ジェイ・Zのヴァース歌詞対訳(アルバム『Khaled Khaled』収録楽曲⑩「SORRY NOT SORRY」より)

こんにちは、Jun Nishiharaです。
本日も当サイトにお越しいただき、ありがとうございます。

DJキャレドのアルバム『Khaled Khaled』より、収録楽曲⑩「SORRY NOT SORRY」のジェイ・Zのヴァースについて対訳を掲載いたします。

(Verse – JAY-Z)
Sorry, that’s another B
Haters still ain’t recover from the other B
Mm, that’s a double B
Nah, that’s a triple B, can’t forget ’bout the other Bey (Hey)
It’s the white gloves for me
Haters know not to touch me, I’m with the fuckery (Fuck with me)
Humbly (Humbly), nah, respectfully
I’m a project baby, fuck y’all expect from me? (Technically)
‘Merica’s disrespect for me
You killed Christ, you created religion, unexpectedly
Circular ice on Japanese whiskey, on my mezzanine
Overlookin’ the City of Angels, the angel invested in thing
Unprecedented run (Facts)
Everybody’s gettin’ bands, we just dance to different drums (Bram, bram, bram, bram, bram, bram)
I like who I’ve become
Intermittent fasting, but these meals, I’m not missin’ none (Sorry)

(対訳:ジェイ・Zのヴァース)
わりぃな、また億単位(ビリオン(B))を儲けちまった
俺がこの前に稼いだビリオンから、ヘイター連中は未だに立ち直れていない
それって、ダブルでB
いや、トリプルでB、俺の奥さん(BEY)を忘れちゃいけねぇぜ(Hey)
彼女の白い手袋にやられたぜ
ヘイターどもよ、俺に簡単に触れようとすんじゃねぇ、すぐ火傷するからさ
謙虚に(謙虚に)、いや、敬意を表して
俺はゲットーのベイビー、他にどう「あれ」っつうんだよ(つくづく思う)
アメリカっつう国は、無礼な国だ
イエスを殺して宗教を生み出した、それも「まぐれ」で
ニッポンのウィスキーに、丸氷(アイスボール)を転がして、メザニン席に腰かけて
L.A.(ロサンゼルス)の街を見おろして、天使がこの人生に投資をしてくれた
前代未聞の業績(事実)
周りが全員バンドを組んでいた時代に(=周りが全員クラックを売り捌いていた時代に/周りが全員拳銃を撃ち放っていた時代に)
俺らは一味違った太鼓(ドラム)の音に踊ってた
(バン、バン、バン、バン、バン、バン)
なかなか今の人生、気に入った
断続的断食(intermitten fasting)をやってる、だが、ミリオン(ミールズ)はひとかけらも逃してないぜ(わりぃな)
(対訳:Jun Nishihara)

注目すべき歌詞は幾つもありますが、しいて言うならば、
「Everybody’s gettin’ bands, we just dance to different drums」と、
「Intermitten fasting, but these meals/mills, I’m not missin’ none」でしょう。

これはジェイ・Zが得意とする、ダブルアンタンドラ(二重の韻踏み/意味掛け)です。前者については、二重どころか、トリプルアンタンドラです。「bands」というのは、バンドという意味もありますが、手首にかけるゴムバンド(コカインを売り捌くハスラーがよくかけていたことから、コカインを売り捌くことを意味します)、そして3つ目の意味は、拳銃です。ここでジェイが言っているのは、周りの連中がバンドを組んだり、コカインを売り捌いたり、拳銃を撃って犯罪を犯したりしていた時代に、俺はまた違った「ドラム」(=つまり、拳銃のバンバンバンという響きではなく、ヒップホップで低音に響くベース音)に乗って踊ってた、というのです。そこから転じて、周りとは違い、ジェイはヒップホップで金儲けしてきた、といっているのです。

