第5位:Hip-Hop界の女子代表=Missy ElliottのMTV授賞式及びライヴパフォーマンス模様(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

ヒップホップが1970年に誕生して以来,これほどまでに女子ラッパーが活躍した年代は無かった。その2019年のMTV授賞式において,ミッシー・エリオット(Missy Elliott)がビデオ・ミュージック・アワード賞で称えられるという出来事は,2019年の象徴的なニュースといえるでしょう。

ミッシー・エリオット(Missy Elliott)は,diversity(多種多様性)という言葉が叫ばれる現代において,多種多様なセクシュアリティ,多種多様な体型,多種多様な人種を認める,という意味における先駆者です。今でこそ,あらゆる場面で「多種多様性」とかって叫ばれておりますが,ミッシーはそれを90年代後半において,すでに始めていた。

ミッシーの90年代後半のMV「The Rain (Supa Dupa Fly)」はその象徴的なビデオです。当時,ヒップホップ界で,ミッシーのような体型で踊ってラップし,カッコよくスワッグをキメていた,というのは非常に稀でした。それを観たアメリカ中の体型にコンプレックスを持つ黒人女子たちは,「私たちも,やっていいんだ」と思えた。じぶんたちを認めさせてくれた。しかし,実際にやろうと思うと,これがむつかしい。とは言え,希望を与えてくれたことは間違いなかった。

ミッシー・エリオットの偉大さについては,こちらをご参照下さい

2001年にリリースされたミッシーの「Get Ur Freak On」は,衝撃的なMVでした。当時こんなにフリーキーなビデオはどこにもなかった。超カッコ良かったし,ラップも真似たし,ダンスも真似ようとした。男も女も関係なく。まさにジェンダー・フリー。

そして出た「One Minute Man」のリュダクリスとのリミックス。ジェイZとのリミックスヴァージョンも登場し,めちゃめちゃ惚れた。

それからしばらく後の2004年,「I’m Really Hot」というシングル曲がリリースされ,ミュージックビデオも出ました。当時はNYでインターネットがまだ光回線になっていなかった頃,画質の悪い動画で観たのを憶えておりますが,同ビデオの途中,タイムライン2:50の箇所でビートが一変し,ラップ及びダンスのスタイルがスウィッチアップするところがめちゃカッコ良いと感じました。当時は同じ曲でのビートのスウィッチアップもとても珍しかった。

そして時は経て2005年,ミッシーの「Meltdown」をアルバム『The Cookbook』で聴いたときは,感動しましたねえ。なんて素敵な曲なんだと。いままでハードなラップで,ダンサブルなチューンでやってきたミッシーがこういったアンビアンスなビートでもラップするんだ〜ってね。さらにミッシーのことが好きになりました。

さてその好きな曲「Meltdown」を入れときます。この曲は,あたいにとってスペシャルな曲ですよ。

Missy Elliott – “Meltdown”

ミッシーについては,話し出すと話が終わらないですので,本日はここら辺で切り上げときます。ほな,また。

(文責:Jun Nishihara)

第10位:リゾ(Lizzo)の歌,踊り,そしてフルート演奏。全体的なパーフォマンスの完成度の高さ。(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

リゾ(Lizzo)については,もう当サイトで何も新しく述べることは無いでしょう。ヒップホップのサイトなのに,なぜ彼女をわざわざ取り上げるのか,と。まぁそう思っている方もいらっしゃるかもしれませんが,今年2019年,リゾのスターへの道のりについては,めざましい成果であったと云えますし,もはや偉業と呼べるほどのことを成し遂げてきているので,取り上げざるを得なかったところです。

今年2019年はアルバム『Cuz I Love You』(米ビルボードが選ぶ2019年最も重要なアルバム第4位を記録)をリリースしました。

以下MVを掲載しておきます。

シングル曲「Good As Hell」についてはオリジナル・リリースは2016年ですが,今年2019年にはアリアナ・グランデ(Ariana Grande)とのREMIX盤をリリースし,またMVも一般のシロウトを起用した,素敵なミュージックビデオに仕上がっております。

Lizzo – Good As Hell(2016年リリースのオリジナル盤)

Lizzo – Good As Hell(アリアナ・グランデとのREMIX盤)

Lizzo – Good As Hell(オリジナル曲の2019年盤:ミュージックビデオは2019年12月9日リリースの新作)

Lizzo – 米「Ellen」番組でのシングル曲「Juice」ライヴ・パフォーマンス

Lizzo – 英「The Jonathan Ross Show」番組で相棒フルート=名前はサーシャ(フルートの名前がSasha!)を吹くリゾ。

Lizzo – 2019年のMTVビデオ・ミュージック・アワード賞でライヴステージを披露するリゾ。演目は「Truth Hurts」と「Good As Hell」。

