第21位:Big SeanのNYラジオ局,HOT97でのフリースタイル。(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

だんだんとランキングが上がってきました。それにあわせてラッパーのレベルも上がってきます。

と,そう言って今,ハードルを上げましたが,そのハードルを上げても,ちゃんと期待通りカマしてくれるのがビッグ・ショーン(Big Sean)です。まずは今年8月にニューヨークのヒップホップラジオ曲=HOT97で行われたフリースタイルをご覧下さい。
冒頭はフレックスとビッグ・ショーンのトークが3分ほど入りますが,フリースタイルはタイムライン3:07から始まります。

5 P’s = Proper Preparation Prevents Poor Performance
(5つの“P”とは,つまり,事前の準備を怠らなけりゃ,イマイチなパフォーマンスも事前に防げる。)

なお,ビッグ・ショーンは今年のMTV Video Music Awardsでも以下パフォーマンスを披露してくれました。

Big Sean feat. A$AP Ferg – “Bezerk” です。

(文責:Jun Nishihara)

久しぶりに今週のカニエ・ウェスト“Sunday Service”模様をお届けします。おまけにカニエ論を。

カニエ・ウェストが10月25日(私の誕生日)に名作『Jesus Is King』をリリースしてから,しばらく“Sunday Service”の模様をアップしておりませんでした。以下のとおり,今年に入ってから,今年初旬から毎週日曜日にはぶっ続けで,休むことなくカニエ・ウェストはソウルフルなジャムセッション=“Sunday Service”を開催してきました。こんなことはラッパー,否,ヒップホップアーティストでは(ここでは何回も書いてきましたが)前代未聞なのであります。

これまでの“Sunday Service”の模様は,ここら辺(↓)でご覧ください。

カニエ・ウェストの“Sunday Service”まとめ(10月6日&10月12日開催分)

カニエ・ウェスト“Sunday Service”を金曜日に開催 (9月27日分) & アルバム『Jesus Is King』のリスニングパーティー

カニエ・ウェストの“Sunday Service” (前回,前々回,前々々回・・・からのつづき)

そして本日,先週末12月8日(日)に実施されたばかりの“Sunday Service”をお届けいたします。
(於:フロリダ州のVOUS Church)

そしてもうひとつ,11月10日(日)にヒューストン市の刑務所に於いて,囚人相手に開催した“Sunday Service”も以下のとおり掲載しておきます。

今年の冒頭でこのサイトで,カニエ・ウェストの与えるエナジーで2019年を一気に乗り越える,と書きましたが,そのエナジーはやむことなく,ここまで火はともされ続けてきました。もう12月も半分を超えたばかりですが,カニエ・ウェストのエナジーは,ほぼ1年経ったいまも,消える気配がしません・・・と,そんなことを今こうして書いておりますが,思い返せば2003年にカニエ・ウェストのmixtapeをニューヨーク市かクリーブランド市がどちらか忘れましたが買った時にも,同じようなエナジーを感じたことは確かです。2003年のあの頃から現在2019年の終盤を迎えようとしている今も,まだまだ健在です。

ニューヨークの大学に通っていた際,クラスメートが当時,「50セントはもう終わりね,ラッパーってのはだいたい10年が寿命よ」と言い放ちましたが,カニエ・ウェストは10年どころか,プロデューサー時代にジェイZにビートを提供していた時代から考えると20年経た今も,まさにこんな新しいことをやっているっていうのは,イカレているというか,まさにこれを人は「天才的」と呼んでいるのでしょうが,カニエ・ウェストほど「天才」という言葉が似合わないアーティストはいないでしょう。カニエは天才ではなく,芸術家なのです。

何が芸術家なのか,というと,それを象徴しているのは,カニエが2004年にデビューシングルを出したとき,当時,それまでのヒップホップのサグやゲットーやハスラーのイメージの「逆」からスタートした。それはカニエの意図的なものなのであったか否かは別として,それまでのヒップホップのイメージに逆らうように,対抗していった。みずから師(=big brother)と仰ぐジェイZの「真逆」を行った。

そこに彼の「芸術」は端を発するのではないかとずっとモヤモヤと感じてきたのですが,誰かがカニエは天才などということをどこかで書いていたので,それは違うだろう〜と違和感を感じ,初めて文字にしたまでなのです。カニエ論なんていうことばがあるのならば,そこを地点にスタートするのもおもしろいかもしれない,というひとつのアイデアです。

