カニエ・ウェスト“Sunday Service”を金曜日に開催 (9月27日分) & アルバム『Jesus Is King』のリスニングパーティー

いよいよカニエ・ウェストのニューアルバム『Jesus Is King』がリリースされるぞ!と期待が絶頂に高まろうとしようとしていた頃,カニエは週末にかけて連チャンでライヴパフォーマンスを開催しました。

第1日目は9月27日(金)デトロイトにて“Sunday Service”を開催。そう!“Sunday Service(日曜のミサ)”は当然のようにこれまでずっと「日曜日に」開催されてきました。しかしここへきて初めて!金曜日に日曜のミサを開催!これまで以上に素晴らしいパフォーマンスとなりました。カニエのみならず,“Sunday Service”クルーの皆さんのダンスとパフォーマンスが極上!当サイトで何度も何度も詳細に亘りくりかえし書いてきましたが,黒人のパワーが発現します。

そして第2日目は9月28日(土),この日,カニエ・ウェストは同じシカゴ出身の同胞ラッパー=Chance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)のライヴステージでパフォーマンスします。同日,ここでも書いたように,カニエ・ウェストのドキュメンタリー映画(IMAX配給)『Jesus Is King』の上映日もキム・カーダシアンのInstagramやTwitterをとおして発表されました。

さて,チャンス・ザ・ラッパーのライヴに登場したカニエ・ウェストの映像も掲載しておきます。

ここでカニエ・ウェストは「Jesus Christ is king.(イエス・キリストこそが王様だ。)」と発言します。

そして第3日目の9月29日(日)には,NYはクイーンズの教会にカニエ・ウェストがあらわれます。クイーンズにあるGreater Allen A.M.E. Cathedral(グレイター・アレンA.M.E.大聖堂)です。地元のクイーンズ出身のアーティストやメディア関係者,ヒップホップジャーナリストたちはこぞって参加。クイーンズは地元といってももうニューヨークですから,ヒップホップ業界の関係者たちもいます。まさにヒップホップの生誕地で,日曜日にヒップホップ化されたゴスペル・クワイアとともに繰り広げる“Sunday Service”はまさに格別!!こんなゼータクなことはないでしょう。

タイムライン4分53秒あたりから,祭壇の奥の方にカニエ・ウェストの姿が見え始めます。

ついにニューヨークまで来ましたね。今まではニューヨークを避けて,ニューヨーク以外のいろいろな場所で“Sunday Service”を毎週日曜日に開催してきましたが,ニューヨークだけは来なかった。しかし,いよいよ,ここへ来た。こりゃあ,ニューヨークの連中は黙っていないですよ。全米でいちばんうるさい野郎たちがニューヨークにいますから。ヒップホップに関しては。黙っていないですよ。ニューヨーク最大のヒップホップ&R&Bラジオ局=HOT97でもちろん取り上げました。以下です。

ニューヨークはアメリカではない,というのがこれを見ていると分かります。ニューヨークではまったく違う時間が流れている。まさにそれをNew York Minuteという。ニューヨーク以外のその他全米と,そしてニューヨークとでは,物事のとらえ方がまったく違う。いやあ,これを見ていて,爽快です。

それから,カニエ・ウェストの未だリリースされないニューアルバム『Jesus Is King』のリスニング・セッションの模様を以下,数枚掲載いたします。(それぞれのクリップは非常に短く,すぐ終わります。)

カニエ・ウェストの『Jesus Is King』アルバムは未だリリースされておりませんが,彼がアルバムをリリースしない時,それはさらなる良き改良(tweaks)を加えているということを意味し,われわれの期待はさらに膨らんでいきます。

(文責:Jun Nishihara)

Nasは現代ヒップホップの原点である。

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昨日(米国時間では本日),Nas(ナズ)が『The Lost Tapes 2』をリリースしました。

時をさかのぼり,2002年のニューヨーク。
マンハッタンの街角(ストリート)で売られていた『The Lost Tapes』のミックステープを5ドルで購入し,SONYのポータブルCDプレイヤーで以下の曲をかける。

このNasのフローとビートの流れを聴くと,いまだに当時を思い出す。

曲の冒頭で,イントロが終わるのを待たずに,ラップを開始するNasのスタイル。そしてビートに飲み込まれず,むしろ,ビートをラップ側に寄せていくというNasのフロー。

ラッパーの中には「ビートに飲み込まれたようなラップをする」ものがいる。
しかしNasのスタイルはまったくそれとは異なり,「Nasのタイミングでビートに乗っかり,Nasのタイミングでビートから降りる」という,素人のビートメーカーとしてはいつNasがラップを始めるかも,ラップを止めるかも予想がつかない。まったくの即興めいたラップをやってのけている。

もう1曲,オリジナルの『The Lost Tapes』から,この曲を掲載しておきます。

ヒップホップ界で最も偉大なるオモテのアルバムがNasの『Illmatic(イルマティック)』(1994年)であるならば,Nasのこの『The Lost Tapes』(2002年)は,最も偉大なるウラのアルバム(もしくはミックステープ)と呼ぶことができる。

そして2019年7月19日,あれから17年の時を経て,『The Lost Tapes 2』がリリースされた。

17年の時を経ているのにもかかわらず,Nasのフローがまったく衰えていないことは特筆に値することである。

そしてこんなことは言いたくないが,「これこそがNYのフロー」という懐かしい気持ちをも思い起こさせてくれるし,おまけに「これこそが現代が忘れかけているラップだ」という今の若き世代のラッパーどもの背筋を伸ばしてくれるような,いわゆる「王道のラップ」がこのアルバムに収録されている。

最近のへなちょこなラップで満足していてはいけない。

今こそ昨日リリースされたばかりのNas『The Lost Tapes 2』を聴いて,「王道のラップ」を思い出すべきだ。

ラップが来た道を思い出せないのであれば,あんたらのやってるそれは「ヒップホップ」じゃない。

(文責:Jun Nishihara)