Lizzo feat. Missy Elliott – “Tempo”

そして米TIME誌が選ぶ2019年最も輝いたエンターテイナー(TIME’s Entertainer of the Year)にも選ばれました。

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(文責:Jun Nishihara)

第21位:Big SeanのNYラジオ局,HOT97でのフリースタイル。(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

だんだんとランキングが上がってきました。それにあわせてラッパーのレベルも上がってきます。

と,そう言って今,ハードルを上げましたが,そのハードルを上げても,ちゃんと期待通りカマしてくれるのがビッグ・ショーン(Big Sean)です。まずは今年8月にニューヨークのヒップホップラジオ曲=HOT97で行われたフリースタイルをご覧下さい。
冒頭はフレックスとビッグ・ショーンのトークが3分ほど入りますが,フリースタイルはタイムライン3:07から始まります。

5 P’s = Proper Preparation Prevents Poor Performance
(5つの“P”とは,つまり,事前の準備を怠らなけりゃ,イマイチなパフォーマンスも事前に防げる。)

なお,ビッグ・ショーンは今年のMTV Video Music Awardsでも以下パフォーマンスを披露してくれました。

Big Sean feat. A$AP Ferg – “Bezerk” です。

(文責:Jun Nishihara)

第50位:ダンサーAlyson Stoner,ミッシーとMTV授賞式で再会果たす。(今年出たHip-Hop名曲・名場面ベスト50)

米MTVが主催するミュージックビデオの祭典=MTV Video Music Awards賞で,ミッシー・エリオットのステージで17年ぶりにミッシーと再会を果たしたAlyson Stoner(アリソン・ストーナー)が一躍有名となりました。

前回当サイトでも彼女を取り上げましたが,アリソン・ストーナーは,ミッシー・エリオットの2002年ミュージックビデオ「Work It」で共演しております。当時アリソンはわずか9歳。
※下記映像タイムライン4:12から映る白人の女の子です。

そして17年ぶりにミッシー・エリオットと共演したのが以下映像タイムライン1:07の箇所です。

そしてアリソン・ストーナーのインスタグラムから以下掲載です。

なお,米エレンショー(The Ellen Show)でも17年前に出演しております。

17年の時を経ても,ミッシー・エリオットのこの曲「Work It」はほんの僅かも古びていないというのはまさに快挙です。

(文責:Jun Nishihara)

アメリカ『BET』の歴史と重なるメアリーJブライジの音楽史に贈られた特別功労賞。

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(デビュー当時のMary J. Blige)

黒人音楽を聴くという習慣がついているものにとって,アメリカのBETというTVチェンネルは欠かせないものです。アメリカ黒人のカルチャーやファッション,音楽やミュージックビデオ等に関するあらゆる番組を一日中放映しているTVです。(BET=Black Entertainment TV)2000年代初期の頃にはまだまだBETよりもMTVという時流はありましたが,最近ではMTVと双璧をなすほどのクオリティとトレンド力をBETはつけてきたと思います。

MTVと同じくBETでも毎年「BET Music Awards」が開催されます。2001年から開催するようになり,今年で19年目です。

そのBET Music Awardsで今年開かされたAwards授賞式では,メアリー・J.ブライジ(Mary J. Blige)が素晴らしきステージパフォーマンスを見せてくれました。メアリーが活動を始めたのは1989年,BETが創設されたのは1980年,アメリカの全国版TVチャンネルとして認められたのは1983年でした。つまり,BETがアメリカ全土に放映されるようになって僅か6年後にメアリーのミュージックビデオはBETチャンネルで放映されるようになったのでした。

こうして四半世紀以上の黒人音楽史を,Mary J. Bligeとともに歩んできた米国BETチャンネルは,今年(2019年)のBET授賞式で彼女を特別に讃えることとしました。まさにその名に等しい「Lifetime Achievement Award(特別功労賞)」です。この特別功労賞は,黒人音楽の歴史において名を馳せるとともに,黒人音楽に長年の間貢献した偉大なる人物に贈られる賞です。過去に同賞を受賞した人物にホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston),ジェイムス・ブラウン(James Brown),チャカ・カーン(Chaka Khan),プリンス(Prince),ダイアナ・ロス(Diana Ross)等,まさに偉大なる人物が並びます。

