平成最後の米ミュージック・フェスは,カニエ・ウェストの“Sunday Service”で。

平成最後のミュージック・フェスは,米カリフォルニア州インディオ市で毎年恒例開催されているアメリカ最大のミュージック・フェス=コーチェラ(Coachella)でした。

去る4月21日(イースターの日曜日)に開かれたコーチェラ祭は,カニエ・ウェストの「Sunday Service(日曜のミサ)」には(いろいろな意味で)もってこいの吉日でした。

これを鑑賞するには2つ方法がありました。

1つは実際にカリフォルニアで開かれているコーチェラ祭へ足を運ぶこと。まずは,LAX(ロサンゼルス国際空港)まで飛び,そこからコーチェラ会場まで米ドル$75.00出せばシャトルバスで連れてってくれました。

もう一つの鑑賞方法は,生放送をYouTubeのコーチェラ特設ページでストリーミングで観るという方法でした。これは当サイトでも取り上げました。

ストリーミングで生放送をご覧になられた方々はもう気づかれておりますが,こういう映像がずっと流れました。

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これはfisheye lens(魚の目のレンズ)と言って,まるで望遠鏡で覗いているような錯覚を覚えます。どうせ生ストリーミングするのなら,他の人たちがやってるストリーミングとは違った方法でやりたい,というカニエのよくいえばアーティスティックな,別の方法でいえばひねくれた,一筋縄ではやらせない,もうこれはカニエの性(さが)と呼んでいいほどのものと思いますが,を見せてくれました。

しかしながら,さすが観客の数は相当なものでした。

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正規のコーチェラ会場とは別の(カニエ特別の)会場を使いました。もうこれは会場と呼んでよいのか,山の中の丘の上と呼ぶのがふさわしいのか,もう分からなくなりますが,今年頭から毎週日曜日にこじんまりと始めてきた「Sunday Service」を考えますと(それも山の中でやっておりました),とても適当(適切)なロケーションであったことは間違い無いでしょう。

そういったステージもなく,カニエを映すステージ上のモニターもないところで,これだけの観客数が集まった(しかも日曜日の午前9時!)のは,特筆すべき事項でしょう。

さて,4月21日,イエスが甦ったとされるイースターの日曜日,時間は午前9時。まだ始まりません。しばらく経って9時15分,聖歌隊(choir)の仲間たちがこぞって丘の上へ向けて歩き始めました。だんだんとオルガンの音色が聞こえてきました。これまでのサンデーサービス同様,パステルカラー(カニエのファッション色)の衣装に身を包んだ聖歌隊の方々です,皆おそろいです,が丘の上に集まり始めました。

オルガンの音が聞こえていましたが,時間が経つにつれ,少しずつジャジーな音色に変化してきました。音量もだんだんと大きくなってきました。まだ演奏は始まっておりません。まだカニエは登場しておりません。

一番最初に映ったのが,タイ・ダラー・サイン(Ty Dolla $ign)した。丘の近くではカニエの娘,ノースちゃんとセイント君が踊っている姿が見え始めました。

カニエのレーベル仲間であるキッド・カディ(Kid Cudi)そしてチャンス・ザ・ラッパー(Chance the Rapper)が二人でポーズを決めている姿も映し出されました。

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(チャンス・ザ・ラッパーが指を差しているのは,結婚指輪です。今年3月11日に結婚式を挙げたばかりでした。)

そしていよいよ,このコンサートの大ガシラ=カニエが現れました。

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そうこうしているうちに時間は9時55分となり,いよいよ,コンサートが幕を開けました。

曲もくは「Father Stretch My Hands」やめずらしいところではジェイZとビヨンセの「Lift Off」(『Watch The Throne』収録)などを披露。

このコンサート中のトリビアとして,ずっと帽子(キャップ)をかぶっていたラッパーは誰でしょう。

こたえはチャンス・ザ・ラッパーでした。

この“Sunday Service(日曜のミサ)”という聖なる時間にキャップをかぶって許されるのはチャンスくらいですね。

カニエのレーベル仲間であるティアナ・テイラー(Teyana Taylor)ももちろん参加しておりました。楽曲「Never Would Have Made It」を披露した彼女の声は,天にさえも届くような美声でした。

それから聖歌隊のみなさんの迫力も見応え(聞き応え)がありました。

ティアナ・テイラーが歌っている間に,聖歌隊が連呼した「Stand up! Press forward! Move on!」という掛け声が(これはさすが黒人の聖歌隊です)圧倒的な迫力を醸し出しておりました。

そして吠えるあの男=DMXもちゃっかり参加。「This is a God dream…」の歌中にヤツが現れました。

ライヴ終わり近くに「Jesus Walks」をカニエ,聖歌隊,全員で歌い上げ,Happy Easterで幕がないところで幕を閉じました。

米全国紙のニューヨークタイムズ(The New York Times)が素晴らしい写真を撮っておりますので,以下掲載します。

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アメリカ全国ネットワークのBET (Black Entertainment TV)はさすが黒人に特化したTVネットワークと言わんばかりに,下記の迫力ある写真を撮影しました。

