第14位:アメリカ中の女子の間で話題・共感を呼んだSummer Walkerのアルバム『Over It』(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

2019年,ティーンエイジャーから20代,30代〜と,アメリカ中の女子の間で話題と共感を呼んだ女子専用のアルバム『Over It』がリリースされました。今年デビューしたR&Bアーティスト=サマー・ウォーカー(Summer Walker)はジョージア州アトランタ出身の23歳。同アルバムのリードシングル『Girls Need Love Remix』ではドレイク(Drake)をフィーチャリングしたことでまずは超話題となり,その他,アルバム収録楽曲「Come Thru」ではアッシャー(Usher)のナツメロ!!!!!!!!「You Make Me Wanna…」を元ネタのサンプリングとしてゼータクに起用し,しかも本人!!のUsherまでフィーチャリングしたという昔っからのR&B好きには堪らない曲に仕上がっています。

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それでは,リードシングルとなったドレイクをfeat.した曲「Girls Need Love Remix」をどうぞ。

そして本人アッシャーをfeat.したことで話題の曲「Come Thru」もどうぞ。

そして,その元ネタとしてR&B史上最重要ってなもんじゃない,もうR&Bの基本として昔っから聴いておくべきアッシャー(Usher)の名曲「You Make Me Wanna…」がこちらです。リリースは1997年です。黒人音楽がメインストリームとなり始めていた当時,MTVやBETでミュージックビデオが流れまくっておりました。

今年2019年も「黒人音楽の研究室」に来てくれて,ありがとうございました。来年2020年も引き続き,どうぞ宜しくお願い申し上げます。2020年1月1日お正月は第13位から,引き続き2019年ランキングを続けます。

(文責:Jun Nishihara)

第23位:黒人女性の(それも若者の)代弁者として艶麗な声で歌うわずか20代のRayana Jay。(今年出たHip-Hop名曲名場面ベスト50)

レイアナ・ジェイ(Rayana Jay)については,以前2回に亘って掲載いたしましたので,下記ページをご参照願います。

2018年11月28日
若手アーティストの街角:Rayana Jay – “Sunkissed”

2019年6月19日
現代の若者黒人文化をリードする人物(その①:レイアナ・ジェイ)

レイアナ・ジェイは本年,アルバム『Love Me Like』をリリースし,正式デビューを果たしましたが,上記ページに掲載したとおり,すでに3枚のEPをリリースしております。

その中から,”what’s cooler than cool?! ICE COLD!”(クールよりクールなものは何?!アイス・コールド!)で知られるサウスの生きた伝説的ラップデュオ=OutKastのフレーズをもじった歌詞を起用した楽曲「Sleepy Brown」を掲載しておきます。これはデビュー前の初期の頃のレイアナ・ジェイの歌。これからレイアナは有名になっていくわけですが,「無名時代の曲」というのは,将来,非常に貴重になりますので,じっくり聴いておくべし!!

レイアナ・ジェイ(Rayana Jay)は,いまだにWikipedia(ウィキペディア)には掲載されておりませんが,これからウィキペディアにも載るようになり,COMPLEX等のカルチャー雑誌でも取り上げられるようになり,はたまた,NPRラジオ主催の「Tiny Desk Concert(タイニー・デスク・コンサート)」にも出演するようになるでしょう。レイト・ナイト・ショーの米NBCネットワークtvのThe Tonight Show starring Jimmy Fallonにも!

ひとまずは,来年2020年,レイアナ・ジェイは,NPRの「NPR Music: Tiny Desk Concert」に出ることになるになるのを期待して,本日の第23位を締め括ります。

(文責:Jun Nishihara)

第26位:Waleのアルバム『Wow… That’s Crazy』もしくはTory Lanezのミックステープ『Chixtape 5』(今年出たHip-Hop名曲名場面ベスト50)

第26位はタイです。Waleの『Wow… That’s Crazy』&Tory Lanezの『Chixtape 5』です。

Wale: Wow… That’s Crazy
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Tory Lanez: Chixtape 5
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Waleのアルバムがリリースされました。その名も『Wow… That’s Crazy』というもの。これは収録楽曲冒頭第1曲目の「Sue Me」(Kelly Priceをfeat.)でこう言っているものに由来しております。