その偉大なる人物の中に,ついにMary J. Bligeも並ぶこととなりました。現代の世代のヒップホップアーティストでこの受賞者の欄に並ぶのは初めてです。「ヒップホップ」が初めてなんです。信じられないようで,ずっとヒップホップを聞いてきたものにとっては感慨深いものがあります。繰り返しますが,「功労賞」にヒップホップという音楽も入るようになったんです。今まで「若者の音楽」だと勝手に思ってきたヒップホップも「歳をとったものだなぁ」とこれを見て思いましたよ。あのダボダボのシャツとダボダボのパンツとベースボールキャップを被って腰を屈めてストリートを闊歩したいたナインティーズのヒップホップスタイルも,今や,小ぎれいに着飾って,ジュエリーなんかしちゃって,パンツもタイト,シャツもタイト,キャップも高価,もうかつての「土臭さ」はなくなりつつありますけれど,以下のメアリーのパフォーマンス映像では,ミーゴスもカーディBもリスペクトの目でメアリーを見る映像が映し出されます。この姿はMTVでは観られないんじゃないかなぁなんて思います。

そしてその同授賞式でのメアリーのステージがまた素晴らしかった。これです。

そして以下がメアリーが特別功労賞を受賞する際の模様です。

ヒップホップ・ソウルの歴史がまた1ページ,刻まれました。

(文責:Jun Nishihara)

2019年MTVビデオ・ミュージック賞(とりわけミッシー・エリオットの偉大さについて)

2019年8月26日(日)に開催された米MTVのVideo Music Awardsより,ハイライトをいくつかピックアップして,以下に掲載しておきます。5年後これを見返して,懐かしい感情を抱けますように。

Taylor Swift
まずは,テイラー・スウィフトです。2曲めに披露するバラード曲を演奏して,ここまで声援が挙がる人は,現ポップス界では他にいらっしゃらないですね。誰もがヒップホップやEDM系の曲を制作している中,ある意味,時代とは逆方向に進むともいえるテイラー・スウィフトのこの曲「Lover」は,人間がもつ心の普遍的な琴線に触れる名曲だと云えるでしょう。

Missy Elliott
やってきました。ミッシー・エリオットです。今夜最高のステージはミッシーが奪い去ったといえるでしょう。2曲めの「The Rain (Supa Dupa Fly)」は1997年リリースの曲ですけれど,一片足りとも古びていない!また,MTV VMAs終了後の数日間(いや,今も?)ツイッターやインスタグラムで騒がれ続けたこの人(↓)(=Alyson Stoner)は,ミッシーが2002年にシングル曲「Work It」をリリースした際,ミュージックビデオで踊っていたあの女の子です。当時この子はわずか9歳。17年ぶりに,ミッシー・エリオットと同曲で共演を果たしたというのは,なんとも感慨深いことです。
Alyson-Stoner-Dances-Missy-Elliott-2019-MTV-VMAs-Tribute

なお,「Get Ur Freak On」「Pass That Dutch」等,名曲が続きます。

Queen Latifah
クイーン・ラティファのお出ましは以下映像の4:34からです。先出のミッシー・エリオットに続き,クイーン・ラティファの今年のMTV VMAsへの登場は今年特に顕著な女性ラッパー世代を象徴しているように思われます。

Lizzo
現代ぽっちゃり女子代表。あらゆるサイズ,人種,カラー,エスニシティ,セクシュアリティの代弁者として,なかなかおもしろいポジションにいる人だと思います。

Megan Thee Stallion
まずは,年齢に驚き。メガンは1995年生まれなので,まだ24歳。24歳でこのラップ力は凄まじいですね。ようやくMTVにまで出られるようになった。とても嬉しいですが,今までのアングラ力の勢いを失わないようにいってほしいというのが,ファンである我々の思いです。けっしてポップ界に流されないように!!

Missy Elliott’s Acceptance Speech of “Michael Jackson Music Video Vanguard Award”
最後にミッシー・エリオットが女性初「マイケル・ジャクソン・ビデオ・ヴァンガード賞」を受賞した際のスピーチで締めくくります。20年以上もミッシーは「ヒップホップダンス界」の大御所としてその才能及び貢献を音楽界のために尽くしてきました。それがようやくここで大いなる賞の贈呈とともに一つの実を結んだといえます。ミッシー・エリオットが本スピーチの中で,感謝している人リストに連なる人物を聞くだけで,どれだけミッシーは謙虚な人であるかということが伺い知ることができます。最後にミッシーが感謝する人(たち)を挙げたところで,ステージも湧き上がります。それではじっくり聴いてみてください。

今日も,当サイトに来てくれてありがとうございます。
ミッシー・エリオットが90年代後半に,MTVで踊っていた映像を見ていた頃を思い出します。世代はだんだんと変わっていっているといいますが,ミッシー・エリオットのような偉大なる人をリアル・タイムで当時TVで観られていたことは幸せですし,どれだけ世代が変わったとしても,こんなありがたいことはない,と思っております。

(文責:Jun Nishihara)