後者の「intermitten fasting」というのは、現在流行りの断続的断食というものでしょう。健康志向の方々がよく実施しているもののようです。ジェイ・Zも暫く前から健康志向に興味を持ち始め、断食を始めていました。前は一時的なものでしたが、今は習慣的に、そして「断続的」に、断食をしているようです。まぁ、断食はしているものの(=meals(ご飯)は食べないときはあるものの)、mills(=ミリオンダラーの札束)については「断(た)えることなく」相変わらず儲けているよ、と、冒頭のビリオン(B)のくだりに原点回帰して、応えているものです。

なかなか凝ったラインを韻を踏んでラップすることが最近は多いですね。
デビュー当時からこのダブルアンタンドラについてはジェイ・Zの右に出るものがいない、と云われてきました。

そのジェイ・Zが昔からの盟友(一時犬猿の仲となり、ビーフを飛び交わせた仲)であるナズ(NAS)とこうして、DJキャレドのお蔭で同じトラックで再会したというのは、昔から聴いてきたリスナーにとっては喜ばしい極みです。

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

第21位:歌モノ・リリカル,どちらも揃ったミックステープ『No Ceilings 3』をリリースしたリル・ウェイン (2020年Hip-Hop名曲名場面ベスト30)

本年2020年の初頭1月にリル・ウェインがリリースした公式アルバム『Funeral』を聴いた時,リリカルな時代のウィージー(Weezy)が戻ってきた,と思ったのは私だけでは無いでしょう。

その勢いを落とさずほぼ1年間その勢いを保ち続けたリル・ウェインは,2020年11月に『No Ceilings 3』をリリース。このミックステープには『A Side』と『B Side』があり,後者は12月18日にリリース。

これは一応ミックステープという体裁を取っておりますが,クオリティはアルバムそのもの。datpiff.com等でダウンロード可能です。リリースから1ヶ月経た現在,既にダウンロード回数は300万回を超えております。再生回数ではなくダウンロード回数で300万回超えというのはなかなか調子が良いです。

アメリカのヒップホップ界(特にミックステープを聴く連中の間)では,リル・ウェインに対するリスペクトは堅いことが見て取れます。

リル・ウェインは楽曲『BB King Freestyle』でこうスピットします。

Everyone got they glass out, let’s drink to Weezy
Every nigga that stare me down just came to see me
Choppin’ up a lil’ cash cow, that’s steak I’m eatin’
Check deposits, high-risers with extra closets
The sex platonic, I talk intelligent, text Ebonics
The electronic guitars whinin’, that’s just Nirvana
Tommy gun on the counter, I call it Mr. Thomas
That’ll keep niggas honest
I’m dozin’ off in the driver seat ’cause the seat give massages

(対訳)
おまえらグラスを挙げな,ウィージーに乾杯
今まで俺のこと軽蔑してたヤツらにこの前会った
ヤツら「金のなる牛」を探してた,その目の前でステーキ食ってやった
預金額チェックしな,クローゼットだらけの高層マンションビル
セックスはプラトニック,トークはインテリ,SNSは黒人話法(エボニックス)
泣きのエレキ・ギター,バックで流れる,それニルヴァーナの曲
カウンターにトミーガン,「トーマスさん」俺が名付け親
正直に吐かせてやるよ
運転手席でうたた寝,マッサージ機能付きのシートだぜ
(楽曲「BB King Freestyle」より)

上記リリックを見ても分かるとおり,リル・ウェイン節連発。これを音源で聴けば,それがさらに感じられます。まぁ,聴いてみてください。

次に,ドレイクの「Laugh Now, Cry Later」をフリップした(捩った)リル・ウェインの「Something Different」を掲載しておきます。(これもミックステープ『No Ceilings 3』より。)

リリック“scroll down”の箇所で,ちょうど(↓)を出すという,こういう細かなネタをぶっ込んでくるのもウェインらしいですね。

(文責及び対訳:Jun Nishihara)

「どんどん流していけ」というテーマのHIP-HOP曲。

ヤング・ジージー(Young Jeezy)改めジージー(Jeezy)が2008年にリリースした曲に「Circulate」という楽曲があります。

これは極めてリズム感に優れている曲です。まさに「Circulate」(循環させよ)というくらいですから,ラップ及びビートそのものが,動脈ならぬ血脈がどんどんドクドク流れてゆくテンポの良さを出しています。