ひとまずは,ここで終わりにしますが,カニエのことを天才だと思ったことは,20年以上カニエの音楽を聴いてきて,感じたことはなかった。(Jay-Z feat. Scarface & Beanie Sigel “This Can’t Be Life”はジェイZの『The Dynasty』アルバムに収録。カニエ・ウェストがプロデュース。リリースは1999年。)ひとまずはそれをクリアーにしておきたいです。

カニエ論は,気が向いた時に,ひょっこりと,また続けます。

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト新アルバム『Jesus Is King』10月25日リリース確定。

EHYMUCCU4AExxvF

ついにやって来ました。
数回のアルバムリリース日を遅らせた後の確定日ということで,今週金曜日10月25日に『Jesus Is King』はリリースされます。

10月21日,カニエ・ウェストは9ヶ月ぶりにtwitterをして,そのツイート上で,アルバムリリース日を発表いたしました。

10月25日はカニエ・ウェストのミュージックドキュメンタリー映画同名『Jesus Is King』の上映公開日でもあります。映画とアルバムを世界同時リリースとなる予定です。映画のジャケは以前当サイトでも紹介いたしましたが,こちらです。

Jesus is King Final NK Poster 9.25

『Jesus Is King』なるお題目で,いかにもクリスチャン的で,タイトルだけ見ればなにか近寄りがたい雰囲気がありますが,なんのことあれ,キリスト教を信じていない人がどれだけ多くこのアルバムを楽しみにしていることか。お題目はジーザスなんて言っちゃっていますが,これはゴスペル,つまり,音楽そのものを思う存分に楽しむためのアルバムであります。ひとまずキリスト教のことは一切考えず,先入観はこの際取り払って聴いてみていただければと思います。

とか言いながら,先週末(10月18日(金))の夜にジャマイカのキングストン市で開催されたSunday Service中に,カニエはいきなりスマホを取り出して,ケータイを見ます。何をやっているのかと思うと,その5秒後くらいに,バイブル(聖書)の一節を声に出して読み始めます。カニエはこう詠みます。

Kanye:
Mark 1:15, this is my favorite!
Jesus Begins His Ministry.
Mark 1:15, these are the first read letters in the bible.

“The time is fulfilled, and the kingdom of God is at hand;
Repent and believe in the gospel.”

That’s my favorite right there.
The first words of Jesus in the bible.
Repent and believe in the gospel.

この“Repent, and believe in the gospel”という文は「悔い改め,福音を信じなさい」と聖書では訳されますが,これを口語で英語で言うとき,以下のニュアンスが入ります。つまり,聖書さえも読めないような罪深いとされる一般人(つまり普通の人,われわれのこと)にはこう聞こえます。

「しっかり反省して,ゴスペル(天の歌)を信じなさい」

それだけしていれば,大丈夫だと。つまり,たとえ頭が悪くて,いままで悪いことやって生きてきたとしても,無知ながらにちゃんと考えて,天のうたを歌えばいい,それさえすれば,なんとかやっていけるんだと。

こういう生きる根っこにあるものは,カニエの場合,歌(gospel)なのだということが感じ取れます。

非常に基本的なことですが,非常に重要なことを教えてくれる気がしました。

その動画を載せておきます。

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト“Sunday Service”を金曜日に開催 (9月27日分) & アルバム『Jesus Is King』のリスニングパーティー

いよいよカニエ・ウェストのニューアルバム『Jesus Is King』がリリースされるぞ!と期待が絶頂に高まろうとしようとしていた頃,カニエは週末にかけて連チャンでライヴパフォーマンスを開催しました。

第1日目は9月27日(金)デトロイトにて“Sunday Service”を開催。そう!“Sunday Service(日曜のミサ)”は当然のようにこれまでずっと「日曜日に」開催されてきました。しかしここへきて初めて!金曜日に日曜のミサを開催!これまで以上に素晴らしいパフォーマンスとなりました。カニエのみならず,“Sunday Service”クルーの皆さんのダンスとパフォーマンスが極上!当サイトで何度も何度も詳細に亘りくりかえし書いてきましたが,黒人のパワーが発現します。

