第25位:Blood Orangeのアルバム『Angel’s Pulse』(今年出たHip-Hop名曲名場面ベスト50)

ヒップホップでもなく,ロックでもなく,ジャズでもなく,R&Bでもなく,ポップスともいえない。しかしながら,同時に逆もありえる。ブラッド・オレンジ(Blood Orange)というUKミュージックシーンに登場したユニットは,ヒップホップであり,ロックでもあり,ジャズでもあり,R&Bでもあり,ポップスでもあり,時にファンクの要素をも醸し出す,まさに彼・彼女らは「音楽を制作する」グループといえる。ヒップホップ曲を作るに留まらず,音楽を制作しているという描写がよく似合うユニットである。

その彼らが前作『Negro Swan』から1年経た本年7月にニューアルバム『Angel’s Pulse』をリリースした。

音楽評論サイト=Pitchforkでも論評されているとおり今回のアルバムは「light and loose, a pre-production sketchbook presented as a charmingly finished product(軽快でゆったりした,デモテープの雰囲気さえも醸し出しているチャーミングな作品)」と描写されています。

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堅苦しさを感じさせない,軽やかな音楽をこのアルバムで披露してくれているブラッド・オレンジ(Blood Orange)は,前作『Negro Swan』(名盤!)のようにヘヴィーなプロダクションがかった作品からは,180度転換しております。肩肘張らずに聴ける今回のニューアルバムは,気合入れて聞かなくてもいいので,日曜の朝なんかに,なかなか良いんじゃないですかね。アルバム収録楽曲10は「Tuesday Feeling」というタイトルですけれどね。

(文責:Jun Nishihara)