊びの場所にするっていう。で,もちろんアメリカの家は靴を履いたまま家の中に入りますから,KSWISSを履いて踊るという映像。そういったアメリカの素敵なイメージを思い浮かばせといて,その後に「you ’bout to get your ass beat」というフレーズを繰り出す。まったりした白人の日常かと思いきや,リスナーが安心した瞬間に上記のようなフレーズを繰り出して「アタシは黒人よ!」というアイデンティティの表出を成功させます。

その素敵なシングル曲「Diddy Bop」を掲載して,本日終わりにします。

(対訳,文責及びキュレーション:Jun Nishihara)