今年2018年1月28日,ニューヨークのマディソン・スクウェア・ガーデン(Madison Square Garden)で,「第60回グラミー賞」(60th Annual Grammy Awards)が開催されました。そのステージで見せてくれたケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)のパフォーマンスが素晴らしかった。まずはそれをご覧あれ。
Kendrick Lamar – 60th Grammy’s Performance 2018 from Pablo Andres Vizcarra Montaño on Vimeo.
これは現代のアメリカ国への怒りと憤りに満ちた映像です。パフォーマンスの途中,バックのスクリーンに大きく「THIS IS A SATIRE by KENDRICK LAMAR(これはケンドリック・ラマーによる諷刺だ)」と映し出されます。現代アメリカへの怒りと憤りをヒップホップに昇華させたパフォーマンスでした。これをヒップホップと呼ばず,他に何をヒップホップと呼べるか。
Abo, jabba, jabba, abo
Ha, ha, abo, ha, ha
Jabba, ba, ha, jabbam ba, ha
Jabba, ba, ba, ba, ha, do
Do, do, do, do, do, do
Yo, go, go, go, go, go
Mi, bak, ya see you are
Ba, da, de, de, da
Ba, da, de, da
Ba, da, da, ba, da, da
Da, da, da, da
Da, da, da, da
そして本日ご紹介するのは,以下,亡くなる直前に放映されたマック・ミラーのNPR Music Tiny Desk Concertです。
ハイライトは,映像11:30部分から始まる生演奏の「2009」です。
“You gotta jump in to swim.”
(水に飛び込まなきゃ,泳げない。)
“Buy a lot of things just to feel a lot ugly.”
(高価なモノをたくさん買って,けっきょく醜(みにく)く感じる。)
“2009 no more / Yeah I know what’s behind that door”
(もう2009年じゃない。あのドアの向こうに何があるかは,もう分かってる。)
“Sometimes, sometimes, I wish I took a simpler route / Instead of having demons that’s as big as my house.”
(時々,時々,思うんだ。もっと単純な人生を歩んでれば,って。巨大な悪魔につきまとわれるんじゃなくて。)
“Cuz the party ain’t over till they kickin’ me out.”
(放り出されるまで,パーティーは終わらない。)
Mac Millerの音楽は,ヒップホップを愛する我々の魂(soul)に刻み込まれ,これからも我々のsoulとともに,生き続けていくことでしょう。
この曲で凄いことは,お互いにラップのレベルを上げあっていることです。エイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)がここまでスムースなビートに,押韻,抑揚,律動を加えてライムすることは久々です。まさにそのスムースなビートとはタイラー・ザ・クリエイター(Tyler, the Creator)の影響でしょう。タイラーもタイラーで,ここまで「ちゃんと」ビートに乗せて「はみ出さずに」ライムをしているというのは,エイサップ・ロッキーの影響でしょう。