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さて,この一連の“Sunday Service”で,カニエはそれさえも「ブランド」化することに成功しております。それは「CHURCH CLOtHES」という名前で販促商品ならぬ洋服を作り上げました。

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パステルカラーのトレーナーやパンツです。

そして4月26日〜28日の3日間に亘って開催された,ファレル・ウィリアムスのミュージック・フェス=“Something In The Water”では,ファッション誌にも登場しまくりのあのファレル・ウィリアムスがカニエの“Sunday Service”のトレーナーを着ておりました。

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(4月27日(土)に開催された“Something In The Water”ミュージックフェスのステージで。左はジェイZ,右はカニエのトレーナーを着るファレル・ウィリアムス。)

平成最後のアメリカ最大のミュージック・フェスはコーチェラでしたが,もうひとつファレル・マニアにとっては,“Something In The Water”フェスも欠かせないものとなりましたので,次回はこの”Something In The Water”を取り上げます。

(文責:Jun Nishihara)

スヌープ・ドッグからの追悼の言葉(ニプシー・ハッスルへ)

4月11日(木),ニプシー・ハッスルのお葬式及び追悼式がニプシーの出身地であるL.A.(ロサンゼルス)の最大ヴェニューであるステープルズ・センター(Staples Center)で行われました。

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いろいろな方々が追悼式に参列してくださいました。その中には同じ出身地で,同じギャング(Crips)の出であるスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)もいました。

以下は,スヌープからの追悼の言葉です。

最後にバラク・オバマ大統領からニプシー・ハッスルに宛てて書かれた追悼の言葉を掲載しておきます。

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(文責:Jun Nishihara)

追悼:ニプシー・ハッスル (Nipsey Hussle)

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これ程までに,同業者から愛されているラッパーは,今までいなかったでしょう。
いわゆるヒップホップ業界で勤めている人間,つまり,ラッパーやプロデューサー,そしてDJ達に,ここまで愛されてきたMC(ラッパー)はそうそういなかったと言えます。それが,ニプシー・ハッスル(Nipsey Hussle)でした。

彼が亡くなったのは米国西海岸時間の3月31日でした。あれから9日が過ぎようとしている現在も,あらゆるソーシャルメディア(ツイッターやインスタグラム)などで,今も,彼の写真や動画,音楽がアップされ続けています。そしてそれをアップしているのは,一般大衆のファンのみなさんであることは勿論ですが,この場合,同業者たち,つまり,ドレイクやディディ(P.Diddy),ネリー,ルーペ・フィアスコ,ビーニー・シーゲル,NBAスターのレブロン・ジェイムス,B.ドット,ミーク・ミル,ピート・ロック,DJクルー,スウィズ・ビーツ,ファボラス.DJキャレド,YG,ザ・ドリーム,ティアナ・テイラー,タイガ,プッシャT,デイヴ・イースト,そしてスヌープ・ドッグたちもあわせて,ニプシー・ハッスルの写真や動画をインスタにアップし続けています。

ニューヨーク市のベテランDJにDJグリーン・ランターン(DJ Green Lantern)という有名なヒップホップDJがいます。彼の拠点はもちろんNYですが,LA出身のニプシー・ハッスルとジェイ・ロック(Jay Rock=ケンドリック・ラマーのレーベルTDEで活躍中の今まさにアツい男)を迎えて,フリースタイルのラップを披露したことがありました。もう10年前のハナシです。こちらの映像です。

冒頭の「The night Red and Blue made Green(赤と青が緑を作った夜)」というのは,赤(Red)がジェイ・ロック,青(Blue)がニプシー・ハッスル,そしてグリーンは勿論DJグリーン・ランターンですね。

ギャング関係で色分けをしているわけですが,もう一人,西海岸(ウェッサイ)で最近の重要人物はYGです。YGも「brother from another color(色は違えど兄弟(ブラザー))」とニプシーのことを呼んでいました。

https://www.instagram.com/p/Bv4zQPMFPkM/?utm_source=ig_web_copy_link

こういった際には,ギャングの色分けなど関係ないということでしょう。

ちょうど昨年,ここのブログでも,ニプシー・ハッスルを取り上げました。(→第8位「本物のヒップホップファンであるのなら,ニプシー・ハッスルのアルバム『Victory Lap』を通しで聴くべし」(今年2018年に出た最も偉大なるヒップホップ曲ランキング)

なお,ニプシー・ハッスルの追悼式(Memorial Service)は,彼の生まれ育った故郷であるロサンゼルス(LA)を象徴する大ステージ=ステープルズ・センター(Staples Center)で4月11日(木)に開催される予定です。

この場所は,マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)が亡くなった際にも追悼式が開かれた場所です。

一部報道では,ラッパーがこの偉大なる場所で追悼されるのは異例のケース,つまり,どれだけニプシー・ハッスルという人物が偉大であったかを物語るものである,と報道されています。

(文責:Jun Nishihara)