当時この楽曲が収録されているJeezyのアルバム『Recession』を対訳させていただきましたが,その対訳作業の間にこの曲「Circulate」を流すと,カラダが乗ってくるものですから,翻訳作業もそれに伴いノってくる。流れるように対訳がどんどん進んでいく。そういう体験をしていたのを憶えております。

ラップ曲というのは翻訳作業をしている間に流していると,邪魔になる曲と,逆にむしろ翻訳作業を助けてくれる曲,という2種類に分かれるように思います。

この「Circulate」という楽曲は,まさに後者。翻訳脳を上手くノッけて,作業をどんどん前へ進めるのを手伝ってくれます。

リリックの意味を拾おうとさせない。リリックが邪魔にならない。ビートと一体となっている。心身一如ならぬビートリリック一如。歌詞鼓動一如。かなりの名曲だと思いますが,全く広く知られてはいない。

これをバックで流して仕事やタスクをこなすお供にどうぞ。

Jeezyはこうラップします。

Let it, let it, let it, let it, let it, let it circualte
(どんどん,どんどん,どんどん,どんどん,どんどん,どんどん,回していけ)

回す,もしくは流す,それはカネか,ことばか,詞か,それともビートか。

(キュレーティング:Jun Nishihara)

カニエ・ウェストが2020年大統領選挙に立候補したのは事実であり,新曲「Nah Nah Nah」を発表。

2020年10月12日,カニエ・ウェストは公式に大統領選挙立候補のキャンペーン広告を発表。

そして正式に米国内12の州で,投票用紙にカニエ・ウェストの本名カニエ・オマリ・ウェスト(Kanye Omari West)が記載されることとなりました。

そしてカニエは先週リリースされた新曲「Nah Nah Nah」で次のラインをスピットします。

Next time you text, can it wait?
You are talkin’ to a presidential candidate

次テキスト送ってくるの,待ってくれる?
俺を誰だと思ってる? 大統領選挙立候補者だぞ

このワンラインのためだけに大統領選に立候補したのか,もしくは,大統領選に立候補したからこそこのワンラインが言えたのか,カニエであれば前者も大いにありうることと想定されるが,しかし,同曲の後半ではこういう風にもラップしています。

If I put myself in harm’s way to get my own masters
They’ll put theyself in harm’s way to stay the master
They’ll put theyself in harm’s way ’cause they ain’t askin’
They’ll put theyself in harm’s way, the slaves are massive

Do you want me to get specific?
Do you want me to name numbers?
Do you want me to name summers?
All the stars came from us
All the styles came from us
All the talent came from us
All the shoes came from us
But the news ain’t on us
All the news ain’t honest
All the news ain’t honest
They wanna ignore me, rewrite the story
Take all the top spots, in every category
Back in fashion with them boys, can’t ig-can’t ignore me

自分自身を犠牲にしてまで,原盤権(=マスター音源に対する権利)を得ようとしたが
連中は犠牲をかえりみず,主人(マスター)でい続けようとした
連中は犠牲をかえりみず,俺らの願いを払い下げようとした
連中は犠牲をかえりみず,こうして奴隷は増加してくばっかであった

具体的に言ってやろうか?
数字を挙げてやろうか?
年代,季節,挙げてやろうか?
スターと呼ばれる連中は,俺ら(=つまり黒人)の真似をしてきた
スタイルに関しても俺らが「もと」を作った
タレントに関しても俺らが「もと」を作った
スニーカーに関しても俺らが「もと」を作った
しかしメディアではそんなことからっきし報道されないし
ニュースで真実は語られないし
ニュースで真実は語られないし
俺らは無視され続け,歪んだ物語にすり替えられるだけ
しかしその俺らが今,あらゆるジャンルで,トップをぶっちぎってる
同輩とともにファッション界を取り返し,もはや無視のできない存在となった

