
カニエ・ウェスト(Kanye West)率いるサンデー・サービス聖歌隊(Sunday Service Choir)のアルバム『Jesus Is Born』:全曲対訳
楽曲12「That’s How The Good Lord Works」
楽曲18「Satan, We’re Gonna Tear Your Kingdom Down」
(対訳:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト(Kanye West)率いるサンデー・サービス聖歌隊(Sunday Service Choir)のアルバム『Jesus Is Born』:全曲対訳
楽曲12「That’s How The Good Lord Works」
楽曲18「Satan, We’re Gonna Tear Your Kingdom Down」
(対訳:Jun Nishihara)
先日,ここ(カニエ・ウェスト,遂にオペラ開催予告!)で記載いたしましたとおり予定通りカニエ・ウェストとその仲間たち,いや,今回は「その仲間たち=Sunday Service クワイヤメンバーたち」が主役で,ニューアルバム『Jesus Is Born』がクリスマスにリリースされました。
リリース日は,クリスマス,つまり.イエス・キリスト(Jesus Christ)が誕生したとされる12月25日。アルバムタイトルは今年10月25日にリリースされた『Jesus Is King』ではなく,『Jesus Is Born』。その内容は,クワイヤ(=教会のゴスペルメンバー;聖歌隊)がカニエ・プロデュースによる「賛美歌」を歌うというもの。ソウルフルな楽曲を聴いて,気分を上げるにはもってこいのアルバム。ゴスペルだからって日曜日の朝にかぎらずとも,平日の朝でも気分は「BLESSED!」,恵まれた気分。
聴くだけで,御利益ありそうな,縁起の良いアルバムです。
以下はアルバムジャケです。

後日,当サイトで対訳の掲載を始めていきます。
(文責:Jun Nishihara)
楽曲⑦「Water」feat.アント・クレマンス 対訳

[Intro: Kanye West]
Well, right
So, so well
Well, right
So, so
High as the sun come out
Plannin’
Bootin’
Plannin’
Movin’
Plannin’
Tubin’, there
Well, well
(イントロ:カニエ・ウェスト)
そうだ,いいね
そう,そう,いいね
そうだ,いいね
そう,そう
太陽が昇るほど高く
もくろみ
けりあげ
もくろみ
ゆれて
もくろみ
パイプになり,そこで
そうだ,そうさ
[Chorus: Ant Clemons]
Clean us like the rain in spring
Take the chlorine out our conversation
Let Your light reflect on me
I promise I’m not hiding anything
It’s water
We are water
Pure as water
Like a newborn daughter
(サビ:アント・クレマンス)
春に降る雨のようにぼくらを清めてくれる
ぼくらの会話から塩素を取り除いてくれる
あなたの御光で,ぼくを包んでほしい
誓うよ,ありのままをみせてあげる
それは水
ぼくらはみんな水
水のように純粋で
産まれたばかりの娘のように
[Verse 1: Ant Clemons]
The storm may come
But we’ll get through it because of Your love
Either way, we crash like water
Your love’s water
Pure as water
We are water
(ヴァース1:アント・クレマンス)
嵐が来ても
乗り越えられる,あなたの愛によって
いずれにしても,水のように打ち砕かれる
あなたの愛は水のよう
水のように純粋で
ぼくらはみんな水
[Verse 2: Kanye West]
Jesus, flow through us
Jesus, heal the bruises
Jesus, clean the music
Jesus, please use us
Jesus, please help
Jesus, please heal
Jesus, please forgive
Jesus, please reveal
Jesus, give us strength
Jesus, make us well
Jesus, help us live
Jesus, give us wealth
Jesus is our safe
Jesus is our rock
Jesus, give us grace
Jesus, keep us safe
(ヴァース2:カニエ・ウェスト)
イエス,ぼくらの中を通り抜け
イエス,傷跡を癒してくれる
イエス,音楽を清めてくれる
イエス,ぼくらを使ってください
イエス,救ってください
イエス,癒してください
イエス,許してください
イエス,さらけ出してください
イエス,力をください
イエス,健康にしてください
イエス,生かしてください