Sue me, I’m rootin’ for everybody that’s black
Spent ’bout two racks on handmade durags
Sue me, I’m rootin’ for everybody that’s black
That’s everybody from sports to college class to rap, I’m back

俺を訴えればいい,それでも黒人の味方するをやめねえから
この前,手作りのドゥーラグ買うのに2000ドル費やした
俺を訴えればいい,それでも黒人の味方するのをやめねえから
黒人のアスリートから,黒人の学生,黒人ラッパーまで,待たせたな

これはつまり修辞法(rhetoric)というやつで,「人はそんなのイカレてる(crazy)と言うが,ほんとにそうか?」とリスナーに疑問を投げかけているという問題提起の楽曲です。そのワンフレーズを取って,アルバムタイトルにしているというなかなかスマートなやり方ですね。

しかも同楽曲の題名は「Sue Me」,つまり「俺が黒人の味方をしているのを,イカレてると言われてもいい。訴えられたとしても,俺は黒人の味方するのをやめねえよ」と。

「Me vs. the World」(じぶん 対 世間)の構図は黒人の音楽のなかに頻発します。しかし一部のファンはそこに共感しますし,それがエネルギー源となることがよくあります。こういった構図は,富裕層の白人の音楽には作ることができない一種の専売特権(exclusivity)でもあります。

さて,それに対するアルバムとして,トリー・レインズ(Tory Lanez)のミックステープならぬチックステープ・シリーズの第5弾『Chixtape 5』も今年リリースされました。

これは女子の間で大人気を博し,とくにアシャンティをfeat.した収録楽曲14「A Fools Tale (Running Back)」は目玉の曲となっております。2002年にリリースされたアシャンティ(Ashanti)の後世に残る名曲「Foolish」はまさに「後世に残っている」のでこうして17年経た今現代もこのようにサンプリングネタとして起用されており,全く古びる気配は無し,と言えます。

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト“Sunday Service”を金曜日に開催 (9月27日分) & アルバム『Jesus Is King』のリスニングパーティー

いよいよカニエ・ウェストのニューアルバム『Jesus Is King』がリリースされるぞ!と期待が絶頂に高まろうとしようとしていた頃,カニエは週末にかけて連チャンでライヴパフォーマンスを開催しました。

第1日目は9月27日(金)デトロイトにて“Sunday Service”を開催。そう!“Sunday Service(日曜のミサ)”は当然のようにこれまでずっと「日曜日に」開催されてきました。しかしここへきて初めて!金曜日に日曜のミサを開催!これまで以上に素晴らしいパフォーマンスとなりました。カニエのみならず,“Sunday Service”クルーの皆さんのダンスとパフォーマンスが極上!当サイトで何度も何度も詳細に亘りくりかえし書いてきましたが,黒人のパワーが発現します。

そして第2日目は9月28日(土),この日,カニエ・ウェストは同じシカゴ出身の同胞ラッパー=Chance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)のライヴステージでパフォーマンスします。同日,ここでも書いたように,カニエ・ウェストのドキュメンタリー映画(IMAX配給)『Jesus Is King』の上映日もキム・カーダシアンのInstagramやTwitterをとおして発表されました。

さて,チャンス・ザ・ラッパーのライヴに登場したカニエ・ウェストの映像も掲載しておきます。

ここでカニエ・ウェストは「Jesus Christ is king.(イエス・キリストこそが王様だ。)」と発言します。

そして第3日目の9月29日(日)には,NYはクイーンズの教会にカニエ・ウェストがあらわれます。クイーンズにあるGreater Allen A.M.E. Cathedral(グレイター・アレンA.M.E.大聖堂)です。地元のクイーンズ出身のアーティストやメディア関係者,ヒップホップジャーナリストたちはこぞって参加。クイーンズは地元といってももうニューヨークですから,ヒップホップ業界の関係者たちもいます。まさにヒップホップの生誕地で,日曜日にヒップホップ化されたゴスペル・クワイアとともに繰り広げる“Sunday Service”はまさに格別!!こんなゼータクなことはないでしょう。

