LGBTQラッパー=ヤングM.A(Young M.A)を久しぶりに。

2020年10月にリリースされたヤングM.A(Young M.A)の「Dripset」。
NYをレペゼンするヒップホップユニット=ディップセット(Dipset)へのオマージュ。もっともDipsetの場合は、もともとThe Diplomatsというユニット名の前半を縮めて=dipを使っていましたが、ヤングM.Aの場合「Drip」というのはダイアモンドが鏤められた煌びやかなジュエリーがぽた、ぽた、ぽた、と水が滴るように垂れている(dripしている)状態から、リッチ(drip)な連中(set)ということで「Dripset」です。

Young M.A – “Dripset”

(文責:Jun Nishihara)

第11位:イマドキラッパー最前線!若者黒人の間で今年超ハヤったDaBaby,おまけに今覚えておくべき4人のラッパー!(2019年Hip-Hop名曲名場面ベスト50)

ヒップホップ業界は,移り変わりがきわめて激しい業界だといえます。それぞれの年ごとに,キーとなる最重要人物がいて,他方で,それぞれの年ごとに大ブレイクした新人若手アーティストというのもいます。

たとえば2016年。キーとなる最重要人物は名盤『Awaken, My Love!』をリリースしたチャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)であり,歴史に残るアルバム『blond』をリリースしたフランク・オーシャン(Frank Ocean)でした。大ブレイクした新人若手アーティストはチャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)であったり,ミーゴス(Migos)であったり,カーディB(Cardi B)であったり,21サベージ(21 Savage)でした。

その翌年は2017年。キーとなる最重要人物は名作『DAMN.』をリリースしたケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)であり,そのケンドリック自身が絶賛していたアルバム『4:44』をリリースしたジェイZ(JAY-Z)でした。大ブレイクした新人若手アーティストはXXXテンタシオン(XXXTentacion)であったり,アンダーソン・パーク(Anderson .Paak)であったり,レイ・シュレマー(Rae Sremmurd)であったり,テカシ69(6ix9ine)でした。

昨年は2018年。キーとなる最重要人物は『More Life』や『Scorpion』を立て続けにリリースしたドレイク(Drake)であったり,『Astroworld』をリリースしたトラヴィス・スコット(Travis Scott)でした。大ブレイクした新人若手アーティストにはジュース・ワールド(Juice WRLD)やプレイボーイ・カーティ(Playboy Carti)やリル・パンプ(Lil Pump)やシェック・ウェス(Sheck Wes)という名前が並びました。

そして今年!2019年!キーとなる最重要人物はもうヤツ=カニエ・ウェスト(Kanye West)でしょう。2010年に始まったこのデケイド(decade)を代表する最重要人物でもあります。そして今年大ブレイクした新人若手アーティストには・・・(今覚えておくべき4人のラッパーとして)

DaBaby(ダ・ベイビー),YBN Cordae(YBNコーデー(テニス選手大坂なおみの恋人として報道)),J.I.D.,そしてYoung M.A(ヤングM.A)の4名です。

中でも,勢いが止まらないのが,ダ・ベイビー(DaBaby)!!!!!

ダ・ベイビーの勢いは電光石火のごとく,閃光が放つ稲妻のごとく,物凄い勢いで2019年を圧巻させました。まぁ,ここまで威勢のいいヤツがあらわれるのは久しぶりです。どれくらい威勢のいい野郎かっていうのは,次の動画を見てみるとその感じが掴めると思います。

ライトブルーの服着たヤツがダ・ベイビー(DaBaby)で,赤いのがミーゴス(Migos)のメンバーでカーディB(Cardi B)の旦那さんであるオフセット(Offset)です。

早速,ダ・ベイビーが人気を博すキッカケとなったフリースタイルがこちら。当サイトでも常連のHOT97: Funk Flex Freestyle番組でフリースタイルをカマすDaBabyです。

