楽曲①対訳「Count Your Blessings」(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より)

楽曲①「Count Your Blessings」対訳
(カニエ・ウェスト率いるSunday Serviceのニューアルバム『Jesus Is Born』より。カニエ自身のアルバム『Jesus Is King』の対訳については,こちらをどうぞ。)

kanye-west-sunday-service-jesus-is-born-1577304784-640x637

[Intro]
One, two, three
Oh

(イントロ)
いち,に,さん
オゥ

[Chorus: Sunday Service Choir]
Oh, oh, the blessing
Oh, oh, the blessing
Oh, oh, the blessing
Oh, oh, the blessing
Can’t you see?
Oh (What God has done), what God has done (Come on, lift it up again, oh)
Oh, oh, the blessing
Oh, oh, the blessing
Oh, oh, the blessing
Oh, oh, the blessing
Can’t you see? (What God has done)
What, what God has done (C’mon, tell ’em)

(サビ:サンデー・サーヴィス・クワイヤ)
オゥ,オゥ,神の恵みよ
オゥ,オゥ,神の恵みよ
オゥ,オゥ,神の恵みよ
オゥ,オゥ,神の恵みよ
見えますか
オゥ(神が為したことを)神の御慈悲を(さぁ,また両手を翳して,オォ)
オゥ,オゥ,神の恵みよ
オゥ,オゥ,神の恵みよ
オゥ,オゥ,神の恵みよ
オゥ,オゥ,神の恵みよ
見えますか(神が為したことを)
神の御慈悲を(さぁ,歌いましょう)

[Verse: Sunday Service Choir]
Look and see
Look and see
Take a look and see what God has done (Look and see)
Look and see (Look and see)
Look and see (Take a look and see)
Take a look and see what God has done (Look and see)
Look and see (Look and see)
Look and see (Look and see)
Take a look and see what God has done (Let’s go)
Oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh (Oh)
Oh, oh
Oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh
Oh, oh (Sing it again)
Oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh (Oh)
Oh, oh (Oh)

(ヴァース:サンデー・サーヴィス・クワイヤ)
見てみなさい
見てみなさい
見えますか,神の御慈悲を(見てみなさい)
見てみなさい(見てみなさい)
見てみなさい(見てみなさい)
見てみなさい,神の御慈悲を(見てみなさい)
見てみなさい
見てみなさい
見えますか,神の御慈悲を(さぁ出発しましょう)
オゥ オゥ オゥ オゥ
オゥ オゥ オゥ オゥ
オゥ オゥ オゥ オゥ(オゥ)
オゥ オゥ
オゥ オゥ オゥ オゥ
オゥ オゥ オゥ オゥ
オゥ オゥ オゥ オゥ
オゥ オゥ(さぁ歌いましょう)
オゥ オゥ オゥ オゥ
オゥ オゥ オゥ オゥ
オゥ オゥ オゥ オゥ(オゥ)
オゥ オゥ(オゥ)

[Chorus: Sunday Service Choir]
Oh, oh, the blessing
Oh, oh, the blessing
Oh, oh, the blessing
Oh, oh, the blessing (Can’t you see?)
Can’t you see? (What God has done)
Oh (What God), what God has done (Oh)

(サビ:サンデー・サーヴィス・クワイヤ)
オゥ,オゥ,神の恵みよ
オゥ,オゥ,神の恵みよ
オゥ,オゥ,神の恵みよ
オゥ,オゥ,神の恵みよ(見えますか)
見えますか(神が為したことを)
オゥ(神の)神の御慈悲を(オゥ)

[Verse: Sunday Service Choir]
Oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh (Oh)
Oh, oh
Oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh
Oh, oh, oh, oh
Oh, oh (Oh)

(サビ:サンデー・サーヴィス・クワイヤ)
オゥ オゥ オゥ オゥ
オゥ オゥ オゥ オゥ
オゥ オゥ オゥ オゥ(オゥ)
オゥ オゥ
オゥ オゥ オゥ オゥ
オゥ オゥ オゥ オゥ
オゥ オゥ オゥ オゥ
オゥ オゥ(オゥ)

