アルバム『Khaled Khaled』より、楽曲⑨「THIS IS MY YEAR」です。

DJキャレド(DJ Khaled)が本年4月30日にリリースしたアルバム『Khaled Khaled』より、ビッグ・ショーン(Big Sean)、リック・ロス(Rick Ross)、エイ・ブギー・ウィット・ダ・フディー(A Boogie Wit Da Hoodie)及び(DJキャレドのデビューより20年前からキャレド並み(それ以上?)のエネルギーで働いていた)パフ・ダディー(Puff Daddy)を迎えた楽曲⑨「THIS IS MY YEAR」です。

今でこそ、DJ連中の中で最もポジティブなエネルギーをぶち巻いている野郎といえば、という話が出れば、DJキャレド!と答えが出てきますが、DJキャレドがここまで名を馳せていなかった時代(つまり90年代から2000年代にかけて)には、似たようなことをやっていた人間にパフ・ダディ(Puffy Daddy)という大物プロデューサーが君臨していました。ビギー(The Notorious B.I.G.)を有名にさせた黒幕ですね。もう今となってはオモテの顔となっておりますが。パフ・ダディは、もともと「パフ・ダディ(Puff Daddy)」という芸名で仕事していましたが、それが時代を経て、「パフィ(Puffy)」となり、はたまた「P. Diddy(P.ディディ)」となり、かと思うと「Diddy(ディディ)」となり、現在、大元の「パフ・ダディ(Puff Daddy)」に原点回帰しております。パフ・ダディ(Puff Daddy)という名の響きは、昔からパフ・ダディの音楽を聴いてきた我々の世代にとっては、やはり、ビギーのことを思い出します。やっぱり「パフ・ダディ」は「パフィ」でもなく、「ディディ」でもなく、「Puff Daddy」が一番しっくりきます。

そのポジティブなエネルギーをぶち巻く総本山である「パフ・ダディ」(これこそオリジナル版のDJキャレド)がハイプマンとして本楽曲のクレジットに名を並べます。

DJ Khaled feat. Big Sean, Rick Ross & Puff Daddy

(キュレーティング:Jun Nishihara)

ビッグ・ショーンとニプシー・ハッスルの「Deep Reverence」ミュージックビデオをリリース。

Big Sean(ビッグ・ショーン)及びニプシー・ハッスル(Nipsey Hussle)のコラボレーション作「Deep Reverence」のミュージックビデオがリリースされました。

ミュージックビデオでは,ニプシー・ハッスルが生まれ育った地元=L.A.のクレンショー(Crenshaw)の街を,ニプシーが生前乗り回していたクラシック・カーで超大物の運転でドライブするという豪華な映像です。

超大物とは誰か,ミュージックビデオを観ていただければ分かりますが,ニプシーの告別式にも出席していたL.A.を最も代表する首領(ドン)です。

ニプシーの壁画があらゆる場所に鏤められていますが,いかにL.A.全体でニプシーとの別れを偲んでいるかが明らかです。

Fuck rap, I’m a street legend
Block love me with a deep reverence
I was birthed in a C Section
Hella cops and police presence

ラップはクソ喰らえ,ストリートの伝説とは俺のこと
地元は深き畏敬とともに俺を愛す
俺は帝王切開(“C”セクション)でこの世に生まれてきた
周りはサツとポリに囲まれて
(対訳:Jun Nishihara)

L.A.のギャングに精通している方であれば,この“C”セクションが「帝王切開」だけを意味しているのではないことはお分かりでしょう。

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

第12位:Big Seanのアルバム『Detroit 2』より2020年イチのフリースタイル曲「Friday Night Cypher」(2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

ビッグ・ショーンが2020年9月にリリースしたアルバム『Detroit 2』に収録された楽曲「Friday Night Cypher」はかなりの衝撃です。

18年前,2002年にHip-Hop史上に残る「Grindin’」という,永遠のビートを作り上げたファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)及びチャド・ヒューゴ(Chad Hugo)率いるザ・ネプチューンズ(The Neptunes)のビートを元ネタに使ったメロディで始まります。

そこからデトロイト出身のラッパー11名が勢揃いして,一人一人フリースタイル・ラップをカマしていきます。この1曲で9分28秒というラップ曲にしては非常に長い曲。

曲名にあるcypher(サイファー)というのは,複数名のラッパーが円を囲んで一人一人順番にフリースタイルをカマしていくというスタイルのこと。

その「円」を想像しながら聴いてみてください。

このサイファーに参加している11名は以下のとおり。
登場する順番に掲載します。

ティー・グリズリー(Tee Grizzley)
キャッシュ・ドール(Kash Doll)
キャッシュ・キッド(Cash Kidd)
ペイロール・ジョヴァンニ(Payroll Giovanni)
42・ダッグ(42 Dugg)
ボールディ・ジェイムス(Boldy James)
ドレゴ(Drego)
ビッグ・ショーン(Big Sean)
サダ・ベイビー(Sada Baby)
ロイス・ダ・5’9’’(Royce da 5’9”)
エミネム(Eminem)