イエス,豊かにしてください
イエスはわれらの救い
イエスはわれらのいしずえ
イエス,優雅さを与えてください
イエス,われらを守ってください
[Chorus: Ant Clemons]
Clean us like the rain in spring
Take the chlorine out our conversation
Let Your light reflect on me
I promise I’m not hiding anything
It’s water
We are water
Pure as water
Like a newborn daughter
(サビ:アント・クレマンス)
春に降る雨のようにぼくらを清めてくれる
ぼくらの会話から塩素を取り除いてくれる
あなたの御光で,ぼくを包んでほしい
誓うよ,ありのままをみせてあげる
それは水
ぼくらはみんな水
水のように純粋で
産まれたばかりの娘のように
[Outro: Kanye West]
We like water, mmh
We like water
Well, right
So, so well
Well, right
So, so
High as the sun come out
Plannin’
Bootin’
Plannin’
Movin’
Plannin’
Tubin’, there
Well, well
(アウトロ:カニエ・ウェスト)
ぼくらは水のように,うん
水が好き
そうだ,いいね
そうさ,そうなのさ
そうだ,いいね
そう,そう
太陽が昇るほど高く
もくろみ
けりあげ
もくろみ
ゆれて
もくろみ
パイプになり,そこで
そうだ,そうさ
(対訳:Jun Nishihara)
楽曲③「Follow God」対訳

[Intro]
Father, I stretch
Stretch my hands to you
(イントロ)
神よ,私は伸ばす
両手をあなたのもとに
[Verse]
Lifelike, this is what your life like, try to live your life right
People really know you, push your buttons like type write
This is like a movie, but it’s really very lifelike
Every single night, right, every single fight, right?
I was looking at the ‘Gram and I don’t even like likes
I was screamin’ at my Dad, he told me, “It ain’t Christ-like”
I was screamin’ at the referee just like Mike
Lookin’ for a bright light, Sigel, what your life like
(ヴァース)
生き写し,これがあんたの生き様,じぶんの人生,ちゃんと生きんだぜ
世間に見られる人生,いちいちバチバチ撮られて,書かれる人生
まるで映画だろ,だがな,ほんとのところは,生身の人間の人生
かかさず毎晩,そうだろ,かかさず毎対戦,だってそうだろ?
こないだインスタ見てた,もはや「いいね」が良くねえんだ
パパに怒鳴り声挙げてた,こう言われた「キリストらしくねえな」
レフリーに怒鳴り声挙げてた,まるでマイク・タイソンだろ
まばゆいスポットライトを求めてた,シーゲル※(註),どんな生き様してんだ
※(註):ビーニー・シーゲルのデビューアルバム収録の楽曲「What Your Life Like」言及
Riding on a white bike, feeling like excite bike (Stretch my hands to you)
Pressin’ on the gas, supernova for a night light
Screamin’ at my dad and he told me, “It ain’t Christ-like”
But nobody never tell you when you’re being like Christ
Only ever seein’ me only when they needin’ me
Like if Tyler Perry made a movie for BET
Searchin’ for a deity, now you wanna see it free
Now you wanna see if we, let’s just see if three a piece
Tell me what your life like, turn it down, a bright light
白いバイクに乗り,気分はエキサイトバイク(あなたに両手を伸ばす)
アクセルを踏んづけ,夜空にまばゆく輝く超新星
パパに怒鳴り声挙げてた,こう言われた「キリストらしくねえな」
だがキリストらしくやった時には,誰にも「キリストらしい」なんて言われねえ
必要なときにしか神と話そうと思わない
タイラー・ペリーがBETネットワークで映画を撮るように
神の存在をさがしてる,カネも払わず見つけようとしている