[Chorus: Sunday Service Choir]
Oh, oh, the blessing
Oh, oh, the blessing
Oh, oh, the blessing
Oh, oh, the blessing
Can’t you see?
Oh (God has done), what God has done

(サビ:サンデー・サーヴィス・クワイヤ)
オゥ オゥ 神の恵みよ
オゥ オゥ 神の恵みよ
オゥ オゥ 神の恵みよ
オゥ オゥ 神の恵みよ
見えますか
オゥ(神が為したことを)神の御慈悲を

(対訳:Jun Nishihara)

第10位:リゾ(Lizzo)の歌,踊り,そしてフルート演奏。全体的なパーフォマンスの完成度の高さ。(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

リゾ(Lizzo)については,もう当サイトで何も新しく述べることは無いでしょう。ヒップホップのサイトなのに,なぜ彼女をわざわざ取り上げるのか,と。まぁそう思っている方もいらっしゃるかもしれませんが,今年2019年,リゾのスターへの道のりについては,めざましい成果であったと云えますし,もはや偉業と呼べるほどのことを成し遂げてきているので,取り上げざるを得なかったところです。

今年2019年はアルバム『Cuz I Love You』(米ビルボードが選ぶ2019年最も重要なアルバム第4位を記録)をリリースしました。

以下MVを掲載しておきます。

シングル曲「Good As Hell」についてはオリジナル・リリースは2016年ですが,今年2019年にはアリアナ・グランデ(Ariana Grande)とのREMIX盤をリリースし,またMVも一般のシロウトを起用した,素敵なミュージックビデオに仕上がっております。

Lizzo – Good As Hell(2016年リリースのオリジナル盤)

Lizzo – Good As Hell(アリアナ・グランデとのREMIX盤)

Lizzo – Good As Hell(オリジナル曲の2019年盤:ミュージックビデオは2019年12月9日リリースの新作)

Lizzo – 米「Ellen」番組でのシングル曲「Juice」ライヴ・パフォーマンス

Lizzo – 英「The Jonathan Ross Show」番組で相棒フルート=名前はサーシャ(フルートの名前がSasha!)を吹くリゾ。

Lizzo – 2019年のMTVビデオ・ミュージック・アワード賞でライヴステージを披露するリゾ。演目は「Truth Hurts」と「Good As Hell」。

Lizzo feat. Missy Elliott – “Tempo”

そして米TIME誌が選ぶ2019年最も輝いたエンターテイナー(TIME’s Entertainer of the Year)にも選ばれました。

ELgfnjfWsAAmUT1

(文責:Jun Nishihara)

第14位:アメリカ中の女子の間で話題・共感を呼んだSummer Walkerのアルバム『Over It』(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

2019年,ティーンエイジャーから20代,30代〜と,アメリカ中の女子の間で話題と共感を呼んだ女子専用のアルバム『Over It』がリリースされました。今年デビューしたR&Bアーティスト=サマー・ウォーカー(Summer Walker)はジョージア州アトランタ出身の23歳。同アルバムのリードシングル『Girls Need Love Remix』ではドレイク(Drake)をフィーチャリングしたことでまずは超話題となり,その他,アルバム収録楽曲「Come Thru」ではアッシャー(Usher)のナツメロ!!!!!!!!「You Make Me Wanna…」を元ネタのサンプリングとしてゼータクに起用し,しかも本人!!のUsherまでフィーチャリングしたという昔っからのR&B好きには堪らない曲に仕上がっています。

image-05e48d4b5589fffcd47efa2099fa32d4e24aedbc-s1300-c85

それでは,リードシングルとなったドレイクをfeat.した曲「Girls Need Love Remix」をどうぞ。

そして本人アッシャーをfeat.したことで話題の曲「Come Thru」もどうぞ。

そして,その元ネタとしてR&B史上最重要ってなもんじゃない,もうR&Bの基本として昔っから聴いておくべきアッシャー(Usher)の名曲「You Make Me Wanna…」がこちらです。リリースは1997年です。黒人音楽がメインストリームとなり始めていた当時,MTVやBETでミュージックビデオが流れまくっておりました。