大トリはエミネム。
Boldy James(3:07)のラインでビートがスウィッチされてJadakissの「We Gonna Make It」ビートが鳴り始める瞬間,テンション上がらないハズがない!(ちょっと細かいですが,ここのビートは,「We Gonna Make It」のビートを裏返しして,つまり,後ろ(高音)のキーからビートマシンを弾いて低音に戻るという,逆方向に鳴らして,まぁ凝ってます。)

ではそのデトロイト・ラッパー10人をfeat.したビッグ・ショーンの「Friday Night Cypher」聴いてみましょう。

Big Sean feat. 10 Detroit rappers – “Friday Night Cypher”

ちなみに,冒頭で起用されている元ネタは,The Neptunesビートの「Grindin’」です。

まぁ,ファレルとチャド・ヒューゴの天才ぶりを聴いてみてくだされ。ファレルが相方のチャド・ヒューゴに対してこう言っています。「チャドは天才だ。碩学(savant)だよ。チャドに比べりゃ俺はただの蟻(ant)だよ」,と。

(文責:Jun Nishihara)

第13位:道に迷った時に聴くべきNasのアルバム『King’s Disease』(2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

Nasの音楽は,道に迷った時に聴くべき原点である。
2020年8月にリリースされたアルバム『King’s Disease』は,新しくも旧い原点を示してくれている。

Nasはわれわれに,「あんたらが道に迷った時に聴ける音楽として,こんだけありますよ。こん中から,いまのあんたの境涯・苦境に合う曲を数曲セレクトして,それを聴けばいい。」という選択肢を大風呂敷を広げて,提供してくれている。

まさに,名曲の宝庫をわれわれの目の前に広げてくれていて,そこから今の自分に合った曲を選べばいいという,なんという贅沢。こんなことが出来るのは,Nasが1994年にデビューしてから,26年間という(もはや歴史上人物にさえもなりうるような)年月をかけてリリースしてきた数々の名曲があるからこそである。

そして2020年8月にリリースされた『King’s Disease』は,そのコレクションにまたもや選択肢を増やしてくれる(さらに目移りさせられてしまう要因となる)ディスクなのである。

そしてNasのカッコ良さについては,こちらのページを読んでいただければと思う。

2020年の第13位は文句無しのNasである。

そして,1月22日(金)に以下のミュージックビデオをリリースした。「27 Summers」とはその名のとおり「夏を27回経てきた」ということ,つまり,27年間,現役でやってきたということ(夏を制するとはその年のヒットを飛ばすということ)。

このビデオ,勢いだけは誰にも負けないDJ Khaledを迎えて,その勢いとは真逆に位置する安定感の塊のようなNasと組んで.ある意味,壮大なる楽曲である。

(文責:Jun Nishihara)

元ネタの曲を知る(14):ビッグ・ショーン⇄マイケル・ジャクソン

先月リリースされたビッグ・ショーン(Big Sean)の新盤『Detroit 2』から。

同アルバムに収録されている楽曲「Don Life」はマイケル・ジャクソンの「Human Nature」を元ネタにしてビートを回しております。

まずはビッグ・ショーンのこちら,check it out.

Big Sean – “Don Life”

そして,ビッグ・ショーンが今回本曲をビート・プロデューサーであるKeY Wayne(キー・ウェイン)とともに制作するにあたり,サンプリングとして下敷きにした元ネタが,マイケル・ジャクソンの「Human Nature」です。

Michael Jackson – “Human Nature”

(文責:Jun Nishihara)

今週の新曲:Big Sean feat. Nipsey Hussle – “Deep Reverence”

出ました。ニプシー・ハッスルをfeat.したビッグ・ショーンの新曲「Deep Reverence」。こちらを以下のとおり掲載しておきます。

Big Sean feat. Nipsey Hussle – “Deep Reverence”

なお,まもなくリリースされる予定のビッグ・ショーンの新盤『Detroit 2』に向けて,こちらのプレビューをどうぞ。

アツい!
外気は寒くなってきたのに,アツい!
ドンの生き様(=DON LIFE),見せてくれや。

(キュレーティング:Jun Nishihara)

第21位:Big SeanのNYラジオ局,HOT97でのフリースタイル。(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