次は俺らがやってけるかどうか,それを試そうとしてる
どんな生き様してんだ,ライトを落とせ,まばゆいライト
Drivin’ with my dad, and he told me, “It ain’t Christ-like” (Stretch my hands to you)
I’m just tryna find, l’ve been lookin’ for a new way
I’m just really tryin’ not to really do the fool way
I don’t have a cool way, bein’ on my best, though
Block ’em on the text though, nothin’ else next though
Not another word, letter, picture, or a decimal (Father, I stretch)
Wrestlin’ with God, I don’t really want to wrestle
Man, it’s really lifelike, everything in my life (Stretch my hands to you)
Arguing with my dad, and he said, “It ain’t Christ-like”
パパとドライブしてた,こう言われた「キリストらしくねえな」(あなたに両手を伸ばす)
みっけようとしてる,新しいやり方を探してる
馬鹿な目だけには合いたくない,どうしてもそれだけは避けようとしてる
クールにはなれねえかもしれねえ,でもベストは尽くしてる
SMSでブロックして,後のことなんて何も考えず
もうたくさんだ,言葉,レター,写真,そして小数点(神よ,伸ばす)
神との格闘,もう格闘はしたくない
メーン,これが生き様だ,これが俺の人生だ(両手をあなたに伸ばす)
パパと口喧嘩して,こう言われた「キリストらしくねえな」
[Outro]
Man
You know, it’s like
Somebody only close who can get you, like, off your
I be on my
I woke up this morning, I said my prayers
I’m all good, then I tried to talk to my dad (Stretch my hands to you)
Give him some advice, he starts spazzin’ on me
I start spazzin’ back, He said “That ain’t Christ-like”
I said, “Aaah”
(アウトロ)
メーン
そういうもんだろ
身近でいる人しか,ほんとのあんたのことを
そういう気になんだ
今朝,起きて,祈りを捧げた
爽快な気分だった,で,パパに話そうとした(神よ,両手をあなに伸ばす)
俺なりのアドバイスをしてあげた,すると逆キレされた
じゃあ俺もキレるよ,こう言われた「キリストらしくねえな」
こう返した「アァァー!」
(対訳:Jun Nishihara)
当サイトでは,カニエ・ウェストが今年初旬から日曜のミサならぬソウル・ミュージックのミニコンサートを毎週日曜日に休まず開催し始めてから,そのつどアップデートして参りました。
本日は9月22日(日)にワイオミングで撮影された,カニエ・ウェストのSunday Serviceの模様を掲載いたします。カニエの前出アルバム『Ye』のレコーディングもワイオミング州のスタジオでレコーディングされ,そしてアルバムジャケに映された山もワイオミング州に連なる山脈,グランド・ティトン山脈を撮影したものでした。

(カニエ・ウェストが自身のiPhoneで撮ったグランド・ティトン山脈の一部を自身のアルバム『Ye』のジャケにしました。グランド・ティトンに雪が積もると,上記のようになります。)
さて,カニエ・ウェストはワイオミングといろいろな意味で縁があるのですが,このたび今週の“Sunday Service”をそのワイオミングで撮影することになりました。
(文責:Jun Nishihara)
カニエ・ウェスト軍団が毎週日曜日に開催する“Sunday Service”(日曜のミサ)ゴスペルを今年初の日曜日から欠かさずアップしてきました。カニエ・ウェストのこのサンデー・サーヴィスは初回分からかなりの盛り上がりを見せてきましたが,ここへ来て,アメリカ全土の主要都市を回り始めております。今までは,主にカリフォルニア州カラバサス(カニエの豪邸近隣)で実施されてきましたが,カラバサス市を飛び出します。ついに8日,15日にはカリフォルニア州さえも出ます。
9月1日(日):カリフォルニア州ワッツ市(歴史的黒人コミュニティが集まる市街)
9月8日(日):カニエの生まれ故郷であるイリノイ州シカゴ市
9月15日(日):ジョージア州アトランタ市(←これまでのSunday Serviceとは,確実に異なっております。ミニコンサートと呼んでもよいほど,本格的になってきました。この観客(audience)の数はこれまでとは確実に違います。4月のイースター祭の日に開かれた特別な“Kanye West’s Easter Sunday Service”を除いては。)