今年2019年も「黒人音楽の研究室」に来てくれて,ありがとうございました。来年2020年も引き続き,どうぞ宜しくお願い申し上げます。2020年1月1日お正月は第13位から,引き続き2019年ランキングを続けます。

(文責:Jun Nishihara)

第16位:出ました!ファボラスの『Summertime Shootout 3』(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

出ました!ファボラス(Fabolous)のミックステープ『Summertime Shootout 3: Coldest Summer Ever』。

今年の第43位にファボラスのニューシングル「Choosy」を挙げましたが,その際に,こう書きました。

やっと今年,シングル曲ならぬヒット曲を出してくれました。それがFabolous feat. Jeremihの「Choosy」です。なかなかええ曲やないか!ファブ,待ってたで。(ひそかにトップ5くらいに入れたいくらいやけどな,ファブ,あまりにもヒット曲が少ないんで今年は第43位ということで。来年もしアルバムリリース(やっと!!)しれくれたなら,あんたの信頼おける安定したフローがあればベスト10まちがいないわ。)

ついては,ベスト10やないのか!と。ほんとうはベスト10に入れたかった。しかしそもそもファボラスが出したのはミックステープで,僕らはアルバムが欲しかった!おまけに,今年2019年は,ファボラス以上に盛り上がった,大ブレイクした,ベスト10に入れるべきアーティストがいっっっぱいいた!

ということで,ベスト10入りは果たせず,ファブ,あんたは今年の第16位や。それでもええほうやと思うで。

ほやさかい,第16位,この本性を魅せてくれる曲が以下の曲。2019年,なかなかナイスなフローで締め括りができそうな予感。Check it out.

ファボラスは今となっては,大ベテラン。第17位の新人ラッパーがフリースタイルしているのを,以下の映像を観た後に見ると,ヤツらは幼いなぁと思うでよ。さすがはファブ,ベテランぶりをフリースタイルでも魅せてくれます。

ちなみに,ファボラスのストリートシングル曲「B.O.M.B.S.」のライヴセッションがありますので,それもcheck it out.

ファボラスをデビュー当時からずっと聴き続けてきたヤツらの一人=あたしとしては,ファブはジェイZまでの名声は得られていないかもしれませんが,あれからほぼ20年,ずっとここまで(遠くまで)やってきたのは何か感慨深いものがありますねえ。

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト✖️ Sunday Service Choirのニューアルバム『Jesus Is Born』クリスマスの日にリリース!

先日,ここ(カニエ・ウェスト,遂にオペラ開催予告!)で記載いたしましたとおり予定通りカニエ・ウェストとその仲間たち,いや,今回は「その仲間たち=Sunday Service クワイヤメンバーたち」が主役で,ニューアルバム『Jesus Is Born』がクリスマスにリリースされました。

リリース日は,クリスマス,つまり.イエス・キリスト(Jesus Christ)が誕生したとされる12月25日。アルバムタイトルは今年10月25日にリリースされた『Jesus Is King』ではなく,『Jesus Is Born』。その内容は,クワイヤ(=教会のゴスペルメンバー;聖歌隊)がカニエ・プロデュースによる「賛美歌」を歌うというもの。ソウルフルな楽曲を聴いて,気分を上げるにはもってこいのアルバム。ゴスペルだからって日曜日の朝にかぎらずとも,平日の朝でも気分は「BLESSED!」,恵まれた気分。

聴くだけで,御利益ありそうな,縁起の良いアルバムです。

以下はアルバムジャケです。

kanye-west-sunday-service-jesus-is-born-1577304784-640x637

後日,当サイトで対訳の掲載を始めていきます。

(文責:Jun Nishihara)

第22位:Drakeのアルバム『Care Package』(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

71M2xKg22uL._SS500_

これはドレイク(Drake)の「やさしさ」が詰まった贈り物です。ドレイクが今までリリースしてきた曲で,以前アルバムには収録されてこなかった楽曲が入っています。たとえば楽曲「Paris Morton Music」,これは大元はリック・ロス(Rick Ross)のヒップホップ史に残る名曲「Aston Martin Music」が元ネタです。

