第23位:サウス出身の新人ワル女ラッパー=Mulatto(ムラート)(2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

2020年にラップ界のメインストリームにその名をとどろかせた女子ラッパーの一人としてMulatto(ムラート)を第23位に取り上げたい。

彼女(本名:アリッサ・ミッシェル・スティーヴンズ)は米国北東エリア(五大湖エリア)のオハイオ州コロンバス市生まれ。しかし2歳の頃,南部ジョージア州に両親に連れられ移り住み,黒人の父親と白人の母親を持つにもかかわらず,アリッサ自身,皮膚の色が無色であったことから学校でイジメに遭っていたことが理由で,自分のことをその時からムラート(Mulatto)と呼ぶことにし,当初はMiss Mulattoという名でラップを始めた。

ちなみにMulattoというのは,黒人と白人の混血を指す言葉であり,奴隷制度時代には,黒人の血が一滴でも入っていればcolored(有色人種)として扱われ,差別の対象となった。有名人の間ではオバマ大統領もMulattoとして知られる。

その彼女(ムラート)が有名になるキッカケとなったMVを下記に掲載する。

Mulatto feat. Saweetie & Trina – “Bitch From Da Souf”

(文責:Jun Nishihara)

第39位:女子ラッパー&Migos “Quavo”の恋人=SaweetieのEP『ICY』リリース(今年出たHip-Hop名曲名場面ベスト50)

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女子ラッパー=Saweetie(サウィーティー)は今年,EPアルバム『ICY』をリリースしました。冒頭から終わりまで,中毒性の高いフローでラップしてくれます。

まず1曲お聴きください。今年メチャメチャ流行ったシングル曲「My Type」です。ビートだけは聴いたことある人多いでしょう。この大元の曲は,実は,サウィーティーだったんです。

そして2曲目はカレシのクエヴォ(Quavo:Migosミーゴスのメンバー)をフィーチャリングした楽曲「Tip Toes」です。(※ビートとフローの中毒性のご注意を。良い子は真似をしないこと。)

さて,最後に,3曲目は同じくクエヴォをフィーチャリングしたシングル曲「Emotional」をお届けします。これは90’sのR&Bを彷彿とさせる曲で,なかなか素敵です。

ちなみにクエヴォの言う「ハンチョー」とは日本語の「班長」のことで,英語ではhonchoとスペリングします。英語になった日本語の一つですが,英語では「a leader or manager; the person in charge」とオックスフォード米語辞典では定義されております。これをモジって,クエヴォはHunchoと自称し,デビューアルバム「Quavo Huncho」をリリースしました。

(文責:Jun Nishihara)