それにしてもこの1年で,ダ・ベイビーの盛り上がりは,急上昇。これは物凄いですね。

続いて2人目!テニス選手の大坂なおみの恋人として報じられているラッパー=YBNコーデー(YBN Cordae)も今年2019年,大人気,絶好調です。同じフリースタイル番組で,お届けします。ビートはJAY-Z & Kanye Westの名曲「Otis」です。2曲目のビートは「Suge」,3曲目のビートはルーペ・フィアスコの「Kick, Push」です。YBNコーデー自身もフリースタイル中に言うように「ビートのヴァラエティ,たまんねえ!」です。7分間みっちりフリースタイルするヤツ(顔はこんなんですけど,ラップはスゲえ!)ですので,最後まで聴いてください。大坂なおみが惚れる理由もわかります。たしかに,すごいです。この7分間のあいだに,ラップの「スタイル」を5,6回,変えてますから。わかります?このすごさ。

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続いて3人目!J.Coleのチーム=Dreamvilleから,超リリカルなヤツが出てきました。その名もJ.I.D.です。彼もすごいですよ。若手なのに。新人なのに。このフリースタイルのことを英語で「bar game」とも呼びます。ファンク・フレックスが言うように,I know your bar game crazy, bruh!(あんたのフリースタイルもたまんねえぜ,ブラザー!)。

続いて4人目!彼女(彼)=Young M.Aのことは,もう新人とは呼べないですが(でもまだ若手!),ブルックリン出身。2014年にリリースしたデビューフリースタイルの「ChiRaq」は傑作。ストリート音楽の傑作です。

その彼女(彼)が同じくFunk Flex Freestyle番組でフリースタイルを今年カマしましたので,ご覧あれ。

本日は,今年2019年に出た物凄い勢いの若手4名を紹介しました。来年2020年,この4人(DaBabay, YBN Cordae, J.I.D., Young M.A)ますます注目!!!!

(文責:Jun Nishihara)

第47位:Young M.Aの“Thotiana”フリースタイル(後にニッキー・ミナージュ版も)(今年出たHip-Hop名曲名場面ベスト50)

じぶんの曲が他の人にfreestyleでラップされた時,その曲は一人歩きした,つまりそれはヒット曲として認められた証だ,といわれます。

それがまさに,ブルーフェイスの“Thotiana”でした。5年後にこの曲がまだ生き残っているかどうかはさておき,今年の若者の間での全米ヒット曲の一つとして,この曲は数えられることになりました。

NYはブルックリン出身の27歳であるヤングM.A(Young M.A)も,この曲のフリースタイルにジャンプしました。以下がそれです。

これは,オリジナルのブルーフェイス“Thotiana”よりも良いと思いますが,しかし,ヤングM.Aにとっちゃ,人の曲にじぶんのラップを乗っけているだけ。生みの親はやはりブルーフェイスなので,どっちのバージョンがより良いかなんて比較できるもんじゃないですが,このヤングM.Aのバージョンのほうが歌詞はおもしろいですねえ。

題名の“Thotiana”は黒人女子の名前でよくある「タティアナ」。おそらく両親のどちらかがラテン系の血が入っているので,名前の語尾に「アナ」という接辞尾を付けているのでしょう。つまり,黒人女子にラテン系の血が混じっているということは,女体に適度にくねりがあり,とても魅力的な女の子,ということ。ヤングM.Aは女子好きの女子。なので以下の歌詞です。

Thotiana, real name Tatiana (Okay)
Body like Rihanna, but she not Rihanna (No way)
I make the pussy wet, she need a mop-iana, (Ooh)
When she bust down make her buss it like a Glock-iana (Grrt)
She love it when I eat the boxi-iana (Ooh)
Make her body jerk, legs lock-iana (Ooh)

トッティアナ,本名,タティアナ(オッケー)
リアーナ似の体つき,でもリアーナじゃねえ(オッケー)
その女のアソコを濡らして,持ってこいモップ,アーナ(ウーッ)
ケツ落として踊らせて,潮を吹かせろ,グロッキー,アーナ(ガーッ)
アタイが女のアソコを舐めれば,快感に悶えてる(ウーッ)
女の体は痙攣して,太ももに挟まれて(ウーッ)

実はこれには,ニッキー・ミナージュ・バージョンもございます。掲載しておきます。

(文責及び対訳:Jun Nishihara)