5年の時を経てヴィジュアルをリリースしたBryson Tiller。

2020年9月25日付でYouTube上にて,2015年にリリースされたアルバム『TRAPSOUL』から収録楽曲「Right My Wrongs」のヴィジュアルを,5年の時を経て,リリースしました。

『TRAPSOUL』はリリースされた当時2015年にヘヴィロテで聴いておりましたが,5年経った今聴いても,全く色褪せていない,ということが窺えます。

さらに,あれからもう5年経ったのか,ということ。そして,本曲を聴くと5年前のいろいろなことが思い出されるということ。

当時ヴィジュアルを出さずに,5年後の今,これをリリースするというのは,現代のあらゆるものがインスタントに消費される世の中で,めずらしいことです。

新曲がリリースされては消費され,ヴィジュアルも同時にリリースされ,しばらくの間,YouTube等の動画サイト等で「再生回数」を稼ぎ上げもてはやされて,しばらく経った後,一部を除いて,繰り返し「再生」されることがなくなり,ネットの計り知れないほどのデータの渦の中に消え去っていく。

そういう現代の世の中で,5年の時を経て,あたかも新曲のようにヴィジュアルを発表することにより,ネット上のデータの渦と,人々の記憶の渦の中から,この曲を取り出させ,ブライソン・ティラー(Bryson Tiller)を聴いていた頃を聴覚という五感をとおして懐かしく想起させる,というのは,新しく旧い体験であります。

ブライソン・ティラーの『TRAPSOUL』を当時聴いていた人も,聴いていなかった人も,新しく旧い曲「Right My Wrongs」を聴いてみてください。

Bryson Tiller – “Right My Wrongs”

(文責:Jun Nishihara)