大統領選挙に立候補したというのはカニエにとっては単なるツカミでしかあらず,ほんとうに伝えたかったのはこの後半の部分ではなかろうか,と思った先週でしたが,否しかし,このツカミですら同等に重要な事実であることはカニエの人生にとっては間違いないことであろうと考えます。

最後にその「Nah Nah Nah」を掲載しておきます。

(対訳及び文責:Jun Nishihara)

HIP-HOP歌詞引用その2:Kanye West「Father Stretch My Hands, Pt.2」

カニエ・ウェストの2016年2月リリースのアルバム『The Life of Pablo』収録楽曲「Father Stretch My Hands, Pt.2」より,以下の歌詞を取り上げます。

Up in the mornin’, miss you bad
Sorry I ain’t call you back, same problem my father had
All this time, all he had, all he had
And what he dreamed, all his cash
Market crashed, hurt him bad
People get divorced for that
Dropped some stacks, pops is good
Mama passed in Hollywood
If you ask, lost my soul
Drivin’ fast, lost control
Off the road, jaw was broke
‘Member we all was broke
‘Member I’m comin’ back
I’ll be takin’ all the stacks, oh

(対訳)
朝起きて,めちゃ恋しい
ごめん,電話返さず,親父に似た性格
老舗,それが親父の全て,全て
親父の夢,でも市場が暴落し,水の泡
親父は無一文,泣いていた
それが理由で離婚するヤツもいた
実家にカネを入れた,親父は立ち直った
ハリウッドで,おふくろはあの世へ
その時の気持ち,魂を奪われた気分
アクセル踏んで,コントロール失って
クルマをぶつけて,アゴの骨粉砕
覚えてっか,一文無しだった頃
覚えてって,成り上がってやるって言っただろ
ありたっけのカネ儲けてさ,オゥ

コンマごとにリズムを切って,テンポ良くラップしていくこの歌詞は,音読するに値するヴァースです。密かにそういった意味で名曲です。以下音源を聴きつつ,リズム感のある詞を音読してみてください。

(対訳及び文責:Jun Nishihara)

HIP-HOP歌詞引用その1:No Maliceの「Use This Gospel」より

カニエ・ウェストが2019年10月25日にリリースしたアルバム『Jesus Is King」に収録されている楽曲「Use This Gospel」より,ラッパーNo Maliceのヴァースを以下に引用いたします。

From the concrete grew a rose
They give you Wraith talk, I give you faith talk
Blindfolded on this road, watch me faith walk
Just hold on to your brother when his faith lost

(対訳)
コンクリから咲いた薔薇
他のヤツらが高級車を語る時,俺は信仰心を語る
両眼が見えずとも,俺にはある信じる心が正しい方角に導いてくれる
何も信じられなくなりそうになった時は,おまえのブラザーがついている

ここで伝えたかったのは最後の1文です。「おまえのブラザー」とはつまり自身(=No Malice)のことです。双子の兄弟であるプッシャT(Pusha T)に語りかけている歌詞にも解釈が可能です。

本ヴァースをスピットしているNo Maliceはもともと,双子の兄弟であるPusha TとともにClipseというラップユニットを組んでおりました。そんな中,No Maliceは2011年AIDSに感染した疑いへの恐れから,Clipseを脱退し,信条心の強いクリスチャン教徒に改心します。

そのNo MaliceがブラザーのPusha Tに語りかける一文です。

音源を以下に掲載しておきます。

(対訳及び文責:Jun Nishihara)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲⑤「Shiny Suit Theory」(対訳)

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楽曲⑤「Shiny Suit Theory」歌詞対訳

[Intro: Jay Electronica]
One two, one two, yeah, uh huh, yeah

(イントロ:ジェイ・エレクトロニカ)
1,2,1,2,イヤー,そうだ,イヤー

[Chorus: Jay Electronica]
I’m sailing on a cloud, they trailing below
My shrink told me, “It’s a feeling they’ll never know”
I pack up all my sins and I wear ’em to the show
And let ’em go, let ’em go, let ’em go, let ’em go
I’m sailing on a cloud, they trailing below
My shrink told me, “It’s a feeling they’ll never know”
I pack up all my sins in every L that I blow
And let ’em go, let ’em go, let ’em go, let ’em go