タイムライン4分53秒あたりから,祭壇の奥の方にカニエ・ウェストの姿が見え始めます。

ついにニューヨークまで来ましたね。今まではニューヨークを避けて,ニューヨーク以外のいろいろな場所で“Sunday Service”を毎週日曜日に開催してきましたが,ニューヨークだけは来なかった。しかし,いよいよ,ここへ来た。こりゃあ,ニューヨークの連中は黙っていないですよ。全米でいちばんうるさい野郎たちがニューヨークにいますから。ヒップホップに関しては。黙っていないですよ。ニューヨーク最大のヒップホップ&R&Bラジオ局=HOT97でもちろん取り上げました。以下です。

ニューヨークはアメリカではない,というのがこれを見ていると分かります。ニューヨークではまったく違う時間が流れている。まさにそれをNew York Minuteという。ニューヨーク以外のその他全米と,そしてニューヨークとでは,物事のとらえ方がまったく違う。いやあ,これを見ていて,爽快です。

それから,カニエ・ウェストの未だリリースされないニューアルバム『Jesus Is King』のリスニング・セッションの模様を以下,数枚掲載いたします。(それぞれのクリップは非常に短く,すぐ終わります。)

カニエ・ウェストの『Jesus Is King』アルバムは未だリリースされておりませんが,彼がアルバムをリリースしない時,それはさらなる良き改良(tweaks)を加えているということを意味し,われわれの期待はさらに膨らんでいきます。

(文責:Jun Nishihara)

カニエ・ウェスト対訳「FML」ヴァース2(アルバム『The Life of Pablo』楽曲11)

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(上記写真は,ドレイクのレーベル=OVO所属のR&Bシンガー,ザ・ウィークエンド(The Weeknd)です。カニエ・ウェストとは本曲「FML」でコラボしました。(左=ドレイク,右=ザ・ウィークエンド))

Kanye West feat. The Weeknd – “FML” Verse 2
カニエ・ウェスト feat. ザ・ウィークエンド「FML」ヴァース2対訳

[Verse 2: Kanye West]
See, before I let you go
One last thing I need to let you know
You ain’t never seen nothing crazier than
This nigga when he off his Lexapro
Remember that last time in Mexico?
Remember that last time, the episode?
Asking me why the hell I text in code?
Four times just to say, “Don’t text me, ho”
Told you four times, “Don’t test me, ho”
And we finna lose all self-control
But you ain’t finna be raising your voice at me
Especially when we in the Giuseppe store
But I’ma have the last laugh in the end
‘Cause I’m from a tribe called check a ho
Yeah, I’ma have to laugh Indian
‘Cause I’m from a tribe called check a ho
And I…

(ヴァース2:カニエ・ウェスト)
あのね,君を手放す前に
最後にひとつだけ,伝えておきたいことがある
こんなにクレイジーな野郎には後にも先にも俺だけさ
抗ウツ剤が抜けてる間はとくにね
メキシコで起こったこと,憶えてる?
この前のあのエピソード,憶えてる?
「あなたどうして暗号でメッセージ打ってくるの?」って
4回目にこう言っちゃうよ,「もうメールしてくんな,ゲス女」
4回もこう言っちゃうよ,「俺を試すんじゃねえ,ゲス女」
それで俺らは自制心を失うが
君は俺に声を荒げることはない
とくにジュゼッペのブランドショップにいる時は
でも最後に笑うのはこの俺さ
だって「ゲス女チェケッ」って部族出身だから
そや,インディアンスタイルの笑いで攻めたるで
だって「ゲス女チェケッ」って部族出身だから
おまけに・・・

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

元ネタの曲を知る⑩:クリス・ブラウン⇆Q-Tip&カニエ・ウェスト⇆アリシア・マイヤーズ

元ネタの曲が二重にさかのぼって発見できる場合があります。

今回もそのケース第2弾です。

先般リリースされたクリス・ブラウン(Chris Brown)のニューアルバム『Indigo』より,楽曲「Temporary Lover」の紹介です。これは,サウスイチのパーティー野郎=リル・ジョンをfeat.しており,以下のネタを回しています。