今まで「買えなかった」ドレイクの曲が,このアルバムに揃っている,というゼータクなアルバムです。たとえば「5AM in Toronto」でフリースタイルをカマすドレイクがアルバムで(やっと)聴けるようになりました。

ドレイクは2016年にアルバム『Views』をリリースし,2017年にミックステープ『More Life』をリリースし,2018年に『Scorpion』をリリースし,本年2019年に当該コンピレーションアルバム『Care Package』をリリースしました。ここ数年,毎年のように安定して作品をリリースし続けているドレイクの「安定ぶり(この場合はstabilityではなくconsistency)」は,ラッパーには珍しい特性でしょう。

(文責:Jun Nishihara)

第23位:黒人女性の(それも若者の)代弁者として艶麗な声で歌うわずか20代のRayana Jay。(今年出たHip-Hop名曲名場面ベスト50)

レイアナ・ジェイ(Rayana Jay)については,以前2回に亘って掲載いたしましたので,下記ページをご参照願います。

2018年11月28日
若手アーティストの街角:Rayana Jay – “Sunkissed”

2019年6月19日
現代の若者黒人文化をリードする人物(その①:レイアナ・ジェイ)

レイアナ・ジェイは本年,アルバム『Love Me Like』をリリースし,正式デビューを果たしましたが,上記ページに掲載したとおり,すでに3枚のEPをリリースしております。

その中から,”what’s cooler than cool?! ICE COLD!”(クールよりクールなものは何?!アイス・コールド!)で知られるサウスの生きた伝説的ラップデュオ=OutKastのフレーズをもじった歌詞を起用した楽曲「Sleepy Brown」を掲載しておきます。これはデビュー前の初期の頃のレイアナ・ジェイの歌。これからレイアナは有名になっていくわけですが,「無名時代の曲」というのは,将来,非常に貴重になりますので,じっくり聴いておくべし!!

レイアナ・ジェイ(Rayana Jay)は,いまだにWikipedia(ウィキペディア)には掲載されておりませんが,これからウィキペディアにも載るようになり,COMPLEX等のカルチャー雑誌でも取り上げられるようになり,はたまた,NPRラジオ主催の「Tiny Desk Concert(タイニー・デスク・コンサート)」にも出演するようになるでしょう。レイト・ナイト・ショーの米NBCネットワークtvのThe Tonight Show starring Jimmy Fallonにも!

ひとまずは,来年2020年,レイアナ・ジェイは,NPRの「NPR Music: Tiny Desk Concert」に出ることになるになるのを期待して,本日の第23位を締め括ります。

(文責:Jun Nishihara)

第26位:Waleのアルバム『Wow… That’s Crazy』もしくはTory Lanezのミックステープ『Chixtape 5』(今年出たHip-Hop名曲名場面ベスト50)

第26位はタイです。Waleの『Wow… That’s Crazy』&Tory Lanezの『Chixtape 5』です。

Wale: Wow… That’s Crazy
https___images.genius.com_5bef7c3d1b0f1e9dd88eb727daba5e57.1000x1000x1

Tory Lanez: Chixtape 5
https___images.genius.com_4608c3e526d316fde9ccdafce0e48b9d.1000x1000x1

Waleのアルバムがリリースされました。その名も『Wow… That’s Crazy』というもの。これは収録楽曲冒頭第1曲目の「Sue Me」(Kelly Priceをfeat.)でこう言っているものに由来しております。

Sue me, I’m rootin’ for everybody that’s black
Spent ’bout two racks on handmade durags
Sue me, I’m rootin’ for everybody that’s black
That’s everybody from sports to college class to rap, I’m back

俺を訴えればいい,それでも黒人の味方するをやめねえから
この前,手作りのドゥーラグ買うのに2000ドル費やした
俺を訴えればいい,それでも黒人の味方するのをやめねえから
黒人のアスリートから,黒人の学生,黒人ラッパーまで,待たせたな