(サビ:ジェイ・エレクトロニカ)
雲の上を滑翔(かっしょう)する俺に,ずっと下で遅れを取る連中
お医者さんに言われたよ「ヤツらには一生わかんねえ爽快感だ」って
今までの罪を全部スーツケースに詰め込んで,俺はツアーに乗り出した
手放せ,手放せ,手放せ,手放せ
雲の上を滑翔する俺に,ずっと下で遅れを取る連中
お医者さんに言われたよ「ヤツらには一生わかんねえ爽快感だ」って
今までの罪を全部ハッパに詰め込んで,一服してやった
ぶっ飛べ,ぶっ飛べ,ぶっ飛べ,ぶっ飛べ

[Verse 1: Jay Electronica]
In the land before time
A land before altar boys, synagogues, and shrines, man was in his prime
Look how far I go in time just to start a rhyme
The method is sublime, you get blessed with every line
I’m in touch with every shrine from Japan to Oaxaca
The melanated carbon-dated phantom of the chakras
Me and Puff, we was chilling in Miami
He said, “Nigga, fuck the underground, you need to win a Grammy
For your mama and your family, they need to see you shined up
You built a mighty high ladder, let me see you climb up
Nigga, what you scared of?
Terrorize these artificial rap niggas and spread love, pollinate they earbuds
Like you supposed to, spit it for the culture
Pay no attention to the critics and the vultures
They rather have a shot of Belvy just to spite you
They casting judgments ’cause they feel they got the right to
Fuck ’em, I let the dice roll like The Father did
I gotta shine, it’s in my blood, I’m a Harlem kid
I treat my babies right, treat my ladies ladylike
Hit them with a remix to make sure that they play me twice
I thought you said, “It’s the return of the black kings
Luxurious homes, fur coats, and fat chains”

(ヴァース1:ジェイ・エレクトロニカ)
その昔の大地でのハナシ
祭壇も無く,礼拝堂も無く,神社も無かった時代,人類は最も生き生き輝いていた
ライムの冒頭で,時代をここまで遡り
極上のメソッド,ラインが飛び出す毎に恩恵を授ける
日本からメキシコのオアハカまで,あらゆる神社のパワーを集め
放射年代測定法によって算出された黒い肌したチャクラの霊と繋がる
俺とディディ,マイアミでチルしてた
ディディに言われた「おまえなぁ,アングラなんてもうやめて,さっさとグラミー獲得しろよ」
「かーちゃんと家族のためにな,おまえが輝いてるとこ,見たがってんだろ」
空高くそびえる梯子を立てかけられ,俺はそれを登るところを期待されている
「おまえは一体,
何におびえてんだ?」
「ウワベだけのラッパーどもをブチのめして,愛を広め,リスナーの耳に受粉の種を植えつけてやれ」
「それがおまえの役目だろ,カルチャーのためにラップしな」
「批評家の言うことは無視していい,ハゲタカも気にすんな」
「ベルヴェデーレのシャンパン飲んで,人の悪口言ってればヤツらは幸せなんだ」
「権利があるからって人を軽蔑の目で見て,好き勝手言ってるんだ」
「糞食らえでいい,気にせずサイコロ転がしてればいい,クラレンス13のように」
ギラギラ輝いていたい性格,動脈を流れる,俺はハーレム野郎
子供たちを良く養い,オンナたちを淑女のようにモテなす
リミックスをヒットさせ,ちゃんと俺の曲を流してもらうために
俺には聞こえたぜ「黒人キングのお戻りだ。
馬鹿デッカイ豪邸に,身にまとうのは毛皮のコート,おまけにぶっといダイヤのチェーン」ってな