まずは,新曲のChris Brown feat. Lil Jon – “Temporary Lover”を聴いてみて下さい。

さて,上記楽曲を聴いた人はリアクションが二手に分かれると思います。ひとつはカニエ・ウェストがサンプリングした「Thank You」という曲をまっさきに思い出すという人。そんな方は,この曲を想起されたことでしょう。

Busta Rhymes feat. Q-Tip, Lil Wayne & Kanye West (2013)

上記楽曲のQ-ティップのフローは別格です。この曲に彼をもってきたカニエも素晴らしいセンスの持ち主です。

さて,上記2曲には,おおもとのネタがあります。以下のおおもとの曲をまっさきに思い出されたという方もいらっしゃいますでしょう。そんな方々,さすがでございます。

Alicia Myers – “I Want To Thank You”です。

1981年には既にヒップホップ界ではカーティス・ブローやシュガーヒル・ギャングが活躍しておりましたが,「ネタ回し」というテクニックはまだ生まれておりませんでした。その年に誕生したこの「I Want To Thank You」という名曲は,30年以上の時を経て,ヒップホップ界の大御所とR&B界の王子にサンプリングされることになりました。サンプリングされるということは,第一にリスペクトがなければ出来ないことでもあります。1981年当初の楽曲を最大の敬意をもって,2019年,このように再び蘇らせられたというのはまことにあっぱれなことでございます。

(文責:Jun Nishihara)

現代の若者黒人文化をリードする人物(その①:レイアナ・ジェイ)

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(上記写真は,2019年4月4日にYouTubeにて生ストリーミングされた番組より。右から2人目がレイアナ・ジェイ。)

新人の女性若手アーティスト=レイアナ・ジェイは,今年でまだ25歳。昨年11月に当サイトでも取り上げました(→こちらです)

これまで3枚のEPを発表し,ついに今年3月22日に初の公式アルバム『Love Me Like』をリリースしました。

いまだにウィキペディアでは取り上げられておりませんが,上記アルバム『Love Me Like』はレイアナにとって人生初の全米ビルボードでチャートインし,冒頭の生ストリーミングでは女友達から「charting queen(チャートの女王)」と呼ばれるようにまでなりました(もちろん誇張していますし,大げさですけれど)。人生初にリリースしたアルバムが,全米ビルボードチャートのR&B部門第25位を達成。メジャーデビューは果たしていないどころか,インディーズのレーベル=EMPIRE RECORDSとの契約であるにもかかわらず,25位というのはアングラでのデビュー作にしてはなかなか良いポジションでしょう。

https://www.instagram.com/p/Bv2szPpgIPu/?utm_source=ig_web_copy_link

昨年レイアナ・ジェイについて書いた際に言及いたしましたが,レイアナは,つい最近まで,音楽だけでは食べていけず,アルバイトと兼業をしておりました。それがいつしか,やがて,アルバイトを辞めてもなんとか食べていけるようになり,音楽に専念するためニューヨークへも引っ越しをするようになり,EMPIREレーベルと契約を交わし,ニューヨークのスタジオでレコーディングをし,公式アルバムをリリースして,ついに全米ビルボードにチャートインする,というのをここ3,4年で果たしております。なかなか素敵な声の持ち主である彼女は,(ジャジーなのにジャジーすぎない)現在ヒップホップ界に蔓延る「ウケ」狙いのアーティストが多い中,そんなものたちとは全くかけ離れた,真の音楽的才能(歌手としての堅実な才能)の持ち主であるといえるでしょう。

本年3月にリリースされた『Love Me Like』より,以下の楽曲「Know Names」をご紹介いたします。

「現代の若者黒人文化(young black culture)をリードする人物」にレイアナ・ジェイを選んだ理由は,彼女はカーディBやニッキー・ミナージュのような派手さはまったくないですが,堅実な音楽性という意味では,最近ヒップホップ界に蔓延る「単なるハヤり」や「ウケ」を遥かに凌駕するものを彼女に感じたからです。冒頭の生ライヴストリームでは,レイアナは,1970年代に活躍したテディ・ペンダーグラス(Teddy Pendergrass)という黒人男性歌手についても言及しています。現代の新しいものばかりで固めるのではなく,「古きをたずねる」ということをちゃんとしています。そういった面を持ち合わせている若手アーティストはこれからも必ず伸びていくことでしょう。