これはつまり修辞法(rhetoric)というやつで,「人はそんなのイカレてる(crazy)と言うが,ほんとにそうか?」とリスナーに疑問を投げかけているという問題提起の楽曲です。そのワンフレーズを取って,アルバムタイトルにしているというなかなかスマートなやり方ですね。

しかも同楽曲の題名は「Sue Me」,つまり「俺が黒人の味方をしているのを,イカレてると言われてもいい。訴えられたとしても,俺は黒人の味方するのをやめねえよ」と。

「Me vs. the World」(じぶん 対 世間)の構図は黒人の音楽のなかに頻発します。しかし一部のファンはそこに共感しますし,それがエネルギー源となることがよくあります。こういった構図は,富裕層の白人の音楽には作ることができない一種の専売特権(exclusivity)でもあります。

さて,それに対するアルバムとして,トリー・レインズ(Tory Lanez)のミックステープならぬチックステープ・シリーズの第5弾『Chixtape 5』も今年リリースされました。

これは女子の間で大人気を博し,とくにアシャンティをfeat.した収録楽曲14「A Fools Tale (Running Back)」は目玉の曲となっております。2002年にリリースされたアシャンティ(Ashanti)の後世に残る名曲「Foolish」はまさに「後世に残っている」のでこうして17年経た今現代もこのようにサンプリングネタとして起用されており,全く古びる気配は無し,と言えます。

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

久しぶりに今週のカニエ・ウェスト“Sunday Service”模様をお届けします。おまけにカニエ論を。

カニエ・ウェストが10月25日(私の誕生日)に名作『Jesus Is King』をリリースしてから,しばらく“Sunday Service”の模様をアップしておりませんでした。以下のとおり,今年に入ってから,今年初旬から毎週日曜日にはぶっ続けで,休むことなくカニエ・ウェストはソウルフルなジャムセッション=“Sunday Service”を開催してきました。こんなことはラッパー,否,ヒップホップアーティストでは(ここでは何回も書いてきましたが)前代未聞なのであります。

これまでの“Sunday Service”の模様は,ここら辺(↓)でご覧ください。

カニエ・ウェストの“Sunday Service”まとめ(10月6日&10月12日開催分)

カニエ・ウェスト“Sunday Service”を金曜日に開催 (9月27日分) & アルバム『Jesus Is King』のリスニングパーティー

カニエ・ウェストの“Sunday Service” (前回,前々回,前々々回・・・からのつづき)

そして本日,先週末12月8日(日)に実施されたばかりの“Sunday Service”をお届けいたします。
(於:フロリダ州のVOUS Church)

そしてもうひとつ,11月10日(日)にヒューストン市の刑務所に於いて,囚人相手に開催した“Sunday Service”も以下のとおり掲載しておきます。

今年の冒頭でこのサイトで,カニエ・ウェストの与えるエナジーで2019年を一気に乗り越える,と書きましたが,そのエナジーはやむことなく,ここまで火はともされ続けてきました。もう12月も半分を超えたばかりですが,カニエ・ウェストのエナジーは,ほぼ1年経ったいまも,消える気配がしません・・・と,そんなことを今こうして書いておりますが,思い返せば2003年にカニエ・ウェストのmixtapeをニューヨーク市かクリーブランド市がどちらか忘れましたが買った時にも,同じようなエナジーを感じたことは確かです。2003年のあの頃から現在2019年の終盤を迎えようとしている今も,まだまだ健在です。

ニューヨークの大学に通っていた際,クラスメートが当時,「50セントはもう終わりね,ラッパーってのはだいたい10年が寿命よ」と言い放ちましたが,カニエ・ウェストは10年どころか,プロデューサー時代にジェイZにビートを提供していた時代から考えると20年経た今も,まさにこんな新しいことをやっているっていうのは,イカレているというか,まさにこれを人は「天才的」と呼んでいるのでしょうが,カニエ・ウェストほど「天才」という言葉が似合わないアーティストはいないでしょう。カニエは天才ではなく,芸術家なのです。