[Chorus: Jay Electronica]
I’m sailing on a cloud, they trailing below
My shrink told me, “It’s a feeling they’ll never know”
I pack up all my sins and I wear ’em to the show
And let ’em go, let ’em go, let ’em go, let ’em go
I’m sailing on a cloud, they trailing below
My shrink told me, “It’s a feeling they’ll never know”
I pack up all my sins in every L that I blow
And let ’em go, let ’em go, let ’em go, let ’em go

(サビ:ジェイ・エレクトロニカ)
雲の上を滑翔(かっしょう)する俺に,ずっと下で遅れを取る連中
お医者さんに言われたよ「ヤツらには一生わかんねえ爽快感だ」って
今までの罪を全部スーツケースに詰め込んで,俺はツアーに乗り出した
手放せ,手放せ,手放せ,手放せ
雲の上を滑翔する俺に,ずっと下で遅れを取る連中
お医者さんに言われたよ「ヤツらには一生わかんねえ爽快感だ」って
今までの罪を全部ハッパに詰め込んで,一服してやった
ぶっ飛べ,ぶっ飛べ,ぶっ飛べ,ぶっ飛べ

[Verse 2: Jay-Z]
In this manila envelope, the results of my insanity
Quack said I crossed the line ‘tween real life and fantasy
Can it be the same one on covers with Warren Buffett?
Was ducking the undercovers, was warring with muh’fuckers
Went from warring to Warren, undercovers to covers
If you believe in that sort of luck, your screws need adjusting
In the world of no justice and black ladies on the back of buses
I’m the immaculate conception of rappers-slash-hustlers
My God, it’s so hard to conceive
But it all falls perfect, I’m like autumn is to trees
Aw, the doc interrupted
He scribbled a prescription for some Prozac, he said, “Take that for your mustard
Boy, you must be off your rocker
If you think you’ll make it off the strip before they ‘Pac ya
Nigga, you gotta be psychotic or mixing something potent with your vodka
It takes a lot to shock us but you being so prosperous is preposterous
How could this nappy-headed boy from out the projects
Be the apple of America’s obsession?
You totally disconnected with reality, don’t believe in dreams
Since when did black men become kings?”

(ヴァース2:ジェイZ)
この黄褐色の封筒に,俺の狂気の沙汰が封されている
ヤブ医者に言われた「おまえは現実と幻想をはき違えてる」
ウォーレン・バフェットに並び,これが表紙を飾ったヤツか
覆面ポリを避けて,連中たちと争いを続けてきた
争いからウォーレンへ,覆面から雑誌の表紙へと
そのような運を信じるのなら,あんたの脳味噌のネジに調整が必要だ
正義なんて無い世界,バスの後部に追いやられた黒人女性
ラッパー兼ハスラーの無原罪懐胎説,俺はその象徴
なんてこった,難産の極み
全てがピッタリハマる,紅葉の秋立ち
オゥ,医者が割り込んだ
俺に抗うつ剤を処方してくれた,こう言われた「おまえのその脳味噌にくれてやれ」
まるでイカレてんぜ
ベガスのカジノ通りを,パックのように撃たれず,生きて通れると思うのか
精神病にでもやられたか,もしくはウォッカに強烈な麻薬をぶち込まれたのか
俺らは簡単には驚かねえが,おまえが裕福ってのはまるで荒唐無稽
ゲットー生まれのチリチリ髪した鼻垂れボウズが
どうしてここまでの全米の羨望の的となり得たのか
まるで現実味がひとかけらも感じられねえ,夢を信じてどうなる
黒人野郎がキングになるなんて,いつのハナシだ

[Bridge: The-Dream]
You have no idea, yeah
The meaning to what I say
And you have no idea
Of how I got this way
Now hear my dreams
And by the time you wake
I’ll look down from the clouds
See I’m on my way

(ブリッジ:ザ・ドリーム)
キミは知らない,イヤー
僕の本心をさ
キミは知らない
どうしてここまできたか
僕の夢が聞こえるかい
キミが目を覚ます頃には
雲の上から眺めているよ
もうすぐ行くからね