昨年も書きましたが,彼女の名前=Rayana Jayの読み方は「レイアナ・ジェイ」です。英語でこれを発音すると,「レイナ」のように「ア」にアクセントを置きます。つまり「ア」を強く発音するのですが,レイアナ自身が経験した,以下のエピソードを紹介いたします。

あなたはスタバ(正式名:Starbucks)で働いていたとします。そこへ,とある黒人女性のお客さんがやってきて,抹茶ラテのトールを注文しました。スタバでは,カップにお客様の名前を書くことになっていますので,あなたは,その女性に尋ねます。「How may I call you?(あなたのお名前は?)」,すると女性はこう答えました「You can call me ‘Rayana(レイナ)’.」と。

さて,それを聞いたあなたは,彼女の名前を英語で,カップにどう書きますか?忘れてはいけないのは,ここはスタバです。まわりはお客様でにぎわっておりますので,けっして静かな場所とは言えません。静かなところで,耳をすまして,「レイアナ」と聞いたわけではなく,まわりで抹茶ラテを作るシェーカーがガガガガガガガーーーー!と鳴って,がちゃがちゃしているところでそのお客さんが「レイアナ」と発音するのを聞いて,あなたはカップにその名前を英語で書かなきゃいけないのです。さて,英語でなんと書きますか?

これは実際に起こったシチュエーションです。レイアナ・ジェイがアトランタ(ジョージア州アトランタ)にあるTrap Museumを観に旅行した際,寄ったスタバで出てきた抹茶ラテのカップにはこう書かれておりました。

「Rihanna(リーナ)」と。

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なお,女性ファッション雑誌(Nylon Mag)で取り上げられた企画「60秒でわかるレイアナ・ジェイ」を掲載しておきます。

最後に,レイアナ・ジェイの最新アルバム『Love Me Like』から楽曲「Know Names」をセッションした映像を掲載しておきます.

(文責:Jun Nishihara)

元ネタの曲を知る⑥:ファット・ジョー⇆ニュー・エディション

ヒップホップの黄金時代を表象している楽曲をもうひとつ紹介して宜しいでしょうか。

これは2002年11月12日に発売された(当時はCDオンリーで!MP3もApple MusicもSpotifyもiTunesも無い時代。ナップスターはあった!)ファット・ジョーのアルバム『Loyalty』へ収録の「All I Need(邦題:俺の全て)」という曲です。

これはファット・ジョーのレーベルであったTerror Squad仲間である,アーマゲドンというラッパーとトニー・サンシャインというR&B歌手をフィーチャリングした楽曲です。

「他に何もいらねえ。君と一緒に過ごせるなら。他の女には目もくれねえ。君が俺の全てだから」という,一言でまとめれば,こういう内容の曲です。

そこにヒップホップ史に残る最も大事なラッパーであるファット・ジョー(Fat Joe)がヴァースをスピットしている,というものです。

To all the ladies out there if you love your man
You need to hold your man embrace your man
And just grab his hand repeat after me
I promise to stay true and give you all of me
Whether he’s locked down or on the grind
Or whether is out of work or at work on time
You need to trust that man and respect that man
And you get what you feel you deserve from that man, and

世界中の女たちへ捧げるこの曲,君が自分のオトコを愛しているのなら
そのオトコを抱いてやれ,抱擁してやってくれ
カレシの手を握って,俺の後についてこう言ってやってくれ
「ずっとあなたに一途でいる,あなたに全てを尽くす
あなたがムショに入っても,裏の仕事やってても
職を追われても,マジメに働いていたとしても」
そいつを信じて,そいつをリスペクトしてやってくれ
そうすれば,ヤツもきっと,君に全てを尽くしてくれるから
(訳:Jun Nishihara)

この曲のMV(ミュージックビデオ)は以下のとおりです。

Fat Joe feat. Armageddon & Tony Sunshine – “All I Need”

そしてこの曲にサンプリングとして起用されているのは,ニュー・エディション(New Edition)の「Can You Stand The Rain」という名曲です。

New Edition – “Can You Stand The Rain”

どうでしょう,現代ヒップホップは古典R&Bにモロ影響を受けていることが分かるでしょう。

(文責:Jun Nishihara)