カニエ・ウェスト対訳「I Love Kanye」(アルバム『The Life of Pablo』楽曲⑨)

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(写真はカニエ・ウェストのファッション・ブランド=Yeezyのコレクションより。)

Kanye West – “I Love Kanye”
カニエ・ウェスト「I love Kanye」対訳

[Verse]

I miss the old Kanye, straight from the Go Kanye

Chop up the soul Kanye, set on his goals Kanye

hate the new Kanye, the bad mood Kanye

The always rude Kanye, spaz in the news Kanye
I miss the sweet Kanye, chop up the beats Kanye

I gotta say, at that time I’d like to meet Kanye

See, I invented Kanye, it wasn’t any Kanyes

And now I look and look around and there’s so many Kanyes

I used to love Kanye, I used to love Kanye

I even had the pink polo, I thought I was Kanye

What if Kanye made a song about Kanye

Called “I Miss The Old Kanye”? Man, that’d be so Kanye

That’s all it was Kanye, we still love Kanye

And I love you like Kanye loves Kanye

(ヴァース)
むかしのカニエがなつかしい,シカゴ時代のカニエが良かった
ソウルビートを鳴らすカニエ,ゴールに邁進するカニエ
新しいカニエは大っ嫌い,不機嫌なカニエ
いつも行儀の悪いカニエ,ニュース報道で騒ぐカニエ
かっちょいいカニエがなつかしい,ビートを飛ばすカニエ
ぶっちゃけ,俺がカニエじゃなきゃ,カニエに出会ってみたかった
ほらね,俺がカニエを発明した,当時はカニエなんて一人もいなかった
でもそれが今,辺りを見回せばそこらじゅうにカニエだらけ
かつて愛してた,カニエのこと,かつて愛してた,カニエのこと
ピンク色のポロシャツ着て,俺もカニエの真似してた
もしカニエがカニエ自身についての曲を作ったとしたら?
タイトルは「なつかしい,むかしのカニエ」,それって超カニエっぽいだろ
カニエはカニエでしかなくて,みんな今も愛してるカニエ
俺もキミを愛してる,カニエがカニエが愛しているようにね

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

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第6位「ドレイクの“キキ!Do you love me??!!”で今年イチ!流行った曲」(今年2018年に出た最も偉大なるヒップホップ曲ランキング)

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遂にドレイク(Drake)のこの曲「キキ!Do you love me?!?!」の番が回ってきました。第6位です。

最近は,「曲が流行ったかどうか」のモノサシとして,どれだけSNSで話題になったか,トレンドになったか,ハッシュタグがついたかで測られます。以前はCDの売り上げや,TVやラジオ,そしてビルボードチャートのランキングやらで,今どういった曲が流行っているかが測定されていましたが,この頃はそれがSNS上で垣間見れます。

この「キキ!Do you love me?!?!」(*正しくは「In My Feelings」という曲名)は,アメリカ全米だけでなく,アジア,中東,ラテンアメリカ,そしてアフリカ含む世界中の若者がSNSでこのセリフをマネて歌い,踊り,アップしました。

こうしてドレイクは,カナダやアメリカを飛び出し,世界へと羽ばたいていきました。

それでは第6位の当曲「In My Feelings」について,「人」という面から重要な点を簡潔に述べておきます。

Shiggy Challenge(シギーチャレンジ)という現象がSNS上(ツイッターやインスタグラム)で巻き起こりました。

シギーというのは,25歳の黒人コメディアンで,この曲のおかげで一躍有名人になりました。ドレイクのアルバム『Scorpion』が発売されて,当時(2018年6月30日時点)ではまだシングル曲にもなっていなかったのにもかかわらず,彼(シギー)はこの曲をおもしろいと思い,自分がこの曲のビートに合わせて踊っている(ダンスしている)動画を自身のインスタグラムにアップしました。またたく間にその動画はネット上を席巻し,あらゆる場所でリツイートなりリアップなりされて,世界中がその動画を見,世界中の若者にとどまらず,老若男女がそのダンスを真似して,アップするという連鎖反応が起こりました。

まさにドレイクのこの曲と自身のダンス動画のアップによって,シギーの人生は,一変しました。世界中に彼の名が知られることになりました。

その動画がこれです。これがきっかけで,ウィル・スミスも,シアラも,ベッカムも,それを真似して曲に合わせて踊るダンスを自身のインスタグラムにアップしました。

まずはウィル・スミスの動画から。

次にシアラの動画です。

そして,ついに,シギー自身の動画です。これが全ての始まりです。

そしてこの「In My Feelings」における2つ目の重要な点は,黒人ギャルのラップユニット=City Girlsをフィーチャリングしているという事実です。

彼女たち(City Girlsの2人)も前出のシギーのように,この曲「In My Feelings」によって一躍有名人になりました。今までCity Girlsなんていう黒人ギャルのラップユニットなんて聞いたことがなかったという人にも,今ではアメリカではお茶の間に知れ渡る名前となりました。

City Girlsのラップには「ナマリ」があります。アメリカ南部の田舎訛り&黒人英語の発音(南部訛りに加えて黒人英語Ebonicsというキツいアクセント)です。それがまた良い味を出しています。ドレイクのような「ど真ん中」を行くアーティストに,彼女たちのドギツイ抑揚が曲中に入っているというのが,素晴らしい味をぷんぷん臭いくらいに匂わせています。かつて伝説のヒップホップデュオであるアウトキャスト(Outkast)が「Stankonia(ぷんぷん匂う音楽)」と称した南部の黒人ヒップホップですが,これもまた,南部の黒人の臭さがいい具合で匂ってくるくっさい英語です。

今年の流行語ならぬ流行名は「キキ(Kiki!)」と言っていいほど,この曲は今年めちゃめちゃ売れました。

Aliya Janellヴァージョンも載せておきます。

そして最後に,今年最大のヒット曲であるドレイク「In My Feelings」の本物のミュージックビデオがこちらです。

なにがすごいって,本物のドレイクのビデオ中にシギー(シロウト)が創出したダンスが起用されていることですね。ほんとは逆ですけれど,この場合は今までの「逆」なんです。そこまで今年,シギーのダンスは影響力がありました。

(文責:Jun Nishihara)