※特に下記映像0:44秒から始まる観客側にいる複数メンバーが同時に揺れる映像は,これはこのブログで今までも何度も買いてきましたが,これこそが「奴隷時代を経た先祖の血が入った黒人にしかできないリズム感とともに“体のうねり”」ですね。しかも一人でやっているのではなく,一人一人各人のうねりが合わさって,映像2:41からの爆発力ある黒人の女性も含めたバワーとエネルギーは物凄いものです。これに近いものをこの人たちは毎週日曜日にやってきているのですから,この継続するエネルギーもすぐれています。何度も何度もこれでもかと突き続ける,といいますか,揺れ続けるエネルギーは圧巻です。そしてその上にさらに声!メンバーの中には白人もちらっといますが,この黒人の揺れに付いていけるでしょうか。たとえば下記映像7:28の箇所で,まわりの黒人は揺れていますが,真ん中にポツンと映る白人は静止していたり。これはもう体の作りというか,魂の熱(=体温)の違いであるから,もうしょーがない!黒人が揺れていて,白人が揺れていないなんて,もうこの子は責められない。「揺れる」はもうこのブログのキーワードでもあります。下記映像17:29からはウケのいい曲「Father Stretch My Hands」も鳴り始めます。映像タイムライン18:16からの黒人たちの「揺れ」もまことに見事です。映像タイムライン20:45からの黒人の手拍子(clapping)と揺れも,まさにこの映像の真骨頂です。
(文責:Jun Nishihara)

(以下歌詞でヨセフとマリアの話が出てきますが,マリアを孕ませたのはヨセフで,お腹の中にはイエス・キリストが宿ります(新約聖書マタイによる福音書1章18~25節より)。つまり,カニエが言うとおり,「もしもマリアがあの夜,ヒップホップクラブなんかに行ったりしていて,イケメンの男に囲まれて,ナンパなんかされていれば,どうなっていたことだろう」と。その後に,カニエは歌詞中で,自身の子ども=ノースとセイントの言及をしますが,これは,マリアがヒップホップクラブで出会ったのはカニエだったと仮定してのことだとも解釈できます。マリアとカニエが出会って,ノースとセイントが産まれたのだと。
上記の歴史的絵画は,巨匠ラファエロ・サンティによるものです。題名は『システィーナの聖母(原題:Sistine Madonna)』です。中央では聖母マリアが幼児キリストを抱えています。つまりこれはキリストが産まれた後(クリスマスの後)の絵ですが,この子をノースやセイントに重ねているのが以下カニエの歌詞の後半です。)
Kanye West feat. Sia & Vic Mensa – “Wolves” (Verse 3)
カニエ・ウェスト feat. シーア&ヴィック・メンサ 「ウルヴス」(ヴァース3対訳)
[Verse 3: Kanye West]
You gotta let me know if I could be your Joseph
Only tell you real shit, that’s the tea, no sip
Don’t trip, don’t trip, that pussy slippery, no whip
We ain’t trippin’ on shit, we just sippin’ on this
Just forget the whole shit, we could laugh about nothin’
I impregnate your mind, let’s have a baby without fuckin’, yo
I know it’s corny bitches you wish you could unfollow
I know it’s corny niggas you wish you could unswallow
I know it’s corny bitches you wish you could unfollow
I know it’s corny niggas you wish you could unswallow
I know it’s corny bitches you wish you could unfollow
I know it’s corny niggas you wish you could unswallow
You tried to play nice, everybody just took advantage
You left your fridge open, somebody just took a sandwich
I said baby what if you was clubbin’
Thuggin’, hustlin’ before you met your husband?
Then I said, “What if Mary was in the club
‘Fore she met Joseph around hella thugs?
Cover Nori in lambs’ wool
We surrounded by the fuckin’ wolves”
(What if Mary) “What if Mary
(Was in the club) was in the club
‘Fore she met Joseph with no love?