[Chorus: Jay Electronica]
I’m sailing on a cloud, they trailing below
My shrink told me, “It’s a feeling they’ll never know”
I pack up all my sins and I wear ’em to the show
And let ’em go, let ’em go, let ’em go, let ’em go
I’m sailing on a cloud, they trailing below
My shrink told me, “It’s a feeling they’ll never know”
I pack up all my sins in every L that I blow
And let ’em go, let ’em go, let ’em go, let ’em go

(サビ:ジェイ・エレクトロニカ)
雲の上を滑翔(かっしょう)する俺に,ずっと下で遅れを取る連中
お医者さんに言われたよ「ヤツらには一生わかんねえ爽快感だ」って
今までの罪を全部スーツケースに詰め込んで,俺はツアーに乗り出した
手放せ,手放せ,手放せ,手放せ
雲の上を滑翔する俺に,ずっと下で遅れを取る連中
お医者さんに言われたよ「ヤツらには一生わかんねえ爽快感だ」って
今までの罪を全部ハッパに詰め込んで,一服してやった
ぶっ飛べ,ぶっ飛べ,ぶっ飛べ,ぶっ飛べ

(対訳:Jun Nishihara)

全曲対訳:カニエ・ウェスト率いるSunday Service Choirのアルバム『Jesus Is Born』

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カニエ・ウェスト(Kanye West)率いるサンデー・サービス聖歌隊(Sunday Service Choir)のアルバム『Jesus Is Born』:全曲対訳

楽曲①「Count Your Blessings」

楽曲②「Excellent」

楽曲③「Revelations 19:1」

楽曲④「Rain」

楽曲⑤「Balm In Gilead」

楽曲⑥「Father Stretch」

楽曲⑦「Follow Me – Faith」

楽曲⑧「Ultralight Beam」

楽曲⑨「Lift Up Your Voices」

楽曲⑩「More Than Anything」

楽曲11「Weak」

楽曲12「That’s How The Good Lord Works」

楽曲13「Sunshine」

楽曲14「Back to Life」

楽曲15「Souls Anchored」

楽曲16「Sweet Grace」

楽曲17「Paradise」

楽曲18「Satan, We’re Gonna Tear Your Kingdom Down」

楽曲19「Total Praise」

(対訳:Jun Nishihara)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲⑤「Shiny Suit Theory」(対訳:ジェイZのヴァース)

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楽曲⑤「Shiny Suit Theory」対訳:ジェイZのヴァース

[Verse 2: Jay-Z]
In this manila envelope, the results of my insanity
Quack said I crossed the line ‘tween real life and fantasy
Can it be the same one on covers with Warren Buffett?
Was ducking the undercovers, was warring with muh’fuckers
Went from warring to Warren, undercovers to covers
If you believe in that sort of luck, your screws need adjusting
In the world of no justice and black ladies on the back of buses
I’m the immaculate conception of rappers-slash-hustlers
My God, it’s so hard to conceive
But it all falls perfect, I’m like autumn is to trees
Aw, the doc interrupted
He scribbled a prescription for some Prozac, he said, “Take that for your mustard
Boy, you must be off your rocker
If you think you’ll make it off the strip before they ‘Pac ya
Nigga, you gotta be psychotic or mixing something potent with your vodka
It takes a lot to shock us but you being so prosperous is preposterous
How could this nappy-headed boy from out the projects
Be the apple of America’s obsession?
You totally disconnected with reality, don’t believe in dreams
Since when did black men become kings?”