何が芸術家なのか,というと,それを象徴しているのは,カニエが2004年にデビューシングルを出したとき,当時,それまでのヒップホップのサグやゲットーやハスラーのイメージの「逆」からスタートした。それはカニエの意図的なものなのであったか否かは別として,それまでのヒップホップのイメージに逆らうように,対抗していった。みずから師(=big brother)と仰ぐジェイZの「真逆」を行った。

そこに彼の「芸術」は端を発するのではないかとずっとモヤモヤと感じてきたのですが,誰かがカニエは天才などということをどこかで書いていたので,それは違うだろう〜と違和感を感じ,初めて文字にしたまでなのです。カニエ論なんていうことばがあるのならば,そこを地点にスタートするのもおもしろいかもしれない,というひとつのアイデアです。

ひとまずは,ここで終わりにしますが,カニエのことを天才だと思ったことは,20年以上カニエの音楽を聴いてきて,感じたことはなかった。(Jay-Z feat. Scarface & Beanie Sigel “This Can’t Be Life”はジェイZの『The Dynasty』アルバムに収録。カニエ・ウェストがプロデュース。リリースは1999年。)ひとまずはそれをクリアーにしておきたいです。

カニエ論は,気が向いた時に,ひょっこりと,また続けます。

(文責:Jun Nishihara)

第31位:現代ヒップホップの教科書=Rapsodyアルバム『Eve』リリース (今年出たHip-Hop名曲名場面ベスト50)

このアルバム,ラプソディ(Rapsody)という女子MCのアルバムです。アルバム名は『Eve(イヴ)』。

収録楽曲1「Nina」より,ヴァースの冒頭1行を紹介します。

Emit light, rap, or Emmett Till
(ラップをして光を放つか,それとも,エメット・ティルのように殺されるか)

アルバムの冒頭から,もうこの強烈な1行です。

彼女(ラプソディ)にとって,死ぬことを避けるためには,ラップするしかない,と。生きることの根元にラップを見出すという強烈さに,我々ラップファンは心を奪われます。アルバムの一番始めの歌詞の1行にこの衝撃のヴァースをもってきたということ自体からして,「このアルバムは心して聞かなきゃいけねえな」と思わせてくれます。

ちなみにエメット・ティル(Emmett Till)というのは,黒人の歴史を学んだことがある人なら,もう知らない人はいないでしょう。ヒップホップをよく聴く人であれば,名前だけでも耳にしたことはあるでしょう。黒人歴史にとってとても重要な人物です。黒人がどれほど残虐な時代を経てきたかの象徴となる人物,エメット・ティルの歴史については,検索してみてください。

以下は,収録楽曲2「Cleo」より。

White men run this, they don’t want this kind of passion (Talk)
A black woman story, they don’t want this kind of rapping (Talk)
They love a fantasy, they love the gun bang action (Talk)
What good is a black women to them? (Yeah)
Raped us in slavery, they raping us again (Yes)
Only put us on TV if our titties jiggling (Uh)

この業界を牛耳っているのは白人,私たちのような情熱は,いらないって(で)
黒人女性の物語,そんなラップは聞きたくないって(それで)
ファンタジーが欲しいんだって,拳銃ぶっ放ってアクション満載のが欲しいんだって(で)
連中(経営陣幹部の白人連中)にとっちゃ,黒人女性になんの意味があるだって?(で)
奴隷時代に私たちをレイプして,ほら,今もこうしてレイプされている(そう)
乳を出して揺らしてる女しか,TVに出そうとしないヤツら(Uh)

このアルバム『Eve』は引き続き全曲をとおして聴くべしアルバムです。

ラプソディのフリースタイルも掲載しておきます。

How y’all gon boo Drake?
Knowing y’all wouldn’t have a boo without Drake

ドレイクをそんなにブーイングしなくていいじゃない
そもそもドレイクの曲のお陰で,あんたらにカノジョができたんでしょ
(ラプソディ,Funk Flex Freestyleより)

(文責及び対訳:Jun Nishihara)