Cover Saint in lambs’ wool
(And she was) We surrounded by
(Surrounded by) the fuckin’ wolves”(ヴァース3:カニエ・ウェスト)
教えてや,キミのヨセフにならせてや
リアルしか話さねえ,紅茶は啜らねえ
あわてんな,あわてんな,あの女のアソコは濡れてんぜ,かき混ぜんな
イカれてんじゃねえ,ゆっくり堪能してんのや
なにもかも忘れて,くだらないことで大笑いして
キミの脳ミソを孕んでやる,セックスやらずに赤ちゃん産ませてヨゥ
ダッセェ女どもをフォローから外したがってるって,知ってんだぜ
ダッセェ男どものザーメンは飲み込みたくないって,知ってんだぜ
ダッセェ女どもをフォローから外したがってるって,知ってんだぜ
ダッセェ男どものザーメンは飲み込みたくないって,知ってんだぜ
ダッセェ女どもをフォローから外したがってるって,知ってんだぜ
ダッセェ男どものザーメンは飲み込みたくないって,知ってんだぜ
「いい人」ぶってると,まわりから「いいように」使われちまうぜ
冷蔵庫を開けっ放しにしてると,誰かが君のサンドイッチを食っちまうぜ
俺は彼女にこう訊いた,「ねぇベイビー,君だって今のダンナに会う前は,
クラブ行ったりなんかして,可愛くキメて,男を逆ナンしたりしてたんでしょ」
そしてこうも言った,「もしもマリアがヨセフに会う前に
クラブ行ったりなんかして,男ばっかりに囲まれていたら,どうなっていただろう」
ノリちゃん(ノース)を羊毛でまとってあげて
俺らはオオカミ連中に囲まれる
(もしもマリアが)もしもマリアが
(クラブ行ったりして)クラブ行ったりして
ヨセフに会ったとしても,愛していなかったら
セイントを羊毛でまとってあげて
(するとあたりは)あたりは
(寄ってきた)どう猛な,オオカミだらけ
(文責及び対訳:Jun Nishihara)
本年2019年の最初の日曜日(Sunday)から始動したカニエ・ウェストの“Sunday Service”は,はやくも現在20週目を迎えることとなりました。
今年初めての日曜日は1月6日にあたりますが,その日から日曜日は1日たりとも休まず,カニエ・ウェストとその仲間たち(名付けてカニエ軍団)は“Sunday Service”を開催してまいりました。
本日はその20週目(5月19日)と21週目(5月26日)を以下にて記録しておきます。
20週目(5月19日開催):この回では奇抜なミュージックビデオとミステリアスな存在感で知られるシンガー=Sia(シーア)が登場します。彼女のヒット曲「Elastic Heart」をミサのゴスペル・クワイア(聖歌隊)と合唱します。
キム・カーダシアンのツイッターでも以下のとおり掲載されております。
21週目(5月26日開催):この回ではついに,こどもたちの合唱まで聴くことができます。こども達の合唱を聞いているのもいいのですが,この動画のほんとうに重要なポイントは,タイムライン01:02から始まります。(ビデオはもう少し下のほうに掲載しております。)タイムライン01:02から始まる曲では,次第に手拍子(clappings)が始まるのが分かります。黒人音楽の歴史において,リズム感抜群の「手拍子」はとても重要な意味をもっております。手拍子は黒人が奴隷として重労働を強いられていた1900年代初期,手拍子でリズムをとって,重労働のつらさを幾分か和らげておりました。以下は,ウェルズ恵子先生の『魂をゆさぶる歌に出会うーアメリカ黒人文化のルーツへ』より抜粋します。
歌は,身体を使うどんな仕事のときも,働き手に力をくれました。リズムをとってみなが力を合わせた方が大きい力が出ますし,単純作業のときは歌いながらの方が飽きずに仕事がはかどります。帆船の船乗りは帆を揚げるときや錨を巻き上げるときに歌いましたし,農民が固い地面を耕したり,鉄道工夫が岩山をうがってトンネルを掘ったり,鉱山の坑夫が鉱石にハンマーを当てて砕くときなども,黒人たちは「はっ!」というかけ声を入れた歌をうたって力を合わせました。
(中略)