(ヴァース2:ジェイZ)
この黄褐色の封筒に,俺の狂気の沙汰が封されている
ヤブ医者に言われた「おまえは現実と幻想をはき違えてる」
ウォーレン・バフェットに並び,これが表紙を飾ったヤツか
覆面ポリを避けて,連中たちと争いを続けてきた
争いからウォーレンへ,覆面から雑誌の表紙へと
そのような運を信じるのなら,あんたの脳味噌のネジに調整が必要だ
正義なんて無い世界,バスの後部に追いやられた黒人女性
ラッパー兼ハスラーの無原罪懐胎説,俺はその象徴
なんてこった,難産の極み
全てがピッタリハマる,紅葉の秋立ち
オゥ,医者が割り込んだ
俺に抗うつ剤を処方してくれた,こう言われた「おまえのその脳味噌にくれてやれ」
まるでイカレてんぜ
ベガスのカジノ通りを,パックのように撃たれず,生きて通れると思うのか
精神病にでもやられたか,もしくはウォッカに強烈な麻薬をぶち込まれたのか
俺らは簡単には驚かねえが,おまえが裕福ってのはまるで荒唐無稽
ゲットー生まれのチリチリ髪した鼻垂れボウズが
どうしてここまでの全米の羨望の的となり得たのか
まるで現実味がひとかけらも感じられねえ,夢を信じてどうなる
黒人野郎がキングになるなんて,いつのハナシだ

(対訳:Jun Nishihara)

JAY ELECTRONICAのアルバム『A Written Testimony』楽曲⑤「Shiny Suit Theory」(対訳:ジェイ・エレクトロニカのヴァース)

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楽曲⑤「Shiny Suit Theory」対訳:ジェイ・エレクトロニカのヴァース

[Verse 1: Jay Electronica]
In the land before time
A land before altar boys, synagogues, and shrines, man was in his prime
Look how far I go in time just to start a rhyme
The method is sublime, you get blessed with every line
I’m in touch with every shrine from Japan to Oaxaca
The melanated carbon-dated phantom of the chakras
Me and Puff, we was chilling in Miami
He said, “Nigga, fuck the underground, you need to win a Grammy
For your mama and your family, they need to see you shined up
You built a mighty high ladder, let me see you climb up
Nigga, what you scared of?
Terrorize these artificial rap niggas and spread love, pollinate they earbuds
Like you supposed to, spit it for the culture
Pay no attention to the critics and the vultures
They rather have a shot of Belvy just to spite you
They casting judgments ’cause they feel they got the right to
Fuck ’em, I let the dice roll like The Father did
I gotta shine, it’s in my blood, I’m a Harlem kid
I treat my babies right, treat my ladies ladylike
Hit them with a remix to make sure that they play me twice
I thought you said, “It’s the return of the black kings
Luxurious homes, fur coats, and fat chains”

(ヴァース1:ジェイ・エレクトロニカ)
その昔の大地でのハナシ
祭壇も無く,礼拝堂も無く,神社も無かった時代,人類は最も生き生き輝いていた
ライムの冒頭で,時代をここまで遡り
極上のメソッド,ラインが飛び出す毎に恩恵を授ける
日本からメキシコのオアハカまで,あらゆる神社のパワーを集め
放射年代測定法によって算出された黒い肌したチャクラの霊と繋がる
俺とディディ,マイアミでチルしてた
ディディに言われた「おまえなぁ,アングラなんてもうやめて,さっさとグラミー獲得しろよ」
「かーちゃんと家族のためにな,おまえが輝いてるとこ,見たがってんだろ」
空高くそびえる梯子を立てかけられ,俺はそれを登るところを期待されている
「おまえは一体,
何におびえてんだ?」
「ウワベだけのラッパーどもをブチのめして,愛を広め,リスナーの耳に受粉の種を植えつけてやれ」
「それがおまえの役目だろ,カルチャーのためにラップしな」
「批評家の言うことは無視していい,ハゲタカも気にすんな」
「ベルヴェデーレのシャンパン飲んで,人の悪口言ってればヤツらは幸せなんだ」
「権利があるからって人を軽蔑の目で見て,好き勝手言ってるんだ」
「糞食らえでいい,気にせずサイコロ転がしてればいい,クラレンス13のように」
ギラギラ輝いていたい性格,動脈を流れる,俺はハーレム野郎
子供たちを良く養い,オンナたちを淑女のようにモテなす
リミックスをヒットさせ,ちゃんと俺の曲を流してもらうために
俺には聞こえたぜ「黒人キングのお戻りだ。
馬鹿デッカイ豪邸に,身にまとうのは毛皮のコート,おまけにぶっといダイヤのチェーン」ってな

(対訳:Jun Nishihara)