だんだんとランキングが上がってきました。それにあわせてラッパーのレベルも上がってきます。

と,そう言って今,ハードルを上げましたが,そのハードルを上げても,ちゃんと期待通りカマしてくれるのがビッグ・ショーン(Big Sean)です。まずは今年8月にニューヨークのヒップホップラジオ曲=HOT97で行われたフリースタイルをご覧下さい。
冒頭はフレックスとビッグ・ショーンのトークが3分ほど入りますが,フリースタイルはタイムライン3:07から始まります。

5 P’s = Proper Preparation Prevents Poor Performance
(5つの“P”とは,つまり,事前の準備を怠らなけりゃ,イマイチなパフォーマンスも事前に防げる。)

なお,ビッグ・ショーンは今年のMTV Video Music Awardsでも以下パフォーマンスを披露してくれました。

Big Sean feat. A$AP Ferg – “Bezerk” です。

(文責:Jun Nishihara)

第24位:Jhene Aikoのフリースタイル「Triggered Freestyle」及び元カレ=Big Seanとの「None Of Your Concern」(今年出たHip-Hop名曲名場面ベスト50)

ジェネイ・アイコ(Jhene Aiko)は,ヤバいリリックを最もおだやかなメロディに乗せて歌うという才覚に関しては,他のR&Bシンガーの群を抜いて優れています。

それがコレ。元カレ=ビッグ・ショーン(Big Sean)に宛てたフリースタイル曲です。

なかなかステキなメロディなのに,言ってることは激烈。

上記「Triggered Freestyle」がリリースされたのは今年の5月。しかしそれから,同曲「Triggered Freestyle」でネタにした元カレをひっさげて(文字通り引っ提げて)ふたりでシングル曲「None Of Your Concern」を出しました。アイコの歌に返歌ならぬ返事のラップをする最後のビッグ・ショーンにも注目ですが,この曲のスターはビッグ・ショーンではなく,アイコでしょう。

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(文責:Jun Nishihara)

第37位:今年の37位はKash Doll? もしくはDoja Cat? 二人とも今年メインストリームデビュー!(今年出たHip-Hop名曲名場面ベスト50)

名前が似すぎて,違いがわからん!・・・と言う方に,まずは写真で区別していただきましょう。

まずはキャッシュ・ドール(Kash Doll)は黒人女子ラッパー。
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そしてドジャ・キャット(Doja Cat)はかなり色白の二人種(黒人と白人にまたがる)女子ラッパーです。パパが南アフリカ生まれ,ママはユダヤ系の白人というステフロン・ドンに負けず劣らない多種多様のカルチャーが混ざり合った家庭で育ちました。
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上記2つの写真を見比べるだけでも,イメージというか印象は二人とも互いにぜんぜん異なります。写真の印象だけでは,どちらが好きですか?

パッと見はドジャ・キャットが好印象ですけれど,キャッシュ・ドールのほうがラップが上手そうですね。

さて,こんどは,二人が今年リリースしたシングル曲をそれぞれ聴き比べてみましょう。

まずはキャッシュ・ドール(Kash Doll)から,今年8月にリリースされたシングル曲「Ready Set」です。

続いてドジャ・キャット(Doja Cat),同じく今年8月にリリースされたシングル曲「Juicy」です。

どちらが好きですか?
写真で見たときの印象どおり,ラップに関しては,キャッシュ・ドールがダントツですね。

最後に,二人のフリースタイルを聴き比べてみましょう。

まずはキャッシュ・ドール(Kash Doll)から。

キャッシュ・ドールのフリースタイル中で「Detroit Queen」と出てきますが,彼女はデトロイト出身。エミネムやビッグ・ショーンの同胞です。

続いてドジャ・キャット(Doja Cat)・・・なのですが,いいフリースタイルが見つからなかったですので,彼女がエロく歌うインスタ動画と,続いて“A COLORS SHOW”で披露したシングル曲「Juicy」を掲載いたします。

こうして見てみますと,二人はまったく毛色の異なるアーティストということが分かります。キャッシュ・ドール(Kash Doll)はラップもフリースタイルもしっかりしていて,根っからのヒップホップ・アーティストですが,色白のドジャ・キャット(Doja Cat)はウタも歌えて,ポップス寄りですね。

さて,それでは今年第37位の軍配を上げるのは,キャッシュ・ドールか,ドジャ・キャットか,どちらでしょう。

ヒップホップ好き代表としては,今年の軍配は,ラップもフリースタイルもできるキャッシュ・ドール(Kash Doll)に決定です。ドジャ・キャット(Doja Cat)は見た目もいいですし,これからポップス界でも人気を挙げていくのでしょうが,最近増えてきた女子ラッパーの間で熾烈の戦いを繰り広げるであろうキャッシュ・ドールには,さらに頑張っていってもらいたいですね。

ということで,今年第37位はキャッシュ・ドール(Kash Doll)でした。

(文責:Jun Nishihara)