第26位:Waleのアルバム『Wow… That’s Crazy』もしくはTory Lanezのミックステープ『Chixtape 5』(今年出たHip-Hop名曲名場面ベスト50)

第26位はタイです。Waleの『Wow… That’s Crazy』&Tory Lanezの『Chixtape 5』です。

Wale: Wow… That’s Crazy
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Tory Lanez: Chixtape 5
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Waleのアルバムがリリースされました。その名も『Wow… That’s Crazy』というもの。これは収録楽曲冒頭第1曲目の「Sue Me」(Kelly Priceをfeat.)でこう言っているものに由来しております。

Sue me, I’m rootin’ for everybody that’s black
Spent ’bout two racks on handmade durags
Sue me, I’m rootin’ for everybody that’s black
That’s everybody from sports to college class to rap, I’m back

俺を訴えればいい,それでも黒人の味方するをやめねえから
この前,手作りのドゥーラグ買うのに2000ドル費やした
俺を訴えればいい,それでも黒人の味方するのをやめねえから
黒人のアスリートから,黒人の学生,黒人ラッパーまで,待たせたな

これはつまり修辞法(rhetoric)というやつで,「人はそんなのイカレてる(crazy)と言うが,ほんとにそうか?」とリスナーに疑問を投げかけているという問題提起の楽曲です。そのワンフレーズを取って,アルバムタイトルにしているというなかなかスマートなやり方ですね。

しかも同楽曲の題名は「Sue Me」,つまり「俺が黒人の味方をしているのを,イカレてると言われてもいい。訴えられたとしても,俺は黒人の味方するのをやめねえよ」と。

「Me vs. the World」(じぶん 対 世間)の構図は黒人の音楽のなかに頻発します。しかし一部のファンはそこに共感しますし,それがエネルギー源となることがよくあります。こういった構図は,富裕層の白人の音楽には作ることができない一種の専売特権(exclusivity)でもあります。

さて,それに対するアルバムとして,トリー・レインズ(Tory Lanez)のミックステープならぬチックステープ・シリーズの第5弾『Chixtape 5』も今年リリースされました。

これは女子の間で大人気を博し,とくにアシャンティをfeat.した収録楽曲14「A Fools Tale (Running Back)」は目玉の曲となっております。2002年にリリースされたアシャンティ(Ashanti)の後世に残る名曲「Foolish」はまさに「後世に残っている」のでこうして17年経た今現代もこのようにサンプリングネタとして起用されており,全く古びる気配は無し,と言えます。

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

第38位:UK生まれでジャマイカンの血を継ぐ女子ラッパー=Stefflon Donのシングル曲「Phone Down」(今年出たHip-Hop名曲名場面ベスト50)

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いよいよ彼女のステータスも確立し始めてきました。2017年ごろからぐつぐつとその人気ぶりは沸き始め,今年はリル・ベイビー(Lil Baby)をフィーチャリングしたシングル曲「Phone Down」をリリースしました。以下のMVです。

さて,ステフロン・ドン(Stefflon Don)の人気ぶりは,ヒップホッパーの間にとともらず,レゲエやレゲトンで有名なジャマイカン連中の間でも確固たる地位を確立してきております。

2017年には,メインストリームに登場するキッカケとなったシングル曲「Hurtin’ Me」をリリースしました。フィーチャリングはフレンチ・モンタナ(French Montana)です。

彼女のミュージックビデオを観ても感じると思いますが,他のストリッパー的ラッパーとはまったく異なるヴァイブスを感じます。芯が強い姉御肌(あねごはだ)といいますか,決して若者ウケを狙っているわけではない,全世界の女子の「カッコ良さ」を代表するような雰囲気を醸し出しているところが,男が観ていてもカッチョいいと感じます。

もう1曲観ておきましょう。次はトリー・レーンズ(Tory Lanes)をフィーチャーリングした楽曲「Senseless REMIX」です。

ステフロン・ドンもトリー・レーンズも双方ともJamaican descent(ジャマイカの血を継ぐ)アーティストですね。

今後も彼女の活躍に期待は高まります。

(文責:Jun Nishihara)