そして第2日目は9月28日(土),この日,カニエ・ウェストは同じシカゴ出身の同胞ラッパー=Chance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)のライヴステージでパフォーマンスします。同日,ここでも書いたように,カニエ・ウェストのドキュメンタリー映画(IMAX配給)『Jesus Is King』の上映日もキム・カーダシアンのInstagramやTwitterをとおして発表されました。

さて,チャンス・ザ・ラッパーのライヴに登場したカニエ・ウェストの映像も掲載しておきます。

ここでカニエ・ウェストは「Jesus Christ is king.(イエス・キリストこそが王様だ。)」と発言します。

そして第3日目の9月29日(日)には,NYはクイーンズの教会にカニエ・ウェストがあらわれます。クイーンズにあるGreater Allen A.M.E. Cathedral(グレイター・アレンA.M.E.大聖堂)です。地元のクイーンズ出身のアーティストやメディア関係者,ヒップホップジャーナリストたちはこぞって参加。クイーンズは地元といってももうニューヨークですから,ヒップホップ業界の関係者たちもいます。まさにヒップホップの生誕地で,日曜日にヒップホップ化されたゴスペル・クワイアとともに繰り広げる“Sunday Service”はまさに格別!!こんなゼータクなことはないでしょう。

タイムライン4分53秒あたりから,祭壇の奥の方にカニエ・ウェストの姿が見え始めます。

ついにニューヨークまで来ましたね。今まではニューヨークを避けて,ニューヨーク以外のいろいろな場所で“Sunday Service”を毎週日曜日に開催してきましたが,ニューヨークだけは来なかった。しかし,いよいよ,ここへ来た。こりゃあ,ニューヨークの連中は黙っていないですよ。全米でいちばんうるさい野郎たちがニューヨークにいますから。ヒップホップに関しては。黙っていないですよ。ニューヨーク最大のヒップホップ&R&Bラジオ局=HOT97でもちろん取り上げました。以下です。

ニューヨークはアメリカではない,というのがこれを見ていると分かります。ニューヨークではまったく違う時間が流れている。まさにそれをNew York Minuteという。ニューヨーク以外のその他全米と,そしてニューヨークとでは,物事のとらえ方がまったく違う。いやあ,これを見ていて,爽快です。

それから,カニエ・ウェストの未だリリースされないニューアルバム『Jesus Is King』のリスニング・セッションの模様を以下,数枚掲載いたします。(それぞれのクリップは非常に短く,すぐ終わります。)

カニエ・ウェストの『Jesus Is King』アルバムは未だリリースされておりませんが,彼がアルバムをリリースしない時,それはさらなる良き改良(tweaks)を加えているということを意味し,われわれの期待はさらに膨らんでいきます。

(文責:Jun Nishihara)

第2位「今年のグラミー賞で,現代アメリカへの怒りと憤りをヒップホップという音楽に昇華させたケンドリック・ラマーのパフォーマンス!」(今年2018年に出た最も偉大なるヒップホップ曲ランキング)

今年2018年1月28日,ニューヨークのマディソン・スクウェア・ガーデン(Madison Square Garden)で,「第60回グラミー賞」(60th Annual Grammy Awards)が開催されました。そのステージで見せてくれたケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)のパフォーマンスが素晴らしかった。まずはそれをご覧あれ。

Kendrick Lamar – 60th Grammy’s Performance 2018 from Pablo Andres Vizcarra Montaño on Vimeo.

これは現代のアメリカ国への怒りと憤りに満ちた映像です。パフォーマンスの途中,バックのスクリーンに大きく「THIS IS A SATIRE by KENDRICK LAMAR(これはケンドリック・ラマーによる諷刺だ)」と映し出されます。現代アメリカへの怒りと憤りをヒップホップに昇華させたパフォーマンスでした。これをヒップホップと呼ばず,他に何をヒップホップと呼べるか。

さて,途中デイヴ・シャペル(Dave Chappelle)の一言が混じります。もちろんこれも意図的なものです。デイヴ・シャペルが言うとおり,「こんなものを国営放送で流しいいのか?!」ということですが,それをOKしたCBS局にも感謝です。もしCBSがこれをOKしていなければ,こんなに素晴らしいパフォーマンスは今頃は日の目を見ていなかったでしょう。

これこそ今年のヒップホップ,第2位に相応しいパフォーマンスでした。

(文責:Jun Nishihara)