人間の筋力で固い地面を耕したり,鉱脈や石炭をハンマーとたがねで切り崩したりしていた時代,男たちは集団で歌のリズムにあわせて働きました。鉄の道具を振り上げるまでに息を吸ってひと呼吸,振り下ろすときに息を吐いてひと呼吸。テンポの速い曲も遅い曲もありますが,歌詞は呼吸と動作の速度にあわせて選ばれています。
−ウェルズ恵子・著『魂をゆさぶる歌に出会う(アメリカ黒人文化のルーツへ)』より︎
このように黒人にとって「リズム」は奴隷制度の時代から,黒人の身体を血液のように脈打つたいせつな要素でありました。リズムの中でも「打つ」という要素が高いものは「ビート」とも呼ばれます。
このように,黒人の身体の奥底に脈打つとても大事な要素としてリズムやビートがあり,黒人歴史にとっては,それはメロディや音色というものよりもさらに古くからあるものでした。メロディや音色を奏でるだけでは,重労働ははかどらないですからね。黒人にとってはリズムやビートが先に来ていた。逆に,貴族の暮らしをして,舞踏会に出向き,メロディにあわせて舞うように踊っていた白人にとっては,音楽のメロディや音色が重要視されておりました。こうした歴史を鑑みますと,黒人はビートの文化,白人は音色の文化,と位置付けることが一つの見方となりますでしょう。
そこで上記のカニエ軍団聖歌隊の「手拍子」に話を戻します。
この手拍子はとても速いテンポで叩かれます。「Jesus died for you.(ジーザスは我々の犠牲となった)」という歌詞を手拍子の合間に挿入し,聖歌隊メンバーが同じリズムで歌います。とても短いクリップですが,黒人文化に息づく音楽のとても大事な部分がここに垣間見れます。さて,そのビデオを以下に掲載しておきます。(タイムラインは01:02〜の箇所です。)
(文責:Jun Nishihara)
ここまで律儀に続けるのは,異例のケースでしょう。やるとなったら,とことんやり続けるのがカニエ・ウェストというアーティスト,いや,芸術家,なのであろうと言えるでしょう。
しばらく前からカニエ・ウェストとキム・カーダシアンが開催する「日曜のミサ」と名付けられた“Sunday Service”についてここに掲載してきました。
先々週も,そして先週も欠かさず,カニエ・ウェストは“Sunday Service”を開催してきました。
そして今13週目まで突入しております。カニエの快進撃はつづきます。
ついに発表されました。
今年のイースターサンデイ(Easter Sunday=復活祭の日曜日)は,4月21日(日)にあたります。この日に,カリフォルニアのインディオ市で毎年開かれるコーチェラ・ヴァレー音楽祭(Coachella Valley Music Arts and Festival)で,カニエ・ウェスト率いる“Sunday Serviceメンバー達”がフィーチャリング・アクトを務めることを発表しました。コーチェラ・ヴァレー音楽祭はアメリカ最大のミュージック・フェスとも呼ばれています。これは,2週間(週末)かけて開催されるフェスで,2017年のヘッドライナーは,金曜日はレディオヘッド,土曜日はレディ・ガガ,日曜日はケンドリック・ラマーが務めました。昨年のヘッドライナーは,金曜日はザ・ウィークエンド,土曜日はビヨンセ,日曜日はエミネム,でした。
そして今年は,キリストが蘇ったとされる復活祭の日曜日に,その名にふさわしい“Sunday Service”のメンバーを連れて,カニエ・ウェストとその仲間たちがパフォーマンスを披露してくれる,というのは,ありがたいニュースでございます。
今年のフルラインアップはこちらです。

今年2019年のヘッドライナー・アクトは,4月12日(金)及び19日(金)は,チャイルディッシュ・ガンビーノ,4月13日(土)及び20日(土)はテーム・インパラ,4月14日(日)及び21日(日)のヘッドライナー・アクトはアリアナ・グランデですが,この21日(日)のみ,カニエ・ウェスト率いる仲間たちがフィーチャリング・アクトを務めることが決定いたしました。
これはけっこうなおおごとであります。
もともとは,内輪のみでやっていた小さなジャム・セッションが,アメリカ最大の音楽祭へたった13週間後に出演することが決定されたとは,おそるべしパワーであります。
(文責:Jun Nishihara)